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韓国の新アウトドアブランド『The Door』

韓国で新たなアウトドアブランドが今春誕生します。
それが『The Door』。
アウトドアウェアの「価格バブル」がささやかれる韓国ですが、その経営方針に注目です。

清渓山(チョンゲサン)登るのにヒマラヤ用登山服はなぜ? by 中央日報 韓国語版2012.3.5

以下記事引用開始
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清渓山(チョンゲサン)登るのにヒマラヤ用登山服はなぜ?
アウトドア ブランド‘The Door’キム・チャンス F&F代表

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今月中旬、ソウル・駅三洞(ヨクサムドン)のオフィスで製品を紹介する、新アウトドアブランド‘The Door’をリリースするキム・チャンスF&F代表[キム・ソンニョン記者]

「半日で登れる清渓山(チョンゲサン 訳者注:ソウルと京機道の境界に位置する標高618m、ハイキングで人気の高い山)に行くのに、ヒマラヤ登山用のウェアを着る必要があるのか。 不必要な機能を省いた合理的な価格帯のアウトドア新製品を発表する。」

 今月中旬、新しくアウトドア市場に参入するアパレルメーカーF&Fのキム・チャンス(52)代表の言葉だ。 リリースするブランドは「The Door」。
 きたる15日、ソウル、ノンヒョンドンに第1号直営店を出店するのを皮切りに、年末まで全国に40店舗を展開する計画だ。 ウェアと靴だけでなく、キャンプ・ピクニック・サイクリング・釣りなど、大部分のアウトドア活動と関連した製品を販売する。

 キム代表は 「さらにThe Doorが追求するのは、合理的な価格と自然調和的なデザイン」 「機能は自然とふれあうのに不都合がない程度に盛り込む」と繰り返し強調した。
 同時にこのような例をあげた。

 「例えばアウトドアの必須素材のように言われているゴアテックスは使用しない。 これだけでも原価を30~40%抑えることが出来る。 あえてゴアテックスを使わなくても、国内で自然を楽しむのに必要な程度の防風・防水(撥水)・保温性を整えた製品を作るのに何ら問題はない。」

 「私たちの自然環境は、高機能性アウトドア用品が必要な程、厳しくもない」と付け加えた。 西欧人は登山をするために遠くから車を運転し、何日もの間にわたって過酷な地形と戦うが、私たちの多くの人々は緩やかに山や川を楽しむことができるということだ。 キム代表は引き続き、
 「西欧人は自然を征服の対象として見たきたために、最高の機能を備えたアウトドアギアが必要だ。だが、自然を友として共存してきた私たちにとっては、自然と調和するアウトドア製品がふさわしい」と語った。

 それでも国内において高価格・高機能性のアウトドアウェアが大勢を占めていることに対しては、「海外ブランドが国内市場をリードしてきたために広がることになったということ」と診断している。

 F&Fは他のアウトドアブランドとは異なり、有名芸能人をモデルに採用しないことにした。キム代表は、
 「有名芸能人を用いると、マーケティング費用がさらにかかり、それだけ製品価格が高くなる。結局は高額のマーケティング費を消費者が支払うことになる」と語る。 The Doorはその代わりキャンプ・登山・サイクリングを楽しむ家族や愛好家をモデルとして前面に出す計画だ。 このような形のマーケティングを通じて「家族や友人同士キャンプをしながら、音楽を聞いて料理を楽しむような新しいアウトドア文化を作るのに力を注ぐ」という。

 F&Fはイタリア ファッション業者ベネトン、米国プロ野球メジャーリーグの衣類ブランドのMLBなどの国内版権を持っている。 また「バニラ・ビ(banila b)」という女性服と化粧品ブランドを持っている。
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以上引用おわり

 身近な自然を楽しむのに、オーバースペックなアウトドアウェアは必要ない、という姿勢。
 もろに名指しでゴアテックスなど必要ないとする姿勢が注目されます。

 私自身は汗っかきなもので、積雪期はホグロフスのウェアを使用していますが、結局は脇の下のジッパー全開で行動することが多いです。ゴアテックスの費用対効果って、私は正直疑問に思ってますね。時折、昔の冬山用ナイロンヤッケで脇の下にベンチレーター付いた、安価な冬山ヤッケどっかで製造販売してくれないかな、なんて思うときがあります。
 韓国は大陸性の気候だからゴアなんて要らないと言えるのでは、と思う方もいるかもしれませんが、日本の東京とソウルを比較すると次の通り。

 東京の年間降水量・・・1466.7mm 年平均湿度62%
 ソウルの年間降水量・・・1343.2mm 年平均湿度64%
 ただし冬季は大陸性気候のため、ソウルは降水量も少なく乾燥しています。

 この記事でもっとも注目したのが、次の箇所ですね。

「有名芸能人を用いると、マーケティング費用がさらにかかり、それだけ製品価格が高くなる。結局は高額のマーケティング費を消費者が支払うことになる」

 私自身、韓国のアウトドアメーカー・輸入代理店が広告で有名芸能人を用いているのをみて、それがアウトドアや登山の社会的認知度を表す、と単純に考えていました。
 韓国のアパレル関係者自らがそういった広告戦略に疑問を持ち、コストダウンのために芸能人など使わない、と宣言している動きには、あらためて考えさせられます。

 このキム・チャンス氏率いるF&Fグループはベネトン・コリアなどを運営、既に海外の有名ブランドを相手に展開してきた実績がある企業であり、それなりの展望を持ってアウトドア業界に参入してきたものでしよう。
 F&Fグループのこのような動きに、韓国ファッション協会KFAもThe Doorの登場を興味深く取り上げており、次のような韓国国内におけるアウトドアブランドの「立ち位置図」を掲載しています。
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コンセプトと販売価格の相関図(韓国ファッション協会記事より引用)

 高機能・高価格のウェアが次々と発売される一方、激しい値引き競争が展開される韓国でThe Doorの存在が注目されます。

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