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韓国クライミング界の新鋭、ソン・ハンナレ

 韓国・青松でアイスW杯が開催される一週間前、前哨戦ともいえる「2013青松全国アイスクライミング選手権大会」が開催されました。
 この大会で優勝候補に挙げられていたシン・ウンソンを破り、女性リード、スピード両部門で優勝したのが22歳のソン・ハンナレ。
 W杯を目前に控えて調整中とはいえアイスW杯常連のシン・ウンソンを抑え、アイスクライミング歴わずか1年というソン・ハンナレが優勝したことは、彼女の身体能力の素晴らしさを雄弁に物語る事実です。

 もともと韓国国内の各種大会で優れた成績を収めてきたソン・ハンナレですが、この青松大会優勝で一気に韓国メディアの注目を集めました。
 東亜日報が珍しくモノローグ調の記事で取り上げてますので、以下に紹介します。

‘美男美女’スポーツクライミング選手ソン・ハンナレ 「現実の壁の前座り込んだ若者たち、私と壁を越えて夢を探しましょう」 by 東亜日報2013.1.23

以下記事引用開始
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P1

 こんにちは、ソン・ハンナレです。
 私の名前を初めて聞いたでしょ?
 ナショナルチームの選手で、歌手のユン・ミレ姉さん (訳者注:「姉さん」は韓国語での敬称、血縁関係ではない。以後同様) とスポーツブランドのCMも一緒に撮ったんだけど、まだ有名ではないみたい。教科書にも載ったよ。もうちょっと自慢すると、キム・ヨナ姉さんが第一回受賞者だった"第3回京畿道教育庁グローバル人材賞"を受賞しました。
 私の名前「ハンナレ」は「大きな翼」という意味です。大きな翼で私は岩壁を登ります。スポーツクライミング選手なんです。人工氷壁を登るアイスクライミングは、昨年から始めました。大会の成績をいちいち私から言うのは照れくさいんで、知りたければインターネットで検索してください。
 私は今年、韓国外国語大の国際スポーツレジャー学部の3年生になります。選手生活と学業の両立は簡単じゃないです。他の人々と同じように自己推薦枠で合格したんですよ。うぬぼれるわけじゃないけど、勉強できないわけじゃなかったんですよ。中学校の時は先生がスポーツ止めて外国語高校に進学してはどうかと言われる程でした。(訳者注:外国語高校とは、外国語学習に特化した高校で一流大学への門戸としてとらえられている)高校もスポーツだけじゃなく勉強も頑張りました。ところが友人から「あんた運動できるんだから勉強しなくてもいいんじゃない?」本当に大喧嘩しました。頭悪いから、勉強するの嫌だからスポーツ、という言葉が大嫌いなんです。

 フランスのパリにトレーニングに行った時は、エッフェル塔見物よりも運動したほうが良かった。思えば、私は本当にスポーツ中毒みたい。私の家は、京畿道坡州(パジュ)市、練習場は、ソウル広津区建国大の前にあります。毎日2時間以上、バスと地下鉄を乗り継いで通いました。その移動時間を割いて勉強してました。トレーニングを終えて夜12時過ぎ、地下鉄の終点に到着して目覚めると手に持っていた教科書が床に落ちている毎日でした。それでも家に行くと再びシャワー浴びて勉強してましたよ。試験のたびに徹夜するのはいつもでした。
 そんな娘が切なかったのか、パパが家に近い場所にクライミングジムを設けてくれました。娘に全てを賭ける(オールイン)したんです。さて、私の父(名前はソン・ソクウォン)もクライマーです。四歳の時、父に背負われて遊具に登るように山を上り下りしたことが、最初の山の思い出です。

 こんなに熱心に過ごしたのに、高3の時、大学進学は簡単ではなかったんです。
 某大学の特技者選考に応募したら、スポーツクライミング大会の入賞実績は受賞実績として認めてもらえなかったんです。国際大会で優勝もしたのに。唯一、スポーツクライミングの実績を認めている他の学校では、先輩たちの学校生活がとても不誠実だという話を聞きました。行きたい気持ちが消えたのは当然です。だから、正面突破で入学査定官制度を選択したの。(訳者注:韓国では一般入試の他、成績中心の画一的な選抜からの脱却を目指して行政機関から独立した「入学査定官」による入学生選抜も行われている。潜在的な能力を持つ学生を発掘することが目的の一つ)
 こんなことを経験して、希望の専攻もスポーツ生理学からスポーツマーケティングに変えました。私がやってる競技種目がどれだけ魅力的なのか、多くの人に知ってもらいたかったから。このスポーツがもっと普及して、いつかオリンピックの正式種目になることに力を尽くしたい。大人になって、競技のために女性としての自分をあきらめなければならない時があります。昨年からアイスクライミングを始めたんで、肩の筋肉がついたのがわかるんです。スポーツクライミングの時にもパワーが付いてきました。男の先輩が「お前、そんないい体格でウェディングドレス着るつもりかよ」だって。ムカついたけど大丈夫、私の大好きなユ・アイン兄さん(俳優)は、​​こんなつまんない事言う男じゃないから。

 今はとても健康だけど、幼い頃は家の前のスーパーに行くように病院に出入りする子供でした。気管支が悪く鼻血が止まらなかったんです。家の外に出るときは、お母さんがいつも服を一着余計に準備してくれたの。でも小学校4年生の時から運動を始めたら良くなったんです。いわば夢を追いかけて壁を登るから、病原菌がついてけなくなったんでしょうね。
 人からは、壁を登りながら何考えてるんだって聞かれるけど、実際何も考えない。ただ、差し迫って登るだけです。競争選手に勝つことよりも、私に負けないことが一番大切です。だから私のブログのタイトルも、"Don't lose yourself"なんですよ。

 もしかして、自分にいつも負けていると思ってない?それならぜひスポーツクライミングに挑戦してみてください。一度やってみればわかるはず。見た目より危険でもなく、難しいスポーツじゃないんです。誰も信じられない時、自分を信じることを学ぶことができるんです。特に現実の壁の前に座り込んだすべての若い人たち、一緒にクライミングしてみない?

 ファンギュイン記者kini@donga.com
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P2
2013年1月5~6日、2013青松全国アイスクライミング選手権大会で表彰台に立つソン・ハンナレ(中央) Photo by 韓国日報

アイダー、アディダス、K2がスポンサーとして支援しているソン・ハンナレの経歴

2013年 青松全国アイスクライミング選手権大会優勝
2012年 第93回全国体育大会山岳部女子リード部門優勝
2011年 第57回大韓体育会チェユクサン競技部門奨励賞
2010年 スポーツクライミングコリアンカップシリーズ女性一般の部優勝
2009年 第3回グローバル人材賞受賞
2008年 第7回アジアユースクライミングチャンピオンシップ1位

オンサイト 5.12a、レッドポイント 5.13d、イタリアのアルコにてHuego(5.13d)を完登。

記事の冒頭、歌手のユン・ミレと一緒に出演したというスポーツブランド(アディダス)のCM動画がこちら。
現在各分野で活躍する若い女性5人、歌手のユン・ミレ、DJミリョン、カメラマンのアン・ハジン、クライマーのソン・ハンナレ、韓国唯一の女性プロBMX選手パク・ミンガによるCMです。

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