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弘前にて

岩木山の帰路、弘前市内に立ち寄る。
市街地に入ると、味噌屋や酒屋、ときには崩れかけた廃屋など、とても古い様式を今に残す建築物に目を奪われる。

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弘前で和菓子の老舗といえば、大阪屋

今春の金沢滞在で古くから伝わる和菓子の店を幾つか訪れ、古来の建築様式を見てきたが、この大阪屋も外装はもちろん、売り場も古い様式を残している。

ただし、今日は12月30日。
年末年始の贈り物か、正月用に和菓子を買い求める客で店の外は路上駐車の車がひっきりなし。
売り場も女性客でごったがえしている。
あらかじめ注文している客も多く、店の人はテキパキとさばいているが、「お寺さんに持って行くので包装は・・」など細かい注文のお客様も多い。

売る方も買う方も殺気立っているので、和菓子好きの方、弘前の大阪屋訪れるのは年末年始は外した方が吉。

私も正月用に生菓子買った他、どら焼きを一個購入。
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この大阪屋のどら焼き。
普通のどら焼きよりも小型で分厚い。
皮はぴっちりと閉じられ、よく売られているどら焼きのように餡が見えたりしない。
なんといっても特徴があるのは皮だ。
生地が密で、凄い歯ごたえのある皮なのだ(不味いという意味ではない)。
目隠しして各社のどら焼きを食べさせられても、大阪屋のどら焼きは一発で当てる自信がある。
そんな特徴のあるどら焼きです。ぜひお試しあれ。

大阪屋を離れ、地図を片手に運転しながらもう一つの目的地、「富田の清水」(とみたのしつこ)を訪れる。

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弘前の民家密集地の真ん中に位置する「富田の清水」

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以前訪れた山形県遊佐町「神泉の水」のように段々に水槽が別れている。
昭和初期まで「紙漉き」に利用されていた富田の清水は、一段・二段めが飲用、三段めが米・野菜の洗浄、洗顔、四段めが紙漉き、漬け物樽用水、五段・六段めが洗濯、足洗い用と決まっているそうです。(小屋掲示板より引用)

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湧水口。
口に含んでみるとやや温かい感じ。
登山用の温度計で測定すると、気温4.0度、水温は13.7度。
いわゆる「夏つめたく冬あたたかい」ってやつですね。

ここ富田の清水は地形学的には弘前台地、砂礫の多い地域に分類され、周辺の岩木山や大鰐山地から地下水が供給されているのでしょう。
これだけ民家密集地に位置しながら、月に一度実施される水質分析で大腸菌、一般細菌が検出されないというのも驚異的です。

あるガイドブックには「こんな街の中に湧き水が」という一文がありましたが、それは本末転倒というものです。
人が生きるために「命」ともいえる水があればこそ古来から人が集まり、村が、町が、そして今に到る都市が形成されたに違いありません。
「この水のおかげで」という人々の感謝の念が、永い時代を経ても大事に湧水を守ってきたのでしょう。

他にも見所の多い古都・弘前ですが、年末の雑事の待つ山形をめざし、雨に濡れながら車に乗り込みました。

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