« 2014年を迎えて | トップページ | 進撃のグリル »

HOKKAIDO HIGHWAY BLUES

Hokkaido ウィル・ファーガソン著『HOKKAIDO HIGHWAY BLUES』を読む。九州で英語講師を務めていたカナダ人である著者が、ヒッチハイクという手段によって、九州・佐多岬から北海道・宗谷岬そして利尻まで縦断した記録である。

 今「Cool Japan」とやらで、日本のマスゴミには「ニホン、ダイスキ!」というガイジンが売国放送局NHKを中心にわさわさ登場している。
 著者ファーガソンはそういった姿勢とは異なり、出会う風景、出会う人々に対して、シニカルな姿勢を崩すことなく、ヒッチハイクという他人の好意に依存した手段によって旅を続ける。
 その一見矛盾した姿勢が反発を招くのだろう、この本の書評は見事なまでに賛否が分かれている。

 日本海側を北上する彼。
 新潟市内を歩いた時は「チャールトン・ヘストンの「オメガマン」のようだ」とこきおろす。
 (この本べた褒めしてる英語かぶれの人で、映画「オメガマン」知ってるマニアな人どれくらいいるんだろう?)

 そして我が山形県温海町(現・鶴岡市)へ。
 魚を指して「スシ?」「スシ?」と漁師の爺ちゃんに聞いても、そりゃ相手びっくりするだけですよ、皮肉屋のファーガソンさん。

 「鶴岡は城下町だったが、今はTDR(注:TDKの間違い)という工場の企業城下町である。TDRが何を作っているのかはわからない。靴ひもかもしれないし、ボタンかもしれないし、赤外線誘導ミサイルかもしれない。」

 「鶴岡と酒田は鏡写しのように似たような街だ」
 
 などとバッサリ斬っている。

 著者ファーガソンは傲慢だ人種差別的だといわれるが、私は次の点でこの本をおおいに評価する。
 秋田市内にたどりつき、東北でも知られた秋田市の歓楽&風俗街「川反(かわばた)」について、飲んだくれながらも詳細な描写をしていることだ。
 カネに目の色変えたメディアや観光業界の奴らは Cool Cool とうるさいが、日本人の生活、日本人の社会って、そんなにCoolかよ?
 フツーに仕事して、たまに繁華街で飲んで・・・それがフツーの日本人じゃね?

 シニカルだ、差別的だ、傲慢だ、といわれる本書。
 たしかにファーガソンの表現には暖かみのカケラもない時があるが、彼の眼に映る日本の風景に私は思う。
 「実際の日本て、そうだよな?」
 この本にあるのは、Cool Japan などではなく、Real Japanなのである。

|

« 2014年を迎えて | トップページ | 進撃のグリル »

山岳ガイドが読む本」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/21370/58864219

この記事へのトラックバック一覧です: HOKKAIDO HIGHWAY BLUES:

« 2014年を迎えて | トップページ | 進撃のグリル »