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7月26日、月山、夏。

某自治体関連団体のご依頼で月山姥沢ルートのガイド。
約40名のゲストを5班に分け、月山朝日ガイド協会の横山・佐藤・前田という重鎮組に期待のホープ高橋、そして私というガイドで出動。

26日土曜日、晴天の予報が出ていたためか、月山は大混雑。
姥沢リフト上駅からの登山道からして、途切れ目のない登山者の行列が続く異常事態。
山頂直下の登り坂「鍛冶月光」に至っては多数の登山者がひしめき、その様子はまさに

Nu
ヌ ー の 大 移 動 状 態 。

 この日、私が先頭の1班を率い、2班率いる高橋ガイドをフォローするという役割だったのだが、鍛冶月光の途中でゲストの方1名が脚の疲労のためペースダウン。
 私たち1班・2班の後ろには他の団体・登山者が延々と続いている。
 しかも登山道は狭く足場の悪い鍛冶月光の中間地点。
 判断に迷う時間は一切無い。
 新人の高橋ガイドに先行してもらう。
 一瞬不安な表情をみせる彼女に対し、可能であれば鍛冶小屋跡で合流しようと話す。
 その度胸の良さから私は内心で「西太后」と呼んでいる高橋ガイド、しっかりゲストを率いて登高。
 こちらは後続パーティーをやりすごすという名目で、ゲスト達に一息いれてもらう。

 この日、フェーン現象で下界の山形県内では、熱中症で50人以上が救急車で搬送されていたらしい。
 幸い、月山は豊富な残雪のおかげで時折吹く涼しい風に助けられた。

 山頂は人、人、人・・・・

 帰路は大きな雪渓が続く四谷川の谷ルートを進む。
 雪渓でゲスト達にアイゼンをつけてもらう。
 慣れないアイゼン、ゲスト一人一人を見回り、装着具合を点検。
 そこに一人の老登山者が
 「こんなとこはアイゼン無しで歩けるんだよ」
 と聞こえよがしにつぶやきながら通過していく。

 ( う る せ え 糞 爺 )

 と心の中で毒づきながら、私は笑顔で
 「みなさんアイゼン付け終わりましたか~」
 と歩き始める。

 目の前で、アイゼンを付けていない他の登山者が滑落、他者にぶつかっている様子をみて、ゲストの方々も面倒なアイゼン脱着に従ってくださった。

 様々なことがありながら、私たちは姥沢に無事下山。
 自治体団体の主催ということで、きちんと閉会式が行われ、解散。
 私と高橋ガイドのところにゲストのご夫婦がやってきて、いろいろ尋ねられる。
 装備や行きたい山の事を相談するのに、ガイドさんもしくはガイド協会に問い合わせすればよいか?というご相談だった。

 考えてみれば、山岳メディアのほぼすべては東京中心、日本アルプスと八ヶ岳偏重。
 山形のような地方都市では、山岳会などに所属していない登山愛好者にとって、ちょっとした事でも相談できる機会が少ないということを痛感する。
 お勧めの山域はありますか、という問いに私は「神室連峰」、高橋ガイドは最近行ったという「祝瓶山」を挙げる。

 閉会式解散後、ゲストの方々と笑顔でお別れ。
 先日、帰宅途上でみた、暗いバスの中で一人ギターの練習をする運転手の姿を思い浮かべる。
 私にとっての喜びは、無事登り終えたゲスト達の笑顔なんだなあ、と。

Img_0877
この日、16時の姥沢駐車場の気温27度。
姥沢リフト下駅で売られているラムネがまぶしく見えるひととき。

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コメント

暑中お見舞い申し上げます (;´Д`);;;

 月山でも登山者多すぎの大混雑なんですね
 昨今はどこの山も、都心の通勤電車のような大混雑で、にわか山岳会の昼夜問わない大声会話、交代制食堂で長々と飲み会、小さな水場を占領、交互通行の細道で突き飛ばし(ハイマツで転落まぬがれた)、無法の限り・・・・
 安全確実、判断慎重、迷惑かけない山好きの指導をお願いします

投稿: かもめ | 2014.07.28 09:55

re:かもめ様

暑中お見舞い申し上げます
ああ東北もようやく梅雨明け・・・

<<月山でも登山者多すぎの大混雑なんですね
この日はほぼフル出動しているベテランガイドも「ちょっと今日は人多すぎだよ」とつぶやくほどの人出でした。

<<安全確実、判断慎重、
今週も出動予定ですので、肝に銘じます・・・

猛暑続きですので、お体大事にしてください。

投稿: 聖母峰 | 2014.07.29 23:20

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