金沢食べ物日記 おにぎりと蕪寿司
◎とろろ昆布おにぎり
現場仕事の帰り、小腹が空いたので時折コンビニを訪れる。
金沢に来てふと気が付いたのは、コンビニでもスーパーでも、とろろ昆布で包んだおにぎりが売っていること。
北陸三県(富山、石川、福井)は昆布の消費量が特に多く、富山は昆布の年間購入金額が全国一。
歴史的には、北前船の寄港地で昆布料理が郷土食として根付いた結果といわれる。
金沢のローカル自然雑誌『自然人』No31・2011年冬号でも、こんなくだりがある。
『金沢に住み始めてすぐの頃、学友がとろろ昆布でくるんだおにぎりを包みから取り出した時は心底おどろきました。』(環境カウンセラー青海万里子執筆 旬産食で「昆布」を味わおう)
コンビニおにぎりとはいえ、とろろ昆布の甘みと塩気がマッチして美味しいです。
私にとって、現場作業帰りの補食の定番になりつつあります。
◎かぶら寿司
金沢に関する書籍を調べてたいてい取り上げられているのが、この『かぶら寿司』。
たまたま営業時間内に金沢駅の土産物屋を訪れる機会があり、ここで購入。
ブリを蕪で挟み、たっぷりの麹で漬けた「なれ寿司」の一種である。
アジア各地でヘンテコなモノを喰ってきた私、実は「なれ寿司」は今回のかぶら寿司が初めて。
もっと酸味が効いてるのかと思いきや、中身のブリは「スモークサーモンのもっとコクがあるような味わい」になっていて大変美味でした。「名物にうまいモノなし」の迷言を打ち破る土産物ですな。
金沢市史などの資料では、このかぶら寿司、江戸時代の昔は中流家庭の正月料理でそこそこ生活に余裕のある人々の食べ物だったようですが、現代では各家庭で作られているポピュラーな食品。
意外にも、このかぶら寿司が市販されるようになったのは最近であって、1970年代前半の書籍には「この蕪鮨は沢山作って一般に売り出すことが出来ないものの一つで、それで駅でも名店街でも売っていない」と記述されている。(陶智子著『加賀百万石の味文化』より)
食の大量生産・機械化を批判する人は多いが、その土地の郷土食をよそ者がこうして食べられる機会を得られることは、ありがたいことである。
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