休息
5月某日。
高気圧の影響で、山形市内ではポカポカ陽気といわれていた頃・・・
私は某連峰の山中で、冷たい雨と風にさらされていた。
ほんの数メートル先も見えない濃いガスの中、たっぷりの積雪に埋もれた樹林帯の中で、登山ルートを探しまわっていた。
マイナーな山域であることにくわえ、甚大な被害を引き起こした、先日の台風並みの低気圧のおかげで、倒木があちこち道をふさいでいた。そこに今年の大雪による残雪である。
夏道をイメージし、ぐるりと残雪のまわりを周回し、踏み跡を探し続ける。
ようやく夏道をみつけ、前進。
そしてまた、たっぷりの残雪につきあたる。
コンパスと、地図と、夏道の記憶、そして勘も総動員してルートを見つけ出す。
ガイド山行の下見は、私にとっては『仕事』の一つである。
なんの感慨も無く頂を踏み、下降路を確かめながら下山。
下山途中、ガスに包まれたブナの若木の樹林帯に、少し心休まる一時を過ごす。
5月某日。
前回の山行とはうってかわって快晴。
東北の山の上はまだ雪の世界なれど、アプローチの林道は初夏。
カエルも恋の季節か、婚活の仁義無き戦いの世界か。
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