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息子とブナの森へ

ウチの子供達がお世話になっている、山形県立自然博物園の「キッズクラブ」。
今月が最終回、プログラム内容は「チャレンジウオーク街道歩き」。
古い修験道の道である「玄海古道」を子供達、父兄とともにたどるという内容である。

小学校の野外体験活動ですっかり登山嫌いになってしまった娘は参加を拒否。
キッズクラブの最終回ということで、息子を無理矢理引き連れて参加。

「山歩きだよ」 → 「森歩きだよ」 → 「ピクニックだよ」と、悪徳通信販売業者の宣伝並みに言い方を変え、息子をなだめすかして博物園に連れて行く。

博物園の敷地に到着してから、息子がはっきり「森歩きぃ~行きたくない~」とはっきり拒否反応を示す。
ここ最近、DSばかりにかじりついている姿に危機感を覚えた私は、荒療治を覚悟で嫌がる息子を強引に連れて行く。

最近出版されている親子登山本などには、子供を無理矢理連れて行くことが「山嫌いにつながる」としているが、私はもともと自分の子供に山を始めてもらおうなどとは毛頭思っていない。
あーた、自分の子供が将来8000m峰行きたいとか冬壁やりたいとか言ったらどーすんの?おとうさんはぜったいはんたいだっ!

山形盆地は晴天なのに、本日の月山は冷たい強風、そして断続的な雨。
スタッフで引率の倉本さんが出発のお話をしている時点で息子は「帰りたい」
そんな息子をつれて出発。
もともと私も博物園のブナ林ガイド、道はわかるので、いざとなれば私が息子だけを連れて引き返す覚悟で行く。

道中も「帰りたい」を連発する息子に、倉本さんが「キンミズヒキ」の実を与える。
小さい三角形の実が服によくくっつく。
息子はこれがとても気に入ったらしい。
途中の休憩でも「まだ歩くの」といいつつ、「あの実はどこいったの?」と自分のリュックに入れたキンミズヒキが気になる様子。これは脈あり。

天候はとにかく冷たい風と雨。
倉本さんの判断で当初予定の「一の木戸」まで行くのは断念、「春木戸」から周海沼を経由して戻ることになった。
息子には「ここから違う道をたどって戻るよ」、と「戻る」ことを強調して伝える。
どうやら帰れると思った息子、心に余裕ができたのか、それまで無言もしくは「帰りたい」が口癖だったのが、「キノコノコノコノ・・・」と歌いながら歩く始末。民主党議員なみに現金な奴である。

冷たい風と雨。
今回のプログラムは父兄同伴可能な行事で、皆さんブナの森に興味津々な方ばかり。
倉本さんがホオノキの実やコシアブラの実を解説し始めると、大人達は興味深く聴くのだが、寒さに耐える子供達は「ふーん」(棒読み)または「早く行こうよ~」。

そんなこんなで周海沼、野鳥観察小屋に到着。ここで子供達待望のお昼ご飯。
観察小屋の窓にコウモリが留まっており、みんなの注目を集める。
ちょっとお疲れ気味の息子はコウモリに少し興味を示しただけで、お弁当に集中。
ここでカミさんが気を利かせてタッパーに入れた缶詰ミカンが劇的効果を発揮。
(最近の給食で味を覚えたらしい、息子は缶詰のシロップ漬ミカンが大好物)
息子は「缶詰のミカンだ!」と大喜び。往路で「帰りたい」と言い続けた弱気顔は消え、弁当をパクついている。

今回の行動では息子の防寒着の類は全て私がザックに入れて持ち運び、「寒くないか」「歩いて暑くないか」常に問いかけて衣服の調節を私が行った。山の経験など全く無い息子には、激しく変化する外気温、体感温度に合わせて衣服を調節する経験も無いからだ。

昼食を終え、野鳥観察小屋から博物園に向けて下山開始。
もう出発時とは別人のような息子。
精神的にも余裕ができたのだろう、地面を覆うブナの枯れ葉に気が付いたらしく、「あ、たくさん葉っぱ落ちてる!マリオは木の葉っぱでタヌキに変身するんだよ」と、スーパーマリオの事を盛んに話しながら歩く。

そう、今年は出張も多く自宅にはあまりいなかったし、山形にいてもガイド山行もしくは準備山行、または資料集めの図書館通いで、自分の子供と過ごす時間は多くない。
のんびりと、とは言い難い悪天ながら、子供と一緒に何かを経験する時間が欲しい。

下山途中、川を渡る箇所では川虫探しにすっかり夢中の息子。
もう「帰りたい」の言葉は無かった。

昼過ぎ、青い空や日射しもチラホラ見える空模様の中、無事全員下山。
博物園施設内で今年度のキッズクラブ終了式を兼ねたお別れ式。
倉本さんからは、小学1年にして往復約6kmを歩き「姥ヶ岳も大丈夫ですよ」と太鼓判を押される。

お別れ式を終えて解散後、「あのくっつく実ほしい」という息子と一緒にキンミズヒキを採取。
帰宅後、息子はさっそく画用紙にキンミズヒキをテープで貼り付け、自作の標本を作り本棚に飾っていた。

しばらく息子を山に誘うつもりはないが、何かをきっかけに「自然」に眼を向けてもらえれば、と思っている。

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お楽しみの昼食場所、野鳥観察小屋にて

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昼食後のひととき、野鳥観察小屋前のブナ林にて息子は一人何を思うのか?

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猛暑のため、秋の実り「ヤマブドウ」もまだ緑色が多かったでした。

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倉本さんの手のひらにのる、かなり大きめの「冬虫夏草」
「えっ!虫にキノコがはえるのっ!?」
と、息子にとっても驚きのようでした。

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山形県立自然博物園では、毎年子供向けの連続プログラム「キッズクラブ」を開催しています。(博物園ウェブサイト左の「キッズクラブ」参照下さい)
子供に自然体験させたい方、異なる年齢・学校の子供達とのびのび遊ばせたい方、ぜひお申し込み下さい。(2012年度は終了、来年度のプログラム発表をお待ち下さい)

山形県立博物園内の道は古来の修験道の道、自然観察遊歩道などが幾つものびており交差しています。
初めて訪れる方にとっては迷いやすいため、初めての方には毎日(月曜・休園日除く)、9時30分と13時30分にスタートするインタープリター同行の無料ガイドウォークに参加されることをお勧めいたします。
なお山形県立自然博物園施設の開館、ガイドウォークの実施は10月末日までです。

 蛇足ながら、嫌がる子供さんを無理矢理山に連れて行くのは、他の方にはお勧めいたしません。(再度強調しておきますが、私も博物園のブナ林ガイド経験者で道を熟知しており、いつでも息子を連れて引き返す心の準備をして参加に臨んだものです)
 本日のキーポイントはやはり息子が夢中になった服にくっつく実のキンミズヒキですね。何か気を引くきっかけがあれば、子供は自然環境に順応してくれる。そんなことを今日は教わりました。

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