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アルパイン・パーキングメーター

山奥に、幾日も車が駐車されている。

もしや車の所有者は遭難しているのであるまいか!?
それとも無事に登山活動中なのか!?

登山者保護、そして迅速な救助活動を目的に、オーストリアでこのたび考え出されたのが、『アルパイン・パーキングメーター』(Alpine Parkuhr)と呼ばれる駐車票です。

Eine Parkuhr, die Leben retten kann by KLEINEzeitung 2013.4.17

Alpineparkuhrjpg
この駐車票、「Alpine Parkuhr」のタイトル下には自分の携帯番号を書き込みます。
円形の周辺には、ドイツ語で月~日曜の曜日が表記され、黄色いマーカーにはドイツ語で『Ich bin spätestens um... zurück』(私は遅くともこの時までに戻ります)と表記されています。

要は、連絡先と戻る日時を明記した駐車票ですね。
使い方は、出かける登山者は車の窓にこの駐車票を貼り付けておく、という具合です。

U2
 この「アルパイン・パーキングメーター」を企画・実現したのは、オーストリアの山岳観光地ヨーンスバッハ(Johnsbach)のLudwig Wolf市長。
 
 アウトドアサイト掲示板を覗くと、「ちょっと管理しすぎじゃない?」「携帯電話など連絡先明記しておくのはいいアイデアなのでは?」と賛否別れていますが、市長によれば試験的に300枚作ったところ、数日で無くなったとのこと。今年の観光シーズンに向けて数千枚製作予定で、観光案内所などで無料配布するそうです。

 日本でも遭難事故発生時には「登山口で遭難者のものと思われる車を発見」などと報道されますね。
 日本の山の本でも「登山口に駐車する車の窓に登山計画書を貼り付けておく」というアイデアを書いた本ありますし、以前もそうした車を登山口で見かけたことはあるのですが、私は治安対策上で疑問ですね。

 一つは電話番号という個人情報をさらすこと、それから車の所有者がいない期間を明記することになるため、車上荒らしが気になるわけです。 
 実際に私そして山仲間が「え、こんな辺鄙なとこで」という山で車上荒らしにあった経験があるため、日本でこういう駐車票を使うとなると、ちょっと二の足踏みますな・・・
 オーストリアは車上荒らしとか少ないのかな?
 「電話番号」と「日程」という情報を外にさらすことになりますが、試験配布されたパーキングメーターは数日で無くなったとのこと、定着するのか気になるところです。

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【速報】エベレストで乱闘事件、被害者はモロー、シュテックらか

 海外メディアでは「エベレストでシェルパと外国人登山者が乱闘、外国人2名負傷」という情報が伝わっていますが、イタリアのMontagna.tvがいち早く、原因・状況は不明ながら「乱闘事件」を伝えています。

Incredibile rissa all’Everest: Simone Moro, Ueli Steck e Jon Griffith assaliti dagli Sherpa by Montagna.tv2013.4.28

 多くの海外メディアでは「外国人登山者」としか伝えていませんが、4月29日現在、Montgna.tvでは乱闘に巻き込まれたのはローツェ西面で順応活動中だったシモーヌ・モロー、ウェリ・シュテック、ジョン・グリフィスと伝えています。

 Montagna.tvによればシュテックとグリフィスがシェルパに殴られ負傷、Explorerswebでは、この乱闘により致命的な怪我を負った者はいないが、シュテックが帰国するとのこと。
 
Everest brawl: Ueli going home by Explorersweb.com 2013.4.29

 情報が交錯していますが、ネパール警察が動いていることから、エベレスト山中でシェルパとクライマーの間で乱闘事件が発生したことは間違いなさそうです。

 当ブログにもコメントを頂戴しましたが、今春はウルブコやモローら一流どころがエベレストに新ルート開拓をめざすとあって注目されていたため、非常に残念なニュースです。
 詳細な原因については、現時点での報道ではフィックスロープを巡るトラブルのようですが、いまだシモーヌ・モローからの報告だけが頼りのようですので、これから明らかにされる情報を待ちたいと思います。
 登山者が多すぎるゆえのトラブルはこれから増えこそすれ、減ることは残念ながら無いでしょう。

 しかしExplorerswebの記事をそのまま受け取ると、約100人のシェルパがナイフや石で武装して「山から下りないとぶっ殺すぞ」と3人を脅したとありますが、マジですか?という感じですね。

 遙か大昔、日本でも「シェルパ殴打事件」としてヒマラヤに遠征したクライマーがシェルパを殴った殴らないで「岩と雪」誌で大論争になり、話は植民地問題にまでぶっとんでいった記憶がありますが、今現在のエベレストはもはや俗化した世界であり、下界となんら変わりのない「社会」なのかもしれません。

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森山(403m)

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登山口から望む森山

岩木山中腹から下山、着替えずにそのまま森山(403m)に転戦。
森山とは、岩木山山麓にある里山である。
位置はこちら↓
Map

 岩木山神社関係者の言では、森山は「模擬岩木山」なのだという。
 神々の場所として、岩木山にみだりに人が入っては行けない時代、その眺望の良さから森山は岩木山の「代わり」として参拝されてきたらしい。

 森山は山頂付近まで林道が続いているのだが、まだ春浅く、標高403mとはいえ山全体が雪に覆われている。
 始めは林道に忠実に登っていく。
 木々には新緑の気配もまだ無い。
 あー、フキノトウの黄緑色も見飽きたなーと言う頃、林道脇の斜面に

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 多くのカタクリが花開く準備をしていました。

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午前中は岩木山中腹でガスと風の中を登っていたのだが、ようやく青空、日の光が差してきた。

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なるほど、森山はその位置から絶好のロケーションである。岩木山上部はまだ厚い雲の中。

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本日のフィールドサインはカモシカの足跡です。

せっかくの雪山、林道を忠実にたどるのも馬鹿馬鹿しくなってきた。
笹藪を手がかりに林道法面をよじ登り、積雪に覆われた林の中を直登。
登山口から40分ほどで頂上。

頂上稜線は雪が溶け、積もった枯葉が露出している。
カシャクシャと音をたてて枯葉の上を歩き、最高点の稜線西側にたどり着き、頂上とする。
ここで行動食のランチ。

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パンとコーヒーを口にしながら、空を見上げる。
強風のため、雲が凄い勢いで流れていく。

 森山はもともと「守山」とされ、岩木山の「代理」として人々の信仰の対象になっていたといわれるが、私には疑問が湧く。
 頂上には標石も祠も何もない。
 あまりにも何も無さすぎる。
 森山は本当に岩木山の代理としての対象だったのだろうか?

 今回私はショートカットしたので訪れなかったが、中腹には「守山神社」というお社はある。
 その歴史は古く1091年に建立され、1873年、岩木山神社に合祀された。
 この守山神社を守ってきた地元の山田家では、大晦日の夜に森山、太陽、神棚の三方に御神酒と餅をあげ参拝するそうである。

 しかし、人々がどのように森山を参拝したきたのか、文書には一切残っていない。

 こんなエピソードがある。
 津軽の人々にとって岩木山の存在がいかにシンボリックなものかはここで言うまでもないが、岩木山周辺にある企業では、社長室などVIPルームは岩木山がよく見える部屋を選んだり設計したりすることがあるという。
 
 私が住む山形盆地、水晶山や雨呼山などの里山では、月山が見える場所は「月山参拝の地」として今に言い伝えられ、頂上にお社も建てられている。
 
 あの赤坂憲雄氏も月山を引き合いに出して「他の地域にはない」と言わしめるほど津軽の人々のシンボルとなっている岩木山。(月山を引き合いに出されるのは私結構腹立ってるけど。)
 それほど象徴的な山が望める山だというのに、あまりにも何も無い、寂しい山頂は不自然ではないだろうか?
 
 「模擬岩木山」と言われる割に森山がこれほど寂しい理由は、岩木山神社の存在があまりに大きかったのでは、と私は推測するが、これほど素晴らしい景観の里山。静かな方がいいのだろう。
 地元の方の話では、昭和の頃の森山は学校帰りの子供達の遊び場で、積雪期はスキーを持った子供達でにぎわったという。
 ゲーム機全盛、少子化の今、森山の雪の上には私とカモシカの足跡だけだった。

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行動食を食べて下山。
すっかり青空になり、日の光が雪解け水に反射してまぶしい。

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花にはまだ早かったかなと下山。
と思いきや、激しく雪解け水が流れる水路脇にザゼンソウ。

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人目を避けるように、木陰に紫のキクザキイチリンソウ。

津軽にも春ですね。

参考文献
 津軽に学ぶ会編著 津軽学 創刊号
 根深誠著 分県登山ガイド 青森県の山(旧版)
 村上義千代著 あおもり110山 

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俺の岩木山がこんなに可愛いわけがない。

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再び岩木山・嶽温泉へ。
春スキーバスで一気に稜線に向かい、楽ちん山スキーをもくろむ。
2008年のGWに訪れたときは暴風雨で終日バス運行中止、そして昨年末は低気圧のため途中で引き返した。
本日の岩木山は、上部が雲に包まれている。

嶽温泉始発・8時25分八合目行きバスを待つボーダーやテレマーカーが十数人、バス停に集まり始めた。
今年こそは岩木山で山スキーという願いが叶う!
あと数分でバス到着だ!
わくわくー!
というところへ、バス停に軽自動車が止まった。

舌と耳にピアスばっちりなイケてるおねーさんが降りてきて、
「春スキーバス待っている方いますか!本日は山の上で積雪があって、除雪のためバスは終日運休になります」
岩木山スカイライン上部で約15cmの積雪があり、これから除雪にとりかかるという。

Umezu
嗚呼、今年も春スキーバスにフラれる私・・・

そこに居合わせた一同、おねーさんの死刑宣告に呆然とする。
「午後からは運行しますか?」
と、諦め切れなさそうなボーダーが質問するが、除雪に時間がかかりそうで午後もおそらく運休とのこと。

 一気にテンション低くなったのがひしひしと伝わる空気の中、諦めて車に戻る者、地図を広げてこれからの行程を相談する者、バス停からそれぞれ散らばっていく。

 私は岩木山の他のルートを下見することも考えたが、低気圧の影響はまだ日中も残ると考え、嶽コースを登っていくことにする。山スキーにシールを装着し、出発。

 昨年末訪れたときに比べれば、ブナの若芽も大きく膨らみ、春の気配がする。

 2時間以上登り、右手の黒森(887m)山頂と同じくらい高度を上げたところで、ブナの森は一気に冬景色となる。

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林立するブナの木々、北西面だけがうっすらと雪が付着している。
今朝までの風雪の激しさが伺える。

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枝に付着した氷が木々を白く飾る。

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トゲのように発達した着氷が風の厳しさを語る。

嶽コースの看板番号が50番のところにさしかかったところで視界不良となった。
岩木山の上部にかかる雲の中に入ったらしい。
ツボ足で登高する学生パーティー、名古屋からいらっしゃったテレマーカーのご夫婦は先行しているが、私の判断では、ここまでだ。ここから滑り下山。

エッジの効く快適なザラメ雪で、私の技量でもブナの間をぬって滑り降りることができる。
ああ、これを愉悦と言わずして何なのだろう。

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トンネルのような林が特徴の嶽コース下部。

所々で止まり、滑りを味わいながら嶽温泉に到着。
駐車した車に戻り、スキーに付着したザラメ雪をブラシで落としていると、年季の入ったモンベルのジャケットを着たおじさんに「どこから来たの?どこまで行ってきたの?」話しかけられる。
おじさんも春スキーバスを頼りに嶽温泉に来ていたらしい。
「八甲田もこんなコンディションかなあ、これからどうするかなあ」
と、これからの行程に悩んでおられる様子。

荷物を整理し、「嶽きみ」を一本喰って、次の山「森山」に向かいます。

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やっぱロープは使いこなしたいものですね【棒読み】

台湾・嘉義市にある国立中正大学。
設立は1989年と新しい大学ですが、台湾の大学ランキングでは各学部ともベスト10入りする国立大学。
この大学の登山サークルSNSで掲載された画像が、台湾メディアを騒がせています。

台登山社海报用女优照片 被骂拿低级当有趣(图) by 中国新聞網2013,4.25

まあ、サークルの技術講習会募集の画像なのですが、こちら↓

      

      


                                                                 Cu_2

 画像にある『基礎縄結 普魯士上升』とは、日本語に訳すと「ロープワーク基礎講習、プルージック・クライミング」。中国語の「普魯士」とは、プルージック(prusik)の事なんですね。
 というわけで、プルージックノットを中心にしたロープワーク講習会の告知だったのですが、掲載された画像がなぜかコレ。
 しかも画像の女性、台湾のネット上で「これ日本のAV女優の志保だよね?」とバレバレでして(知ってる人は知ってると思いますが、日本のAV女優は中華圏では人気がありますです)、

「教育機関のSNSになんでエロビデオの女優の画像掲載するか!?」
「エロビデオの版権問題だいじょぶ?」
「女性の「性」をモノ扱いしている(怒)!」
などなどの反響が巻き起こっております・・・

いえね、山やってるとゆーだけで「亀甲縛りのやり方知ってるよね?」と聞かれたことは幾度かありますが・・・
清く正しくロープワーク復習しようと思う今日この頃です。

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相 棒

 2009年8月、今使用しているザック、バーグハウスのアリートプロ45を購入した
 あれから4年。
 アリートプロの使い勝手は満足している。
 某登山用品店のウェブサイトで「さほど背負いやすくない」などと酷評されていたが、そういう方は一度整体にでも通って背中をほぐしてもらってはどうか?
 アリートプロのようなシンプルな背面、薄肉のショルダーベルトは少なくとも私の好みに合う。

 しかし。
 ガイド山行だけでなく普段の個人山行でどうしても改善したかったのが、ザックの底にパッキングしてある装備も素早く取り出したい、ということ。

 というわけで、
 ◎ジッパーで胴体が開き、中身を取り出せる機能付
 ◎日帰りガイド山行に使える50リットル以上の容量
 ◎私の好みである、シンプルなデザイン
 以上の条件を満たすザックを求めた。

 いつも装備の相談にのってくれる天童市のマウンテンゴリラに行く。
 ジッパーで中身を取り出せるザックといえば、私の記憶ではダックスしか思い浮かばなかったのだが、今は色々なメーカーが製造しているらしい。
 もっとも、
 アークテリクス → 値段ゼロ一つ多い
 グレゴリー → 私が個人的に大嫌い
 というわけで、結局ダックスの製品に落ち着く。
 こうしてダックスのピラー50を選択。
 
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長いつきあいになりそうです。

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湯殿山へ

 札幌から帰宅した翌日、月山エコプロの助っ人サブガイドで湯殿山へ。

 早朝、車に荷物を積もうと外に出ると、
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 冬の再来。
 天気図で天候不良は予測してたけど・・・
 念のため予定より早めに自宅を発ち、月山に向かう。

 エコプロの湯殿山ツアーは毎年大人気のプログラム。
 出羽三山として知られる湯殿山は登山用の夏道は無い。登山者がアプローチできるのは積雪期だけなのだ。

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 数日前まで硬く締まった残雪に多量の新雪が積もったため、斜面の雪質がいやらしい。
 途中、沢筋の斜面で参加者をフォローする場面にでくわす。
 スノーシューを脱いで素早く動ける体制になり、ストックは置いてピッケルを持つ。
 先月、軍沢岳で氷の斜面を下降する時もそうだったが、ストック、ポールの類はあてにならない。正直、ピッケルを握るとホッとする。

 エコプロのプログラムはリピーターが多いが、今回はスノーシューをレンタルされた初心者の方もおられるので、スノーシューの固定が緩んでいないか、随時後方からチェックしながら歩く。

 降雪は止まないが、風も弱く気温は低くもないので、サングラスが曇る。
 なんとか湯殿山の森林限界まで登ったところで、メインガイドの真鍋さんの判断で本日は退却。
 下り始めるとともに風が吹き始めた。
 雪は降り続き、4月だというのに春山らしさは消え、冬景色となる。
 ブシ沼近くの林で昼食をすませ、出発地の県立博物園に下山、解散。

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 今月は西日本の里山を歩いていたため、月山のブナ林は久しぶり。
 ブナの幹に残ったツキノワグマの爪痕を眺めながら、今シーズンは改めて初心に戻り月山のブナ林コースを踏んでみようとも思う。

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帰路、交通量の多い国道112号線沿い、歩行者もいない西川町某所にて。
積雪に囲まれながら、キクザキイチリンソウが今にも花開きそうでした。

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北へ。(第3日め)

小樽・ニセコ研修旅行も最終日。

ビジホで皆がパイキングの朝食をとっている頃。
私は1人、ローソンのサンドイッチを食べながら、始発の新千歳空港行き電車に乗り込んでいた。

一カ所でも多く北海道の自然を見てみたい。
空港集合は13時、普通に札幌を発てば空港で買い物するくらいしか時間が無い。
当初はレンタカーを借りて札幌近郊の山に行くことを狙ったが、予想以上に積雪が多いこととレンタカー返却を考えるとスケジュールに無理がある。

目的地を山から、以前から行きたいと思っていたウトナイ湖に変更。ラムサール条約登録湿地となった湖である。こんなこともあろうかと、今回の荷物にはビノキュラーも忍ばせておいた。
ホテルで朝食をとらず、始発電車で移動をかける。
新千歳空港でバスに乗り換え、バス停「ウトナイ湖」で下車。

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道の駅「ウトナイ湖」から岸辺にアプローチできる。

樹脂板で固められた歩道を進むと、かなり痛んだ木道が続く。
このまま日本野鳥の会のウトナイ湖サンクチュアリに行くことを考えたが、途中で木道工事中だった。
春の観光シーズンを迎え、かなり急いでいるのだろう。
土曜日だというのに、現場作業員が木道の板を担いでまさに工事中。
引き返して、
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環境省の「ウトナイ湖野生鳥獣保護センター」を訪問。
ここで野草や野鳥の情報を仕入れ、外へ。

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春まだ浅い自然観察道。

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色彩に乏しい林の中で、たった一種類だけ花を咲かせていたナニワズ(オニバシリ)。「ナニワズ」は長野方面の方言といわれるらしいが、ここウトナイ湖のセンター掲示板でも表記は「ナニワズ」。
小さい花で地面に這うように咲いてますが、林の中の良いアクセントでした。

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今回見つけたフィールドサインは、エゾシカの足跡。
蹄の先端の三角形がしっかり残る。雄の成体で体重100kg前後になるらしい。そりゃ足跡も目立つくらい残るわけです。

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毛皮のようなエゾノバッコヤナギ。

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冷たい風が吹くものの、昨日までと変わって青空の下、林の中を歩く。

それから再び野生鳥獣保護センターへ。
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備え付けの大型望遠鏡で、対岸のサギ、カモを観察。

以下、ウトナイ湖野生鳥獣保護センター掲示板からの書き写しです。
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自然観察歩道の自然状況 2013.4.11

植物 アキタブキ花(フキノトウ)、ハンノキ雄花、イヌコリヤナギ芽、エゾニワトコ芽、ナニワズ蕾~開花、フッキソウ蕾、キタコブシ冬芽、水芭蕉 芽

観察した生物
 ハシブトガラス、ハシボソガラス、エゾノバッコヤナギ、イヌコリヤナギ、キタコブシ、エゾニワトコ、ナニワズ、フッキソウ、エゾフユノハ、ナワラビ
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ここで2時間ほど過ごし、バスで新千歳空港へ移動、皆と合流。
それからお土産購入タイムを過ごし、仙台空港経由で山形へ戻る。
山形はもう桜も7分咲き。
今月は岡山→山形→広島→山形→埼玉→山形→北海道→山形。
生活圏内で、今年はいったい何回「冬と春」を繰り返し体験することになるのだろう。

明日はガイド山行。
帰宅し、少し疲れを感じながらもパッキング。
早朝の出発に備え、布団にもぐり込んだ。

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北へ。(第2日め・夜)

札幌・すすきのにある某ビジホのシングルルームを割り当てられる。
明日の札幌~新千歳空港のJRチケットを渡され、明日13時空港集合、あとはフリータイムという放置プレイとなる。

まずは北海道の登山用品店・秀岳荘の北大店へ。
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さすが充実の品揃え!
あれ?
どうして!?
どうしてなの!?
どうして登山用品店にいると時間が速く進むの~
閉店間際まで店内を見て回る。

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あいにく登山用品は間に合っているので、参考文献として高澤光雄氏編著の『北海道登山史年表1871~2012』と秀岳荘ステッカー、ラバーバンドを購入。

さて、札幌すすきの滞在の夕食。
週末の金曜、そして大学の新歓の季節らしい、すすきのは大勢の人々でごったがえしている。
カニやらウニやら、フリーペーパーの軍門に下るのは嫌だ!
というわけで、ロシア家庭料理店『東・西』を訪れる。

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人混みから脱出し、静かな店内でコース料理を1人で堪能する。
最初に出されたのが「セリョートカ・ポド・シュボイ」(селѐдка под шубо) 、「毛皮を着たニシン」という料理。
 オイル漬けニシン、ポテト、ゆで卵があえてあり、表面を濃い赤紫のビーツが覆うロシア風サラダ。添えられた黒パンと共に食す。
 それからボルシチ、ビーフストロガノフ(添え物はパスタを頼んだがボリュームが凄い)、濃い紅茶で締め。
 追加でピロシキも頼む。

 ピロシキ、日本では「カレーパンとどこが違うの?」と言いたくなるような揚げパンが多いのだが、ここ「東・西」のピロシキは普通のパンで挽肉を包んだもの。水分少なめでパサパサしている。
 ちなみに調理しているのはロシア人。
 これが本式のピロシキなんだろうか。
 
 ゆっくり1時間ほどこの店で過ごし、再び喧噪のすすきのの人混みに埋没する。

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北へ。(第2日め)

ニセコの昆布温泉に宿泊。
朝、窓のカーテンを開けると
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すっげえ降りっぷりの雪。

指定の服装、ジャージ着用で出発。寒そうなので私は冬山用アンダーウェア上下を着込んで行く。
出発時には雪は小雨になる。

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 今回ラフティングを実施するニセコ・NACに到着する頃には、曇り空になった。

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 私たちが乗るラフティング用ボート。
 私たちは4班に分かれ、それぞれにラフティングガイドが付く。 
 リストラ寸前社員の私、もちろん山岳ガイドとして勉強になることもあるだろうと今回のニセコ研修に参加したのだ。
 私の班に付いたガイドは長髪もワイルドなマエケンさんと、赤いニット帽がキュートなアキちゃんの2人。
 スタッフプロフィールはこちら

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 まだ山肌にも川岸にも積雪がたっぷりある4月、ドライスーツを着用する。
 タイトな袖口にみんな一苦労。
 アキちゃんにいろいろ御指導受けながら、ドライスーツ、ラフティング用ブーツを着用。
 それからヘルメットとオールを受け取り、分厚いライフジャケットを着用してNACのバスに乗り込む。
 さあ、いざ尻別川・春コースに出発。
 コンディションは最低気温1度、最高気温3度、水温4度というステキな状況。

 ラフティング、動きが激しいと思いカメラは置いていったので画像ありません。
 こちらのウェブサイトブログでイメージくださいませませ。

 マエケンさんのアドバイスのもと、メインガイドを務めるアキちゃんの「右バック!」「漕いでくださーい」の号令一つで、我々の班、おっさん6人組は
 
Benhur_sea
ベン・ハーのチャールトン・ヘストン並にがんばって漕ぐ。
激流になると皆興奮して漕ぐスピードが速くなる。

尻別川を約12km下る。
 途中、力ありあまってゴムボートの金具で指を切った方もいたのだが、ラフティングガイド達のファーストエイドを間近にみることができた。
 私はカヌーで最上川を下った経験はあるが、ラフティングは初めてである。
 なにより、未経験のアクティビティを体験するにあたり、ガイドに頼りたくなる状況、気持ち・・・登山ガイドで出会う初心者の方も同じであろう・・・それがラフティングツアーのクライアントという立場にたってみて、改めてよくわかった。

 ラフティング終了後、NAC建物二階のレストランJoJo‘sでサンドイッチのバイキング。
 パンに各自好きなモノを好きなだけはさんで喰えというバイキング、緊張感から解放されたためか、皆さん結構な食欲をみせる。

 まだ川岸は雪に覆われたニセコ・尻別川で「ガイド」という存在について考えさせられながら、夕方、札幌すすきののビジホに投宿。

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北へ。(第1日目)

3月某日。
作業現場で工事機械を操縦する私の携帯が鳴る。
部署内の若手エースのKS君から。
「総務にファクス送るんですけど、研修旅行の行き先決まりました?」

今年の我が社の社員旅・・・もとい、研修の行き先は四択。

1,京都・大阪
2,神戸・大阪
3,小樽・ニセコでラフティング、札幌
4,伊勢神宮参拝・名古屋

フリータイムが財布と命の次に大切な私。
フリータイムがたっぷりある神戸・大阪コースで、前から登りたかった六甲山に行くか!?
フリータイムが中途半端だけど、ニセコでラフティング初体験か!?
と迷っていたのだが、若手エース社員KS君がわざわざ電話をよこしてくれたとあっては、即答しないわけにいかない。

ちょうど昼休みの時、山岳ジャーナリストの柏澄子さんがツイッターで 『北海道は、いつ来てもいいところです。』 と書き込んでいたのが頭に思い浮かび、「俺、小樽ニセコにしといて~」と即答する。
えーえーどうせわたしゃ主体性のカケラも無いですよーだ。
私の人生訓の一つ、
Ks
に、従ったまでのことでございますです。

仕事も終わり、冷静になって考えれば出発は4月。
雪解け時期の増水した河川で社員にラフティングさせる・・・
まあニセコ班の幹事は弘前大の探検部出身、ラフティングのエキスパートのKR君なんで大丈夫だろう。あわよくば札幌近郊の里山も登りたい。
そうこうしているうちに4月に入り、小樽・ニセコ班出発。

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小樽で寿司を喰う。
つづく。

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2013年 宮城県各山域の山開き日程

 2013年 宮城県の各山域で予定されている山開き日程を、東北マウンテンガイドネットワークのブログに掲載いたしました。

宮城県 2013年の山開き日程 東北マウンテンガイドネットワークBLOG

参加費が必要なイベント、日程がまだ「予定」とする山開きもございますので、参加希望の方は問い合わせ先にて詳細をご確認の上、ご参加下さい。

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できる女性は返事が速い

私が会員登録しているロシアの某クライミングサイト。

まだ第21回ピオレドールのノミネート全隊受賞で掲示板は大荒れ中。

Planetmountainに掲載された批判記事もロシア語に翻訳されて掲載され、さらに燃料投下。

で、よくよく見れば授賞式の画像のキャプション、「花谷と青木」になっているが、これ馬目さんの間違いだろ。

というわけで、サイトで精力的に記事を掲載しているロシアの山岳ジャーナリスト、エレナ・ドミトレンコに訂正依頼メールを送る。

日本の山岳メディアがロシアのアルパインクライマーの素晴らしい成果をスルーしているのと同様、ロシア人にとっても日本のアルパインクライマーは「誰それ?」という感じらしい。

そんな中でエレナ・ドミトレンコはピオレドール全隊受賞を巡る一連の議論の中で、

『日本人がキャシャールでどんなに素晴らしい成果を挙げたか、ご存じですか?』

と啖呵を切ってる書き込みを読み、日本人の私としては心を動かされる。
であればこそ、彼女の記事は正確であって欲しいので訂正依頼メールを出したのだ。

メールしたのがロシア現地時間の真夜中。
翌日、ロシアでは午前中の時間帯にすぐ返信が返ってきた。

画像キャプションも修正されてるし、やはり仕事できる女性は返事が速い。

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鬱々日記2013年4月

鬱々で更新サボってる間の日常を少し。

4月×日
 仕事の親方と急遽、車を走らせ埼玉県に日帰り出張。

 用事も済み、親方に「ちょっとそこ左な」と案内されるがままに行ったところが、川越市の和菓子店 くらづくり本舗

 店にはいると、親方は人よりデカい手でスイートポテト「べにあかくん」をわしづかみして、幾つも籠に入れている。
 家族に人気の菓子らしい。

 親方につられて私も子供用に幾つか買い求める。

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「べにあかくん」、子供達にも大好評でしたが、私はしっかり自分用に「くらづくり最中 福蔵」と「芋大福」買ってました。 「福蔵」は安い最中と異なり、しっかり小豆餡と餅が入って美味でした。「芋大福」もしっかり芋の風味ある餡が美味でした。

4月×日
 休日。
 出張の多い身のため、子供達のリクエストを聴き、朝から釣り堀へ魚釣り。
 子供達に楽しんでもらって帰宅後、部屋に引きこもり、某資格試験の書類やガイド協会関連の書類を作成。
 何かに追われるような一日。

4月×日
 天気晴朗なれど、鬱々のため身体動かず。
 山にも行かない嫌悪感と、いつも何かに追われるように山行と読書をこなす休日への嫌悪感のジレンマとでも言おうか、ちょっとメンタル的にお疲れ気味。
 気分転換を図り、
Les
映画『冒険者たち』のリバイバル上映を劇場で観る。

映画史上、最も好きな映画を一作だけ選べと言われれば、私はこの『冒険者たち』を選ぶ。

私が学生の頃から好きな俳優リノ・ヴァンチュラが最高なんだよね。アラン・ドロンはオマケだよ。

「みずみずしいタッチ」しか表現知らない日本の映画関係者には作れないであろう、男2人に女1人という関係をフランス映画らしくサラッと描いて、人間誰もが抱える若かりし頃の苦い思い出を、主人公の活躍の中に「見出してしまう」んだよね。
 
 あの3人の不思議な共同生活を観ていると、若かりし頃、女の子に昼飯誘われただけでドキドキした学生時代(ちなみに筆者は野蛮な男子高出身)を一瞬思い出すんだよな。

 上映前に5~6本のハリウッド製アクション映画の予告編が上映されたが、まあその貧相なこと。
 「人間の冒険心と青春の挫折」を描くのにコンピューターは不要ということを、CGバカの映画関係者は学んだ方がいいよね。

 ラストシーン、頭を抱えるリノ・ヴァンチュラの姿に 共 感 を 覚 え な が ら 、あのおなじみのメロディを聴く。
 別に心は軽くはならないが、少しほぐれた感じで映画館を後にする。

 ちなみに本日の観客は私含め5人。
 あ~あ、私と一緒に名作映画観てくれる年上のお姉様(カミさん除く)随時募集中です。


4月×日
 休日。
 あいかわらず身体は重いので自宅休養。
 鬱々とはいえ、目前に迫るトレッキングシーズンを前に、設備投資(登山装備の買い換え)を計画。
 装備の相談のため、私が信頼する天童市マウンテンゴリラを訪問。
 ここで装備の相談を終えた後、勧められたのが
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最上山岳会会長の坂本俊亮氏の著作『神室外伝』

「カムイ外伝」にひっかけたようなタイトルですが、神室連峰および周辺の山々に関する345の話題を書き連ねた本。

話題は山毎にまとめられているのですが、内容は山名から山行記、歴史等、テーマがバラバラな話題がごっちゃな印象。
とはいえ、地元の人間(坂本氏は神室連峰の麓、新庄市出身)でなければ知り得ない話題が満載のため、速攻購入。

昨年、神室連峰をガイドするため様々な郷土図書を探ったが、神室連峰に関する著作は飯豊・朝日・鳥海などに比較して極端に少ない。山形県の学術調査報告書も、他山域のそれに比較して内容が薄い印象がある。
坂本氏の著作はその意味で、非常に貴重な郷土資料。

マウンテンゴリラから帰宅し、少し休んだ後、再び外出して様々な所用を済ませ、散髪。
何か落ち着かない春ではあるが、少しずつやれることをやるしかない、と言い聞かせる晴れた休日。

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第21回ピオレドール ノミネート全隊受賞の波紋【2013.4.9追記】

去る4月6日、第21回ピオレドールが発表されました。
既にツイッターで情報が流れているように、日本の花谷・馬目・青木氏らキャシャール・サウスピラーを含むノミネートされた6隊全員が受賞という結果になりました。
受賞された各隊のクライマーの方々には心より敬意を表します。

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Photo by Dario Rodriguez DESNIVEL

 受賞されたクライマーの方々に敬意を抱き、喜ばしく思いますが、ノミネートされた全隊受賞とは、ピオレドールの在り方についてどのような意味をもつのか。
 日本人の受賞という点で思考停止しているアウトドアライターもいるようですが、ヨーロッパ各国のクライミングサイトの記事を参照して、今回の「全隊受賞」の意味するところを考えてみたいと思います。

全隊受賞の経緯

 4月6日付の山と渓谷社クライミングネットでは「審査経緯については不明」と報道されていますが、過去あれだけ批判に晒されたピオレドール、審査経緯を明らかにしないはずがありません。
 4月5日、7日に公開されたイタリアMontagna.tv、スペインDESNIVELの記事では審査員の判断理由が明らかにされています。フランスのKairn.comはあっさりと結果のみを報道しています。

Piolet d’Or 2013: premiate tutte le salite. Vincono tutti oppure nessuno? by Montagna.tv 2013.4.5

Seis Piolets de Oro 2013. by Desnivel 2013.4.7

 イタリア、スペインのクライミングサイトの記事が紹介している審査員の判断理由は次のとおりです。

1.2012年はピオレドールの価値観を具現化したハイレベルなクライミングが揃った、稀な年(公式サイトでは「exceptional」と表記)であった。

2.6000m峰新ルートから8000m峰の長大なルートまでバラエティに富んでいるが、ノミネートされた6隊には一つの共通点がある。それは登高ルートと下山ルートが異なること。しかも困難さが持続する、非常にハイレベルなルートだった。

3.これらの理由から、審査員全員一致で全隊受賞を決定した。

これらクライミングサイトのソースと思われる、公式サイトのプレスリリースがこちら↓
ピオレドール公式サイト 全隊受賞に関するプレスリリース(PDFファイル)


全隊受賞の波紋

 1992年に始まり今年で21回目となるピオレドール。
 複数の受賞者が決定した事はありましたが、ノミネートされた隊全て受賞というのは今回が初めてです。
 スペインのDESNIVELは淡々と事実を記事にしていますが、イタリアのMontagna.tvは『Vincono tutti oppure nessuno?』(全員が勝者か?勝者無しか?)というタイトルに象徴するように、来年度以降のピオレドール審査に大きな影響を及ぼすことを示唆しています。

 今回受賞した6隊の中には、ムスターグタワー東壁を登ったセルゲイ・ニーロフらロシア隊も含まれます。彼らは既にロシアのクライミング・アワードであるピオレドール・ロシア、クリスタル・ピークを同時受賞しています。
 彼らの故郷ロシアの某クライミングサイトでは、今回の全隊受賞について

「賞としての価値低下を招くのでは」
「間違った決断。6つの金メダル。」
「審査員の責任は?」

など辛辣な意見が挙がっています。


第21回ピオレドール審査員を支持する

 しかしながら、そのような辛辣な意見やMontagna.tvによる来年度のピオレドールを憂う報道は杞憂にすぎない、と私は考えます。
 Montagna.tvで報道されていますが、今回審査員長を務めたStephen Venablesは7年前の審査でスポンサーから圧力がかかっていたこと、選定は抽選に等しかったことを明かしています。
 そのようなピオレドールの「負」の面を知り尽くしているからこそ、全隊受賞という大胆な結論を導いたのではないでしょうか。
 審査の内情については、日本からも横山勝丘氏が参加されていますので、今後新たな事実も明らかにされるかもしれません。

 長らく実践を積み重ねているクライマーの方々には非常に卑近な例で恐縮です。
 私が登録しているロシアのサイトが関わっているクライミングアワードでWEB投票する時でさえ、非常に戸惑いを覚えました。
 実践に実践を重ねて命をかけているクライマー達の成果に、順列をつけていいものか、と。

 まして国際的に呼び声高いピオレドール、さらに自らクライミング界の先頭で活動している今年の審査員の方々であれば、なおさらノミネートされたクライマー達の心情を慮るのは当然ではないでしょうか。

 今回の全隊受賞は、

 1.ピオレドールという賞の在り方を改めて考えるべき契機である
 2.ピオレドール公式サイト・全隊受賞に関するプレスリリースで「more emphasis on diversity.(多様性を尊重する)」とあるように、今後のピオレドールの方向性を示すエポックである

 と評価されるべきだと私は考えます。

ピオレドールをめぐるあれこれ

かたい話は脇において。
セロトーレのボルト事件をめぐって、今回審査員のSilvo Karoがイタリアのチェザレ・マエストリを名指しして「彼の後に続くクライマーの将来を奪った」と強い調子で糾弾しております。
あーあ、我らがチェザレ・マエストリ。
糾弾するのもいいけど、そろそろ誰か許してあげよーよ。

 さてロシアの某クライミングサイトでは、「ピオレドールにふさわしいのはどの隊か?」とWEB投票が始まっています。北方領土問題ではのらりくらりと逃げるくせしてピオレドールではしつこいな。
 4月7日現在、77名が投票してその結果はこちら↓

 キャシャール 1名
 シヴァ     4名
 ムスターグタワー 17名
 オーガ       4名
 カメット       6名
 ナンガパルバット 45名

意外にも、ロシア隊のムスターグタワーを超える45名がナンガ峰マゼノリッジに投票しています。

 それでは、そうそうたる審査員のコメントはさておき、当の受賞者たちはノミネートされた他隊をどのように思っていたのでしょうか?
 公式サイトでは見あたりませんでしたが、ポーランドのクライミングサイト wspinanie.pl にて、ポーランドの山岳ジャーナリストJanusz Kurczabによる記事が紹介されています。
 この記事中において、ノミネートされたクライマー達のコメントが掲載されています。
以下記事引用開始
--------------------------------
Mick Fowler(イギリス、シヴァ峰にて受賞)
「う~ん、もちろん、私たちですよ。しかし本音を言えば、私はマゼノリッジを推します。昨年は多くのアルパインスタイルが成功を収めた素晴らしい年でした。」

Sebastien Moatti(フランス、カメット峰にて受賞)
「シヴァですね。私はファウラーとラムズデンを尊敬していますし、私にとって英雄なんです。私が子どもだった頃からクライミングを続けてしますからね。私は彼らを推します。」

Hayden Kennedy(アメリカ、オーガ峰にて受賞)
「私はノミネートされた6隊全てを推薦します。全員がこの賞にふさわしいですね。」

David Lama(オーストリア、セロトーレのクライミングで審査員より特別コメントを言及)
「これらのクライミングを比較することは困難です。同じルートでもシーズンが違えば困難な課題が与えられます。彼ら6チームは全く異なるクライミングなんです。」

3人のロシア人はそれぞれ異なるチームを推薦しました。
ドミトリー・ゴロフチェンコはシヴァ、セルゲイ・ニーロフはオーガ、アレクサンダー・ランゲはカメットです。
--------------------------------
以上引用おわり

 残念ながら日本から参加された花谷氏らのコメントはありませんが、受賞したクライマー達はそれぞれ、彼らなりの価値観で自分達だけの「ピオレドール」を思い浮かべていた事がわかるインタビューです。
 そしてそれは、数々の素晴らしいクライミングを「最高」という一つの枠組みの中に当てはめることの困難さを象徴しています。

最後にあらためて、今回受賞した各国クライマーの方々には心より敬意を表します。

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【2013.4.9 追記】
 フランスの山岳雑誌『Montagnes Magazine』と『Vertical』の関係者が部活・・・じゃなかった、ピオレドールの委員辞めるってよ。
 いやいや、Planetmountainも今回の選定結果には か な り 批判的な論調だし、嵐を呼ぶ第21回ピオレドールですなあ。

 ちなみに、海外の名の知れた山岳雑誌やクライミングサイトのおっさんが何言おうと、今回の審査員の選択がピオレドールという賞の在り方を改めて考える契機である、という私の主張に変わりありません。

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総会

広島から帰った翌日。
会社に出勤、広島出張の残務をこなした後、月山に移動。

 気象庁のおじさん達は「大型低気圧接近で外出は控えるように」と訴える中、どうしても月山に行かなければならない。
 月山山麓のポレポレファームにて、私が所属する東北マウンテンガイドネットワークの総会に参加するためである。

 見慣れた顔あり、久々の顔あり、新たな出会いあり。
 総会議事が住んだあとは、

Img_03061
懇親会にとつにゅー。

ポレポレファームの激ウマなポタージュスープとカレーを食す。
その後、ビール党の私であるが超ウルトラスーパー久々に日本酒をいただくが、約一時間ほどで 即 死

広島帰りの疲れでしょうか、ポレポレファームの和室で11時間ほど爆睡。

翌朝、月山で採れた天然物のナメコ味噌汁で復活。

まだ積雪は2m以上ある月山山麓、フキノトウの芽もまだ固い道端は雪に覆われています。
一昨日まで滞在していた広島の山は桜が散り始めていたというのに。

今年は春の訪れを二度、楽しめそうです。

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やっぱり

Oko
広島滞在。
最後のランチは、仕事仲間とお好み焼きを喰う。

 今回の仕事の相方が広島出身なもんで、注文の仕方から喰い方、ソースの種類、具の種類までレクチャーを受ける。
 山形県人にとってはもう外国の世界(笑)


 ちなみに山形で「お好み焼き」といえば、

Oko1
このように、割り箸にクルクルと焼いた生地を巻き付けソースをかけたものを指す。山形での正式名称は「どんどん焼き」。
 このお好み焼き→どんどん焼き、表面しかソースかかってないので、食べ進むにつれてテンション下がる食べ物です。これはお祭りなどの縁日で食べられるモノ(最近は店舗販売しているようです)

 広島県人の話を聞くと、お好み焼きはもう日常食らしいんですね。山形では鉄板上で喰うお好み焼きなんて御馳走の類なんですが。広島の街を歩いていても、店舗数の多さに驚き。

 お好み焼き食べて、さて山形向けてまた長いドライブです。

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水の都市、広島

広島は、良くも悪くも、『水の都市』だ。

「良くも悪くも」とは、広島という都市が歴史上繰り広げてきた、水と人との関わりを知れば、そう表現せざるをえない。

Hirosima
a:牛田浄水場 b:手押しポンプ撮影地(寺町) c:白神社
黄色線で囲んだ区域1800年代以降に埋め立て・干拓された地域

航空写真や地図を見れば、広島が河川によって成り立った地形であることがよくわかる。

古来、この街に住む人々の飲料水は大田川の河川水であった。
地下水の水質が不良だったためである。

 飲料水が河川水ゆえ、疫病が流行りやすかった。明治時代は年間に1500人近くがコレラやチフスで死亡した記録がある。明治19年には河川水利用の全面禁止、明治38年には市内の井戸の全面封鎖という措置がとられた。

 有志をはじめ官民で上水道敷設の計画が立案されたが、資金難から実現しなかった。
 その状況を変えた一因となったのが、日清戦争だった。
 呉、広島といった軍事施設を支えるため、上水道敷設が実現化したのである。

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 広島市水道局の片隅に保存されている、明治31年に建てられた牛田浄水場(旧)緩速濾過池。現在では貴重な、被爆残存建造物である。

 広島の原爆、台風その他による水害など、様々な危機を水道局職員はじめ市井の人々が乗り越えてきたエピソードは、あまりに多すぎて紹介しきれない。
 天災、人災、様々な障害を乗り越えながら、今現在の暮らしがあることを、水道局の水道資料館で知ることになった。

 広島は三角州の街であり、地下水は水質が不良だとはよくいわれる話である。
 しかし、井戸が全く無いわけではない。

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広島市中区寺町にて撮影 車の脇に手押しポンプがある。

 市街地の、しかも歩道上に唐突に手押しポンプ。

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棄てられたポンプではなく、今も揚水可能な現役の井戸である。

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「コーヨー」の文字。
広島および周辺地域では、広島出身の津田喜次郎(1888~1959)が開発した津田式ポンプ、後に興陽産業製作所が製造を引き継ぐことになる手押しポンプが多く残されている。

かつて広島市街では、未舗装道路で土埃がひどいため、打ち水用に井戸水が用いられていたという。
上水道が発達した現在もなお、井戸水はしぶとく生き残っている。

Imgp0730
こちらは同じ中区にある白神社(しらかみしゃ)。
まだ埋め立て・干拓など施工されるより遙か昔、この白神社は海縁の岩礁だった。(前述の位置図参照)

Imgp0728
白神社の下部に見える、岩礁の名残である広島花崗岩

埋め立て・干拓で人為的に大きく改変され、人々が生きるために都市として発展してきた広島。

街の片隅には、タイムカプセルのように昔の姿を示す光景が残されている。

《参照文献》
 広島市水道局編著 広島市水道百年史
 広島県編著 土地分類基本調査 広島

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2013年 県道月山志津泉の一般開放について

 道路開通を待つBCスキーヤーや登山者の方、月山・姥沢に到る県道月山志津線の一般開放の日時が公表されました。

参考サイト:月山朝日観光協会

以下記事引用開始
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県道月山志津泉の一般開放について
冬季間、閉鎖となっていた月山志津温泉から姥沢駐車場までの県道月山志津線について、一般開放の日程が決まりました。
詳細は以下の通りです。

一般開放日:平成25年4月3日 午前11時
夜間通行止め:開放日から当面の間、午後7時~翌日午前7時まで夜間通行止めを実施します。
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以上記事引用おわり

なお志津に到る車道はまだ路面凍結の可能性があります。
(過去、凍結路面による車両の事故が発生しています)
車でお越しの方、どうぞ安全運転でお気を付けて。

2013年の月山スキー場開きは4月15日(月)、月山の山開きは毎年同じ7月1日(月)に予定されております。

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