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カラコルム冬季登山隊 ナンガパルバット

本日は今冬シーズン、ナンガパルバットに入山している登山隊について。

いまだ未踏を誇る冬のナンガ峰に、今シーズンは2隊が入山。

ディアミール側には、隊長David Klein(ハンガリー)、Zoltan Acs(ハンガリー)、Ian Overton(アメリカ)、Alex Gavan(ルーマニア)から成る国際チーム。以前にシモーネ・モローとデニス・ウルブコが試みたルートをたどる予定。

またイタリアのDaniele Nardi、Federico Santini、フランスのElisabeth Revolから成るチームもディアミール側に入山している模様。こちらは1月18日現在、近くのガナロピークで高所順応中。

ルパール側には、隊長Tomasz Mackiewicz、Marek Klonowski、Piotr Strzezysz、Adrian Kutarbaから成る4名のポーランド隊が入山、活動中。

Rawalpindi_2
ラワルピンディで準備・休憩中のポーランド隊。

 ルパール側に入山したポーランド隊は有志のコンパクトな登山隊で、ポーランド山岳会のウェブサイトでも全く触れられておらず、大々的にマスコミに取り上げられているブロードピークのポーランド隊とは全く対照的な登山隊。ポーランドのクライミングサイトはもちろん、ヨーロッパ各国のクライミングサイトも、情報源は隊員達の個人ブログが頼りのようです。

参考サイト
 nangadream.blogspot.comczapkins.blogspot.com

 彼らが目指すのは、ルパール壁左端のシェル・ルート。
 メスナー兄弟やスティーブ・ハウスらが登ったルパール壁中央より、一つ岩稜を隔てたリッジでマゼノリッジ上部に合流し頂上に到るルートです。

20061020xnangaschell
ポーランド隊が冬季登攀をめざすシェル・ルート(Photo by czapkins.blogspot.jp/)

 1976年、ハンス・シェルら4名から成るオーストリア隊によって開拓されたルートで、隊長の名前をとってシェル・ルートと呼ばれています。(頑固爺ヘルリヒコッファーの著書では「キンスホーファーの道」と記載されていて実にわかりにくい・・・)ちなみに76年のハンス・シェルらは簡素な隊ながら全員登頂に成功、ナンガ峰第6登を果たし、高く評価されています。メンバーには後にガッシャブルム4峰西壁初登を果たすロベルト・シャウアーが22歳で参加していました。

 冬にルパール壁を目指すという大胆な試みは、1963年の冬にさかのぼります。
 ヘルリヒコッファー率いる登山隊、正確にはルパール壁の偵察隊ですが、1963年1月に入山。冬の積雪、そして雪崩に苦しめられ6000mが最高到達点という結果でした。この遠征は到底登頂は無理、とヘルリヒコッファー本人も本音を著書に綴っていますが、ルパール壁登攀の可能性を見いだせた重要な遠征でした。

 いずれにせよシェル・ルートから冬にナンガパルバットを目指す試みは、今冬注目しておきたいと思います。

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