ハミッシュ・マッキネス、BBCの一大スキャンダルに巻き込まれる。
最近、新聞の海外欄の片隅に幾度も掲載されていた、イギリスBBCの名物司会者ジミー・サビルによる「未成年者の性的虐待」というスキャンダルをご記憶の方も多いと思います。
この事件はBBCの誤報という不手際も含めてBBCの組織全体を揺るがす事件となり、昨年11月にはジョージ・エントウィスル会長が就任二ヶ月で辞任に追い込まれました。このジミー・サビル(昨年10月に病死)による性的虐待は約40年以上にわたり、被害者は300人以上という凶悪なものでした。
さらに、日本のオールドクライマー(失礼)の皆様ご存じのハミッシュ・マッキネスが、このジミー・サビルの犯罪に巻き込まれていたことが発覚しました。
ハミッシュ・マッキネスが長年使用していたスコットランド・グレンコーにある小屋をジミー・サビルが買い取り、所有していたのです。警察の調べにより、この小屋がジミーの犯行の拠点となっていたことが明らかになり、忌まわしき場所として小屋を解体せよという声が挙がりました。
これに対しハミッシュ・マッキネスはあくまでも自分はジミー・サビルに騙されていたという立場を強調。
(ジミー・サビルは慈善活動家としても知られ、皮肉にも性的虐待被害者を支援する基金を支援しており、そこにはチャールズ皇太子も関わっていたとか)
ジミー・サビル、背景の小屋がハミッシュ・マッキネスが長年利用していた小屋
この小屋は地元の野外活動家・山岳関係者の拠点でもあることから、地元の山岳関係者からも「ハミッシュ・マッキネス」記念館として再生したいという反論があり、またハミッシュ・マッキネス本人も強く小屋の存続を希望しています。
それもそのはず、日本のクライマー皆様にもご存じハミッシュ・マッキネスの代名詞ともいえるアックスやギアが、この小屋で設計されたのですから。
この一件を伝えたDailyrecordはスコットランドのタブロイド紙で、まあ日本でいえば夕刊フジみたいなもの、残念ながら小屋存続の結論までは報じていません。
凶悪な性犯罪者、しかもBBCには隠蔽の疑惑がささやかれる中、このような愚者のために登山史の一ページを綴った場所が失われる危機にあることは何とも嘆かわしいことです。
紳士の国なんでしょ?
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