« ルイ・ラシュナルの最期 | トップページ | チェコ隊、Talung峰(7349m)北西ピラーを初登 »

ブラックダイヤモンドの陰に、女あり。

今、皆さんがお使いの登山用品。
どんな人が設計したのか、考えてみたことはありますか?

アメリカ、ブラックダイヤモンド社の試みを以下に紹介します。

Industrial design students light the future for female adventurers by Brigham Young University News Release

以下記事引用開始
---------------------------------

女性冒険家達の未来を拓く、工業デザイン女子学生チーム

P1
Tressa Furner、Raquel Eisele、Kassie Walburger、Cecily Sumsion、Jenn Siggard らで結成された BYU 工業デザインチーム「Femme Den」

 「ピンク色にして、大きさを縮める。」
 それが女性用ギア設計における解答ではない。
 賢明な企業は、真に女性の視点を持つことが女性の市場開拓に有効であることを見抜いている。
 5人の女子学生で結成された工業デザインチームは、アウトドアギアメーカー・ブラックダイヤモンド社製品のために新たな開発を行った。

 「最初は女性のためにデザインすることは意識してませんでした」ユタ州ドレーパー出身、工業デザイン専攻のセシリー・サムションが語る。
 「でも研究を進めるうちに、巨大なマーケット、特にアウトドア産業に市場があることがわかったんです。」

 研究チームは、特に女性用の軽量ランプの必要性を見出し、4つの製品を産み出しました。

 ◎テーブルライトを兼ねたブレスレッド
 ◎手首に装着でき、ジャケットに掛けることも可能、そしてヘッドライトとしても使用可能なブレスレッドタイプのライト
 ◎薄型でポケットサイズのライト
 ◎ヘルメットをかぶる女性の頭髪にも適応するストラップを備えたヘッドライト

 学生の研究グループを「Femme Den」と呼ぶブライアン・ハウエル教授は、男社会のアウトドア・ギアメーカーと女性主導によるデザインのコラボを追求したいと言う。
 「私は彼女たちの研究成果に満足してますし、ブラックダイヤモンド社もそうでしょう。」

 製品は女性のために設計され、アウトドアで活動する女性達が抱える可能性のある、異なるニーズに対応する。一例を挙げれば、研究チームによれば、女性達はキャンプ生活を好む一面があるものの、暗くなった際に現在のヘッドライトのような、目もくらむように明るいライトは興ざめするものである。

「人との関わりを助ける製品を作りたかったんです」
ポケットサイズのライトを開発したサムションは語る。「友人とより長く語り合えるような雰囲気を作る製品なんです。」

野外で安心感を抱くことが出来る軽量のブレスレッドを開発したテレッサ・ファーナーは、
「ここ何年か、男性の思考様式に合わせて工業デザインを考えていましたが、やっていても楽しくなくて不満が募っていました。このプロジェクトでは女性用のデザインを通じて、私自身の才能を再発見できました。」

---------------------------------]
以上引用おわり

彼女たちが開発した製品は次のようなモノです

P2
Kassie Walburgerがデザインした、女性用ヘッドランプ

P3
Tressa Furnerがデザインしたライト・ブレスレッド

P8
Raquel Eiseleがデザインした、ブレスレッド兼用ヘッドランプ

P7
Cecily Sumsionがデザインした軽量薄型テーブルランプ

P4
Tressa Furnerの設計段階における試行錯誤の様子

P5
製品について検討中の「Femme Den」メンバー

P6
研究メンバーJenn Siggard制作による、開発製品のディスプレイセット。

 さて、ここで注目されたいのは、ブラックダイヤモンド社の新製品ということではなく、企業がこうした学生という若い才能を積極的に取り入れていることですね。
 ちなみに記事の舞台となっているBrigham Young University(ブリガムヤング大学)は、モルモン教が出資運営する私立大学で、日本の有名どころでは水泳の長崎宏子さんが留学されていたようですね。

 昨年は土方作業の忙しさにかまけて記事にしませんでしたが、アメリカでは「アウトドアウェア」のデザインコンペなるものが開催されてまして、企業のスポンサードの下、やはりデザイン専攻の女子学生達が才能を競っていた様子が報道されていました。
 登山やアウトドアの経験はもとより、きっちりデザインの基礎を学んだ若い才能がこうしてアウトドア業界に進出していることは興味深いことです。

 日本の山岳メディアでは、やたらと「ギア・インプレッション」なる記事が多いんですが、掲載されるのはアウトドアライターと称する輩やガイドによるモニター記事がほとんどですね。
 実際に道具を用いるユーザーからの視点はもちろん大事なんですが、道具の使い勝手を検証するならば、設計者自身による声や思想もストレートに伝えて欲しい、と思うのは私だけでしょうか。

|

« ルイ・ラシュナルの最期 | トップページ | チェコ隊、Talung峰(7349m)北西ピラーを初登 »

アウトドア」カテゴリの記事

コメント

『ピンク色にして、大きさを縮める』…………優しげな風貌からは想像できない相変わらずのブラック風発言、毎回楽しみにさせてもらってます。
いい年をして!?ほとんど『少年』のような登山ルックの私は山ガールに侵蝕されつつあるアウトドアブランドのカラフルな女性物には目眩を感じている今日この頃。
女性物だからって…という感、すんごーく不満です。女だって、渋く決めたい!!!

先日、山小屋泊用に大型ザックを購入する際は『カッコいいからだ!』の名台詞を参考に選びました。

これからもカッコいいブログ楽しみにしていまーす。

投稿: かうんちゃんママ | 2013.05.30 16:59

re:かうんちゃんママ様
 
 いえいえ、実物の私はズイズイとデカい態度で山道歩いてますが・・・

<<『ピンク色にして、大きさを縮める』
 これは元々の引用記事のシカゴ・トリビューン紙記者による表現ですが、ズバッと言い表してるなあと思いますね。もっとも、最近の登山用品メーカー各社、アンダーウェアやザックなんかでは女性の体質や骨格をよく研究されているようですが・・・

<<女だって、渋く決めたい!!!
 以前、九州の山で(普通の登山道で)地下足袋履いた女の子ハイカーをみかけましたが、アウトドアブランドに左右されない姿にちょいと感動でした。

<<先日、山小屋泊用に大型ザックを購入する際は『カッコいいからだ!』

 メディアでインプレッション記事執筆している方には大変申し訳ないのですが、『カッコいいからだ!』は私オリジナルの台詞です(笑)
 先の記事にも書きましたが、山道具との出会いって人との出会いと似ていると思います。
 登山の安全に影響無い程度に、スペックや理屈抜きで「気に入った!」という印象も、私にとっては道具選択のポイントです。

兼業ガイドの看板掲げてる割に実地踏査の記事が少なくて恐縮なのですが、またお気軽に御意見お寄せ下さい。

投稿: 聖母峰 | 2013.05.31 00:23

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/21370/57486511

この記事へのトラックバック一覧です: ブラックダイヤモンドの陰に、女あり。:

« ルイ・ラシュナルの最期 | トップページ | チェコ隊、Talung峰(7349m)北西ピラーを初登 »