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あの人はいま ヘルマン・フーバー(Hermann Huber)

ドイツのフーバーといえば、今時のクライマーは皆「フーバー兄弟」なんでしょうね。

ある程度の年代の方ですと、

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ヘルマン・フーバー著 『現代登山技術』 (山と渓谷社1977年初版)をご記憶の方もおられるかと思います。
この著者、ヘルマン・フーバー氏は9月20日に83歳となり、ご健在です。
今の若い方にはピンと来ない方がほとんどかと思いますが、ヘルマン・フーバー氏はサレワの社長も務めた登山界の「伝説」でして、ヨーロッパではリカルド・カシン、シュイナードやロイヤル・ロビンスに並ぶ人物として紹介されています。

Сегодня Герману Хуберу исполнилось 83 года! by AlpClub.de 2013.9.20

あれ?
ドイツ山岳会(DAV)のドメインなのに何故ロシア語記事?と思ったら、ロシア系のDAV会員のコミュニティがあるんですね。
しかも、前述の『現代登山技術』はドイツ以外では日本とロシアで出版されていたんだそうです。
ロシアのクライミングサイトを覗くと、当時の冷戦下の状況を物語っているのでしょう、旧ソ連国内では「海賊版」を愛読していたクライマーが多かったようです。

 ヘルマン・フーバー氏は1930年、ドイツのミュンヘン出身。
 1947年から登山を始め、第二次大戦終了後の物資も乏しい55年、アンデスに遠征、そして登山用品メーカー・サレワに勤めることになります。
 ここでフーバー氏は様々なギアの開発に従事、特に知られているのはアイススクリューの開発。

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パイプ状のアイススクリューの変遷。(画像はhttp://hermannhuber.de/より)
左からRalling/Kuno(1957)、ロウ・スナーグ(アメリカ1979)、サレワ(1983)、サレワ・ステンレス製(1984)

その他、サレワ社初のアイゼン(1962)、高所用軽量テント等々、様々なギアの開発に従事しました。
72年にはサレワ社の代表取締役に就任、そして前述の『現代登山技術』という著書を手がけることになります。

 私事ですが大学山岳部時代、実践主義で滅多に山岳書の話題など口にしない、クライミングの師であるY先輩が「おい、この本いいよな」と薦めてくれたのが、この『現代登山技術』でした。
 今はもう内容はすっかり忘れてしまいましたが、当時の登山技術書としては異色の出来で、ドイツ人らしい、非常に精緻な印象を受けた記憶があります。

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50年代から世界各地の山を登り続けたフーバー氏。
画像はアンデス、ワンドイ・スール初登頂時のもの。

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現在のヘルマン・フーバー氏。
 フーバー氏のウェブサイト http://hermannhuber.de/ のトップページに、2013年9月付でコメントを発表しています。その一部から、

「人生とは時間を意味する。わずか83年、全てを経験するには十分とはいえない時間だ。発見が新たなる好奇心を呼び起こす。幸福の追求よりも、自分自身の道を追求することがライフワークだ。」
(原文:Leben bedeutet Zeit. Mit knapp 83 Jahren kann ich sagen, dass diese nicht annähernd ausreicht, um alles zu erleben. Jede Entdeckung weckt Neugier auf Neues. Die eigenen Wege als glückliche Chance zu begreifen, ist eine Lebensaufgabe. )
 と述べておられます。

いつまでもお元気で。

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