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神室連峰という名の、花畑。

6月某日、神室連峰をガイド。
初日は神室連峰・火打岳、二日目は神室山~小又山縦走というなかなかハードな企画。

 お世話になっている旅行社から年間プログラムを配られたとき「あ、やりてえ」と思ったガイドプランだったが、担当のAさんから声を掛けられ、休暇がとれるアテも無かったのだが即答で引き受けた。

 神室連峰をガイドできる人間は少ない。
 このあたりの山域は、私が海外遠征から帰国してフラフラしている頃、マイナーな山の好きなマウンテンゴリラの誉田さんによく歩かせてもらった。
 
 いざガイドするとなると、稜線の残雪状況、エスケープルートの確認等、いろいろ準備が必要な訳で、5月はそれに忙殺されることになる。 
 さて本番、添乗に付いたAさんの洗練されたガイディングに逆に教わることが多い、ダメダメな山行でした_| ̄|○il|li

 しかし神室~小又の縦走路の花は凄い。
 普通、花といえば登山道の脇に咲いているものだが、ここでは違う。
 登山道の両脇だけでなく、歩くべき真ん中にも咲いているところがある。
 しかも道の片側は神室連峰特有の豪雪で削られたヤセ尾根のためキレ落ちている。
 なるべく花と花の間を選びながらも、「ごめんなさーい、ごめんなさーい」と心の中で唱えながら登るのであった。

 さかのぼって5月某日。
 準備山行で神室山を訪れ、下山したときのこと。
 神室ダムで中年の男性登山者がザックを置いて立っている。
 頂上付近ですれ違った方だ。
 もしやと思い話しかけてみると、タクシーを呼ぼうとしたが携帯の圏外で困っているという。
 新庄駅まで車で送ることにする。
 
 山形でも飯豊・朝日より公共移動手段の乏しい神室連峰、入山の時はどうされたのか尋ねると、関東から夜行バスで来たという。
 よくよく話を伺うと、関東の方なのに高松岳、虎毛山、摩耶山など東北でもシブい山ばかり登ってらっしゃる方だった。
 私がザックに付けているアックスをご覧になって、「東北の山に必要な装備は、関東に住んでいるとなかなかわからない。」とおっしゃる。このあたりは、私たち東北のガイド関係者の情報発信力が問われる点である。

 神室連峰は人を引きつける魅力がある。
 まだ開発の進んでいない原始性がそこにあるのだと思う。

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コメント

神室連峰、名前を聞くだけでそそられる山ですね。いつか行く機会があれば。やはり6月上旬が花の見ごろでしょうか。

投稿: panawang | 2012.06.13 07:00

re:panawang様
年にもよりますが5月ですと夏道が埋まっていてわかりにくいですし、花の見事さではやはり6月上旬でしょう。記事には書いてませんでしたが虫(ブヨ)も凄いです。咲き乱れる花、残雪に彩られた山々の眺めは、虫の不快さをおぎなって余りあると思います。機会がございましたらぜひ訪れてみて下さい。

投稿: 聖母峰 | 2012.06.13 22:10

神室連峰はいいところですね。眺望も良いですし。
水場が難点です…
だから、変な言い方かもしれませんが半端な気持ちで入山するなっていわれているような気がします。

秋田の山奥??お疲れ様です。
梅雨時期なので、ご安全に…

投稿: は。 | 2012.06.14 14:10

re:は。様
そうですね、あの1200〜1300mの標高とは思えない景観は魅力ですよね。
おっしゃるとおり水が問題でして…
クライアント用の非常時の水もザックに入れての行動でした。

静かな山が楽しめますが、春の入山時には山麓で山菜取りの方々の車が多く、地元の方にとっては生活の場であることを感じます。

いま秋田の街中でお仕事、旅館は現場の人向けで居心地は最高なんですがネット環境が無いのが玉にキズです。
秋田も今日から雨模様で気温も下がってきました。安全第一で仕事しまーす。

投稿: 聖母峰 | 2012.06.16 21:55

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