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タフルタム韓国隊、救助費用未払いが問題化

 今夏、パキスタンのタフルタム(6651m)に遠征した韓国隊の隊員が負傷、ヘリで救助されました。
 その救助費用が未払いであることから、パキスタンの航空会社が「今後、韓国隊の救助に際して『不利益をこうむる』可能性」を示唆、問題化しています。

パキスタンにおける韓国登山隊、不利益をこうむる可能性 by 月刊「山」2013年12月号

以下記事引用開始
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[フォーカス] “パキスタンにおける韓国登山隊、不利益をこうむる可能性”
文・キム・ギファン記者
現地独占業社、タフルタム救助費用未納で制裁の可能性を示唆

ソウル市連盟、対策会議開催・・・問題完全解決まで長期化の模様

 パキスタンのアスカリ・アビエイション(Askari Aviation)が、今後の韓国遠征隊と旅行者の救助活動において「不利益をこうむる」可能性があることを明らかにして、波紋が広がっている。
 このような措置は去る7月、ソウル市山岳連盟(ジョ・ギュベ会長)が派遣したパキスタン・タフルタム遠征隊(ジャン・グィヨン隊長)のヘリ救助費用が未納のため発生した.

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▲ パキスタン・カラコルムヒマラヤのタフルタム峰。 ソウル市連盟遠征隊が登山中に事故に遭った山だ。

 当時の状況は、突発的に発生したこととされている。タフルタム遠征隊のシム・グォンシク登攀隊長は登山途中に落石を受け、大腿部を骨折する事故にあった。事故が発生して直ちに登山は中止され、彼はヘリ搬送されて韓国に帰って来た。ところが救助活動中、ジャン・グイヨン隊長がヘリに先に乗り下山、シム登攀隊長は翌日、2番目のヘリで搬送される事が起った。不必要に2度もヘリが飛び、追加費用が発生して総額3万3,489ドルが遠征隊に請求されたのだ。

 遠征隊はヘリ救助費用を航空会社に預託せず、外国資本の保険にのみ加入した状態だった。そのため国内代行業者であるユーラシアトレック(ソ・ギソク代表)に支援を求め、航空会社で支払いを保証した後ヘリを飛ばした。 問題は、ヘリ救助を含む追加費用が帰国後、備えもなく発生したことにある。この過程で遠征隊内部には摩擦が生じ、隊員同士が非難しあうなどの事態となった。結局、11月20日現在、ジャン・グイヨン隊長とシム・グォンシク登攀隊長がそれぞれ700万ウォンずつ都合し、1,400万ウォンを出して救助費用の一部を支払い、残りは相変らず未納状態のままである。

 パキスタン軍の予備役将校たちが運営するアスカリ・アビエイションは、パキスタン北部山岳地帯のヘリ救助事業を独占している。 この業者は去る10月末、今回遠征を代行した現地のブルースカイトレックと国内ユーラシアトレックなどに公文書を送り、『強力な措置』を取ることに言及したという。 もしこの業者の言葉通り、韓国遠征隊の事故発生時にヘリコプター救助が円滑に行われない場合、深刻な問題となる。独占業者のヘリコプター救助ボイコットは単純な負傷で済む事故が重大事故に発展するからだ。

 問題が大きくなり、10月30日、遠征隊を派遣したソウル市連盟・教育技術委員会は解決策を模索するための会合を開いた。この席でヘリ救助費用をまず解決するため、ジャン・グイヨン隊長とシム・グォンシク登攀隊長が各300万ウォンずつ、ソウル市連盟が400万ウォンを出す事にした。足りない1,000万ウォンはソウル市連盟が貸与して処理する方向に意見がまとめられた。しかし、これも取締役会を通さなければならないなど、処理に時間がかかるものとみられる。

 ジャン・グイヨン隊長は「ソウル市連盟会議で決まったとおり、ヘリ救助費用をまず解決して、 残金は保険金が下り次第、処理できる。ソウル市連盟内で事を進めているため、近いうちに解決されることができるだろう」と話した。

 しかし、ユーラシアトレックのソ・ギソク代表は「アスカリ・アビエイションはパキスタン軍と連携した業者で個人事業者とは異なる事情がある会社」とし、「今回の問題を対外的に正当化させようとする動きもあり、この問題を迅速に解決してこそ、今後の韓国遠征隊が不利益をこうむることはないだろう」と語る。

 今回の事態は、シンプルに考えれば遠征隊とヘリ救助航空会社、登山隊活動中の借金問題であるといえる。
 しかし、UIAA加盟国で国際的信頼を積み重ねてきた韓国山岳界の対外的な信頼性を思えば、軽くみることは出来ない。今回の事態の原因となった当事者と団体の動向が残念でならない。
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以上引用おわり

 このタフルタム登山隊の救助費用未払い、アスカリ社による通告の件は、以前から韓国の某登山サイトの書き込みでひろまっておりましたが、なにぶん匿名の書き込みであり、当事者の名誉に関わる事柄のためブログ記事化は控えておりましたが、ついに韓国の山岳メディア・月刊「山」がとりあげる事態になっていたようです。

 私個人は、自宅からすぐ近くの蔵王スキー場でかつて発生した「韓国人スキー客行方不明・遭難費用支払い拒否」という実例を地元の人間として見聞きしていた経験があるため、「・・・・・」という感想です。
 その一方、「韓国隊」という「国籍」で救助要請の拒否の可能性が示唆されるという事態について、倫理的に非常に疑問に思っています。

 月刊「山」はやたらと「独占企業」という点を強調して報道していますが、パキスタンのような途上国では、航空機を運用・メンテ・維持できる技術と資金を持った団体など、軍関係者以外にありえません。
 問題はヘリを運用する企業が独占か競争かなどではなく、緊急時の備えについて登山隊そしてバックアップする留守本部の体制が整っていなかった、その点につきるでしょう。 これは私自身が過去に関わった登山隊の経験でもあります。

 あ、それから私のブログ記事がいわゆる「嫌韓」な方々に引用されるんですが、勘弁してくださいね。
 私が言いたいのは遭難時の備えについては謙虚に、しっかりしましょうね、ということです。

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コメント

実にご指摘のとおりです。
正しさを基準にする前に、やることによって自分たちに利益か不利益かをまず考えることは非常に間違っていると思います。
ネットの記事によると、こっちの少し知られてるk某社がスポンサーとして着いていたようですけど、役に立たなかったのでしょうかね。

また、なぜか怪我もしてなかったと見られる「隊長」が先にヘリに乗って帰ったのもあれですけど。

登山文化の違いがどうと話す前の基本がなんか足りない人を見たようで、ちょっと悲しくなりました。

聖母峰様のブログを読んでいろいろ物事を考えることが出来、いつもありがたく思っております。
正月はまだですが、来年もよい一年になりますようにお祈り致します。

投稿: jik | 2013.12.29 11:55

re: jik様

<<また、なぜか怪我もしてなかったと見られる「隊長」が先にヘリに乗って帰ったのもあれですけど。

 そうですね。そこに全ての原因があるようです。
 海外登山の場合、全ての情報が正しく伝えられているとは限りませんので、情報の齟齬・行き違いもあるかと思います。

 パキスタンのヘリ運航会社も結局は営利を目的とした企業ですので、利益をあげ経費を回収することは当然の企業活動なわけですが、「韓国隊」というくくりで恫喝まがいの文書を送る姿勢に疑問を抱いた次第です。

 書き散らすばかりで思考の浅いブログですが、また御意見お寄せ下さい。
  jik様も、どうぞよい年末年始をお過ごし下さい。

投稿: 聖母峰 | 2013.12.29 21:31

1997年ポストシーズン、イギリス人のヘンリー・トッド公募隊でチョ・オユに参加した際、既に登頂を終えた韓国隊のBC跡はゴミが散乱。 聞いた話ですが、トップバッターだった韓国隊が張ったFIXロープの支払いを他の隊に要求・・・これをBCの他の隊が拒否。 拒否理由は「自分たちもそれなりのFIXは用意している」というものでした。 これに対して韓国隊がゴミ散乱で応えたもようです。・・・この話を聞いて唖然、閉口しました。 何もゴミで応えなくてもと。 これは韓国のひとつの文化ともいえるかも知れませんが、身内内で白であれば、外の判断が黒でも白で通す。 長年、福岡と韓国を往復してきた者の実感です。

投稿: 村岡由貴夫 | 2014.01.03 11:21

re:村岡様
 今年もよろしく御願い申し上げます。

<<長年、福岡と韓国を往復してきた者の実感です。

 facebookで韓国での精力的な活動拝見しておりましたが、村岡様でもだいぶ厳しい見方をされておられるようですね。

 縁あって私も韓国の方々とその社会には大いに関心がありますので、村岡様のお言葉、しかと受け止めたいと思います。

投稿: 聖母峰 | 2014.01.05 22:54

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