出会いを求める貴女へ
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ネット環境の無い出張生活。
竹内が14座最後のダウラギリに登る日、私は由緒正しい土木作業員として、秋田市の片隅でツルハシをふるっていた。
休憩の合間に、スマホのfacebook経由で状況を知る。
失敗すれば人命に関わるウインチ作業に従事していたため、昼間は竹内の事を考えるわけにはいかない。
旅館に帰宿。
大部屋住まいで、他の作業メンバーの関心事は女子バレーボールの五輪参加を賭けた試合の行方。
夜、みんなで大型テレビで女子バレーの試合を観戦しながら、私はテーブルの下でスマホを操作し、facebookで竹内の様子を探り続けていた。
ダウラギリ登頂を知る。
ネットでは多くの方々が「信じている」と書き込み、メディアは『登頂』の事実のみをとらえて「14座制覇」と騒ぐ。
私はひたすら、無事のBC下山を祈り続けた。
この記事のタイトルを繰り返す。
8000m峰14座『登頂』は、嬉しいことなのか?
私にとっては、竹内に無事に下山してもらいたい。それが願いである。
誤解を招くようだが、竹内を応援している方々にとって、登頂が喜ばしいことであることもよくわかる。
だが今まで、「不世出」 「鉄の男」 「不死身」 と呼ばれた登山家が、何人山に消えたことだろう。
竹内も生身の人間なのだ。
あなたは自分の後輩を信頼できないのか、と言われるかもしれない。
そんな方には、ヒマラヤの恐ろしさをご理解いただいてないんですね、と言い返すしかない。
竹内がチョモランマ北壁で病に倒れた時、ガッシャブルムで雪崩に遭った時、リアルタイムで私はパソコンの前で、それこそ後頭部をヤスリで削られるような想いをしながら、ただ推移を見守るだけの残酷な時間を過ごしてきた。
祈る。
それすらもままならない土木作業を終え、竹内のBC帰着を知る。
繰り返す。
私にとっては、14座「登頂」よりも、彼が無事に戻ってきたことの方が何百倍も何千倍も嬉しい。
もっと他にふさわしい人はいただろうに、奴の結婚式で新郎友人代表としてスピーチさせてもらった私にとっては「日本登山界の長年の課題」よりも、彼の存在の方が断然大事なのだ。
竹内君、ダウラギリ登頂おめでとう。
何より、無事下山おめでとう。
カメラマンの中島様、14プロジェクトのスタッフの皆様、ほんとうにお疲れ様でした。
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5月某日。
高気圧の影響で、山形市内ではポカポカ陽気といわれていた頃・・・
私は某連峰の山中で、冷たい雨と風にさらされていた。
ほんの数メートル先も見えない濃いガスの中、たっぷりの積雪に埋もれた樹林帯の中で、登山ルートを探しまわっていた。
マイナーな山域であることにくわえ、甚大な被害を引き起こした、先日の台風並みの低気圧のおかげで、倒木があちこち道をふさいでいた。そこに今年の大雪による残雪である。
夏道をイメージし、ぐるりと残雪のまわりを周回し、踏み跡を探し続ける。
ようやく夏道をみつけ、前進。
そしてまた、たっぷりの残雪につきあたる。
コンパスと、地図と、夏道の記憶、そして勘も総動員してルートを見つけ出す。
ガイド山行の下見は、私にとっては『仕事』の一つである。
なんの感慨も無く頂を踏み、下降路を確かめながら下山。
下山途中、ガスに包まれたブナの若木の樹林帯に、少し心休まる一時を過ごす。
5月某日。
前回の山行とはうってかわって快晴。
東北の山の上はまだ雪の世界なれど、アプローチの林道は初夏。
カエルも恋の季節か、婚活の仁義無き戦いの世界か。
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仕事で太平洋岸の某港町に短期滞在。
その移動途中、陸前高田を通過。
ボランティアではなく業務のため、まだ御遺体捜索の続く陸前高田に滞在してから早一年。
当時は手回しポンプで仮営業していたガソリンスタンドも、新店舗を構えて営業していた。
海岸縁の国道45号を行く。
見渡す限りガレキの山だった市街地は、広大な更地になっている。
しかしガレキが完全に撤去されたわけではない。
海岸沿いの仮設プラントで、何十台もの重機がガレキ処理にあたっている。
おりしもメディアでは、陸前高田のガレキが想定の1.6倍にあたることが判明したことが報道されていた。
冷たい雨の中、土建業の作業員たちが黙々とガレキ処理を続けている。
震災ガレキがさも放射能の塊のように言いふらしているキチガイ左翼のアウトドアライターもいるようだが、震災ガレキの広域処理は必然であろう。
陸前高田も、私が仕事で滞在した港町も、プレハブの店舗で商店街が再起を図っていた。
広大な更地の中に唐突に現れるのが、大型車両を改装した『ほっかほっか亭』。
ガレキ処理や復興作業に関わる労働者にとっては、昼飯を調達できる場所が必要なのだ。
マスゴミが伝える美談や苦労話だけでは、世の中はまわらない。
メシを喰い、夜は酒を飲む労働者の力も、被災地には必要なのです。
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夏山縦走で長い距離歩いて、シュラフに入っても身体が火照って眠れないとか経験した方いませんか?
ここに画期的なシュラフが登場。
Zippered Vents on this Sleeping Let You Catch Some Cool and Comfy Zzz’s by technabob.com 2012.5.16
その名も『Zippered Vents sleeping bag』。
温度調節のためにサイドのジッパーを開け閉めしたりしていた訳ですが、発想の転換と申しましょうか、横にジッパーを設けたんですな。
従来のシュラフは保温性を高めるために縫製やら素材やらに気を遣ってきたんですが、このZippered Vents sleeping bagは身体を積極的に露出させるという、実に大胆なデザインです。夏でも夜は冷えこむ山域では寝冷え注意ですな。
ちなみに購入サイトはこちら→ Hammacher Schlemmer The Zippered Vents Sleeping Bag.
US$で$119.95で発売中。
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昔々、旧制学校とかに籍おいてたジジイの話で、英単語覚えるために辞書破いて喰ったとかいうエピソードを聞いたことがありますが・・・
今やそれが現実に!?
In Case of Emergency: EAT THIS BOOK. by roverguide.com2012.5.9
四駆で有名なLandRover、アラブ首長国連邦ドバイ支店が試験的に5000部製作したサバイバルブックとのこと。
なるほど、中東の関係者が作ったもんで、モデルの男性もむさい髭面なんですな。↓
サバイバルブックの内容は星を利用したナビ、シェルター作製法など中東の荒野で生き延びる術が記載されている他、救難信号を送るための反射板付き。
そして最大の特徴が、表紙に 『In Case of Emergency, Eat This Book』 とあるように冊子自体が食べられること。
この冊子はジャガイモのデンプンから作られたペーパーに食用可能な特殊グリセリンが印刷に使われており、肝心な栄養価については「チーズと同程度」だそうです。
最近日本で出版されている、毒にも薬にもならない山の本よりは、よっぽど役に立ちそうですね。
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あのR・メスナー老が新車購入だってさ。
メスナー爺が今回購入したのは、オペルのAmpera。
Berühmte Elektroautofahrer - Reinhold Messner by Mein Elektroauto2012.5.3
ヨーロッパのカーオブザイヤーを受賞した、高性能な電気自動車のようです。
参考サイト:欧州カーオブザイヤーはAMPERA(VOLT)でした ブログ「あなたの知らない方が良かった世界」様
記事中では、メスナー爺さんはこのAmperaをベタ褒めでして、
「ここでは果敢なエンジニア達が一つの目標を信じ、開発、研究に時間を費やした。そしてそれは報われた。非常に静かで快適な電気自動車となったのです。」
とコメントしてます。
あれ?
商業主義は嫌だといいながら、オペルの宣伝役をかってますなあ(冷笑)
オペルにとっては、メスナーのかつての登山スタイルが電気自動車の環境保全というコンセプトにマッチするという共通点を見いだしたようです。
でもまあ、あれだけ「By Fair Means」と唱えていたメスナーがガンガン排気ガスまき散らして四駆乗ってる姿というのは、イメージしづらいわな。
最初記事の見出しを見たとき、まーたスポンサーから車もらったのかよ、と思いましたが「Kauf」とあるように、ちゃんと購入したみたいですね。ドイツ社会の事はあまり知りませんが、「スタッドレスタイヤおまけしてな」とかあるのだろうか?
そもそもメスナーが車使うときってどんな時なのか?
奥様の食料品買い出しの送り迎えとか?
謎が謎を呼ぶメスナーの新車購入でござんす。
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GW後半、山形県西川町にある山形県立自然博物園の『キッズクラブ』にお世話になり、息子・娘と共にイグルー作りに挑む。
本日のキッズクラブは子供7名参加。
イグルー完成、冷たい雨も午後には止み、少し青空も顔を出す。
外でおやつタイム。
イグルー作製は子供向けプログラムなのですが、頭の片隅ではやはり「ビバーク」の事を考えながら参加してました。
二畳分くらいの大きさのイグルー作製に要した時間は2時間。
収穫物を入れる農業用のプラ箱で雪を固めるという方法でブロックを作り、積み上げるというやり方で大人8~9名、子供7名という戦力です。
ネットで記録を検索すると、積極的にイグルー作製に取り組んでいる山岳団体もあるようですね。製作時間もだいたい1~2時間のようです。
頂点に向かって次第に湾曲していく壁、天井へとブロックを積み上げていく過程で、やはり実際にやってみてわかるコツというものがありますね。
製作途中で疲れて雪滑りに興じていた子供達も、完成となると近寄ってきて「雪の家」に感心している様子でした。
私の出張生活が長く甘やかしていたツケでしょうか、ウチのバカ息子が妙にハイテンションで午前中のアイスブレイクで傍若無人に振る舞っていて唖然としました。自宅そして幼稚園~小学校の授業参観で見る姿と違うんですね。外でイグルー作りが始まるとおとなしくなりました。身体を動かしていない反動なのか?いやいや、子育ては登山より難しい・・・
今回のプログラム参加は同じガイド協会所属で博物園スタッフの真鍋さんにお世話になったのですが、大変ご迷惑おかけした次第です。とほほ。
帰り際、子供達が去って静まりかえった博物園内のイグルーの彼方に、月山・姥ヶ岳が少し顔をのぞかせてくれました。
春の気配はあれど、山はまだ雪の世界です。
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山形県立自然博物園は5月1日から開園し、毎日9時30分と13時30分の2回、インタープリター引率の自然観察ツアーが行われています(参加無料・月曜日休館)。
山登りは体力的にもちょっと、という方も月山の自然に触れることができますので、ぜひおいで下さい。
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ワルテル・ボナッティを尊敬してやまない諸先輩方、おまちかねでございます。
イタリアで開催される著名な山岳映画祭「トレント山岳映画祭」において、ワルテル・ボナッティと周囲の人々のインタビューで構成されたドキュメンタリー映画『CON I MUSCOLI, CON IL CUORE, CON LA TEST』 (頭脳と、肉体と、精神と) が公開されました。
奥様のロッサナ・ポデスタさんが「興奮とともに、心に触れる」と賞賛した映画は、上映後に300人の観客から拍手が鳴りやまなかったとのこと。
Trento, presentato in anteprima assoluta il film su Walter Bonatti by Montagna.tv 2012.5.2
この映画は2011年に製作が開始されましたが、同年9月にボナッティ氏が逝去、スタッフは周囲の人々からインタビューを集め、72分間のドキュメンタリー作品にまとめました。
予告動画を拝見しまたが、動画開始1分26秒からロッサナ・ポデスタさんがボナッティ氏の記録帳を手にしている場面に、非常に興味をそそられます。ボナッティ氏の書斎の風景とともに、氏はどんな記録をとりまとめていたのか。
予告動画はこちら↓
バンフなんとかいう「世界最高」(冷笑)な映画祭の、ド派手なだけがとりえのスキーの映像はなんか飽きてきたよな。
じっくりと、本物の岳人の人生を、スクリーンでみせてほしいものです。
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デニス・ウルブコの弱点が暴露さる!?
Denis Urubko: ¿Lo más difícil en mi vida? quedarme pillado por una mujer by Desnivel 2012.4.25
スペインのDesnivelにてデニス・ウルブコのロングインタビューが掲載されているのですが、そのときのひとこま。
以下引用開始
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Q.軍隊生活と登山、どちらが厳しいですか?
デニス.比較するのは難しいですね。登山も、軍隊生活も厳しく困難ですし、比べることは難しいです。私の人生でより困難な状況になったのは、女性に束縛されたことですね。
Q.軍でも山でもなく、女性ですか。
デニス.はい、事実です。(笑)
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デニス・ウルブコ・・・
そんなにカミさんに束縛されてるのか・・・・
ちなみにデニス・ウルブコの奥様とのツーショットはこちら↓
デニス・ウルブコとビクトリア夫人(Russianclimb.comより)
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『ランボー3 怒りのアフガン』とか『レッド・スコルピオン』とかの見過ぎでしょうか、ロシア特殊部隊スペツナズといえば、暗い要塞の中で拷問やってるとかゆーイメージしかないのですが、今春スイスでも伝統ある山岳スキーレースに初参戦というニュースです。
Бойцы спецназа МВД стали лучшими дебютантами в самой сложной в мире лыжной гонке by 1tv.ru 2012.4.29
今回スペツナズが初参戦したのは、 Patrouille des glaciers という山岳スキーレースで、もともと第二次世界大戦中にスイス軍が兵士を鍛えるために編み出した行軍が起源になっているようです。現在は各国軍事関係者はもちろん民間人も参加可能なレースになっています。
コースはZermattからVerbierまでの53km、レース中の最高地点は3700m、ゴールのVerbierは1520mとアップダウンの激しいコースです。
今回参戦したスペツナズの面々。
で、肝心のレース結果ですが悪天でノーレースになったようですね。、スペツナズは2チームを派遣、エントリー26チーム中、完走は24チーム、その中で14位と19位でゴールしました。
まずは動画をご覧あれ。
動画開始20秒あたりから、スペツナズ流のスキー着脱・携帯の様子が記録されています。
この動画や記事の中で報じられているのが、レース中の行動食はわざわざロシアから持ち込んだ「ロシア風黒パン」。こんなやつです↓
どうみても茨城の干し芋・・・
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