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大船渡へ

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8月末、お仕事で大船渡に滞在。

残暑厳しい港町、まだまだ震災の傷跡は大きい。
あれから2年以上経つのに、土埃舞う廃墟のままの被災地区をクレーン車で走り抜ける。

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本日の昼食は、プレハブ店舗が建ち並ぶ大船渡「屋台村」でランチ。

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居酒屋『七厘長屋』名物の豚丼。
激ウマでした。

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ウェアがテントになる。

さあ、本日は久々に あやしい 珍しいギアを紹介します。

Sun
着ているウェアがそのままテント(シェルター)になる、SANS Shelter

使用例の画像はこちら↓

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Sun3_2

Sun2_2

こちらは座ってビバークや休憩に使うRAJ。
Raj

Raj2

こちらはより密室性のあるVESSEL。
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 設計思想としては、立木やフェンス、自転車などをポール代わりにして設営できる、テントと言うよりはツェルトに近いシェルター。
 デザインは、シューズで有名なリーボックでデザイナーを務めるJustin Gargasz氏。
 登山・アウトドアというよりも、公園での休憩や野外フェスでの使用をイメージしてデザインしたとのこと。

 リーボックという一流メーカーでデザイナーを務めているだけあって、なかなかあか抜けたデザインにまとめられていると思いますが、このようなウェアがデザイン可能ということは、登山用ウェアにも応用可能と考えられますね。
 ゴアだのウルトラライトだのもいいけど、こういったエマージェンシーとデザインを両立したウェアも、どっかのアウトドアメーカーで作ってくれないかな。

関連リンク:SANS Shelter by Justin Gargasz Coroflot.com2013.8.20

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キーボード

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 iphone使い始めて1年5ヶ月。
 当初考えていたように、出先でバリバリとウェブサイトを閲覧するのに使っているのだが・・・
 キングジムから発売されている「ポメラ」(テキストファイル専用の入力機)が欲しくなったものの、これってiphoneで代用できるんじゃね?
 それに外出先などで、現地の図書館の蔵書検索サイトにアクセスする際、書籍名や著者名を入力するのにiphoneのキーボードではどうにも使いづらい。

 分割式、二つにバラすと新書版より一回り小さくなるキーボードを購入。
 まあマイペースで使いこなすつもりです。

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スーパーマンを鍛えたのは、アルパインクライマーだった

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8月30日から公開予定の『マン・オブ・スティール』。
スーパーマン誕生を描くアクション映画、

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主演はイギリスのヘンリー・カヴィル。
で、彼の身体をこのムキムキな肉体↑に鍛え上げたのが、誰あろう

Twight
アメリカのマッチョなクライマー、マーク・トワイト(Mark twight)。

 スポーツに詳しくなくても、最近の深刻な「ドーピング問題」は耳にしたことがあると思いますが、さらに深刻なのは、スポーツ界のような規制の無いハリウッド。
 俳優達がマッチョなイメージを売り出そうと、俳優の約2割がPED(運動能力促進薬)に手を出し、特にヒト成長ホルモン剤(HGH)が人気があるといわれています。
 そんなドーピング剤に手を出し、そのまま薬物中毒に・・・という深刻な事例が報告されている中、PED使用に反対の姿勢を打ち出し、ヘンリー・カヴィルを鍛え上げたと報道されているのが、マーク・トワイトでした。

How Prevalent Is Steroid Use in Hollywood? by Moviefone 2013.8.22

 まあシュワちゃんはじめ、ハリウッドでは前々から問題になっていたんでしょうね。
 「ナチュラルな方法で鍛え上げた肉体」というのがPRにもなるんでしょう、ワーナーブラザーズも気合い入れてマーク・トワイトにトレーナー依頼したようです。

 日本ではアルパインクライマーとして知られているマーク・トワイトですが、どうも彼の地ではトレーニングジム「Gym Jones」の創設者として知られているようです。
 ちなみにこのジムの名前、あの「ガイアナ人民寺院事件」(1978年11月、約900名以上が死亡したカルト教団「人民寺院」集団自殺事件で知られる)の教祖、ジム・ジョーンズにひっかけているらしい。いやあ当ブログの言動より過激なヒトがいるのは、さすがアメリカですなあ。

 で、気になるGym Jonesのトレーニング内容ですが・・・ウェブサイトを拝見しても、ほとんどのコンテンツが会員のみアクセス可(入会は年会費500$よ~)っつーのも、さすがビジネスの資本主義社会アメリカですなあ。

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ポーランド隊、グレート・トランゴ北西壁に新ルート「BUSHIDO」(武士道)を開拓

8月11日にお知らせしたグレート・トランゴのポーランド隊の続報です。

マルチン・トマシェフスキとマレク・ラガノヴィチのペアは8月18日にヘッドウォールを突破、グレート・トランゴ北西壁に新ルート「BUSHIDO」(武士道)開拓に成功しました。

Polska droga na Great Trango Tower! by Wspinanie.pl 2013.8.21

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ヘッドウォールを登攀中、慎重に岩をチェックするマレク・ラガノヴィチ

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ヘッドウォールのクラックを登るマルチン・トマシェフスキ

世界のビッグウォールを登ってきた彼らもヘッドウォールには苦しめられ、これまで身につけた経験と技術のすべてを発揮しなければならなかった、と語っています。


Bushido
赤いラインが新ルート「BUSHIDO」、詳細なトポは後日発表予定とのこと。
ルートの内容は、
 登攀距離1960m、46ピッチ
 グレード A4、VII+
 登攀日数19日、下降2日

 なお「BUSHIDO」(武士道)というネーミングは、世界各地でのビッグウォール登攀で感じた、困難への挑戦とその労苦、そして得られる喜び、そのような求道的な面、そして山という大自然への最大の敬意を込めて命名したようです。(ようですっていうのは、ポーランド語は格変化が激しいんで細かいニュアンスまでわかんねーのよ)

 ポーランド山岳会ウェブサイトに掲載されたリポートには、「BUSHIDOとは、単に戦いという意味ではない」と注釈が付けられていることから、よくある馬鹿外人の刺青みたいにノリで命名したものではないようです。

【Polish climber, Marcin Tomaszewski and Marek Raganowicz, they have completed a new route on Great Trango Tower(6286m) in Pakistan. They climbed the northwest face of the tower. The route was named"BUSHIDO" Information sauce Bushido, nowa droga na Great Trango Tower by PZA

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はいはい、平日は

Rain6
日々、多くの方々にアクセスいただき、ありがとうございます。
盆休み明けで脳みそが世間に順応するのに時間かかりそうなもんで更新サボリです。

更新ネタは溜まっているので、短報として二つ。

◎キム・ジャインちゃん、ミュンヘンW杯は出場せず

 怪我から復帰後、ブリアンソンW杯で優勝、コロンビアでのワールドゲームスでは銀メダル、続くオーストリアでのW杯は銅メダルと進撃続くキム・ジャインちゃんですが・・・
 ミュンヘンでのボルダリング競技出場を予定していましたが、膝の大事をとり今回は不参加、また世界ランキング維持という戦略も狙い、以後のリード競技に専念するとのことです。

クライミングクイーン キム・ジャイン、ミュンヘンボルダリングワールドカップ不参加 by NEWSis 2013.8.18


◎ロシアのベテランクライマー、デニス・ベレテニンとユージン・バシュキルツェフらがカラコルムのウリ・ビアホ(6109m)東壁に新ルート開拓、登頂に成功した模様です。

Российские альпинисты проложили новый маршрут на вершину Ули Бьяхо (6109 м) в Каракоруме by 4sport.ua 2013.8.15
 
 ウリ・ビアホでは今夏、イタリア隊が西面から新ルートで登攀に成功、こちらは西ヨーロッパを中心とするクライミングサイト等で伝えられていますが、ロシア隊の成功はまだロシア、ウクライナ等東欧各国でのみ伝わっている状況。
 この第一報は、ロシアの山岳関係者筋にデニス・ベレテニン本人からの電話で伝えられましたが、詳細な日時・ルートなど続報が待たれます。

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8月日記

8月上旬、某日。
 現場作業マシンに改良を加えるため、猛暑の中、ガス溶接機で鉄板を切断→切削→溶接、という「熱い」日々。
 ふと建物の脇に目をやると、
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無数に散らばる、ヘクソカズラの花。
花言葉は、 「 人 嫌 い 」 。

8月上旬、日曜。
 カミさんが前々から生牡蠣を食べたがっていたので、家族皆で日本海へ。
 道の駅『ふらっと』(山形県遊佐町)、『ねむの丘』(秋田県にかほ市象潟町)では、鳥海山山麓の日本海で育った夏の生牡蠣が名物。
 海水浴シーズンもあり日本海へ通じる国道は大混雑。

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混雑を嫌い、本日は道の駅『ねむの丘』にて生牡蠣を食す。

帰路、釣り堀好きな子供達を由良海洋釣り堀に連れて行く。
時期が悪いのか、魚影も無く全く釣れず。
子供達は釣り針で海草をひっかけて楽しんでいたが、ここの職員の接客態度が最低最悪。釣り竿の貸し出し・返却の際も声をかけても無言という態度。二度と行かない。

で、子供達は海辺に来てスイッチが入ったらしい。
実は我が家の子供達、海水浴でべたつく海水や砂が気に入らなかったらしく、はっきりと「海になんか行きたくない」と言っていたので、もう2年ほど海に連れて行かなかったのだが、
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いざ海辺に連れてくると、2人は「カニ採り」に夢中。
カミさんが野生児ぶりを発揮。
砂浜に落ちていた小枝に釣り糸を絡め、それに先程の釣り堀の餌(オキアミ)を付け、カニをオキアミで誘い釣り糸で絡め採る妙技をみせて子供達は大興奮。
「まだ帰りたくなーい」
という子供達をなだめ、渋滞アワーにかち合わない時間を狙い、高速道路に脱出。

あれほど海が嫌だと言う子供達を虜にする海。
自然が子供達を夢中にさせる光景を目の当たりにして、あらためて野外活動の魅力について考えさせられる。

8月中旬。お盆に突入。
私の実家の墓参り・親戚廻りを終え、それからカミさん実家の墓参り。
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今年も斉藤茂吉の生家である寺へ。
寺から見える蔵王。左が山形市を見下ろす鋭峰・龍山。右の山並みが地蔵、熊野の中央蔵王。
夏だけ眺める、私が好きな風景。

8月中旬、盆休み某日。
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最近、娘が凝っている手作りカッテージチーズ。パンにつけて食べます。
本日は私も御馳走になる。

8月某日。
愛用の重登山靴、ソールが剥がれて現在入院中。
サブで使っているトレッキングシューズもだいぶお疲れのため、天童市のマウンテンゴリラにて設備投資。
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新たな相棒の登場です。

8月某日、盆休み最後の日。
子供達も、夏休み残り2日。
息子は自由工作、娘は自由研究が ま だ 未 完 。
カミさんと2人で、

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これくらいの勢いで子供達にハッパかけて工作と自由研究を進めさせる。ふー。

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荷 上 げ

 8月16日、9月に予定されている飯豊連峰合同保全作業に使用する資材荷上げのため、飯豊連峰・梶川尾根に入山。

 合同保全作業とは、飯豊、朝日の両連峰で毎年秋に実施されている、浸食等による荒廃した登山道を整備する作業である。
 「業者任せでなく、環境保全の意識をもってもらうため登山者自身で作業しよう」という思想の下、作業は一般公募で集まった登山者の手で行われる。
 秋の保全作業の時期、建設業も盆明けでバリバリ忙しくなるため参加が叶わぬ私は、せめて微力ながらも・・・という思いで、保全作業資材の荷上げは毎年協力させていただいている。
 8月、ウェブサイト飯豊朝日連峰の登山者情報で井上さんから「資材荷上げのお願い」がアナウンスされたため、盆休みの16日を荷上げにあてることにした。

登りだしから全身の発汗量が異様に多く、ペースがあがらない。
途中追い抜いた御夫婦のパーティーに「今日は暑いですねぇ」と言われ、高度を上げても気温が高温であることに気が付く。デジタル温度計で計測すると、登山道では27度。
とにかく異様なまでの発汗量。
いつもの自分ではないことを自覚する。

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8時に梶川尾根に取り付き、13時にデポ地に到着。
100リットルザックに詰めてきた麻ネット3袋をデポ。
当初は稜線まで行くことを予定していたが、時間が遅いこと、自分の体調を鑑みて行動食を摂りすぐに下山。

途中追い抜いた登山者の方とすれ違う。
「もう下山ですか」と不思議がられたため、「登山道整備の資材荷上げで・・」と手短に答えるとご苦労様です、と声を掛けられる。
いえいえ、本当に汗を流すのは保全作業に関わる人たち。
私の荷上げなど、ほんのわずかの手伝いに過ぎない。

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登高中、見上げれば木々の間を流れる白い雲。
由緒正しい日本の夏山ですなあ。

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稜線に近づくにつれ、いろんな花が咲いているけど。
地味だけど、ヤマハハコの小さい花が好き。

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梶川尾根途中、「命の水」な五郎清水。
2013年8月16日の状況。パイプから流れる水よりも、背後の岩に流れる水を皆さんボトルに汲んでました。
温度計で測定してみると、水温は7.1度。登山道の気温27度。
五郎清水、キリッと冷えてます。

梶川尾根を下山しながら、自分のコンディションに思いを巡らす。
本日の荷上げの麻ネットは1袋約5kgが3袋、計15kgに登山の基本装備、水食糧を加えて往路のザックの重さは20kg+α。
気温が高温とはいえ、このていたらく。
年齢による体力低下、トレーニング不足による体力低下。両方だろう。
兼業ガイドという立場に甘えた現状を、見直さなければならない。
デポ地から下降を続けること3時間、16時ちょうどに登山口下山。

全身が汗でずぶぬれ。
川でとりあえず顔を洗い、タオルで身体を拭きまくり、着替えてから車で移動。梅花皮荘で汗を流した。

帰路、ビリー・ジョエルを聴きながら小国町の集落を走り抜ける。
車窓から入り込む線香の香りに、お盆であることを意識する。

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国道113号に合流する直前、飯豊連峰に源を発する玉川の流れ、水面に白い霧が漂っていた。
気温のイタズラとはわかっているものの、その美しさにしばし見とれる。
夕暮れのまだ蒸し暑い中、再び車に乗り込み、自宅への帰りを急いだ。

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曇天の美しさ、そして山形。

 久々に山形新聞でコーフンした記事。
 当ブログの読者様は関東・関西の大都会の方が多いので記事にします。

 映画『英国王のスピーチ』、『レ・ミゼラブル』のトム・フーパー監督、ダニー・コーエン撮影による、我が山形県を舞台にしたテレビコマーシャルが完成、8月から世界同時放映されます。
 これは化粧品マックスファクターのブランド『SK‐II』のテレビCM。
 あえて英国版の動画をリンク致します。

 このコマーシャルについての詳細は読売新聞がとりあげていますが、犯罪都市東京在住の新聞記者には、CMの背景となる山形がよくおわかりになっていないようです。

SK-II×アカデミー賞受賞“レ・ミゼラブル”監督トム・フーパー氏 新TVCM 8月10日(土)より全国オンエア開始! by 読売新聞

 まず、CMストーリーの中心となる酒蔵は、山形県米沢市の「酒造資料館 東光の酒蔵」で撮影されたもの。
 上記にリンクした2分間バージョンのCMでは、山寺(山形市)、霞城公園の桜並木(山形市)、御苦楽園の庭園(天童市)、西川町の雪原、羽黒山(鶴岡市)で撮影されています。
 さらにエキストラとして、山形市高瀬地区の老人が着物をまとって出演。
 山寺の場面は、トム・フーパー監督いわく「足を踏み入れた瞬間感動した」とのこと。
 (以上、山形新聞2013年8月13日付28面より)

 山形県人の私が視聴してまず感じたことは、春の山形、山形市民・県民にとってはごく普通の風景が描かれていること。ちなみに撮影は4月中旬に行われたそうです。
 山形のみならず東北の日本海側特有といってもいい『曇天』が正直に描かれていることですね。日本の山岳雑誌のような、わざとらしい快晴の空ではないってことですよ。
 トム・フーパーが意識していたかどうかは知りませんが、あれがカラッとした青空だったら、このCMへの印象も(悪い意味で)変わっていたと思います。

 惜しむらくは、出演者の台詞がバリバリ共通語であることが不満なのですが、まあそこは所詮は都会の化粧品会社、ツッコミは無しにしましょう。

 山形を描いた映像作品って、映画関係では監督の自己満足に等しい退屈な映画が多く、特に『おしん』とかいうババアの苦労自慢話にはウンザリしている訳ですよ。
 日本の山岳メディアも、日本を代表する自然としてバカの一つ覚えみたいに屋▲島やら●馬やらばかりとりあげる訳ですが、遙か遠く西洋の映画人が、日本各地の中から山形の風景を選択した、という意味は小さくないものと思います。

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8000m峰が6座、増えるかも。

 地球上に存在する8000m峰といえば、エベレスト(8848m)からシシャパンマ(8027m)まで14座。

 と、いうのが一般的な言われ方ですが、ご存じの方はご存じ、他にローツェ・シャールやらヤルンカン、シシャパンマ中央峰など、いわゆる衛星峰がいくつか存在しています。

 2013年秋、スイスで開催予定のUIAA(国際山岳連盟)総会において、新たに8000m峰として6座が認定される動きがあるようです。

La UIAA podría reconocer seis picos secundarios como nuevos ochomiles by Desnivel 2013.8.9

Nepal has 5 more 8‚000m plus peaks by The himalayantimes 2013.8.8

 この件に関しては、UIAAの関係部署とNMA(ネパール山岳協会)会長のアン・ツェリンが組んで「Aguraプロジェクト」なるものを立ち上げ、8000m超のピークを従来の14座とは別個のピークとして認定すべく進めていたようです。

 今回Aguraプロジェクトの俎上に挙がったのは次の6座。

 ヤルンカン(8505m、カンチェンジュンガ西峰)
 カンチェンジュンガ中央峰(8473m)
 カンチェンジュンガ南峰(8476m)
 ローツェ中央峰(8410m)
 ローツェ・シャール(8382m)
 ブロードピーク中央峰(8011m)

 主峰(最高峰)以外のピークを別個の「山」として認める。
 この問題を突き詰めると、なにをもって「山」と定義するのかが問われることになります。

 この定義に関して上記リンクのThe himalayantimesではNMAの見解として、『二つのピークの間にあるコル(鞍部)から距離500m以上隔てられていること、登頂ルートが別個であること』としています。
 またウェブサイト8000ers.comを監修するEberhard Jurgalski は『OROMETRICAL PROMINENCE』(鞍部から最高地点を結ぶ)という概念を掲げています。このOROMETRICAL PROMINENCEという概念がややこしいのですが、クライマーでもありヨーロッパアルプス4000m峰の定義の確立に関わったイタリアのRoberto Aruga氏が、その論文中で次のような図で説明しています。
Op
Roberto Aruga氏の論文『Criteria for 8000ers』より引用
既存峰M1とM2の間にあるXというピークを判定する場合、ピークXにより近く直接最高点に連なるコルC2を基点にしたpが『OROMETRICAL PROMINENCE』となります。

このOROMETRICAL PROMINENCEが60m越えるピークを新たに8000m峰として認めようというのが、今回のAguraプロジェクトです。(Desnivel記事による)

今回選定された6座のOROMETRICAL PROMINENCEは各々、ブロードピーク中央峰(181m)、ヤルンカン(135m)、カンチ南峰(116m)、ローツェシャール(72m)、ローツェ中央峰(65m)、カンチ中央峰(63m)。

今回の記事を読み、私が真っ先に思ったのは、かねてからHAJが問題視しているシシャパンマ中央峰がリストに入っていない点。そもそもこのプロジェクトにはNMAのアン・ツェリン氏が関わっているため、中国領内の山には関与しなかった(したくなかった)のかな・・・とも思ったのですが、このOROMETRICAL PROMINENCEの概念下では、シシャパンマ中央峰のPROMINENCEは30m。と、いうわけで今回のリストからは外れているようです。

 あー数値の羅列でめんどくせー!
 という方がほとんどと思われますので、今回リストアップされた6座を画像で見てみましょう。

Broad_peakgg
左がブロードピーク中央峰(8011m)、右が主峰(8051m)

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左から、ヤルンカン(カンチェンジュンガ西峰8505m)、カンチェンジュンガ主峰(8586m)、カンチェンジュンガ中央峰(8473m)、カンチェンジュンガ南峰(8476m)

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右から、ローツェシャール(8382m)、ローツェ中央峰(8410m)

 これら6座が8000m峰に認定されるという事は、どういうことなのでしょうか。
 今まで14座をもって「8000m峰全山登頂」というタイトルが変わるということでしょうか。

 私個人の意見としては、「主峰」登頂をもって8000m峰全山という従来の認識でいいと考えています。
 今回の認定で「実益」として得をするのは、登山料が得られる各国政府ぐらいなもんでしょう。
 これら6座は全て既登峰であり、新たにピークとして認定されたからといって各国のクライマーが登山許可取得に奔走する、という事は考えられません。
 
 前述の論文『Criteria for 8000ers』をまとめたRoberto Aruga氏は、今回の8000m峰認定に関して、ヨーロッパアルプスの歴史を引用しています。
 かつては「山」とひとくくりにされていた山塊に登山者が入ることにより「モンブラン」や「モンテローザ」などと命名されていったように、ヒマラヤ、カラコルムでも同様の事が起こるのは当然の歴史の流れである、と。
 
 ただし、近年の商業公募隊で問題になっているように、主峰手前のピークを「頂上」としたりする風潮があるのは現実であり、Roberto Aruga氏が引用するアルプスの歴史とは異なり、現在のヒマラヤ登山、特に人気の高い8000m峰においては実に微妙な問題といえるでしょう。

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【追記】
 この記事を書いて時間が経ち、何かしら覚える違和感の正体に気が付きました。

 関係者がUIAA総会で「認定」作業を進めている山、ヤルンカンやローツェ・シャールでは、既に私達の偉大な先達が死闘を繰り広げた、立派な「山」なわけです。
 特にヤルンカンは、私がお世話になったHAJの大先輩たちが文字通り人生をかけてカンチェンジュンガ縦走を目指した舞台だったんですね。
 それを今さら「8000m峰」と認定する意義がどこにあるのか?
 UIAA関係者と、実際に血と汗にまみれた先輩クライマー達との乖離を私は感じざるをえません。

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【訃報】Zdeněk Hrubý氏

Zdenek_hruby
 今春のシェルパvsトップクライマーの乱闘騒ぎに始まったネパールヒマラヤでは朗報だった、チェコ隊ペアによるタルン峰北西ピラーの初登

 このチェコ人ペアの1人、チェコを代表する高所クライマーであるズデニェク・ハルビー(Zdeněk Hrubý、56歳)が8月、ガッシャブルム1峰南西壁に新ルートからトライ中、下降中に滑落、死亡しました。
 今回のガッシャブルム1峰南西壁はやはりTalung峰のパートナーであるマレク・ホレセク(Marek Holecek)と組んで入山。
 マレク・ホレセクのコメントに寄れば、「懸垂下降中の技術的なミス」が原因、遺体は収容不能とのことです。

 ズデニェク・ハルビーは8000m峰8座に登頂、その過程でダウラギリ峰で他隊のクライマー救出に尽力、チェコ五輪委員会からフェアプレー賞を受賞。2009年にはチェコ山岳協会代表に選出されるなど、チェコ登山界の主要人物でもありました。
 56歳という年齢にかかわらず若手マレク・ホレセクとの活躍が期待されていただけに、残念な情報です。
 謹んで故人のご冥福を祈ります。

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【Czech climer,Zdeněk Hrubý died in Gasherbrum I . He fell down the slope many hundreds of meters while climbing Gasherbrum I southwest face. His partner Mark Holeček said "It was a technical error during rappelling" They had climbed Mt.Talung(7349m) in Nepal, from NW pillar,first ascent.   Information source The NewYorkTimes and Ceskatelevize.cz

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プロジェクト『4大元素』 ポーランド隊がグレート・トランゴに新ルート開拓中

現在進行中のプロジェクトです。
ポーランドのマルチン・トマシェフスキ(Marcin Tomaszewski)とマレク・ラガノヴィチ(Marek Raganowicz)のペアが、パキスタンのグレート・トランゴ西面に新ルートを開拓中、2013年8月9日現在、岩壁上部の「ヘッドウォール」に迫っています。

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遠征隊のハガキ・ポスターって、むさくるしいおっさんの顔写真が載ってたりしますが、なかなかのセンスな画像です。

 今回の遠征は2009年から始まったプロジェクト『4 Żywioły』(日本語訳では「4大元素」、かつて古代ギリシャやイスラムで世界を構成すると信じられていた空気・土・火・水をさす)の一環として企画され、ポーランド山岳会(PZA)の後援も得て行われています。
 この『4 Żywioły』(4大元素)プロジェクトについてはこちらのサイトを参照ください。

 プロジェクト4 Żywioły 公式サイト

 このプロジェクトでは、

パタゴニア 「風」 2009年、 2012年 フィッツ・ロイ
アラスカ 「低温」 2009年 マウント・ディッキー西壁 敗退
バフィン島 「水」 2012年 ポーラーサン・スパイアー
ベネズエラ 「熱帯」 2010年 ACOPAN tepui ミステリアス・ルート

と、4つの要素を象徴する岩壁に遠征、プロジェクトの「仕上げ」としてグレート・トランゴの新ルート開拓が計画されました。

Trango2
7月29日に大量のギアと共にベースキャンプを出発、

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7月31日、岩壁に取り付き(画像は荷上げの様子)標高差約1500mのクライミングの始まり

Climb1

Climb2
登り続け、8月9日現在、ヘッドウォールに迫る。

Hw
背後にネームレスタワー、ヘッドウォールの様子

Headwall
ヘッドウォールの取り付きにて

Jum
テロリスト襲撃事件の余波でしょうか、スカルドでの買い出しは危険にさらされていたため、食糧の買いだめに走らざるを得なかった、とコメントしています。
もう中国製のマギースープに飽き飽きしたといわんばかりの画像。「横山勝丘氏風」の写真がポーランドでも流行っているのか?マギーのスープにツナ缶入れたりチーズ入れたり、あの手この手で味付け変えているそうな。

ヘッドウォール下部にキャンプ3を設けた彼ら、
Water
不足がちの「命の水」は、クラックのしみだしから得られて何とかしのいでいるとのこと。

暗い話題の続いた今シーズンのカラコルム、ポーランド隊の吉報を待ちたいと思います。

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【Polish climber, Marcin Tomaszewski and Marek Raganowicz, they are challenging Great Trango Tower(6286m) west side new route now. This is "4 Elements project". They were climbed big wall in Patagonia(Winds), Alaska(Cold), Baffin Island(Water), Venezuela(Tropical). August 9, Polish Pair reached "Head Wall" and set-up Camp3.  Information sauce : Projekt 4 Żywioły, wyprawa na Great Trango Tower by PZA , http://www.4zywioly.net/

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『今日は皆さんに、ちょっと殺し合いをしてもらいます。』

 なんといっても、 ボーイスカウトの少年少女に対テロ戦闘訓練を受けさせる お国柄ですから、報道を読んだときには「さもありなん」とは思いましたが。
 
 アメリカ・フロリダ州のサマーキャンプにおいて、映画『ハンガーゲーム』から着想を得たゲームが開催され、メディアで問題視されています。

At 'Hunger Games' camp, children want to fight to the 'death' by Tampa Bay Times 2013.8.2

Game 「ハンガーゲーム」とは、アメリカのスーザン・コリンズによる小説で後に映画化、結構なヒット作になりました。
 内容は、近未来の北米、幾つかの都市に別れて住む人々。富裕層の開催するイベントとして、くじ引きで選ばれた24人の少年少女が野山で最後の1人になるまで 殺 し 合 う というストーリー。
 同様の内容はS・キングの「バトルランナー」や「死のロングウォーク」でもみられますね。
 日本・アメリカ両国で話題になったのは、日本の「バトル・ロワイヤル」との類似性。日本で映画を鑑賞された方はBRとは明らかに違うことを強調されていますが、アメリカメディアの掲示板では「ハンガーゲーム」が日本の「バトル・ロワイヤル」に影響されていることが指摘されています。
 ま、早い話が少年少女がお互いに殺し合う、という物語です。

 アメリカ国内の幾つかのメディアを読み比べ、やや騒ぎすぎの印象もうけますが、最初にこの問題を報じた上記リンクのTampa Bay Timesは次のように報じています。
 以下記事引用開始
-----------------------------

 子供達は笑いながらジャンプして興奮していた。多くがサマーキャンプを主催する学校のクラスメートだった。リリー・ミラー(12歳)は少し戸惑いを感じていた。 「私はあなたを殺したくないわ」彼女はジュリアナ・ペティに話しかけた。ジュリアナ(12歳)は彼女を見つめて「たぶん最初にあなたを殺すわ」と言った。彼女はリリーの肩に手を置いて「あなたを刺しちゃうかもしれない。」

-----------------------------
 とまあ、こんな会話がメディアを通して広まってしまったわけですね。
 サマーキャンプには野外活動をマネジメントするキャンプカウンセラーがいるわけですが、もちろん趣旨として殺し合いを奨励しているわけではなかったようです。
 この「ハンガーゲーム」の様子が動画サイトにアップされてますので、こちらをみてみましょう。

 動画をご覧になればわかるように、別にお互い殺し合うという雰囲気でもなく、記事中にあるように子供達への影響を懸念したキャンプカウンセラーがルールを変更、「お互いに殺し合う」から、相手のフラッグを奪い取り「命を集める」というルールにしたそうです。

しかし、

"No! No violence this week," the camp's head counselor was busy telling the children.

と記事にあるように、子供達の「ハンガーゲーム」への誤解を解くために必死だった様子をみると、子供達と大人達の思惑には、相当の距離があったようです。
また南フロリダ大学の臨床心理士で子供問題を扱うSusan Tolerは「unthinkable」と強い調子でこのゲームを否定しています。暴力を本や映画で見るぶんには「傍観者」でいられるが、その役割を引き受け、考え、実行するとなると暴力に関して抵抗感を失っていく、と語っています。

 まあ動画を見る限り、ちょっとした「鬼ごっこ」という雰囲気ですし、世の中には「サバゲー」とかあるわけでして、メディアの騒ぎすぎという気もしますが、私に言わせれば、アメリカの雄大な自然の中でもっと命を慈しむ目的で、子供達にとってやるべきことは他にもあるだろう、と考えます。

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夏休みといったら宿題でしょ

Books7
日々、多くの方々にアクセスいただき、ありがとうございます。
読みたい本・読まなければならない本・お勉強が溜まりに溜まっておりまして、ブログ更新テキトーになります。

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ふりかえり・別れのつどい。

日曜日。
山形県朝日少年自然の家『チャレンジキャンプ2013~キラリ!冒険の夏・宝物の夏~』の最終日。

8月1日の月山登山を終えて自宅に戻っても、気がかりなことがあった。
それは子供達の疲労。

私にとって雨天の月山登山など日常茶飯なわけだが、子供達にとっては違う。
慣れないキャンプ生活中の登山であり、登山翌日もキャンププログラムは続く。
雨天の月山登山で子供達が体調を崩していないか、心配だったのだ。

そして野外教育の分野において、「ふりかえり」は重要な行為である。
キャンププログラムを終えた子供達の様子はどうだろう。
子供達の様子の確認と自然の家スタッフ皆様への挨拶を兼ねて、日曜朝、自然の家を訪問。

自然の家玄関口で所長と出会い、挨拶。
伺うと、幸いにして大きく体調を崩した子はおらず、皆元気に今日の「別れのつどい」を迎えるという。
所長の言葉に胸のつかえが取れる思い。

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訪れた時は、ちょうど子供達がキャンプ旗に寄せ書きを終えたところだった。

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「こわいしぜん」という言葉に、雨天の月山は厳しかったんだなあ、と考えさせられる。

そして迎えた「別れのつどい」。
子供達の感想発表。
共通して、「初日は知らない人ばかりで緊張したけど、友達ができてよかった」ことを話す。

プロジェクターで5泊6日の画像記録を上映。
悪天を象徴するような、ガスガスの中の月山登山の写真。
facebookでもお世話になっている服部さんが上手く編集してくださったのだが、最後の場面は月山の雪渓、女の子が年下の男の子の手を握りフォローしている、握った手のアップ写真。

悪天とはいえ、今年の月山登山は子供達に何かを残せただろうか。

「別れの集い」の締めは皆でキャンプソング『日曜日よりの使者』を歌う。
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バンド「朝少職員ズ」(筆者命名)の生演奏です。

また来年も、小さい山屋と出会えることを祈って。

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その登山用品、誰が作っているのか?

私達が普段使っている登山用品。

 山岳雑誌メディアでやれ「ノース製品だ」「パタ製品だ」とブランド社名を書き散らしているアウトドアライターとかいう輩と違い、私は気になることがある。
 ザックやウェア、その他登山用品についている「MADE IN INDONESIA」 とか、「MADE IN VIETNAM」、「MADE IN CHINA」 というタグを見て、

「このウェア、もしや広東省の山奥から出稼ぎに来た、ほっぺたも赤い田舎の少女が、タコ部屋みたいなところに寝泊まりして一日中ミシンで縫って、粗末な社員食堂でぶっかけメシ喰って、わずかな賃金は山奥に住む家族に送金・・・」

 って妄想するの私だけですか?
 でも、アジアの労働現場に関する書籍読んだことある人なら、少しはイメージするでしょ?

 というところで、ドイツのアウトドア用品メーカーVAUDE(ファウデ)が情報公開を兼ねた動画を制作・公開しました。

VAUDE Film über Produktion in Asien BY climbing.de 2013.7.30
 
 これはVAUDE社が『VAUDE - アジアにおける衣類生産現場:公正と責任を負う』と題し、中国での生産拠点で取材を行った記録を動画として公開しています。
 動画開始2分36秒あたりからFWF(フェアー・ウェアー財団、世界各国のアパレル産業の労働環境に関する監査団体)の監査の様子、監査員のインタビューも撮影されていますが、VAUDE社もFWFの監査をパスしたこともPRしたい狙いもあるのでしょう。
 動画は中国でのアウトドア製品生産現場、社員食堂・厨房の様子、生産現場の防火設備・労災時の医薬品在庫などを示しています。
 VAUDE社としては生産現場を公開することにより、企業としてのイメージアップと他社との差別化を図る目的もあるんでしょうね。(短く無い社会人生活送ってると、どうしてもこういった宣伝活動の裏が気になりまして・・)

 ま何はともあれ、上っ面だけで日本各地のダム問題に首突っ込み、消費者の国政選挙に関する投票方針にまで口出しするキチガイ左翼メーカー・パタなんとか社でなくて、VAUDE社がこのような情報公開を始めたのは消費者としては歓迎すべきことでしょう。

 先年から幾度か発生している、バングラディシュの衣料品生産現場での凄惨な火災事故などで、先進国のアパレルメーカーが生産実益のみならず「劣悪な労働環境下で製品を造り出していた」としてイメージダウンしたことはご承知の通り。
 我らが登山用品メーカーが、そういった労働問題に取り組む姿勢を示すことに期待したいものです。

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VAUDE社の中国生産拠点の生産現場

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社員食堂の様子

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カメラは社員食堂厨房まで紹介します。

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工場の防火設備・従業員用の医薬品まで紹介しています。

動画はこちら↓

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報 酬

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 今年も山形県朝日少年自然の家から御依頼を受け、「月山ガイド講師」として「チャレンジキャンプ2013~キラリ!冒険の夏・宝物の夏~」に参加。
 
 参加に先立ち、今年も私と職場宛に少年自然の家所長名で発行された「職員派遣依頼」文書を頂戴する。
 ちょうど大阪出張と月山登山の日が重なっていたのだが、「自然の家から招集かかったのかー」と職場の親方のご理解も得て、ご理解なき方には無理矢理ご理解いただき、今年もどうにか参加日程を確保。

 大阪滞在中、研修担当の伊藤先生より月山の残雪が予想以上に多いことなどで電話相談を受ける。
 7月28日、交代要員と入れ替わりで大阪から山形に戻る。
 空港から自宅に立ち寄り休憩をとった後、すぐに自然の家を訪問。
 派遣依頼文書を発行していただいた御礼と挨拶、チャレキャン準備の進捗をお伺いする。

 どうしても雪渓の状況を把握しておきたいので、7月30日、月山に入山。
 風雨の中、近年になく大規模に残った雪渓を踏査。
 姥ヶ岳、牛首の両コースの雪渓を、一度通過するだけでなく往復・登高・下降してみて、山を知らない子供達にとって高度感はどうか等々、確認する。それから先日の豪雨で頂上直下の月光坂が荒れていないか、確認しながら登頂。
 
 月山登山の前日、7月31日、志津キャンプ場に入る。
 山行の前に子供達の様子を観察しておくのも、安全管理の一つ。
 ちょうど夕方の食事時、抜き足差し足忍び足で自然の家の幕営地に進入したのだが、私の顔を見た子供達から「あー、タッキーだ!」と声がかかる。どうもリピーターの子が幾人かいるらしい。
 小学3~4年の頃から見知った子も5年6年生になり、ずいぶん女の子らしくなっている。
 この日は幕営地に滞在する所長、スタッフの皆さんに挨拶、夜は明日の月山登山にむけてのミーティング。

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 今年もやってきました、志津キャンプ場。

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 女の子たちは皆でギターを弾きながら盛り上がってました。
 キャンプにギター。昭和30~40年代の記録でみたような歴史は繰り返されるのか?

そして翌日。
昨夜から夜中にかけて激しい雨。
今朝になって小降りになる。
自然の家のチャレンジキャンプ、開催期間は梅雨明け時期に重なっているため、私が関わり始めたこの10年くらい、ずっと晴天に恵まれていたのだ。
しかし今年は異例の長雨。
スタッフの先生方も、悪天下のプログラム運営に苦慮されていた。

小雨の中、姥沢リフト駅を出発。
例年ならば姥ヶ岳からの稜線を往路、山頂から牛首さらに谷に降りるコースを復路にするのだが、私が考えたのは例年との逆コース。帰路の疲労した子供達を、長く傾斜のきつい牛首からの雪渓を下ろすことに疑問を感じたのだ。

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 悪天のため、「臨機応変」を要求されるガイド登山となる。
 頂上手前の鍛冶小屋跡で子供達に昼食休憩を取らせる。
 おトイレしたい、という女の子につきそい、皆から離れた場所でツェルトをかぶせて用を済ませる。
 今シーズン購入したダックスのザック、ピラーのサイドジッパーがここで活躍。ザックの内部にパッキングしたツェルト、キジ玉を容易に出し入れすることができた。

 冷たい風雨の中、皆で頂上台地に到着、登頂。
 昔は この登山、仕切らさせていただきます。 などとイキがっていたが、ここ数年の間で少年自然の家の登山に対して考え方を変えてきた。
 やはりスタッフやサポーター(ボランティアスタッフ)あってこそのチャレキャンであり、登るのはあくまでも子供達自身である。自分は子供達の登る力を引き出す黒子なのだ、と思うようになった。

 帰路、最後の雪渓。
 疲労のせいだろう、もう他の子のアドバイスも聞こえないようで、ズック靴をズリズリしながら小4の女の子が雪渓を降りてくる。ピッケルでカッティングしながら、足の置き場を支持しながら、身体を支えてあげてようやく雪渓を下ろす。
 スタッフの相馬さんがその巨体で立ちはだかり、「ここフォローしますんで、大滝さん先を先導してください。」と言ってくれる。やはり皆の協力あってこその夏季キャンプだと知る。

 自然の家の所バスに乗り、服もずぶぬれで疲労した子供達とキャンプ場に戻る。
 風雨の中で月山に登頂。
 山が初めての子供達にとっては、「山嫌い」の原因になってしまったかな・・・バスに乗っている間、想いを巡らす。

 所長の強力な勧めで、雨で水浸しになったキャンプ場ではなく、自然の家にもどりドライな環境で一晩子供達を休ませることになった。
 私はここで解散。
 子供達に挨拶のためバスに乗り込み、「風呂入って着替えして風邪ひくなよ!」と挨拶。
 バスから降りる間際、元気な男の子から大きな声で、

「来年もまた会おうねっ!!」

 その一言が、私にとっては無形の報酬だ。

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