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【速報・訃報】ポーランドのアルトゥール・ハイゼル、遭難か 【Polish climber Artur Hajzer presumed dead on Gasherbrum】

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 ポーランドのベテラン高所クライマー、アルトゥール・ハイゼル(Artur Hajzer、51歳)がガッシャブルム1峰で亡くなった模様です。
 複数のポーランドメディアが一斉に伝えていますが、情報が錯綜していること、また死亡の原因が明らかにされておらず、今回の遠征のパートナーであるマルチン・カッツカン(Marcin Kaczkan)の証言でハイゼルの死が伝えられている状況です。
 ポーランド山岳会(PZA)が声明を出しておりますので、こちらが今現在もっとも信頼できる情報でしょう。

PZA message from 09/07/2013 by PZA

以下記事引用開始
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カラコルム・ガッシャブルム1峰における事故に関するポーランド山岳会の声明

 7月7日(日曜)、アルトゥール・ハイゼルとマルチン・カッツカンはガッシャブルム1峰(8068m)登頂を目指しC3(7150m)を出発。7600m地点に到達した時点で強風のため登頂を断念、引き返した。
 彼らはC3(7150m)に戻り、無線でベースキャンプのコックと交信、さらにC2に下降すること、全て順調であることを伝えた。

 当日、7月7日午前11時(現地時間14時)、アルトゥール・ハイゼル夫人であるイザベラ・ハイゼルが携帯のショートメッセージで 「マルチン・カッツカンがジャパニーズクーロワールで滑落」 という連絡をアルトゥール・ハイゼルから受信。その後アルトゥール・ハイゼルとの連絡は途絶えた。

 当時ガッシャブルムのベースキャンプに滞在中のドイツ隊リーダー、トマス・レムリに救助活動を依頼。7月7日から8日の夜間にかけてハイポーターをC2(6400m)に派遣した。しかし強風と雪のため、ベースキャンプに戻ることとなった。
 8日から9日にかけての夜、天候は回復。朝、C1(6000m)から出発したロシア隊のメンバーがマルチン・カッツカンを発見した。

「アルトゥール・ハイゼルが亡くなった」トマス・レムリとの無線交信でマルチン・カッツカンが語った。

引き続き、この悲劇的な情報を確認中である。
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以上引用おわり

このように、ポーランドの複数メディアも

・最初に「マルチン・カッツカンがジャパニーズクーロワールで滑落」とアクシデントを伝えたのはアルトゥール・ハイゼル。

・翌日、ロシア隊がマルチン・カッツカンを「発見」、様態は不明

・マルチン・カッツカンが「アルトゥール・ハイゼルが亡くなった」との無線での証言

以上のような断片的な情報が伝えられているのみですが、登頂断念後、2人に何らかのアクシデントがあったことは間違いない模様です。

今回の遠征はポーランドのベテランであるアルトゥール・ハイゼル、若手クライマーながらウルブコらと組んで冬のK2やブロードピークを経験しているマルチン・カッツカンがペアを組み、ガッシャブルム1峰、2峰の連続登頂にアルパインスタイルで挑むという意欲的な計画でした。さらに今回の登山は来るべき冬季登山の偵察も兼ねていました。
 今回ハイゼル、カッツカンが予定していたルートは次のようなものでした。
ガッシャブルム1峰
G1
ガッシャブルム2峰
G2

 アルトゥール・ハイゼルは1962年生まれ、他のポーランドの岳人と同様、タトラ山脈、ヨーロッパアルプス、そしてヒンズークシュで経験を積み、87年2月、ククチカらと共にアンナプルナ冬季初登、他にもククチカやルトキェビッチらと共に8000m峰遠征を重ねました。特筆すべきはシシャパンマ、マナスル、アンナプルナ東峰の新ルート開拓等が挙げられます。
 今年悲劇的な結果に終わったポーランド隊によるブロードピーク冬季初登にも関わり、ポーランド山岳会の8000m冬季登頂・長期計画に深く関わっていました。
 先のブロードピーク初登が示すように、ポーランドにも強力な若手高所クライマーが育っていますが、今回の事故でハイゼルが亡くなった事実は、冬季8000m峰登頂を目指すポーランドのみならずヒマラヤ登山の世界において大きな損失といえるでしょう。

【Polish climber, Artur Hajzer died Gasherbrum 1. He and Marcin Kaczkan will climb G1 and G2 one season by alpine style. 07/07/2013, Artur Hajzer send short mail to his wife,"Marcin Kaczkan fallen Japanese couloir." After that his connection stopped. 09/07/2013,Russian climber found Marcin Kaczkan.
German expedition leader Thomas Laemmle, he communicated on radio in BaseCamp, Marcin said "Artur Hajzer dead"
  Information sauce  PZA message from 09/07/2013 by PZA

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コメント

ご無沙汰しております。
衝撃的な記事にびっくりしております。
ハイゼルといえば昔中学生の頃に岩と雪に
8000m 14座 1年で登頂プランというのが
インタビューで出ていて興奮して読んだ事
を思い出しました。自宅で奥さんと煙草を吸いながら
語る写真が印象深かったです。
最近、ロレタンなど昔から活躍していた
超ビッグネームの訃報が続き残念です。
詳細不明との事ですがご冥福をお祈りします。

投稿: YH | 2013.07.14 00:35

re:YH様

<<衝撃的な記事にびっくりしております。

 先の冬季ブロードピーク隊では裏方スタッフとして奔走していたハイゼルが、あの年齢でG1、G2の連続登頂という意欲的なプランを掲げて実践しようとしたことも衝撃でしたが、非常に残念な結果になってしまいました。

 その後の続報ですが、パートナーのMarcin Kaczkanは実際は滑落しておらず、ハイゼルは視界不良の中(もしくは視力低下)何かを誤認して夫人にメールを打った直後、滑落死した模様です(ビエリツキのコメントによります)。

 御指摘のようにロレタンはじめ、ポーランドでもヒマラヤ黄金時代を支えたベテラン勢が山で亡くなっています。それだけハイリスクな行動を彼らも続けているのですが・・・ハイリスクの一言で表現するにはあまりに残念な事故が続いていますね。
謹んで故人の冥福を祈りたいと思います。

投稿: 聖母峰 | 2013.07.14 20:48

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