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韓国アウトドア業界の不都合な真実

当ブログでは韓国の登山・アウトドア界に注目してきました。
日本を遙かに凌駕する登山人口や社会的認知度に度々驚かされてきましたが、当然、光には影というものがあるわけです。

韓国アウトドア業界の内幕、アウトドア用品メーカーと販売代理店に関わる暗部を、ソウル新聞が報道しました。

[アウトドアの不都合な真実] 不公正取り引きに泣く代理店 by ソウル新聞2011.12.19

以下引用開始
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[アウトドア不都合な真実]  不公正取り引きに泣く代理店
インテリア工事費用 通常では6000万ウォン、本社指定業者では2億ウォン

 アウトドア市場が爆発的に成長し、「副作用」も続出している。『ノー(NO)割引』施策とは異なり、業者別に別途の割引指針が用意されていたり、密かに割引販売がなされていて「適正価格で買って損をする」という話を確認することができた。 割引販売が幅広く行われ本社の価格統制が無いならば、代理店ごとに競争を通じて多様な割引率を定められるとの公正取引委員会の指摘が裏付けられる大きな課題だ。

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▲アウトドア用品店が集まるソウル、鍾路5街。アウトドアウェアの価格バブル論議が起きている中で、各店舗では多様なブランドの製品が、各々の割引率を提示して販売されている。(チョ・ヨンホ記者)

●本社の顔色をうかがって、こっそり5%割引

 ソウル新聞の取材結果、有名アウトドア用品メーカーは任意の割引販売を禁止していた。 店主A氏は語る。
「契約書上、不健全な取り引きを行った場合、代理店契約を解約することになっている。」「任意に割引販売して他の代理店に被害を招いた場合、本社の指針上割引可能な商品を一括購入で受け取った後、バラで割引販売した場合などが契約解約の要件になる」と説明した。 実際、任意に割引販売して閉店させられた場合もあるという。  店主B氏は「最近、割引販売して本社に摘発され、何箇所か代理店が契約解除されたと聞いた。それで気を付けている。」と打ち明けた。

 表向きとは異なり、「ビッグ3」等の有名アウトドア企業は通常「5%割引」を非公式に適用していた。 ノースフェイス、K2、コーロンスポーツ、ネパなどの店主は、
「本社で5%までは黙認するが、それ以上は代理店のマージン内でこっそりと割り引く。デパートは基本5%割引に商品券も与えて、VIPに対しては10%まで割り引く。デパートより高くて商売になるか?」と反問した。

 現金決済の場合は追加割引する所も少なくない。アイダー販売店のある店員は「本社方針は20%割引だが、現金決済の時は10%さらに割り引く。」として「噂にならないように」と頼みこんだ。
 ミレー販売店の店員は「20%割引が本社指針だが、現金で購入時は5%さらに割引する」とし、ネパのある店主は、「普通5%割引だが、実際に買うならば5%さらに割り引く。」 いくらでも割引の余地があることを示した。

 店主は衣類業界全般でなされる、本社指定業者でのインテリア工事の強要を、アウトドア成長の影の一つとも指摘した。
 店主C氏は「公正取引委員会で調査しようとするアウトドア価格バブルや不公正取り引き行為よりも、本社で4~5年ごとに内装インテリアを指定業者でリニューアルするよう強要する方がさらに問題」として、「業者ごとに差はあるが、リニューアルの時ごとに2億~3億ウォンはそのまま飛んで行く。」と暴露した。
 これを通じて本社では利益を取る反面、代理店の負担はさらに増えるということだ。

 店主D氏は「知り合い業者、インテリア専門業者、本社指定業者」三業者の価格を比較してみたが、本社指定業者価格を100とすれば専門業者は70、知り合いの業者は40ならばいいところ、として「本社指定業者でインテリア工事をすれば2億ウォンを超えるのに、知り合いに頼めば6000万ウォンもかからない。」と打ち明けた。
 一部店主は「本社の中には、ある系列会社や協力業者に途方もない利益を集める所もある。」として「公正取引委員会は本社と本社指定インテリア業者の癒着関係を調査してくれ。」と注文した。

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 価格・インテリア工事と関連した店主らの話は事実であろうか。
 取材チームは直接ビッグ3などアウトドアメーカーの代理店開店担当者に電話して「代理店を開きたい。」として開店・契約解約条件などに関して問い合わせをしてみた。

 コーロンスポーツ本社の代理店開店担当者は「よそは分からないが、販売価格だけはむやみに割引してはならない。任意で割引販売して摘発されれば、通知なしで閉店させたり契約解除する。 契約解約条件は契約書に書いてある」と脅した。 インテリア工事に関しては「インテリア形式と業者は全て本社で指定する。リニューアルは3年に一回ずつ、義務として実施しなければならない。」と釘をさした。
 K2担当者も「インテリアや販売価格を任意で決めてはならない。本社の指針に違反すれば契約を解約する。」と脅しをかけた。
 業界1位のノースフェイスは高い人気のため、代理店を出したくても出すことはできない状況だった。 本社担当者は「一日に問い合わせ電話だけで100通程度かかってくる。今、全国にノースフェイス販売店のない所がない状態で、売り場を出したくても場所がない。 来年春以降、調べてみなければならないだろう」とした。

●契約更新の時に不利益など

 ノースフェイスは割引販売やインテリア工事に対して、表面的には代理店店主に権限があるように話したが、裏面では制裁と不利な条件が隠されていた。 本社担当者は「ノースフェイスは販売店の経営権を持つ店主が非公式に割引販売することができる。」と強調した。
 だが「その場合、他の代理店と摩擦が生じて困る場合があり、本社にとって不都合であるだけでなく、本社と業務上、衝突することもある。(結局) 1年ごとに行う契約更新の際、不利益をこうむることになるだろう」と付け加えた。
 インテリア指定業者は3社あるが、その業者で行うように強要することはなかった。担当者は「個別に知っている業者でしてもかまわないが、「工事監理費」は別途に負担しなければならない。」として、「契約前ですので、監理費金額を明らかにすることはできません」と話した。 インテリア費用は坪当たり280万~300万ウォンだった。 ノースフェイスの代理店許容規模は最小231㎡(70坪)だ。 それ以下では販売店を出すことができないという。インテリア費用だけで1億 9600万ウォン~2億 1000万ウォンがかかる。

●不人気製品挟んで売ること強要されて

 取材チームが接触した他の企業も同じだった。ネパ担当者は「インテリアは本社指定業者でしなければならない。」、トレクスタ担当者は「割引率は本社で決めることで、これに違反すれば契約解除になります。インテリアは本社指定業者で施工しなければならない。」と強調した。

 衣類業界の慣行である、通称「押し入れ」(または「挟みこみ」)も盛んである。
 店主 Eさんは「本社でよく売れない商品を「挟みこみ」いったふうに、強制的に割り当てる。」 店主Fさんは「会社の規模を大きくするために、ウェアは委託で与えるが、登山靴やコッヘルみたいなキャンプ用品・装備などは仕入れ形式で押し売る。本社の言うことを聞かなければ、商品を確保することができないから泣く泣く従うしかない。」

取材、キム・スンフン、チェ・ジスク、ペ・ギョンホン、ソン・スヨン、ハン・セウォン記者
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以上引用おわり

 この記事を読んで感じるのは、あらためて「適正な価格とは何か」ということです。
 登山・アウトドアギアを実際に使う消費者側からみれば当然「よい品をより安く」ということにつきますが、資本主義社会ですから、メーカーも販売店も利益をあげ企業として存続を図る姿勢は当然のことです。
 登山用品という性格上、命がかかる重要なギア、信頼できるギアなら多少高額でも購入するでしょう。一方、ネットオークションで中古のロープやクライミングギアを購入する方もいます。
 消費者にとっての登山用品の価格とは、ある意味消費者個々の価値観に委ねられる側面もあります。

 登山界やアウトドア業界のあり方として、山岳メディアでとりあげられるのは常に消費者、用具を購入し使う側にしかスポットがあてられません。
 短くはない期間、韓国メディアに着目していますが、登山用品メーカーと販売代理店の関係に切り込んだソウル新聞の記事は、ある意味画期的な記事でした。

 記事中にあるような販売店の内装工事の強要は論外として、メーカーと販売店との関係が良好であることも重要な事ではないでしょうか。韓国ではアウトドア用品、特にウェアに関しては『価格バブル』の噂はチラホラ聞こえており、気になるところです。

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