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かちぐり

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 金沢に住んでいるからといって毎日毎日お菓子や御馳走喰ってる訳はなく、普段はタイムサービスで割り引きになったスーパーの総菜をオカズにメシ喰ってます。
 
 で、スーパーで見つけたのが、この『かちぐり』。
 殻、渋皮を剥いた栗の実を乾燥させたものです。
 ご存じの方も多いと思いますが、いわゆる「勝ち栗」という縁起物として、相撲の土俵なんかにも埋められているものですね。
 夕方遅くまで現場仕事に拘束されているため、調べる機会も無いのですが、正月の縁起物として「かちぐり」を食する地方が多いようです。
 ただし、私の住む山形では、スーパーで売っているのは見かけたことがありません(私の経験の範囲内では。)
 「かちぐり」がこうしてスーパーで市販されているというのも、古い城下町の金沢ならではなんでしょうか?

 ただし、裏面の記載を拝見すると、『原産国イタリア』と書いてありました(笑)


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車社会

 皆様もご存じのブランド、L.L. Beanが今年創業100周年を迎えるということで、同社の話題が最近ちょくちょくアメリカのメディアに登場しています。

 去る1月19日のNew York Timesに掲載された写真と記事がコレ。
Boots

L.L. Bean Outfits Bootmobile for Nationwide Tour by TheNewYorkTimes 2012.1.19

この延長6m、高さ4mというビッグなブーツ型自動車、創業100年記念祭のPRのために登場したもの。
画像ですと比較する物が無いのでわかりにくいですが、トヨタのハイエースワゴンの車高がだいたい2mですから、車高4mとかいうのは化け物みたいな車なんですな。

この車に関しては、すでに日本の一部のサイト、ツイッターでも話題になっていましたが、私の場合、どうにも違和感が沸き上がるのを抑えられません。

 いわゆる機械化社会・文明へのアンチテーゼとして、アメリカではアウトドア活動が盛んになったとゆーよーなウンチクを聞かされたり読んだりしたことがあったのですが・・・
 そのアウトドア活動を支えるギアメーカーの、創業記念のPRに 自動 車 ? ?
 しかもL.L. Beanのスポークスマンもこの車に関して

『We have it, so why not?』

 別にいいんじゃね?と軽いノリのコメント。

 創業記念の出し物が自動車、というのは私に言わせれば凄いブラックジョークですな。

 具体的に私の感想を言えば、アウトドア雑誌(という形式の中身のないカタログ雑誌)では自然回帰だの自然保護だの、もっともらしい事を能書きたれてますが、その現実は、自動車という文明社会の利器に頼った行為であることの象徴に見えます。

 でも実際そうですよね?
 登山口やキャンプ場までのアプローチや、アウトドア用品購入に、車を使う人多いですよね?

 さすがに当のアメリカ人でもこの点にひっかかる人はいるようで、上記リンク記事のコメント欄には『この車はL.L. Beanの社風に反するのではないか』と書いている方もいます。
 ま、環境環境と言いつつ、環境保護を標榜する暴力テロ集団に資金提供するパタなんとかいう企業を擁する矛盾大国アメリカらしい一幕でした。

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金沢日記 2012年1月第4週

1月某日
 和菓子消費率 日本全国第1位の都市、金沢。
 現場仕事の後、落雁で知られる諸江屋を訪れる。
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 落雁の木型が約700種、さらに様々な寺社専用の「お留型」が約1500種あるという老舗である。
 本日のチョイスは、
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 軟楽甘(なんらくかん)。
 落雁の起源は紀元前のギリシャまで遡るといわれ、中国を経て遣唐使によりもたらされた当時の名称が「軟楽甘」。クッキーのような硬さだが、香ばしさと和三盆の清涼感のある甘さがマッチして激ウマ。

1月某日
 日中はハードな現場仕事で脳みそも昇天。
 今回の作業スタッフの顔合わせも兼ねて、夜の金沢へ。
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 夜は巨大な「寒ブリかま」で昇天。
 アマゾン奥地に生息する軍隊アリ並みに、皆で寒ブリの頭を綺麗に食べ尽くす。

1月某日
 金沢では知られる柴舟小出を訪れる。
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 現場作業も終わった夜、うっかりして閉店直後に入店してしまった。
 私の作業服姿におそれをなしたのかわかりませんが、店員のお姉さんは優しく迎えてくれ、わざわざ店内の照明をつけ直してくださいました。恐縮。
 店の名前「柴舟」は、金沢を流れる犀川を柴を積んで運んだ小舟のこと。その小舟の形を模した、ショウガを効かせた煎餅「柴舟」で知られるのだが、店に入った私のハートを直撃したのはその名も「山野草」。
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「山」「野」「草」と3種類あるのだが、もちろん私のチョイスは「山」。
蒸しカステラと抹茶餡が2層になった菓子。
店のウェブサイトの画像にあるように、本当は小豆色の部分が上らしいのだが、草を模した抹茶餡が上の方が山の草地っぽくていいなあと勝手に解釈して上記画像を撮る。
 現場作業に疲れて帰宿した後のおやつ。

1月某日
 金沢到着時は非常に暖かく、「今冬は楽勝かあ~?」と皆で話し合った数日後・・・
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 思いっきりのドカ雪。
 寒波の襲来、あの暖かさはどこへやら、ずっと寒さと雪に悩まされることになる。
 海っぱたのためだろうか、午後になると米粒~ビー玉大のアラレが決まって降ってくる。
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 ドカ雪の中、除雪したりユンボが踏みつけて地面が露出すると、すかさず沢山の雀が舞い降りて、何かをつばんでいる。
 あらためて雀のたくましさに脱帽。

1月某日
 ふたたび諸江屋に参上。
 伝統の落雁もおさえておきたいので、
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 季節の落雁、「わび」を購入。
 よくある落雁のような、きな臭さや粉っぽさが無く、和三盆の甘さと寒梅粉(米粉)の滑らかさ。
 しかし伝統菓子よりツボにはまったのは、
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 諸江屋の「塩どら焼き」でした。

1月某日
 一週間のビジネスホテル暮らしを終え、ウイークリーマンションに引っ越し。
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 シュールなフランス映画のような部屋で暮らします。
 (撮影後、山形から送った荷物と本で部屋は散らかってます。)
 引っ越しを終え、作業スタッフの面々で加賀山中温泉で息抜き。
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 すずや今日楼・露天おわんの湯でしばし休憩。
 また明日から世のため人のため、現場作業にがんばりますです。

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ロープメーカーROCA、経営破綻

スペインの登山サイトDesnivelが報じていますが、スペインのロープメーカー ROCA が経営破綻とのこと。

Cuerdas Roca en concurso de acreedores. Algo nuestro muy importante se va... by Desnivel 2012.1.27

 Desnivalもサイトのトップで取り上げていますが、1891年創業のロープメーカーROCA社の倒産は、スペインの山岳関係者には重大な事態と捉えられています。

 国内産業、ロープ生産のような技術が失われること、収益性のみ優先され、高品質の製品を生み出すことが後回しにされている、と記事において嘆きの声があがっています。
 ヨーロッパの経済危機、特に厳しいといわれるスペイン国内の経済状態は、あのF1グランプリ開催すら危ういと言われていますが、今回のROCA倒産もその余波を受けた模様です。

 ROCAのロープは日本においてはマジックマウンテンが扱っていますが、今後の動向を見守りたいところです。

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ダイヤより岩場。

以前、雪山大好きっ娘+様で紹介されました、我が愛しきケイティ・ブラウン様ご出演のCMがこちら↓

 かつてシティバンクを利用していた貧乏人の私としては、口座管理料の名の下に金持ち優遇を全面に押し出すシティは好きじゃないので不祥事起こそうが倒産しようがどうでもいい金融機関なんですが、このCMはいいですね。もちろん、ケイティ・ブラウン様ご出演だからに決まってます。

 このCMを巡っては、下記記事中にもありますが、「CGではないのか?ホントに演じているのか?」「ロケ地どこ?」「この女優だれ?」と話題になり、かのCNNもこのCMについて取り上げたようです。

New belt,New shows,・・・and a real climb? by CNN Video

 さらに、インターネット紙The huffingtonpostの女性欄において、ケイティ・ブラウンを起用したシティバンクCMの背景について、女性の「結婚」という視点から切り込んだ記事を掲載しています。

Single Women Targeted By Citibank And Honda Ads by The huffingtonpost 2012.1.24

 以下引用開始
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 先月、テレビのゴールデンタイムに流れたシティバンク「ThankYou Points」のCMをご覧なったでしょうか。
 とても狭くてギザギザの岩場を登る女性クライマーが登場するCMです。彼氏より遙かに高いところからほほえんで、彼女は岩のてっぺんに立ち上がります。そして彼女が語ります。

 『My boyfriend and I were going on vacation. We talked about getting a diamond, but with all the ThankYou Points I've been earning, I flew us to the rock I really had in mind.』
 (私と彼は休暇を過ごす予定でした。私たちはダイヤの指輪を買うことを話し合いましたが、でも、私が得ていたThankYou Points全部で、私が本当に行きたかった岩場に出かけました。」

 または、今月放映された、同じようなテーマのホンダCRVのCMをご覧になったでしょうか。
 通りで女性がプロポーズされ、彼女の答えはこうです。
 「結婚?その前にやりたいことが沢山ありました。」 彼女のやりたい事の「リスト」が脳裏をよぎり ― 「OK」と、結局、彼女はプロポーズした男に答えます。「でも、始めに済ませておきたいことが沢山あるわ。」

 シティバンクのCMが放映され、ネット上で話題になりました。本当に演じているのか?その凄い形の岩はどこにあるの?そして、そのホットな女優は誰?
 このCMに関して、CNNがCGではなく実際に撮影されたこと、ロケ地はユタ州のモアブ、そして10代からコンペで活躍していたトッププロクライマー、ケイティ・ブラウンであることを報道しました。

(中略)

 CNNもタイムズも触れていないのは、これらの広告の驚くべき側面です。
 いすれも結婚というチャンスに飛びつかない、若い、魅力的な女性を示しています。

(中略)
 ハンナ・ローシンによる記事「男たちの終焉」で指摘されていますが、若い独身女性は以前よりさらに増加し、経済的にも独立しています。2010年2月の労働省報告によれば、女性雇用者の人数は、初めて全国的に男性雇用者数を上回りました。アメリカの大都市150中の147都市において、Reach Advisorsの2010年の調査によれば、30歳未満で未婚、子供がいない女性は平均して8パーセント、ニューヨークとサンディエゴでは 20代の女性については17パーセント、15パーセントという値を示しました。

 このストーリーを裏付けするのは、2011年12月のPewリサーチセンターによる公表レポートでした。アメリカの婚姻率は史上最低を示し、結婚した女性は晩婚の傾向にあります。
 独身女性は働き、より多く稼いでいる。2010年のデータから、最近の結婚に関するデータからはどれほどの独身女性がいるか、そして将来にわたり彼女たちは増加傾向にあるといえそうです。

 最近の結婚に関するデータが得られる前に、シティバンクとホンダCRVのCMクリエイター達は、独身女性が増加傾向にあるという結論に達したようです。
 今回放映されたCMは、それら高額商品を「独立を祝う道具」と表現することにより、夫たちよりもむしろ余裕のある女性たちに、車や金融商品を売りだすのです。

(中略)

 しかし、エマ・グレイがThe Huffington Post紙で最近指摘しましたが、結婚願望の強い、高学歴の女性たちは「The Bachelor」(1人の男性が30人の女性から1人選びプロポーズする番組)が好きです。2010年の国勢調査からは、高学歴の女性たちの多くは地位と高収入を得る仕事に就いています。
 言い換えるならば、ホンダは的確な目標に的確な宣伝を行っているのです。

 ホンダとシティバンクのCMについては、非常に成功した前例があります。
 ソリテール(訳者注:結婚指輪によく用いられる、1粒の宝石をあしらった指輪)を必要としない女性たち、高額所得者で35歳以上の独身女性を対象とした、デ・ビアスの『Ladies, raise your right hands,』という、2003年に賞を受賞したデ・ビアスの宣伝です。
 (訳者注:「右手のダイヤモンドは自立と強さの証」という意味の宣伝で当時世界的に有名になった)
 その宣伝は多くの独身女性の心を掴み、翌年にはデ・ビアスは結婚指輪以外でダイヤの売り上げが15パーセント増加しました。

 シティバンクとホンダのメッセージはより巧妙ですが、独身女性の心を掴んだデ・ビアスのように成功しているかは現在のところまだわかりません。
 あなたはどう思いますか?
 そして、あなたは私たちが見逃している、似たような宣伝を見たことがありますか?
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ご参考までに、こちらが記事中で併せて取り上げられているホンダのCM↓

なるほど、アメリカでも日本でも、独身女性の皆々様方は結婚よりもやりたいことが沢山あるんですね~

 トンカツだか婚活だか血眼になってる女性が多いとか日本のマスゴミは報じていますが、確かに私の周囲の山やってる女性の皆様も、ホグロやらアークやら高価なウェア身にまとって山行ってるもんなぁ。

 さて、日本の山やってる独身女性の皆様、ダイヤより「行きたい山」、でしょうか?

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Piolets d'Or2012 生涯功労賞にロベール・パラゴ

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 今年3月21~24日に予定されているピオレドール Piolets d'Or 2012の生涯功労賞は、「ザイル仲間の二十年」「マカルー西稜」でオールドクライマー(失礼)の皆様ご存じ、ロベール・パラゴ(Robert Paragot)の受賞が決まりました。

2012 Piolet d'Or Lifetime Achievement: Robert Paragot by Piolet d'Orオフィシャルサイト

 ちなみに同賞は2009年第一回がワルテル・ボナッティ、2010年はR・メスナー、2011年はダグ・スコットが受賞。昨年逝去したボナッティ氏を記念して、「ワルテル・ボナッティ賞」とも表記されています。
 ロベール・パラゴ氏はフォンティーヌブローで鍛えられたパリジャンとして、ドリュ北壁、アコンカグア南壁初登、ワスカラン北峰をはじめ、ヒマラヤではジャヌー、マカルー西稜の記録が光ります。
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2011年現在のロベール・パラゴ氏

 BMCの評では、ロベール・パラゴ氏の最大の功績として、アコンカグア南壁に代表される高々度の大岩壁のクライミングを挙げています。
 また2012年Piolets d'Or審査員として、最近ヤンモーロンをアルパインスタイルで登った中国の劉勇 氏が参加していることに注目すべきでしょう。

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金沢で暮らします

 本日より、冷え切った夫婦仲に見切りをつけ、カミさん子供と別居。

 毎年恒例、出張という名の『さすらいの土木作業員生活』の始まりでごわす。
 春まで、石川県金沢市某所で暮らします。

 山スキーシーズンに東北を離れてワンシーズン棒に振ること、山形県朝日少年自然の家の行事に全く参加できなくなること、子供達を積雪期のアクティビティに連れて行けないなどなど、山屋としてもガイドとしても痛恨の極みではありますが、そこは日本の由緒正しい現場土木作業員、会社の命令は絶対でありますっ!!(ケロロ軍曹風)

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金沢市の街はずれ、路地裏には古い風景が残っておりました。
山形の人間が金沢で心にとめたことなど、書きつづりたいと思います。

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育児日記2012・冬

2011年12月某日
娘、息子と風呂に入る。
息子いわく、
「サンタさんは、世界中の家にプレゼント配るから、すごいんだよ~」
娘いわく、
「・・・サンタってね、いないんだよ。・・・・ほんとはね。私知ってるんだ」
どうやら、娘の大好きな『うちの3姉妹』でサンタの正体を知ってしまったらしい。
松本ぷりっつのくそったれめ~
しかし娘のその一言に、嗚呼また一歩、親から遠ざかっていくんだなあと実感。

年明けて1月某日
日曜の休みもままならない現場作業。
今月は諸般の事情により、公休とる機会がなさそう。
それを見かねたのか、中堅若手リーダー格のK君から「休みとってくださいはー」というありがたい言葉に甘えて公休を取る。
公休日、息子の幼稚園の送迎は私がやる。
事情により、幼稚園児姿の息子を見るのは今日が最後になりそうだからだ。
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息子を幼稚園に送る車中、
「おとうさん、ようちえんに来るの、ひさしぶりだね」
と言われる。
(息子は最近、「ひさしぶり」という言葉がお気に入りらしい)
その上から目線の物言いに、息子の成長を知る。

その日の午後、カミさんに勧められ、娘の小学校へ行く。
娘の冬休みの宿題『書き初め』が教室外に展示されているという。
変質者や無差別殺人鬼に間違えられないよう、学校発行の保護者身分証を首から下げ、授業中の校舎に入る。
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古ぼけた剥製がたくさん展示されている理科室の前を通り過ぎ、リコーダーの音色が漏れ聞こえる廊下を進む。
教室の壁に貼られた、クラスの皆の、そして娘の「書き初め」を見る。

平日の午後。
生徒たちは皆教室で勉強中、誰もいない廊下。
いつのまにか歳を取り、親になっていた自分に気がついた。

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キム・ジャインちゃんがドレス姿にっ!!

日本全国9千万キム・ジャインちゃんファンの皆様、こんばんわ。

キム・ジャインちゃんがスマホCMの次は、有名女性雑誌のグラビアにっ!!

「クライミングクイーン」キム・ジャイン、ドレスを着て驚きのロッククライミング by スポーツ朝鮮2012.1.19

以下引用開始
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『スポーツクライミングのクイーン』と呼ばれるクライマー、キム・ジャイン(23・高麗大、ノースフェイスクライミングチーム)が驚きのコンセプトによるファッショングラビアで話題だ。

 所属会社オールザットスポーツは「キム・ジャインはファッション誌ハーパースバザー(harper's bazaar)で写真撮影とインタビューを行った」19日明らかにした。

 写真のキム・ジャインは魅惑的な黒のドレスにハイヒールを履いたまま、くらくらするような高い人工壁のホールドにつかまり、アクション映画の一場面を連想させる、強烈で魅惑的な場面を演出した。

 人工壁で行われた撮影で、キム・ジャインは競技用ウェアではないロングドレスを着用して、困難なクライミングの動作をよどみなく披露し、スタッフたちを感心させた。

 彼女は「普段から運動ばかりしている自分とは全く違う姿に戸惑ったが、今までにはできない様々な経験なので、楽しい気持ちで撮影に臨んだ」とファッション誌の撮影での感想を明らかにした。

 キム・ジャインは現在、スポーツクライミングのリード部門で世界ランキング2位を記録中だ。昨年のワールドカップ大会のうち6大会で席巻、世界第1位の奪還を狙っている。
 キム・ジャインのファッショングラビアは、ハーパースバザー2月号に収録される。<スポーツ朝鮮ドットコム>
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以上引用おわり

 おおーっ、ハイヒールで人工壁を・・・
 弘法筆をなんとかですな。
 ちなみにハーパースバザー(harper's bazaar)はNYで1867年創刊の世界初の女性誌。
 キム・ジャイン本人はフランスのクライミングサイトのインタビューにおいて、「韓国国内ではクライミングはまだまだマイナー競技」と発言していますが、なかなか着実に社会進出している様子です。

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山書を読むならば

Yk山と渓谷誌2012年2月号を読む。
正確には、連載オピニオン『山の論点』、山岳ジャーナリストの柏澄子女史による『「山書」という言葉を絶やすな』を読む。

●古典を読め、といわれても

 『「山書」という言葉を絶やすな』において、柏女史は現在の若者が山岳書の古典を知らないことを嘆き、「それには最近の本ばかり読んでいては駄目だ。古典も読まなければならない」と強く訴える。

 それでは、山岳書の古典とは、どこで読めるのだろうか?

 実はこのコラムの冒頭において、書店をみてもガイドや技術書ばかり、と柏女史は嘆いているのだが、事態は深刻なのである。
 私は小学生の頃から地元の公立図書館を利用し、そこで様々な山の本、大島亮吉や上田哲農から、ヒマラヤ、アンデス、アルプスの山行記から様々な山書に触れていった。
 歳月が経ち、社会人になった頃のことである。
 ふとした事情でパミール三山の記録が読みたくなり、公立図書館を訪れた。原真氏や田村俊介氏らによる、日本人によるパミール7000m峰登山黎明期の記録本である。
 
 ところが、蔵書を検索しても、本の名前が消えているのである。
 もしやと思い、高校生の頃読みふけった、数々の冒険記やヒマラヤ登山の本、メスナーや小西政継の著書を検索してみた。いずれも、蔵書から消えていた。

 そう、公立図書館では毎年多数の蔵書が廃棄されているのである。
 具体的には、日本の公立図書館の廃棄冊数は年平均で県立 1館当り6,667 冊、市区町村立では平均 2,961冊にのぼる。(文科省調査報告『諸外国の公共図書館に関する調査 調査結果の概要』より)
 この中に、多数の山岳書が含まれていることは想像に難くない。

 このエントリーを書くために、各地の県立図書館の蔵書をWeb検索してみたが、さすがに大島亮吉クラスの名作古典は保存されているようだ。しかし、柏女史お勧めの小西政継の著書あたりは心許ない限りである。

 山岳書の古典に関しては、最近は山と渓谷社も復刊に力を入れているようだが、かつては中公文庫が冠松次郎はじめ杉本光作、板倉勝宣など山屋なら必須の名作を出していたものだが、書店でも入手しにくくなっている。

 私は柏女史より年下の坊やなわけだが、そんな自分でさえも、ヒマラヤやアルプスへの夢を育むきっかけとなった高校生の頃と比較すれば、現在は格段に「山岳書の古典と出会いにくい」時代なのである。

 いや今はアマゾンとかネット購入とか、便利なシステムがあるだろ、という方がおられるかもしれない。
 だが図書館の書棚から実際に手に取り即、先人たちの文章を目にすることができる、という利便性はWebでもかなわないものがあると私は考えている。
 
 東京のような都会ならば、大型書店、山岳専門古書店、あるいは大型登山用品専門店で、充実した山岳書コーナーに容易に立ち入ることができるだろう。
 しかし地方都市ならば?
 意思ある登山者でもないかぎり、山岳書の古典には出会いにくいのが現実である。

 ただし、学生や若い衆は別だ、と釘を刺しておこう。
 自分の登山の指針となる書との出会いくらい、自分の意思で見いだすべきである。それが若さの特権なのだから。
 

●ハイカーの皆さん、郷土の山の本を読んでみよう

 柏女史はコラムのとりまとめで「つまるところ、私はもっと多くの登山者に山書を読んでもらいたいと思っている」と述べている。
 正論であり私も同感なのだが、価値観が多様化した現代の登山界において、あまりに大まかな結論づけではないだろうか。
 今もなお困難を求めて研鑽を積むアルパインクライマーと、山をやり始めた若者、そして中高年のハイカーでは、おのずと興味をひかれる本、読むべき本は、異なるはずである。

 現在の登山界において大部分を占める未組織登山者、特に中高年のハイカーの皆さんに対し、私は皆さんにとって身近な、いつも登っているような郷土の山の本を読んでほしい、と考える。
 そこで注目していただきたいのが、前記では蔵書の廃棄を嘆いた「公立図書館」の存在である。
 公立図書館で山の本が置いてあるのはスポーツ・レジャー・登山の書棚ばかりではない。公立図書館には必ずある、郷土資料・書籍のコーナーに貴重な本が所蔵されている。
 そこには「山と渓谷」「岳人」といった山岳雑誌のブックレビューでも紹介されなかったような、郷土の山の本があるはずである。

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上記画像は、最近山形市で出版された『盃山物語』という本。
標高256mの盃山は山形市東部に位置し、昔から早朝登山が盛んな、山形市民に愛されている里山だ。
この里山に関する本はあくまでも一例にすぎない。
みなさんの身近な山について、事細かな歴史、人との関わりが記された郷土本があるはずだ。
それは決して「山と渓谷」や「岳人」誌、大手出版物しか取り扱わない書店では読めない、山書なのである。

郷土の「山書」によって、自分が普段登っている山について新たな発見があるはずだ。
そこから、柏女史もコラムの結びで書いているように「自身の山の世界をひろげてくれる」し、「さらなる夢が広が」っていくだろう。

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【映画】 無言歌

T0010823p映画『無言歌』を観る。
映画『無言歌』公式サイト

山形国際ドキュメンタリー映画祭で名前を知られた王兵(Wang Bing)監督。
私はあの田舎臭い祭り騒ぎが嫌いなので、山形国際ドキュメンタリー映画祭には足は運んでいない。
ストーリーは1950~60年代、毛沢東の「批判大歓迎よ~」との呼びかけに応じて知識人がアレコレ言ったところ、「やっぱりオメーら右翼あるね!!」と中国共産党のチャンコロ共が多数の人々を弾圧・死に至らしめた、いわゆる『反右派闘争』による強制労働所での出来事をドキュメンタリータッチで描いた映画。

下記動画の予告編には「人間の尊厳」などという言葉が出てくるが、この映画にはそんなものは存在しない。
草もまばらな甘粛省のゴビ砂漠にある強制労働所。
過酷な労働の中、与えられるのは水に等しい粥ばかり。
飢餓の中、病に倒れた者の嘔吐物まで口に入れる場面。
直接の描写はないが、人肉食も横行する労働所。

この映画に、背景音楽は一切無い。
そして登場人物の表情に、笑顔も一切無い。
疲れ切った顔、悲しみの顔、苦渋の顔、それだけである。

冒頭から他人の食器を舐め、ゲロを喰うシーンが続き、この映画のストーリーの軸となる人物、囚われの身でありながら公安出身ということで所長の信頼も受けている「陳」が、老人に水を差し出す場面がある。

ただ、水入りのカップを差し出すだけの動作が、なんと暖かく感じられることよ。

毎日毎日、誰かが飢えと病で死んでいく。
そんなある日、ある囚人の妻が訪ねてくる。
彼は数日前に死んだばかり。
悲しみの中、妻が「みなさんで食べてください」とビスケットを差し出す。

それまで無関心をよそおっていた-いや、飢えと絶望で他人に関心すら無かった-男たちが、ぞろぞろと布団から出てきてビスケットを口に入れる。それはロメロ監督の映画に出てくるゾンビそのまんまだ。喰うことが生きること、それが全て、という世界。

囚人たちの住まいは、土の中に掘られた「壕」と呼ばれる部屋。
ムシロが風であおられ、時折ゴビ砂漠のまぶしい光が刺す。
映画において、ここまで乾ききった、残酷な光を私は知らない。

物語は一点の希望も無く、次々と囚人たちが死んでいくだけ。
あまりの死者の多さに囚人たちの一時帰郷が計画され、収容所の所長が「陳」に部下として働かないか、と問いかける。
その「陳」が布団にもぐり込んだところで映画は終わる。

ちなみにこの映画の製作は香港・フランス・ベルギー合作。
普段は日本国憲法草案などと偉そうに唱える嫁売新聞では「中国本土では上映の機会が無い」などと腰抜けな表現を用いているが、この映画は中華人民共和国内では上映禁止である。
監督の王兵はリスクをおかし、この映画を中国当局の目を盗み中国国内で撮影した。

私がこの映画に興味をひかれたのは、新聞評で王兵が「人間の誠意というものを描きたい」という意味の発言をしていたからだ。

他人のゲロを喰い、人肉食が横行する収容所で、病に伏した他人に水の入ったカップを捧げる。
「陳」のその行為に、私はたしかに人の誠意というものを観た。

映画「無言歌」予告編

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冬の食べ物日記・2012年1月

1月某日
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今日も現場からヨレヨレで帰宅。
食卓には、山形は庄内名物・寒鱈汁(右)、普段から喰いたいとカミさんに言っておいた「きくわた(鱈の白子)」(左)が並んだ。きくわたは、もちろん私の好みで酢醤油で生食。

1月某日
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金と色欲の大都会・仙台でお仕事。
たまたま「仙台朝市」の前を通る。
震災前、仙台に住み込みで働いていた頃、当ブログをご覧になった方からお勧めいただいた市場。
画像を撮影したときは人通りが少なかったが、朝晩は買い物客でにぎわっていました。

かつて山形駅前通りの歩道では、行商のおばあさん達が野菜などを売っていたものでしたが、現在はその姿もみられません。
実は今回初めて「仙台朝市」の様子を見ることができたのですが、あの金と欲望の大都会・仙台にこんな風情が残っていたとは恥ずかしながら知りませんでした。
しかも山形県内で勢いづいている大手資本のスーパーなみに繁盛している様子。
車よりも地下鉄・バスなど公共移動機関が発達した都会の仙台だからこそ、生き延びているといえるかもしれません。ちょっと仙台を見直した一日。(あ、あくまでもちょっとだけな。)

1月某日
職場にて。
当ブログにも度々登場している若手H君が、今シーズンを迎えている庄内浜でハタハタを大量に釣ってきたという。
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なんといっても冬の山形の魚、ハタハタです。
職場のみんなで、おすそわけを頂戴する。
持ち帰ったその日にカミさんに焼いてもらい、食べる。
スーパーで売ってるハタハタと違い、肉がプリプリ。
旬の食べ物。
たくさん釣ってきた人から、分けてもらい、それを食べる。
縄文、いやそれより遙か昔からの、食物の流通方法なんだろうなあ、と思う。

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【あの人はいま】イザベル・パティシェ、クライミング再開

その昔、ぴちぴちのタイツはいて岩登っていた好色エロ爺クライマーの皆さん、こんにちわ。

あのイザベル・パティシェが、クライミング再開したそーです。

¿Vuelve Isabelle Patissier a la escalada? by Desnivel 2012.1.5

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2011年現在のイザベル・パティシェ

 ご存じの方もいるかと思いますが、かつてはW杯はじめ世界的なコンペで数々の優勝を成し遂げていたフランスのイザベル・パティシェ、コンペ引退後はカーレース、ラリーの世界に身を投じ、ダカールレース他、カーレースの世界でも名をはせていました。日本の検索サイトでも、イザベル・パティシェの名で検索すると、クライミングよりラリーレースで検索されることが多いようです。

 イザベル・パティシェはラリーを通じて北アフリカのモロッコに惚れ込み、滞在するうちにモロッコ山中の素晴らしい岩場と出会い、クライミングを再開した模様です。

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モロッコでのクライミングの様子

クライミングも登山も、生涯楽しめるスポーツですよね。

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韓国アウトドア業界の不都合な真実

当ブログでは韓国の登山・アウトドア界に注目してきました。
日本を遙かに凌駕する登山人口や社会的認知度に度々驚かされてきましたが、当然、光には影というものがあるわけです。

韓国アウトドア業界の内幕、アウトドア用品メーカーと販売代理店に関わる暗部を、ソウル新聞が報道しました。

[アウトドアの不都合な真実] 不公正取り引きに泣く代理店 by ソウル新聞2011.12.19

以下引用開始
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[アウトドア不都合な真実]  不公正取り引きに泣く代理店
インテリア工事費用 通常では6000万ウォン、本社指定業者では2億ウォン

 アウトドア市場が爆発的に成長し、「副作用」も続出している。『ノー(NO)割引』施策とは異なり、業者別に別途の割引指針が用意されていたり、密かに割引販売がなされていて「適正価格で買って損をする」という話を確認することができた。 割引販売が幅広く行われ本社の価格統制が無いならば、代理店ごとに競争を通じて多様な割引率を定められるとの公正取引委員会の指摘が裏付けられる大きな課題だ。

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▲アウトドア用品店が集まるソウル、鍾路5街。アウトドアウェアの価格バブル論議が起きている中で、各店舗では多様なブランドの製品が、各々の割引率を提示して販売されている。(チョ・ヨンホ記者)

●本社の顔色をうかがって、こっそり5%割引

 ソウル新聞の取材結果、有名アウトドア用品メーカーは任意の割引販売を禁止していた。 店主A氏は語る。
「契約書上、不健全な取り引きを行った場合、代理店契約を解約することになっている。」「任意に割引販売して他の代理店に被害を招いた場合、本社の指針上割引可能な商品を一括購入で受け取った後、バラで割引販売した場合などが契約解約の要件になる」と説明した。 実際、任意に割引販売して閉店させられた場合もあるという。  店主B氏は「最近、割引販売して本社に摘発され、何箇所か代理店が契約解除されたと聞いた。それで気を付けている。」と打ち明けた。

 表向きとは異なり、「ビッグ3」等の有名アウトドア企業は通常「5%割引」を非公式に適用していた。 ノースフェイス、K2、コーロンスポーツ、ネパなどの店主は、
「本社で5%までは黙認するが、それ以上は代理店のマージン内でこっそりと割り引く。デパートは基本5%割引に商品券も与えて、VIPに対しては10%まで割り引く。デパートより高くて商売になるか?」と反問した。

 現金決済の場合は追加割引する所も少なくない。アイダー販売店のある店員は「本社方針は20%割引だが、現金決済の時は10%さらに割り引く。」として「噂にならないように」と頼みこんだ。
 ミレー販売店の店員は「20%割引が本社指針だが、現金で購入時は5%さらに割引する」とし、ネパのある店主は、「普通5%割引だが、実際に買うならば5%さらに割り引く。」 いくらでも割引の余地があることを示した。

 店主は衣類業界全般でなされる、本社指定業者でのインテリア工事の強要を、アウトドア成長の影の一つとも指摘した。
 店主C氏は「公正取引委員会で調査しようとするアウトドア価格バブルや不公正取り引き行為よりも、本社で4~5年ごとに内装インテリアを指定業者でリニューアルするよう強要する方がさらに問題」として、「業者ごとに差はあるが、リニューアルの時ごとに2億~3億ウォンはそのまま飛んで行く。」と暴露した。
 これを通じて本社では利益を取る反面、代理店の負担はさらに増えるということだ。

 店主D氏は「知り合い業者、インテリア専門業者、本社指定業者」三業者の価格を比較してみたが、本社指定業者価格を100とすれば専門業者は70、知り合いの業者は40ならばいいところ、として「本社指定業者でインテリア工事をすれば2億ウォンを超えるのに、知り合いに頼めば6000万ウォンもかからない。」と打ち明けた。
 一部店主は「本社の中には、ある系列会社や協力業者に途方もない利益を集める所もある。」として「公正取引委員会は本社と本社指定インテリア業者の癒着関係を調査してくれ。」と注文した。

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 価格・インテリア工事と関連した店主らの話は事実であろうか。
 取材チームは直接ビッグ3などアウトドアメーカーの代理店開店担当者に電話して「代理店を開きたい。」として開店・契約解約条件などに関して問い合わせをしてみた。

 コーロンスポーツ本社の代理店開店担当者は「よそは分からないが、販売価格だけはむやみに割引してはならない。任意で割引販売して摘発されれば、通知なしで閉店させたり契約解除する。 契約解約条件は契約書に書いてある」と脅した。 インテリア工事に関しては「インテリア形式と業者は全て本社で指定する。リニューアルは3年に一回ずつ、義務として実施しなければならない。」と釘をさした。
 K2担当者も「インテリアや販売価格を任意で決めてはならない。本社の指針に違反すれば契約を解約する。」と脅しをかけた。
 業界1位のノースフェイスは高い人気のため、代理店を出したくても出すことはできない状況だった。 本社担当者は「一日に問い合わせ電話だけで100通程度かかってくる。今、全国にノースフェイス販売店のない所がない状態で、売り場を出したくても場所がない。 来年春以降、調べてみなければならないだろう」とした。

●契約更新の時に不利益など

 ノースフェイスは割引販売やインテリア工事に対して、表面的には代理店店主に権限があるように話したが、裏面では制裁と不利な条件が隠されていた。 本社担当者は「ノースフェイスは販売店の経営権を持つ店主が非公式に割引販売することができる。」と強調した。
 だが「その場合、他の代理店と摩擦が生じて困る場合があり、本社にとって不都合であるだけでなく、本社と業務上、衝突することもある。(結局) 1年ごとに行う契約更新の際、不利益をこうむることになるだろう」と付け加えた。
 インテリア指定業者は3社あるが、その業者で行うように強要することはなかった。担当者は「個別に知っている業者でしてもかまわないが、「工事監理費」は別途に負担しなければならない。」として、「契約前ですので、監理費金額を明らかにすることはできません」と話した。 インテリア費用は坪当たり280万~300万ウォンだった。 ノースフェイスの代理店許容規模は最小231㎡(70坪)だ。 それ以下では販売店を出すことができないという。インテリア費用だけで1億 9600万ウォン~2億 1000万ウォンがかかる。

●不人気製品挟んで売ること強要されて

 取材チームが接触した他の企業も同じだった。ネパ担当者は「インテリアは本社指定業者でしなければならない。」、トレクスタ担当者は「割引率は本社で決めることで、これに違反すれば契約解除になります。インテリアは本社指定業者で施工しなければならない。」と強調した。

 衣類業界の慣行である、通称「押し入れ」(または「挟みこみ」)も盛んである。
 店主 Eさんは「本社でよく売れない商品を「挟みこみ」いったふうに、強制的に割り当てる。」 店主Fさんは「会社の規模を大きくするために、ウェアは委託で与えるが、登山靴やコッヘルみたいなキャンプ用品・装備などは仕入れ形式で押し売る。本社の言うことを聞かなければ、商品を確保することができないから泣く泣く従うしかない。」

取材、キム・スンフン、チェ・ジスク、ペ・ギョンホン、ソン・スヨン、ハン・セウォン記者
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以上引用おわり

 この記事を読んで感じるのは、あらためて「適正な価格とは何か」ということです。
 登山・アウトドアギアを実際に使う消費者側からみれば当然「よい品をより安く」ということにつきますが、資本主義社会ですから、メーカーも販売店も利益をあげ企業として存続を図る姿勢は当然のことです。
 登山用品という性格上、命がかかる重要なギア、信頼できるギアなら多少高額でも購入するでしょう。一方、ネットオークションで中古のロープやクライミングギアを購入する方もいます。
 消費者にとっての登山用品の価格とは、ある意味消費者個々の価値観に委ねられる側面もあります。

 登山界やアウトドア業界のあり方として、山岳メディアでとりあげられるのは常に消費者、用具を購入し使う側にしかスポットがあてられません。
 短くはない期間、韓国メディアに着目していますが、登山用品メーカーと販売代理店の関係に切り込んだソウル新聞の記事は、ある意味画期的な記事でした。

 記事中にあるような販売店の内装工事の強要は論外として、メーカーと販売店との関係が良好であることも重要な事ではないでしょうか。韓国ではアウトドア用品、特にウェアに関しては『価格バブル』の噂はチラホラ聞こえており、気になるところです。

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殺人犯がキャンパーのいる国立公園に逃亡!そのとき男たちは・・

冬季もBCスキーヤー、スノーシューやキャンプを楽しむ人々でにぎわう、アメリカ・レーニア国立公園。
ここで2012年の元日、女性パークレンジャーが射殺されるという惨劇が発生。
しかも犯人はキャンパーのいる国立公園内に逃亡。

犯人を捜索するヘリが飛び、事件発生を知らないキャンパーを発見。
キャンパーたちは無線を持っておらず、携帯電話は圏外で使用不能。
拡声器による呼びかけは、犯人の捜索に支障があるため使えない。
そこで捜索ヘリの男たちがとった手段とは・・・

Coffee cups deliver warning to campers on Rainier by The seattle times 2012.1.4

捜索ヘリのパイロットがとった手段、
それは紙コップにメッセージを書いて上空から投下することでした。
Cup
実際に投下された紙コップ(Photo by Jen Berthiaume)

この事件の発端は、1月1日。
シアトル市内のハウスパーティーでのいざこざから、銃撃事件が発生。
犯人のベンジャミン・コルトン・バーンズはレーニア国立公園方面に車で逃走。
同日、犯人逃走防止のバリケードを準備していた女性パークレンジャー、マーガレット・アンダーソンがバーンズに撃たれ、亡くなってしまったのです。

200人の捜索関係者、熱線追尾装置まで用いられてベンジャミン・コルトン・バーンズの捜索が開始されましたが、事件はあっけなく終わりました。

Tシャツにジーンズという軽装で冬のレーニア山中に逃亡したバーンズは、翌2日、低体温症で死体となって発見されたのでした。
メディアではバーンズはイラク帰還兵と報道されていますが、法の裁きを受けることもなく冬山であっけなく死に、残されたのはマーガレット・アンダーソンの遺族や親しい者の、怒りと悲しみだけになってしまいました。

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岳温泉 『風花』

 安達太良山へ。

 以前から感じるのだが、日本の山岳メディアの山スキー(なんか今はバックカントリースキーとか言うらしい)記事って、あまりに「滑降」にウェイトを置きすぎではないだろうか?
 そりゃスキーだから「滑降」が目的だろ、と言われそうだが、ここ東北では移動の手段、登高の手段としての「スキー」にウェイトが置かれていたはずだ。
 
 今シーズンは「東北」というエリアをもっと知るべく、まんべんなくいろんなところを廻ってみようと思った。
 その第一弾に、山スキー入門者のスタンダード、安達太良山に行く。

 などと意気込んだのはいいものの・・・
 あだたら高原スキー場に到着してみると、
 Yamato
 雪~!雪がぁ~!!

 ゴンドラは登山者のために稼働しているものの、ゴンドラ上駅の薬師岳からゲレンデまで「雪不足でスキー滑走は無理です」と切符売り場のお姉さんに死刑宣告される。
 急ぎ車に戻り、山スキー装備一式はデポ、登山靴に履き替えて再出発。
 ここまで来たので、本日は安達太良山頂を踏むことに目的意識を切り替える。

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ゴンドラ上駅での、登山者たちのにぎわい(午前9時)

ゴンドラを降り、薬師岳から先は積雪も中途半端で、生い茂ったシャクナゲの枝をかきわけかきわけ、歩くことになる。
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登山道の両脇に繁茂する、冬も緑色を見せてくれるシャクナゲ。
この緑色のおかげで、色彩が単調になりがちな冬山でも柔らかい印象を与えてくれる。

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頂上で気温は-3.8度。
岩肌の雪の結晶の輝きに目を奪われる。
風も穏やかで周囲の景観の見通しも良い。
私は普段悪事ばかり働いているので、他の登山者の皆さんが善男善女だったおかげだろう。

午前中のうちにさっさと頂上を往復し、ゴンドラで下る。だって楽なんだもーん。
アクリル張りで見晴らしの良いゴンドラに一人で乗る。
ちょうど雪が降り始めた。
軽くてフワフワした雪。
ゴンドラの下るスピードの方が、雪が舞い降りるスピードより速い。
そのため、ゴンドラのまわりは下から雪が舞い上がっているように見える。

まるで以前に記録画像で観た、マリンスノーの中を行く深海潜水艇のような光景。
美しい風景に出会う時は、たいてい私一人だけだ。
テルモスのコーヒーを飲みながら、下駅に到着するまで周囲の風景を楽しんだ。

岳温泉で体を温めた後、岳温泉街から少し離れたところにあるケーキ屋『風花』に直行。

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山スキーの適期は外しても、美味しいケーキ屋は外しません。

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『風花』にて、ダージリン紅茶とチーズカップケーキで一休み。
チーズカップケーキ、表面に焦げ目をつけたベイクドチーズケーキ。重厚な味わいで◎。
紅茶のカップと皿も店オリジナルのものか?大量生産の品ではない、手作り感あふれるカップで◎。

窓際の席で、窓の外にちらつく雪を眺めながらぼんやり過ごす、連休最後の昼でした。

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映画『星空』

あー観たい!!
昨年こんな映画が台湾で公開されていたとは知らなんだ!

台湾映画『星空』
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ストーリー
原作は台湾の絵本作家・幾米(ジミー・リャオ)の絵本『星空』。
両親の離婚問題に悩み、孤独感をつのらせる13歳の少女・小美が、転校してきた同級生の少年・小傑と一緒に、星空を見るために 山 へ 旅 に 出 る というファンタジー映画。

馬鹿の一つ覚えみたいな日本の映画評論家の言葉を使えば、中学生の初恋を『みずみずしいタッチで』描いた映画、なんですかね。
(でもタウン誌とかの映画評みると、高校生が出る恋愛映画って必ず「みずみずしいタッチ」って書いてあるよな。奴らは他に言葉知らないのか?)

私としては、映画そのものはもちろん、二人が訪れる山の舞台が台湾の阿里山ということに興味津々ですな。
台湾メディアでは早速、映画のロケ地・阿里山を訪れるレポートも掲載されてます。

台湾をチャリで縦断、あのクソ熱い空気も昼間襲ってくるスコールも経験した身から言わせてもらえば、あの湿潤な雰囲気の台湾の自然って、中学生の初恋を描くにはいいよなーと思うのですが。

予告編にもでてきますが、山中に現れる山小屋は映画のために500万元(日本円で約1300万)で製作したセットらしいですが、地元自治体の理解もあって保存が決まっているそうです。

映画『星空』予告編

映画『星空』山岳ロケの記録動画

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韓国人クライマー、アルパインスタイルを問う。

 韓国の月刊『山』誌において、昨年のパク・ヨンソク氏、キム・ヒョンイル氏の事故に端を発してアルパインスタイルの是非を問う座談会が開催されました。

 池田某老人に洗脳されたクライマーが多い日本とは対照的に、「アルパインスタイル」を正面切って批判する議論が読みどころです。
 また日本では断片的な(クライミングの成果)報道しか無いデニス・ウルブコに関する評価も注目すべきでしょう。
 堅実で、真剣に山に取り組んでいる日本のアルパインクライマーであれば、私の余計なコメントを挟まずに韓国のクライマーの思想を読み取ることができるでしょう。
 以下に掲載します。

[アルパインスタイルの登攀]討論会 by 月刊『山』2012年1月号
以下記事引用開始
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[アルパインスタイルの登攀]討論会

司会 ハン・ピルソク部長
写真 ヨム・ドンウ記者

「スタイルがクライミングの目的にはなり得ない」
アルパインスタイル登山の目的と方法について登山家たちの激しい討論
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▲去る12月14日、月刊「山」編集室で開催されたアルパインスタイル登攀の討論会でキム・チャンホ氏が意見を発表している。

「アルパインスタイルのクライミングだけが最高のクライミングなのか。標高8,000m峰のノーマルルートの登山は価値がないのか。西欧の先鋭的な登山家たちが追求するアルパインスタイルの登山を、私たちも追求しなければならないのだろうか。ヨーロッパはアルプスで、アメリカではアラスカで、ロシアは中央アジア周辺の高山や困難なビッグウォールが数多いカフカスで、アルパインスタイルのクライミングを経験することができる。 私たちの条件はどうか。 技術と能力はどうなるのだろうか。」

 いつからか「アルパインスタイル」がヒマラヤ登山の定番として定着した。一方、韓国のヒマラヤ遠征隊が40年以上にわたり定石として選んできた極地法登山は価値のない登山として軽蔑されるに至った。
 去る12月14日午後、光化門の月刊「山」編集室において、現役のヒマラヤニスト、クライマーたちが席を共にしてアルパインスタイル登山の議論を重ねた。

 この席にはパリルラプチャ北壁をはじめ、何年もアルパインスタイルのクライミングを追求してきたユ・ハクジェ氏(フィラスポーツ技術顧問)、チェ・ソクムン氏(ノースフェイス)、8,000m峰13座無酸素登頂者のキム・チャンホ氏(モンベル技術顧問)、8座登頂者のキム・ミゴン氏(韓国道路公社、バーグハウス)、そして高所登山評論家のオ・ヨンフン氏(ソウル農大OB)、ヒマラヤ登山専門旅行会社のユーラシアトレック代表ソ・ギソク氏、2011年に山岳大賞を総なめにしたパク・フィヨン氏(城南スパイダーマン、ノースフェイス)、2007年のエベレスト南西壁遠征隊隊員のイ・ヒョンモ氏(関東大OB)、ジョン・チャンイル氏(竜仁大OB)、キム・ヨンミ氏(江陵大OB)、イ・ソンジェ氏(仁荷大OB)など15人が参加し、率直な議論を交わした。

◎総合的なクライミング能力と創造性に後押しされてこそ可能なクライミング

ハン・ピルソク 最近、残念なことに私たちが愛してやまない先輩・後輩たちが山で帰らぬ人となりました。あまりにも残念でなりません。このような事故を容認してまで、アルパインスタイルの登山をするべきなのか。最近の二度の事故をどのように考えますか?

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▲ユ・ハクジェ

ユ・ハクジェ 人災ではなく、天災だ。登山が未熟だったのではない。特にパク・ヨンソク氏の場合は天災だ。対応能力はすばらしかったが、あえなく事故に遭ったようだ。キム・ヒョンイル氏の場合は休んでいる際の事故で、雪壁の崩壊など一種の天災ではないかと思う。アンナプルナは雪崩が多く、チョラツェの付近で私が登っていた時もホワイトアウトが激しかった。天候の安定した日を決めにくかっただろう。

キム・チャンホ クライマーがアルパインスタイルで登る場合、ベースキャンプとのコミュニケーションが減る。それでもパク・ヨンソク隊は、状況を知ることができる状態だったが、チョラツェ隊は、状況を知ることができなかった。1992年のフランス隊とルートがほぼ同じで落石や雪崩の危険性については認識していただろう。パク・ヨンソク隊長がポストモンスーンの登山を決めたのも、そこにあると思う。午後になるとガスって状況は良くない。計画する上で、客観的な危険性を研究・分析してすべてカバーできるならば、クライミングなどしないだろう。備えることができない部分がある。チョラツェの墜落死は、判断が難しいと思う。

ユ・ハクジェ 休憩中という無線を受け、遺体が寝袋の中で発見され、両隊員が10秒以上の差を置いて墜落した。ロープを結んでいないことから、休憩中に地形の変化があったのではと思う。個人的な見解です。薄い雪壁に座り込む場合もある。上部からの雪崩に押されて墜落したのではないかと思う。

キム・チャンホ 北壁は乾燥している。2005年にバク・ジョンホンと登る時も困った。

ユ・ハクジェ チョラツェは10日間、ホワイトアウトだった。上では雪が降っている状態だと思う。

キム・チャンホ 国際山岳連盟(UIAA)の定義では、アルパインスタイルのクライミング(Alpine Style Climbing)は、クライマーは6人以内、ロープは、チーム当たり1〜2本、固定ロープは使用せず、他のチームが既に設置した固定ロープは使用しない。ここでは、事前の偵察登山をすることなく、高所ポーターやシェルパその他支援を受けず、酸素ボンベを携帯したり使用しないクライミングと規定している。これらの条項は、ヒマラヤ登山において、規制というよりは一つのガイドラインとみることができそうだ。

オ・ヨンフン 外国では、アルパインクライミングという言葉はあまり使わない。外国のクライマーの場合、6,000m峰は当然アルパインスタイルで登るためだろう。ただ6,000m以上の高峰をアルプス登攀スタイルで登ればアルパインスタイルのクライミングと表現し、そのような登山をスーパーアルパインクライミング(Super Alpine Climbing)と表現する。もちろん8,000m峰で行われた場合は、当然、アルパインスタイルの登山をしたと表現する。
 ヒマラヤ遠征隊の90%が8,000m峰のノーマルルートを登る。アルパインスタイルの登山が占める割合は3%程度だ。国で言えば、イギリス、イタリア、スペイン、フランス、アメリカ、日本、そして最近になって中国の幾人かのクライマーもアルパインスタイルのクライミングに取り組んでいる。

ハン・ピルソク アルパインスタイルの登攀を規定した意味は何なのでしょう。

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▲キム・チャンホ

キム・チャンホ 国際山岳連盟が基準を定めたものだが、あえてその基準に合わせようと無理をする必要はないと思う。外国のクライマーはクライミングのスタイルは気にしない。スタイルは、登る手段に過ぎず、目的にはなり得ないと思う。登ろうとする山に合うクライミングのスタイルとパートナーを見つけるのがもっと重要なことだ。垣根を壊し自由に登るのが登山の哲学に似合い、クライミングの本質という面でより一層意味があると思う。
 マロリーは「山がそこにあるから」と語った。ハーバード大の学生の質問にマロリーは、エベレストに行くのは限界を明らかにし挑戦する場所、そんなものがそこにある。"Because it is there。" マロリーが言った、"it"は、まさにそのようなものです。それなら私たちが考える"it"は何ですか?

ハン・ピルソク セミアルパインクライミングという言葉を、外国でも使いますか?

オ・ヨンフン セミアルパインクライミングは、外国では使わない。

ユ・ハクジェ セミアルパインはある。

キム・チャンホ エイドクライミングのワンプッシュクライミングは、アルパインスタイルの範疇に入りますか?

ユ・ハクジェ エイドクライミングはアルパインスタイルに入らないでしょう。

ユ・ハクジェ アルパインスタイルのクライミングは、高難度のクライミングだ。岩壁、アイス、ミックスクライミングだけでなく、ビバークテクニックに至るまで、総合的な登山能力が無ければならない。ところが、ほとんどワンシーズンの冬の雪岳山で1泊2日のクライミングを一回程度経験した者がすべてアルパインスタイルの登山をするとすれば問題だ。挑戦する山に見合った技術を学び、取り組まなければならない。
 また隊員が多数なのに一、二人に依存している遠征に出ではならない。極地法登山の場合は、1,2人がリードし残りの人々が後をついていけばよい。しかしアルパインスタイルの登山は違う。信じていた人が事故に遭った時、他のパートナーに能力が無ければ悲惨な状況になるだろう。隊員全員が自分の能力でクライミングできなければならない。

キム・チャンホ アルパインスタイルのクライミングは、創造的なクライミングです。瞬発力も必要とする。このようなクライミングで浮き彫りになるのは、社会現象がそうであるように、クライミングも自然に成熟していく過程を経なければならないようです。2012年にヒマラヤ遠征に行く20チームのうち半分は大規模な隊だ。一方、三、四人でトランゴタワーのような中レベルの標高の対象を狙うチームも増えている。このような観点から私たちの山岳界が多様化して成熟していくのではないかと思う。

キム・セジュン 私の場合、壁を登る場合は、場合によってはロープを張ることも、そのままロープを上げていくこともある。方式や方法が重要だとは思わない。しかし、登山の対象がますます高くなっていけば、装備や食料が負担となることは事実だ。去年の夏、ラトックII峰登山では、以前に比べて装備品は10%しか使っていない。やむをえず軽量アルパインスタイルのクライミングを目指すようだ。ちょっと追われながら登るのではないかと思うが、今は高所のビッグウォールに目を向ける必要はないかと思っている。

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▲ソ・ギソク

ソ・ギソク アルパインスタイルのクライミングは、最近当たり前のトレンドとして定着した。私たち登山家の間でも10〜20年前にアルパインスタイルの登山をした人々はいる。ただ当時はそんな概念がなかっただけだ。当時の先輩たちは準備をたくさんした。驚異的な訓練をして、勉強もたくさんした。ところが、たまにあきれた人々が訪ねてくる。無条件に誰も行かない山を探してもらう。そのような姿勢で何が良いクライミングが成り立つのかと思う。

◎なぜ好きな山で綱渡りをしなければならないのか

キム・チャンホ ヒマラヤ8000m峰14座完登後、厳しいクライミングを続けているカザフスタンのデニス・ウルブコとマカルーで会ったことがある。ピオレドールを三度も受けた凄いクライマーだ。後輩をトレーニングする姿を見た。マカルー・ラ(7,200 m)にテントを張り、後輩とロープを結んで、2時間の訓練をして、テントに戻ってお茶を飲むという訓練を繰り返していた。二人は、マカルーに登頂し、最終的にチョーオユー南壁に新ルートを開拓した。
 しかし、チョーオユー南壁登攀に対してヨーロッパの友人たちの見方は様々だ。何より「ウルブコは自分だけ上れるようなところでクライミングをする」という見方だ。ヨーロッパの友人の間では、多くの人々が雪崩などの自然災害を無視するクライミングには、減点を与える。

ハン・ピルソク 8,000m峰、ノーマルルートのクライミングは低く評価され、クライマーはアルパインスタイルのクライミングに追われるように集まっていくようだ。

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▲キム・ミゴン

キム・ミゴン 私たちはがヒマラヤを目指すのは登山家としての自然な成長過程だった。山が良くて通ってみれば、目標かますます高まったのだ。ところが、その好きなところで、あえて綱渡りをしなければならないのかと思う。私は必ず生きて戻ることができるという考えで遠征に出かける。適度にスリルを感じるのは確かだが、命をかけて登ることについては懐疑的だ。たまに先輩たちが、「この頃、誰が8,000m峰に行くのか。6,000〜7,000m峰の壁に行かなくてはならない"と語る。そのような話に引きずられれば、安全は後回しになってしまう。普段からアルパインスタイルのクライミングをする環境がない私たちは、あえて西洋のスタイルを選択しなければならないのかと思う。ヨーロッパのクライマーは、最近になってアンザイレンもよくしない傾向がある。下山の途中、誰かが遅れればさっさと諦めて降りてくる。そんな人間味のない登山をしている西欧のクライマーが作った枠組みに合わせる必要はないと思う。

チェ・ソクムン 個人的には、誰も行かないところにルートを作るということに何の意味があるのかと思う。初登以来、誰も行かないルートはあまり意味がないと考える。登山シーズンなら行列ができるインスボンのような岩壁にも、何年もの間登られていないルートがある。そんなルートは、やはり問題があるのではないか?

ユ・ハクジェ 危険と困難を勘違いしているのが問題ではないかと思う。

チェ・ソクムン ヨーロッパでは、他人が登っていても難易度が高いと考える人は多い。ヨーロッパのアルパインスタイルの登山家たちは、高難度のクライミング能力を持っている。5.13クラスのルートをこなせるだけの技術がある。日本のギリギリボーイズのメンバーのうち、カランカ(6,913 m)北壁を登った佐藤のような友人も、5.14級クラスの経験豊富なクライマーだ。

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▲オ・ヨンフン

オ・ヨンフン アルパインスタイルか極地法なのか、というクライマーの個人の選択だけのことだ。何がより良くて、何が遅れているなどとは思わない。先日、アメリカで研修した際にデニス・ウルブコにインタビューしたことがある。彼はチョーオユー南壁登山に対する議論について、「クライミングのラインの選択は個人の能力だ。リスクの解決策はある」と一蹴した。彼は「グリーンランドのような場所は余りにも容易だ。しかしヒマラヤは他の人々が思いつかないクライミングの可能性がある。考えられないほど困難な対象がある。」と話した。
 私は、アルパインスタイルのクライミングに対し、多くの可能性のあるクライミングだと言いたい。真の困難を追求できるからだ。アルパインスタイルのクライミングは時間との戦いだ。そのため軽量の装備を担がなければならない。何よりも短時間でクライミングを終わらせなければならない速攻登山だからだ。

◎およばない人を導くクライミングも、良いクライミングではないのか?

キム・ミゴン 結論ありきで、そこに至る過程が省略されている。文化の違いだと思う。私たちにふさわしい登山の文化を生成し、欧米の視点に引きずられるのはやめましょう。

キム・チャンホ 引きずられるしかない。ヒマラヤへの進出とクライミングの歴史、深さが違う。外国のクライマーは初登など、享受できることはみな享受して、量的なものより質的な内容を目指した。私たちの登山界も、もう量的にはある程度解決されたと見ています。

ソ・ギソク アルパインスタイルのクライミングが極地法に比べてより刺激的ということは事実で、それを追うのは人間の本能だ。外国もヒマラヤ登山の創生期には、国家レベルの大規模な遠征をした。アルパインスタイルのクライミングは、時間も費用も豊かではない現代のクライマーが可能な、自然なクライミングのスタイルだ。
 エンドルフィンは苦痛の中から出てくるのではないかと思う。ヒマラヤ登山をしていると、こんな寒いところでなぜこんなことをしているのかと思うことがある。そのような面で、アルパインスタイルのクライミングは、苦痛を楽しむ行為ではないかと思う。

チェ・ソクムン それでアルパインスタイルのクライミングは、ガン予防に良いというようなものですね。山を最も自由にクライミングできる方法という面では、優れたクライミングの手法といえるでしょう。

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▲イソンジェ

イ・ソンジェ 何か学ぶことが多いだろうと思って今日この席に参加しました。2006年に除隊すると同時に、アマダブラム遠征に参加しました。しかし、後輩を6人も抱えて負担が大きかったです。多くを期待して参加した遠征でしたが、あまり楽しくありませんでした。アマダプラムが、本当に私の行きたい山だったのかと考えるようになってしまいました。そのため半年、好きだったインスボンも行かなかったんです。
 何よりも、登りたい山がなければならない、という考えを持つようになりました。2009年に私が行きたい山に行ったところ、満足度が高かったんです。このような経験を後輩たちにも伝えて、より高い山に登りたい。何より山に行って後悔したいと思わないし、良い思いを様々な人と分かち合いたい。また山で後悔したくないという気持ちを大事にしています。

オ・ヨンフン アルパインスタイルの登攀は、西欧の個人主義の思考から始まった登山手法だ。様々な人が登ろうとするなら、葛藤を経験するしかない。一人一人の満足度を高めるには、人数を最小限に抑える必要があります。しかしロシアのような国では、単独登攀は気違いのやるクライミングで片づけられてしまう。今もチームワーク登山を地上最高のクライミングに選ぶ。ピオレドールを4度も受けて、高難度のビッグウォールを何度も単独でやり遂げたヴァレリー・ババノフは異端者扱いで、極地法登山とアルパインスタイルを特に区別しないカザフスタンのデニス・ウルブコもやはりこの地域ではまれな存在です。
 このような面からも、私たちもあえてアルパインスタイルのクライミングを追求するのが正しいのか、考えてみなければならないようだ。上手な人1,2人が登るのもいいが、およばない人々をリードしながら登るのも、いいクライミングではないかと思う。

キム・セジュン 韓国にこのような話を聴き、良い方向に導く山岳評論家が少ないのが惜しいですね。

キム・ミゴン 昨年秋、フランスのクライマーと一緒にシシャパンマ南壁を登った。その友人は、「なぜ固定ロープを設置するのか」と尋ねてきた。「安全に下山するために設置する」と答えたところ、フランスの友人は「無謀登山で噂の韓国隊が降りてくることを考えながら登るのか」と切り返してきました。その友人は頂上アタックに失敗したらスキーで矢のように下山しました。目的はスキー滑降だったんですね。

P8
▲キム・セジュン

キム・セジュン 常に未知の壁がクライミングの対象なので、準備や情報が不十分なことが多い。候補地を決めれば、通常は3〜4年かけて準備をする。それでも現地に行けば不足しているものが多いと思う。以前は登攀隊員だけ考えていたが、最近になってベースキャンプマネージャーも重要だと考えている。あらゆることが起きた場合に備えてです。

ユ・ハクジェ チョラツェ北壁事故の場合、キム・ヒョンイル、ジャン・ジミョン隊員がロープを結ばないまま、それぞれシュラフに入って休んでいる間に墜落したという点で、雪崩が発生したか、もしくは休むために固めた雪面が崩れて起きた事故ではなかったかと思っている。それが非常に残念だ。登山の前に、可能な限りフェースやクーロワールは登らない方がいいと勧めた。私の場合、壁を登る時は絶対にガリーやクーロワールには入らない。クライミングのラインも3本は掴んでおく。クライミングの途中で行き詰まったり、とても難しいと思ったとき、他のラインを選ぶことができるからだ。
 実際には、36時間以内に北壁の登攀とノーマルルートの下降をこなすのは容易ではない試みだった。2005年冬に登ったバク・ジョンホンとチェ・カンシクの場合、3日間ビバークして、頂上を経て下降中に事故に遭った。

◎情報が多いと能力も一緒に向上するわけではない

ハン・ピルソク 話を伺えば、アルパインクライミングというが傍らからみれば準備が不十分な場合もみられる。もう少し入念に、クライミングに先立ち候補地をもっと注意深く見ていたなら、という物足りなさが残る。

キム・チャンホ 私たちクライマーの間でも、多くの人々が特別な高所順応なしで登ったりもした。私の経験ではそれは可能なのだろうか、と思う。海外の友人たちはアルパインスタイルのクライミングに先立って、ベースキャンプ周辺の山や他の場所で登山をして来て、必ず高所順応を行う。
 アメリカの研究者の調査によれば、どんなに高いところで順応したとしても、海面近くに降りてきて2週間も過ぎれば高所順応の効果が消えることが分かった。私の場合でも、年に4つの山に行っても、その都度7,000mに行けば頭痛がする。アルパインスタイルのクライミングは非常に躍動的なクライミングだ。隊員1人でも、体調が悪くなれば登山は破綻する。そこでアルパインスタイルの登攀で最も重要なものの一つとして、高所順応が挙げられるでしょう。

ユ・ハクジェ 高所は、多くの経験を積めば十分にコントロールできると考えている。アルパインスタイルのクライミングでは、実際に準備することはあまりない。それよりも雪に覆われた壁で行動し、寝なければならない経験を積むのが最も重要だ。ところが冬山でビバークすらまともにやったことがない連中がアルパインクライミングをすると浮かれているのが問題だ。情報があまりにもあふれ、情報だけで自分の能力が向上しているものと勘違いする。情報と自身の能力は全く違う。その情報に基づいて徹底的にトレーニングし、準備しなければならない。
 特に高所でビッグウォールを登るには、隊員誰もがリード能力を備え、登頂もやり遂げるべきだ。クライミング中に能力が足りないと思えば諦めて下降する方法も知らなければならない。壁を登った後、登頂への欲が出ても心を抑えることができなければならない。壁を登るだけでも価値を認められるのに、天候や時間が条件を満たしていない状況で、頂上を目指して起こる事故が多い。クルティカの場合、ガッシャブルム4峰西壁登攀後、下山した。壁を登ることが目標であり、それ以上の登山は危険をもたらすからだ。
 私たちクライマーにとって最大の問題はトレーニング量があまりに少ないということだ。また、原則を守らなければならない。私の場合は壁を登るときに常にリブ(rib)を選ぶ。クライミングの長さは増えるが、落石や雪崩の危険を避けることができるからだ。ヒョンイルにも絶対にガリーや雪壁に行かないようアドバイスした。ガリーはクライマーの意志と関係なく、流されてしまう危険があるからだ。

 このようなクライミングのノウハウをクライマー同士で共有すべきなのに、不思議なことに私たちクライマー同士はクライミングして感じたところを明らかにしない。海外の友人らはツィッターやブログを介して自身の経験をアップし、それに対して同調する意見や、相反する意見を明らかにしながら、より良い方法や技術を見つけていく。去年の冬、キム・ヒョンイルが進めたウインター・クライマーズミーティングでそのような話を交わしてみたかったのだが、参加者がトワンソンで事故ったために成立しなかった。非常に残念なことだった。
 重要なのは、遠征隊の数が年々減っているということだ。このままでは、私たちの後にヒマラヤに行く人がいなくなるのではないかと思う。より多くの人がヒマラヤ登山に行ける雰囲気を造るのがさらに重要だ。

◎事故の正確な分析がでてこそ、次の事故を防ぐ

ソ・ギソク 8,000mの壁を登るのはそこそこだが、商業登山はますます増える傾向にある。とにかく大変だ。もうヒマラヤに遠征に行けば皆死ぬと考える。クライマーが刺激的なものを求めるのは当然のことだが、高所登山の楽しさを伝えることが重要だ。安全にヒマラヤを行くことができる方法を教え、登山のノウハウを交換しなければならない。

ユ・ハクジェ 初めて遠征していく人々に言語、クライミング能力、経験などからくる不安感を解消する必要がある。私も心配だ。今ここにいる人々が老いてしまえば、私たちの社会から登山家という言葉さえ消えてしまうだろう。

P9
▲パク・フィヨン

パク・フィヨン これまでクライミング中の事故ということを頭の中に描いていなかったのが、今は怖いです。行きたい気持ちも減ってしまいました。2011年、大韓山岳連盟と韓国山岳会から大きな賞を戴いたのは、すべて先輩たちのおかげだと思っています。ところが、そんな先輩たちが私が目指すアルパインスタイルのクライミングを追求している途中で事故に遭い、あまりにも胸が痛みます。
 過去数年を振り返ってみれば、私が遠征に通った回数よりも、亡くなった先輩たちの数の方がもっと多いようです。このように私の行く手を導いてくれる先輩たちが事故に遭ったのをみると、今、私は自分で全てを解決しなければならないという考えと、他にも危険なことがあるんだと恐れてしまいます。でも山に行く、行くしかない。それで先輩たちがなぜ事故に遭ったのか、さらに考えるようになります。より良い登山をするには、先輩方の事故について、正確な分析が出てこなければならないと思います。それで実力が足りないならば、実力を育てなければなりません。

ソ・ギソク 私たちの山の文化には「雪崩現象」が多い。最近になってアルパインスタイルの登山でなければ登山ではないと片づけられてしまう。

◎夢や名声を追おうとして自分自身を欺いてはならない

ユ・ハクジェ クライミングのスタイルはクライマー自らが決めることだ。あまりにも高さのみを追求する人々は、高さが少し低いと滑稽だと考える傾向がある。トレッキングする人々を通じて、山の本質をより一層感じることがある。標高5,000m前後のベースキャンプで最も高いピークを眺めながら、感動して涙まで流す姿を見ていると、果たして私は彼らより山をよく知っているのか、愛していると言えるだろうかと思う。
 高く険しい山でなければ拍手しない傾向がある。それで私も会社で6,000m級の無名峰に行こうとするたびに山の説明、登山の意義についての説明をすることに困ってしまう。チョラツェで事故に遭ったヒョンイルには、やはりこうしたことが常にストレスだった。ヒョンイルが「有名な山でなかったり、アルパインスタイルの登山でなければ、この社会が認めてくれない」として目標もアラカムチェ(6,423m)から認知度が高いチョラツェに変更した。「36時間以内の登頂・下降完了」のタイトルも、そんな側面で掲げたようだ。

オ・ヨンフン 選択はクライマーがするが、マスコミ、スポンサーの影響で能力外の候補地を登るなどという、追い詰める傾向がある。もうクライマーは「なぜ私たちは登山をするか」悩むだけでなく、第三者の立場から評価する方法も知るべきだと思う。最も重要なのは、果たしてそのような海外のクライマーよりも、私たちが優れたクライミングをすることができるのか、またなぜそのようなクライミングをしようとするのかについて、真剣に考えることが先行しなければならないということだ。
 他の見方をすれば、私たちクライマーにとって夢だけが先んじているのではないか。登山をするには、何よりも自分自身に率直でなければならない。言い換えれば、名声を追って自分自身の能力を欺いてはならない。


 月刊「山」編集室で3時間近く行われた座談会は、近くの焼き肉料理店に場所を移して続けられた。酒が入ると言葉がより一層多くなった。会が終わる前に誰かが言った。

『立ち止まってはならない。人の本能は、自分の意識を破ってこそ自由でありえる。迷ったものを壊そう!その代わり、実行する前に準備しよう。理想を実現する前に、準備とその過程を克服しよう。理想と勇気!身体能力と技術、精神力だ。』

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以上引用おわり

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月山山麓「道の駅にしかわ」でフリースポットサービス開始

モバイラーなBCスキーヤーや登山者の皆さんに朗報。

月山山麓の道の駅にしかわ『月山銘水館』にて、公衆無線LAN「フリースポット」サービス開始です。

道の駅に「フリースポット」設置 利用者増狙う、月山銘水館 by 山形新聞2011.12.23

仕様はこちら↓
FREESPOTマップ 道の駅にしかわ

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韓国の登山アプリは、凄いらしい。

 正月休み明け。

 出勤してみると、勤務先の所属部署でついにスマホユーザーが現れた。
 
 前々から当ブログで書いているように、私が所属しているのは現場作業部隊でしかも職人気質の強い人間の集団。
 スマホが世間に浸透して久しいが、私たちは業務が現場作業なもんで、水濡れ・衝撃・落下は日常茶飯事。ディスプレイむき出しのスマホは皆敬遠していたのだ。その上、私生活でもPCやネットとは無縁の生活を送る人が多い中、中堅若手のK君が「いやあ勢いで買っちゃいましたよ」
 正月明けで職場ものんびりムードということもあって、この日はみんなしてスマホ談義。

 んで、韓国の国立公園では、なにやら凄いアプリがあるらしい・・・

 国立公園の遭難通報は、「国立公園の登山情報」アプリケーションで by 連合ニュース2012.1.3

以下記事引用開始
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(束草=連合ニュース)イ・ジョンゴン記者
 昨年末、雪岳山で遭難した登山者が5日ぶりに救助された事件を契機に、国立公園管理公団のスマートフォンのアプリケーション(アプリ)を利用した遭難通報が注目を集めている。
 3日、雪岳山国立公園事務所によると、山で遭難した際、遭難者の位置特定ができない事態が頻繁に発生している。昨年12月の事故の場合も、遭難者の位置特定が困難で捜索に苦労したが、幸いにも遭難者が携帯電話で息子に送った画像をもとに、おおよそのコースを把握した後、捜索の範囲が特定され、遭難者を発見することができた。

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(訳者注:冬の雪岳山の様子。左下画像は遭難者が家族に携帯電話で送り、発見の手がかりとなった画像)

これに伴い、公園事務所は、「登山時に家族や知人に自分の位置を頻繁に電話で通知したり、痕跡を残すことが事故時の迅速な救助に役立つことができる」と助言する。
 このような中、遭難者の正確な位置把握が可能な機能を持つ国立公園の登山情報スマートフォンアプリが注目を集めている。
 国立公園管理公団で運営されているこのアプリケーションは、雪岳山や小白山、北漢山、雉岳山など9つの国立公園を対象に、公園の紹介から天気情報、事故時の安全対策など、様々な情報を提供している。

特に、このアプリは登山者が規定された登山コースを離脱すると警告音で知らせ、道から外れないようにしてくれるのはもちろん、簡単に遭難通報が可能な機能を備えており、登山時の必需品として登場した。遭難通報は、遭難者が申告メニューを選択し、案内にしたがって、その内容を入力してボタンを押せばすぐに山の安全管制センターを通じて担当者が地図を使って位置の把握に乗り出すことになる。遭難通報の位置特定は、緯度と経度で表示されるGPSを利用するため、誤差が5m以内と非常に正確である。

 このアプリは、スマートフォンの利用が可能な地域でしか利用できない点が短所である。
 しかし、申告者が周囲の状況をきちんと説明できない不慣れな地域にいる場合、会話ができない状況に陥った場合に、管制センターが状況を把握をするのに無駄な時間を省き、遭難地点に迅速かつ正確に出動することが可能となるため、遭難者救助に役立っている。
 雪岳山事務所のある関係者は、「現在このアプリケーションは、国立公園でのみ利用できるようになっている。国立公園で遭難の通報、事故の際の救助要請には、このアプリを利用すれば、大いに役立つ」と説明した。
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以上引用おわり

いや何が凄いって、

特に、このアプリは登山者が規定された登山コースを離脱すると警告音で知らせ、道から外れないようにしてくれるのはもちろん、

 道から外れるとアラームが知らせる・・・
 もう自立した登山者どころの話ではないわけで、これ日本なら大いに議論になりそうなシステムです。
 ただよくよく考えれば、国立公園を管理する行政がスマホのアプリを手がけるというスピーディーな動きは、IT大国・韓国ですね。その背景には、スマホの普及率も挙げられるでしょう(韓国のスマホ普及率は2011年10月末で2000万人、人口の約4割。対する日本でのスマホ普及率はまだ人口の1割未満。ロイターの報道)。

 重ねて書きますが、こうした遭難通報を容易化することが肯定されるべきなのか否定されるべきなのか、安易な救助要請が増えているといわれる日本では議論の余地がありますが、スマホの山での活用事例にはなりそうです。

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シン・ウンソンのボルダリングツアー

 韓国を代表する女性クライマーで、日本でもアイスコンペなどでご存知の方が多いシン・ウンソン(Shin Woon Seon)さんのアメリカ・ボルダリングツアーの記事が韓国の月刊『人と山』に掲載されました。

 Bouldering シン・ウンソンのアメリカ・ボルダリングツアー 月刊『人と山』2011年11月号
 
 以下記事引用開始
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P1
Boulderingシン・ウンソンのアメリカ・ボルダリングツアー

シン・ウンソンのアメリカ・ボルダリングツアー/極限のホールド、逃さないようにガッチリ掴んだ

コロラド・マウント・エバンスとロッキーマウンテンのボルダー

文・シン・ウンソン、写真Unio Joubart(山岳写真家)
P2
 韓国を代表する女性クライマー、シン・ウンソンさんが去る6月から三ヶ月間、アメリカのコロラド州にボルダリングツアーに出かけた。
 ボルダリングの底辺拡大、海外のボルダリングエリア紹介を目的とした本ツアーの期間中、シンさんはV11ルートの女性初完登という成果を挙げた。マウントエバンス、ロッキーマウンテン国立公園を行き来しながら、ロードムービーのように続くシン・ウンソンさんのアメリカボルダリングツアーを本誌独占掲載する。
P3

 2010年に私はアメリカのボルダリングツアーを計画した。
 しかしコリア杯シリーズをはじめ、W杯、アジア選手権に続く殺人的な大会スケジュールのために計画はキャンセルせざるをえなかった。
 嫉妬半分、うらやましさ半分の気持ちで、ツアーから戻った友人の素敵な写真を見ながら決意した。
 来年は必ずツアーに行こうと・・・

 このような私の考えは、コンペ出場も意味のあることだが、大自然のかけらのような岩の塊を登ることも、クライミングの幅を拡げるために重要という考えからである。
 だから今年の始めにまた計画を立てた。
 アメリカのボルダリングツアーにすべての照準を合わせ、ボルダリングのトレーニングに専念した。
 望めば叶う!
 9月20日、アメリカ行きの飛行機に乗った。アメリカに向かって。

P4

 ときめきを大事に心に秘めたまま、ロッキーマウンテンへ

 9月21日、コロラド州に移動した私は、久しぶりに会った友人たちと夜遅くまでビールジョッキを傾けながら、クライミングの話に花を咲かせた。
 翌朝、クライミングのときめきに疲れも忘れ、ロッキーマウンテン国立公園のEndo vallyに向かう。
初めてのクライミングエリアである。ちょっと見ても、岩質とクライミングスタイルが異なることがわかる。私がどんなボルダーを登れるかはわからない。ついていく以外に、答えはない。

 V4~5級で身体をほぐした私は、V9級のExtra alienateを目標とした。極端に小さいホールドで成り立つこのルート、取り付きから少し登ってフォールしてしまった。歯を食いしばって、ムーブを解くために二度目のトライ。完登はできなかったが、岩に少しずつ身体がなじむような感じで、完登の可能性を感じた。

 5便目、とらえられなかった小さいホールドが嘘のように摑めるになった。10余りのムーブでリズミカルに登り、完登ホールドを掴んだ。やっとだった。

 クライミングの勢いに乗り、他のV9級のボルダーに挑んだ。幾度かトライして、最後のホールドを掴んだ。しかしそこから立ち上がる力が無く、飛び降りると気が抜けてしまった。岩も鋭く手も痛い。クライミングを続けるエネルギーは残っていなかった。

 V12、極限の中で

 一日レストした私は、翌日エバンス山のLincoln Lakeに向かった。
 吐き気、疲労、頭痛は旅の疲れからかなと思っていたが、すぐに高度障害とわかった。
 海抜4000mを越えて症状はさらにひどくなった。簡単なボルダーを登るのにも息があがって無気力になる。
 身体より心を落ち着かせた。「痛くても、やることはやる!」と念を押す。

 V10級のUnshackleに取り付いた。ルーフに近いオーバーハング、指先もよくかからないホールド。
 ハードなムーブの連続のルートだった。
 でもここを完登したい理由は、魔法のように引かれた美しいラインのため。
 私はますますその中に吸い込まれていった。

 完登は容易ではない。完登できそうなイメージを胸にしまい、すぐにV12級のHoney bagel を試みた。

 私が考えるV12級は、クライミングのムーブが全く続かないことだと思っていた。
 いざやってみると、「うまくいけば・・・」という感じがする。
 それは、私のクライミングスタイルとこのムーブが赤い糸のように合致したこと。
 理想の男性に会いに行くように、胸元でホールドを掴んだ。逃げられないように・・・
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以上引用おわり

このボルダリングツアー記事は月刊『人と山』12月号に続きます。
でもシン・ウンソンさんって、

 それは、私のクライミングスタイルとこのムーブが赤い糸のように合致したこと。
 理想の男性に会いに行くように、胸元でホールドを掴んだ。逃げられないように・・・

なーんて、クライミングについて素敵な文章書く方ですね。

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正月日記

昨シーズンは土日も潰して現場仕事だったため、年末年始はできるだけ家族と過ごす。

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私の実家にて、正月料理。
左奥は山形の伝統料理「ひょう」。
雑草のスベリヒユです。
「ひょう」という呼び名は「ひょっとしていいことがあるかも」という言葉にかけた縁起物として、正月に食されます。
右奥は山形名物の「棒鱈煮」、右手前は「からかい煮」。

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正月の親類廻り。
ぶっとい立派なワラビをいただく。
正月の挨拶廻りは山国の人間にとって、漬物や保存しておいた山菜、野菜の交換の場でもある。
親類の家でも、ウチのカミさんも、保存しておいたワラビを市販の蕎麦ツユで味付けするのが得意。


・・・しかし正月のテレビは不毛である。
あれだけバラエティ番組ばっかりで、テレビ局の人とかクルクルパーにならないんだろうか。
カミさんの実家に泊まった翌朝、中国共産党の犬NHKの番組を見る。
そこは腐っても国民からカネ巻き上げる守銭奴NHK、それなりに素晴らしい番組を作っている。
あ?
エベレスト?
何それ、ケーキの名前?

Mi

三宅一生 東北へ 伝統を未来につなぐ旅 NHK番組ウェブサイト

 デザイナー三宅一生と、東北・宮城県は白石の和紙農家との関わりを追ったドキュメント番組。
 とても興味深く思ったのは、齢80を越えた和紙農家のお婆さんの話を聞きながら、三宅氏は几帳面に野帳に記録している姿。
 ああ、こんな世界的なデザイナーとして君臨している人でも、常に学ぶ姿勢でいるんだな、と。

 正月休みも後半。
 子供たちは義兄夫婦の子供と遊びたがっているので、カミさん子供ともども実家へ。
 正月を一人静かに過ごす。
 あいかわらずテレビは不毛なので、ラジオのNHK第二を聴きながら、明日からの現場仕事の準備。
 洗濯した雨具、防寒着、防寒手袋等々を整理しながら、リビングで聴いていたのは、

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『ニュースで英会話』特番の『Dear Tohoku』
 内容は、宮城県で開催された高校生15名による英語スピーチコンテストで、そこから「英語」「震災」について考えようという番組。
 ダニエル・カール氏はともかく、解説に鳥飼玖美子氏という顔ぶれで、英語という枠を超え、言葉とは何か、考えさせられる番組。ふだん、書き言葉も話し言葉も拙い自分には、身につまされる。
 何より、メディアにはあまり出てこない高校生という若い世代のストレートな意見を聞くのも参考になった。

 震災を語り・考える際、我々が考えている以上に、もっと被災者の声に耳を傾けるべきではないか?

 という言葉は、幾度かボラ作業した程度で震災に関わったつもりになっている私自身には、耳の痛い言葉であった。
 なお、上記ウェブサイトから、参加された高校生皆さんのスピーチがネットで聴けるようになってます。

 明日から、再び現場仕事の日々に戻ります。

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山形銘菓と日本政府との、ビミョーな関係。

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 くじら餅。
 名称の由来には諸説あり、山国の人間に食されてきた「鯨肉」に似ているとする説、または保存がきくことから久持良(漢字ではこう表記する)餅とする説などさまざまである。
 山形県内でも新庄を中心とする最上地方の産品として知られる。また青森の浅虫温泉でも名産として売られているようだ。

 くじら餅は山形ではポピュラーな伝統菓子である。
 ネット検索するとレシピも見受けられるが、本来は製造法は非常に手間がかかる。というか、昔は各民家で大量に作り、近隣や遠方の親類に配るなどしていたらしい。今現在では、店で買うのが一般的である。
 上記画像の「くじら餅」は、道の駅・尾花沢で購入した山形県大石田町の木村宣子さん手作りの黒砂糖味くじら餅。

くじら餅のつくり方
 1.もち米・うるち米を3~5日間、水に浸す。
 2.むしろ、紙の上などに米をひろげ、軽く乾燥させる。
 3.杵、臼で米を粉にし、ふるい分けて米粉にする。
 4.砂糖と醤油で砂糖液を作り、冷ましておく。
 5.米粉を砂糖液の中に少しずついれ、ヘラでこね、トロトロになるまで練る。
 6.味噌または醤油で味付け、ゴマ・クルミ等を混ぜ、一晩寝かせる。
 7.型に流し、せいろで二時間程、強火で一気に蒸す。

 その昔は桃の節句の菓子として、製粉は女性の役目でかなりの重労働、多い家では二斗(約20升)製粉したという。
(参照文献 社団法人農山漁村文化協会『聞き書 山形の食事』)

 さて、昭和天皇崩御から間もない平成元年のこと。
 この「くじら餅」を売り出している新庄の菓子店に、全国菓子工業組合連合会の理事長が直々に「くじら餅の製法を教えてほしい」とたずねてきた。
 店の人は全国組織の幹部を丁重にお迎えし、くじら餅の製法をひととおり説明したところ、その理事長から「実は・・・」と切り出されたのが・・・

 内閣からの指示を受けた農水省の依頼により、緊急災害発生に備え、非常食を模索しているという。その条件は、首都圏住民2000万~2500万人分の数日分、火や水、電気をつかわず食べられるもの。
 その非常食の候補として、このくじら餅に白羽の矢が当たったという。
 農水省関係者もまじえて話が進んだが、保存期間がネックとなったらしい。求められる保存期間は数年だが、くじら餅もさすがにそれだけ長期間はもたない。栄養剤を混入するなどアイデアが出されたが、残念ながらこの話は担当者が病気で急逝するなどして立ち消えになったという。
 
 このエピソードは新庄市の菓子店『新庄の菓匠たかはし』から出版されている『くじら餅物語』に掲載されています。
 この話から伺えるのは、内閣もしくは農水省が水面下で、非常食の候補としておそらくは「くじら餅」だけではなく日本全国の伝統食を研究していたであろうということ。

 残念ながら、先の震災では行政機関の非常食として「くじら餅」が活躍することはありませんでしたが、私自身今回めずらしく「くじら餅」を買ったのも、震災で郷土文化が脅かされているという危機感があったからでしょうか。いや、いつものように甘いもの食べたいなという軽い気持ちに決まっています。

 地元の人間から言わせれば、「くじら餅」は伝統食・伝統菓子の中でも現在まで生き残っている数少ない食のひとつです。
 今年も遠方の県外から、多くの方々が山形県の山を訪れることでしょう。
 帰路、土産物屋や産直で「くじら餅」をみかけたら、ぜひお勧めします。
 なぜならば、それは既成の土産菓子とは一線を画す、山形の地元の人間なら誰もが知る伝統の味だからです。

参考記事 『味な山形』くじら餅 山形県ウェブサイト 

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謹賀新年2012

Newyear
 あけましておめでとうございます。

 登山やアウトドア、野外活動に関わる全ての皆様にとって、今年も安全な楽しい年でありますように心よりお祈りいたします。        
 


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