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Pete's Wicked Book

Pete アルパインクライマーの皆様ご存じ、日系のビッグウォールクライマー、ピート・タケダの本。
wicked book とは、意訳すると「ヤバい本」とかいうニュアンスか。サブタイトルの「Tales of climbing madness」が示すように、ピート・タケダの筆による様々な「クライミングと人」にまつわる本。
 
 この気合いの入った本人の表紙写真を見て「あ!ピート・タケダの自伝か!?」とアマゾンで衝動買いして目次を見たら、Climbing誌で読んだことのあるスティービー・ハストンの記事が掲載してある。
 同書はClimbing誌に執筆した記事をまとめた本で「失敗した~」と思ったが、読んでみると、しっかりピート・タケダ本人の生い立ちから丁寧に書き記されている。同書によれば、ピート・タケダの父君は日本北部のTANABU出身(青森県田名部と思われる)。

 シャークス・フィン(インドヒマラヤのメルー)への思い入れが強いのだろう、Climbing誌未収録の1998年のメルー遠征記も納められている。遠征記はチームの立ち上げからアメリカ出国、現地でのクライミング、そして悪天のためメルーを断念、シブリンに転進し登頂を果たすまでが描かれている。

 香港経由でインドに向かう機上、機内上映の映画『ウェディング・シンガー』で自分たちはジョークに笑い、中国語字幕を見た他の乗客がタイムラグをおいて笑っているという光景。
 遠征パートナーが家庭の話をしている時、何も言わないメンバーがいる。彼は最近彼女と別れたのだ。
 そんな細やかな視線で遠征の人間模様も描かれる。

 アメリカでも「文章を書けて」「登れる」クライマーは貴重な存在らしい。
 私のお気に入りは『Partners』というタイトルの文章。「I don't know why I kept climbing with Cade」とサブタイトルの付いたこの章では、ピート・タケダの古くからのクライミングパートナー、Cade Lloydについて書かれている。
 数々の危険なビッグウォールを登ってきたピート・タケダ氏も、クライミング始めの頃はこのパートナーの後を追う立場だった。学生からつきあい始め、時が経ち、結婚式の様子で文章は締めくくられる。クライミングパートナーがあってこそ、ピート・タケダという素晴らしいクライマーが生まれたこと、「クライミングの友」の大切さを感じる一文である。

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