今春のエベレストさんは、
タラちゃんです。
今春のエベレストさんは、
★シモーヌ・モローとウエリ・シュテックがエベレスト南面に新ルート開拓予定(詳細不明)
★グレブ・ソコロフとアレクサンドル・キリコフのロシア隊がカンシュンフェースに新ルート開拓予定
★デニス・ウルブコとアレクセイ・ボロトフがエベレスト南西壁をアルパインスタイルで登攀予定
★韓国のキム・チャンホが無酸素8000m峰14座の最後として、エベレストを海抜0mから徒歩・カヌー・自転車でアプローチして無酸素登頂予定
の、4本です。
さて、日本のクライマーにも知られるデニス・ウルブコらの登攀予定ルートが公開されました。
去る3月14日、ロシア・エカテリンブルグのコムソモールスカヤ・プラウダ・プレスセンターでアレクセイ・ボロトフが今春のエベレスト登攀に関する記者会見を開きました。
アレクセイ・ボロトフ(右 過去にマカルー西壁、ジャヌー北壁直登で2度ピオレドール受賞)、左のおっさんは登山隊の相談役ユージン・ウィノグラドスキー(80年代にソ連隊でカンチに登頂、07年K2西壁登攀したクライマー)
この記者会見に先立つ3月13日、地元のスベルドロフスク山岳連盟のウェブサイトで公開された登攀予定ルート図がこちら↓
このルートがロシアの某クライミングサイトでは話題になっています。
私の手持ちの資料では、このラインは決してウルブコ、ボロトフのオリジナルという訳ではなく、南西壁の大クーロワールからロックバンドにかけては、71年のノーマン・ディーレンファース率いる国際隊のルートに沿ったラインですね。
71年の国際隊は日本からは植村直己(明大)、伊藤礼造(山学同志会)の両氏が参加したものの、イギリスの「酔っぱらい」ドン・ウィランスとドゥーガル・ハストンにトップを譲ってもらえず、さすがの植村氏も相当キレかかったといういわくつきの隊。
ウィランスとハストンのペアはロックバンド下部を右上するルートどりで8350mまで到達。
今春のウルブコ、ボロトフのペアはアルパインスタイルで当然無酸素、固定ロープ無、さらに外界との接触を断つため無線機・通信機の類もベースに置いていくと報道されています。
エベレスト南西壁をアルパインスタイルで登攀するという課題は88年にチェコスロバキア隊の4名が達成していますが、下山途上に行方不明となり全員死亡。
ウルブコらが、過去にハストンら当時一流のクライマーを退けたロックバンドを、アルパインスタイルでどう攻略するのかが注目されます。
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コメント
バリエーションにこれだけのビッグネームが揃う事は異例ですね。
一ファンとしては楽しみですが、
危険なルート、頂上付近の渋滞、特に東壁はどこから南東稜に合流するかで
不確定要素をはらんでいて心配です。
無事を祈ります。
個人的には、モローとシュテックが何をするかが楽しみです。
スピードなのか、トラバースなのか。
投稿: YH | 2013.03.26 10:07
re:YH様
「登り尽くされた」と形容される世界最高峰で、トップクライマー達がそれぞれ個性あふれる手法で登ろうとする姿が興味深いです。
<<不確定要素をはらんでいて心配です。
まったく御指摘の通りです。ここ最近記録も無いカンシュンフェースは特に・・・ですね。
<<個人的には、モローとシュテックが何をするかが楽しみです。
春シーズンの大渋滞をどうさばいて(避けて)、彼らのクライミングを展開するんでしょうね。
ここ最近は5000~6000m峰で素晴らしいクライミングが続くヒマラヤで、一挙に世界最高峰で限界に挑もうとする彼らの成功、そして無事下山を私も祈っています。
投稿: 聖母峰 | 2013.03.27 00:19