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拝啓、キャンプ場より

 月山から下山後、代替プログラムとして山形県自然博物園のブナ林を歩くことになる。
 常駐のブナ林ガイドは他の団体のガイドで皆外出中であること、自然の家関係者で博物園内の道を熟知しているのは私だけということもあり、引き続き私が引率してブナ林を歩く。
 子供達30人+職員・スタッフの皆さんという長い列で、私の声も届きにくいのだが、要所要所で解説を入れていく。
 ヤドリギの下に女子高生ボランティアスタッフを立たせて「外国ではね、クリスマスにこの枝の下に立つ女の子にはキスしていいんだよ」とセクハラ解説全開

 2時間の自然解説を終え、例年のように温泉で汗を流し、キャンプ場に戻る。

 キャンプ場では今後の行程について、職員の皆さんがミーティング。
 月山登山中止の影響は大きく、いたたまれないので今日は早々に帰ろう・・・
 と考えていたところ、職員のわたさんから「サポーター(ボランティアスタッフ)が足りないので、もしできれば・・・」と、予定外ながら班付きサポーターの代役を引き受けることになる。

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ベースとなった志津キャンプ場にて。
ゲーム機全盛といっても、クワガタ虫は男の子達のあこがれの的。

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月山登山出発前、朝食準備の風景。
「ちょっと男子、みてないで手伝いなさいよっ!」
と女の子の声が飛ぶ。

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夕食の後片付けの一コマ。
班の結束が固まるのは、プログラムの最中だけでなく、こんなひとときではないだろうか。
のんびりした雰囲気の中で食器を洗いながら、男女・学年問わず一日を振り返っての軽い会話が、私を和ませてくれる。

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ボンファイヤー。
数十万年ぶりに、「マイムマイム」子供達と踊りました。
ダンスって不思議ですね。あの一体感は。
紛争地域の政治家とかいう連中もやればいいのに。

さて私が班付きサポーター代役をお願いされた真の目的は、肝試しで子供達に同行する大人スタッフが足りなかったこと。

わたさんが「肝試しやりまーす」とアナウンスすると、子供達は興奮の渦。
私が面倒をみる4班は女の子4人に男の子2人という女の子上位のグループ。
「タッキー前歩いてよっ!」
「あ、ダメダメ。何か出たらすぐみんなの陰に隠れるから。いいな。」
「えーなんでー!タッキー大人でしょ!」
と子供達にハッパかけられながら、私が先頭で小さいランタン持ち、暗闇の志津キャンプ場遊歩道一周に出かける。
男の子達は歌いながら歩く。そのやたらでかい歌声に、暗闇への怖さをやせがまんしている姿ありありでおもしろい。
ところどころで待ち構えた職員のみなさんが、子供達を怖がらせてくれる。
(隠れるようなところはたいていヤブ蚊がひどい所。職員の皆さん本当にお疲れ様です)
女の子たちもワーワヘギャーギャー楽しんだところで、キャンプ場へ帰着。

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すべての班が戻ってきたところには、ボンファイヤーもいい感じの熾火になっていました。
所長が食材のバナナを利用して「焼きバナナ」を調理。
帰ってきた子供達で焼きバナナを賞味。

この後のふりかえりタイム(一日の反省・学んだことを用紙に記入、発表しあう時間)まで4班の子供達の面倒をみる。
 子供達にとって月山登山は残念、という感想が多い中、私が引率したグループですぐ後ろにいた1班の女の子が「いろんな動物をみられて良かった」と語ってくれる。
 今日はリフト下で野ウサギ、博物園のブナ林の中で野ねずみを見ることができた。
 野ねずみの可愛らしさは女の子達のハートを直撃した様子。

 ガイドとして判断に迷いはないものの、不完全燃焼だった月山登山。
 子供達の元気に救われる想いだった、今日のキャンプ生活。
 就寝のためテントに向かう子供達を見送り、職員の皆さんに挨拶を終え、私は一時帰宅。
 明日、いつもの現場作業員生活が待っている。

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8月の月山・姥沢、志津キャンプ場ですが、夜間になると気温19~18度くらいに低下します。
遠方から車内泊・キャンプ地泊でいらっしゃる方、長袖は一着お持ちになった方が賢明です。

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雷 鳴

7月31日。
山形県朝日少年自然の家チャレンジキャンプ2014『ビバキャンプ!!40(フォーティ)サマー』に登山講師兼サポーター(ボランティアスタッフ)として参加。
前夜にキャンプ地入り、職員や他のサポーターから子供達の様子を伺う。

翌朝。
起床時間より1時間早く起床、キャンプ地を抜け出し、空模様の観察へ。
下界は晴れている様子だが、月山、姥ヶ岳は灰色の雲に覆われている。
1週間前から集めた気象データから今日の天候をイメージする。

今年、ザックにスイカを入れ頂上で子供達に食べてもらおうと思っていた。
以前はよくやっていたのだが、登山の引率を依頼されるようになってからは子供達の安全管理を優先させるため、余計なパフォーマンスであるスイカは封印していたのだ。
昨年の月山の経験から、子供達に頂上でちょっとした食べる楽しみも経験してほしい。
そんな想いがあったのだが、起床してすぐ眺めた月山の空模様から頭を切り換える。スイカはキャンプ地の沢にデポし、安全管理に徹しよう、と自分に喝を入れる。

今年は例年の入山式とは異なり、「大滝さんへの子供代表挨拶」、「出発前の気合い入れ」など、職員の皆さんや子供達の意気込みも並々ならぬものがった。

しかし、である。

姥沢のリフト上駅でリフトを降りる。
そこは視界の効かないガスの中。
子供達のトイレ待ちをしている間に、ポツリポツリと雨が降り始めた。
ここで参加した子供2名が雨具を忘れてきていることが判明。

そして、
Sunde
平成26年7月31日午前10時 山形県内の落雷の様子

一発目の雷鳴が聞こえた。
皆でリフト上駅の売店に一時避難する。
ここで今日の行程の協議。

まず月山頂上は無理。
職員の方から牛首ルート周回を尋ねられるが、雷の危険性がある限り、それはできないと答える。
では目の前の姥ヶ岳はどうか。
職員の方々は、やはりサマーキャンプの一環としての登山に強いこだわりをお持ちのようだった。
天候の様子をみて、目前の姥ヶ岳をせめて登りたい、というのが職員の皆さんの強い希望。

たまたま、昨年10月に月山朝日ガイド協会の養成講座でご一緒したAさんと再開。姥ヶ岳から下山してきたという。上は悪天候とのこと。
私自身は、台風から吹き込む湿った空気、東北上空にある寒気が悪さしている以上、高所である月山が劇的に天候回復することはないだろう、と読む。

リフト上駅売店では職員の皆さんも決めかねている様子。
所長から話を伺い、雷が収まった様子の時に姥ヶ岳を目指すことにする。

視界の効かないガスの中、子供達を引率して姥ヶ岳に向かう。
途中、再び下方から雷鳴。
リスク意識の高い、朝日少年自然の家前職員だった彦さんから「雷聞こえます」と無線が入る。
「ベンチのところまで行きます」と答える。
「了解です」彦さんの声の様子から、私の考えは読み取ってくれたようだった。

姥ヶ岳の山腹、リフト上駅から15分ほど登ったところにあるベンチ休憩所に皆を集める。
職員の方ではなく、私は所長に直接言う。
それはボランティアスタッフとしては越権行為だとはわかっていたが、ガイドとして引率する以上、私は言わなければならない。

「所長、今日はここまでです。」

おそらく今日の天候では、月山山中では天候不順でも、下山すれば蒸し暑い晴天になっていることだろう。
それは、人によって受け取り方は様々だろう。
しかし、10年以上関わってきた朝日少年自然の家と縁が切れてもいい。
今すべきは子供達の安全優先だ、と判断する。

職員の方におまかせするべきところだったが、私から直接子供達に対して、今日は雷が鳴って危険な状態であること、ここから引き返すこと、を話す。

下山。

ガイドとして今日のコンディションでは結論は当然1つである。
そこに迷いはないのだが、月山登山に準備を重ね期待してきた職員の皆さんの心境も察するにあまりある。
でもやはり私はガイドである。
子供達の安全を守らなければならない。

こうして2014年の朝日少年自然の家 月山登山は、姥ヶ岳中腹で終わった。

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下山後、姥沢駐車場から月山を振り返る。
来年は太陽の下で、子供達にその姿を見せてくれ。

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『鳥海山を登る 夏から秋の登山道ガイド』【2014.8.1追記】

東北人にとって待望の本が7月中旬、世に出ました。

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 山形県で発行されている定期登山誌『山歩きの雑記帳』発行人の佐藤要氏が出版した『鳥海山を登る 夏から秋の登山ガイド』です。
 地元の人間ならではの詳細な紹介記事が掲載されています。
 
 鳥海山に関しては「秋田の山だ」「山形の山だ」などとケツの穴の小さい議論をしている爺もいますが、この本では山形・秋田ほぼすべての登山ルートが網羅されています。

 目次

  鳥海山の登山道
   海を背に西から登る
     象潟口、吹浦口、長坂道
   外輪を目指して南から登る
     万助道、二ノ滝口、湯ノ台口
   残雪を踏んで東・北から登る
     百宅口、猿倉口、矢島口
  空から見た鳥海山西面
  西面の登山道
  空から見た鳥海山南面
  南面の登山道
  空から見た鳥海山東面
  東面・北面の登山道
  空から見た鳥海山北面
  新山・千蛇谷・七高山・外輪
  山頂付近の登山道
  お花畑への道
  鳥海山の気象
  鳥海山を登る
  鳥海山を登るために
  自然環境に配慮して登る
  問い合わせ先一覧
 (全56ページ) 

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 従来、『山歩きの雑記帳』に掲載されてきた木山由紀子氏のイラスト、鳥瞰図が秀逸である。木山氏のイラストは、山形が生んだ地理学者・五百沢智也氏の再来だと断言する。
 
 おそらく他県、他地域の方々が鳥海山登山を計画する際、鳥海山の登山ルートが多く、登るルートの選定に迷うことが多いのではないだろうか。
 この本の冒頭では、各登山ルートの「特徴」が記され、登山ルート選択の一助になることだろう。
 単なるコースの難易度(コースタイムの長短など)だけでなく、要所要所での植生や景観、地質史も盛り込まれている。

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 東京の出版社が出す雑誌のワンパターンな紹介記事などと違い、
 『体力が足りなければそれに見合った登り方がある。それぞれ自由な楽しみ方があり、急がない競わない平和な世界がそこにある。このガイドブックが、鳥海山の登山計画を立てるための一助になれば幸いと思う。』
 と佐藤要氏があとがきで書いているように、計画立案には最適の一冊。
 販売価格1000円+税。
 鳥海山登山を計画されている方には、1080円の販売価格は決して高くない価値がある。
 山形県の登山用品店、私は天童市のマウンテンゴリラで購入。
 山形のローカル出版物ですので、アマゾンでは扱ってないようです。
 東京のみなさん、欲しかったら自分で取り寄せてくださいね(高笑い)

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【2014.8.1追記】
 本記事掲載の『鳥海山を登る 夏から秋の登山道ガイド』販売店をお探しの方が多いようです。
 土方仕事多忙につき、山形市内外の書店をまだチェックしていないのですが、山形県では天童市の登山用品店マウンテンゴリラにて販売しています。

 同書の奥付に編集・発行人である佐藤要氏の連絡メールアドレスが記載されていますので、転載いたします。
 山形県から遠隔地にお住まいの方は直接お問い合わせいただいた方が確実と思います。

 『鳥海山を登る 夏から秋の登山道ガイド』
 編集・発行人 佐藤要 E-mail yamaruzakki▲gmail.com
 (▲を@に代えてメール宛先としてください)

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7月26日、月山、夏。

某自治体関連団体のご依頼で月山姥沢ルートのガイド。
約40名のゲストを5班に分け、月山朝日ガイド協会の横山・佐藤・前田という重鎮組に期待のホープ高橋、そして私というガイドで出動。

26日土曜日、晴天の予報が出ていたためか、月山は大混雑。
姥沢リフト上駅からの登山道からして、途切れ目のない登山者の行列が続く異常事態。
山頂直下の登り坂「鍛冶月光」に至っては多数の登山者がひしめき、その様子はまさに

Nu
ヌ ー の 大 移 動 状 態 。

 この日、私が先頭の1班を率い、2班率いる高橋ガイドをフォローするという役割だったのだが、鍛冶月光の途中でゲストの方1名が脚の疲労のためペースダウン。
 私たち1班・2班の後ろには他の団体・登山者が延々と続いている。
 しかも登山道は狭く足場の悪い鍛冶月光の中間地点。
 判断に迷う時間は一切無い。
 新人の高橋ガイドに先行してもらう。
 一瞬不安な表情をみせる彼女に対し、可能であれば鍛冶小屋跡で合流しようと話す。
 その度胸の良さから私は内心で「西太后」と呼んでいる高橋ガイド、しっかりゲストを率いて登高。
 こちらは後続パーティーをやりすごすという名目で、ゲスト達に一息いれてもらう。

 この日、フェーン現象で下界の山形県内では、熱中症で50人以上が救急車で搬送されていたらしい。
 幸い、月山は豊富な残雪のおかげで時折吹く涼しい風に助けられた。

 山頂は人、人、人・・・・

 帰路は大きな雪渓が続く四谷川の谷ルートを進む。
 雪渓でゲスト達にアイゼンをつけてもらう。
 慣れないアイゼン、ゲスト一人一人を見回り、装着具合を点検。
 そこに一人の老登山者が
 「こんなとこはアイゼン無しで歩けるんだよ」
 と聞こえよがしにつぶやきながら通過していく。

 ( う る せ え 糞 爺 )

 と心の中で毒づきながら、私は笑顔で
 「みなさんアイゼン付け終わりましたか~」
 と歩き始める。

 目の前で、アイゼンを付けていない他の登山者が滑落、他者にぶつかっている様子をみて、ゲストの方々も面倒なアイゼン脱着に従ってくださった。

 様々なことがありながら、私たちは姥沢に無事下山。
 自治体団体の主催ということで、きちんと閉会式が行われ、解散。
 私と高橋ガイドのところにゲストのご夫婦がやってきて、いろいろ尋ねられる。
 装備や行きたい山の事を相談するのに、ガイドさんもしくはガイド協会に問い合わせすればよいか?というご相談だった。

 考えてみれば、山岳メディアのほぼすべては東京中心、日本アルプスと八ヶ岳偏重。
 山形のような地方都市では、山岳会などに所属していない登山愛好者にとって、ちょっとした事でも相談できる機会が少ないということを痛感する。
 お勧めの山域はありますか、という問いに私は「神室連峰」、高橋ガイドは最近行ったという「祝瓶山」を挙げる。

 閉会式解散後、ゲストの方々と笑顔でお別れ。
 先日、帰宅途上でみた、暗いバスの中で一人ギターの練習をする運転手の姿を思い浮かべる。
 私にとっての喜びは、無事登り終えたゲスト達の笑顔なんだなあ、と。

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この日、16時の姥沢駐車場の気温27度。
姥沢リフト下駅で売られているラムネがまぶしく見えるひととき。

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Another Life

Dr

その日も現場作業を終え、会社から帰る。

その帰路の信号待ち。

私の帰宅途中に、広いパス停留所がある。回送バスもよく停まっている所だ。

信号待ちで、ふと停車しているバスに目を向ける。
日没後、ライトもついていないバスの車内に人影が見える。

業務終了した運転手か?と思ったが、動きがおかしい。
何か板状のモノを車内で振り回している。

よくよく見ると、運転手らしき人が暗い車内でギターの練習をしているのだった。

周囲は割と交通量の激しい道路、日没後の歩行者もほとんどいない時間帯。
「回送」マークのバスの車内は、楽器の練習場としては最適だろう。

日没後の薄暗い夕刻、他に誰もいないバスの中でギターを弾き続ける運転手。

彼にとって、ギターとは何なんだろう?
大型二種免許を持ち、バス運転手として人生を送る彼にとって、ギターを弾くことは、どんな喜びなんだろうか?

信号は青になった。
私はアクセルを踏み、自宅へと急いだ。

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濡れ濡れ朝日

連休最終日は朝から下界の予定が入ってしまったため、20日早朝、日帰り大朝日。

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嗚呼、今日の山行も雨で始まる・・・

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 古寺山を過ぎ、登り返しが始まり「あーかったりーなー」とうつむきかげんに急登を登って顔をあげたところに、ヒメサユリの群落という憎い演出。

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樹林帯ではシトシト雨、稜線に出てから日がさし、山頂では霧雨。
もうなんでもござれという心境で山頂往復。

大朝日小屋の管理人である阿部さんに今シーズンの挨拶、それから下山。

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この時期の朝日連峰のブログっていうと皆さんヒメサユリばっかりだけど。
自己主張の強いアザミって結構好きです。
気の強い美人みたいな(妄想)

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ママコナ・・・かな?
熊越のところに数株咲いてました。紅白でおめでたい感じがいいです。

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朝陽館の発電機の音が聞こえるあたりまで下山すると、青空が見えてきました。
新緑も過ぎたとはいえ、ブナの山にはやっぱり青空が似合いますね。
夏山シーズン、皆様が好天に恵まれますように。

朝6時半に古寺鉱泉を出て、10時山頂、14時帰着。
温泉で汗流した後、夏山装備の相談で天童のマウンテンゴリラに寄ってから帰宅。
遠方からいらっしゃる登山者の方には、日帰りではなく小屋泊まりの余裕ある山行をお勧めします。
山から眺める日没とか夜明けとか、ここ最近見てないな。

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銀玉水上部の雪渓について

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銀玉水上部の雪渓もだいぶ小さくなり、3箇所ほどに分かれていました。
上記画像ですが、雪渓を避けて画像左側、斜面崩壊防止の植栽ネットの上を踏み歩いていく方がいるようです。
雪渓も融解が進み、踏み抜きの危険があるため一概に雪渓の上を歩けとは言えませんが、銀玉水上部の登山道脇は植栽ネットが敷かれている箇所です。
 斜面の浸食・崩壊防止のためにも、歩くコースにちょっとだけでも心配りをお願いしたい所です。

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敗戦国の亡骸 山形に残る松根油乾留釜

「松根油」(しょうこんゆ)をご存じだろうか。

松の根を蒸し焼きにしてタール等不純物を除き、冷却すると油が採取できる。
これが松根油である。
松根油をさらに2度「乾留釜」で熱し分解することにより、航空燃料の代替品となるテレピン油ができる

第二次世界大戦当時、資源に乏しい日本は昭和9年頃から松根油の生産を開始、コスト面で採算の取れる代物ではないのだが、戦局の悪化とともに日本全国各地で一般市民が奉仕活動にかり出され、さらに生産が続けられることになる。

この松根油生産に用いられた乾留釜が、山形市に残っていた。

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山形市の中心街から東に位置する山形市・釈迦堂地区の法来寺の梵鐘。
この法来寺、本来の梵鐘は戦時供出により失っていた。
ここ釈迦堂で松根油の生産が中止された際、残った乾留釜の1つを梵鐘に転用したものである。
それが21世紀の今も使われ、残されている。

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錆ついているものの、穴をふさいだらしい溶接の跡がみられる。

この松根油の乾留釜そのものは、わずかながらも日本各地に戦争遺物として残っているが、寺の鐘として転用され今に残るのは、おそらく岡山県の鈴岳神社と、この山形の法来寺ぐらいではないだろうか。

参考サイト ウェブサイト依代之譜 鈴岳神社

 製造されたテレピン油は、上記サイトではメッサーシュミットMe262のコピーであるジェット戦闘機「橘花」にガソリンとの混合油として用い、12分間の飛行に成功したと述べられている。
 一方、終戦直後に米軍が試験的にジープに用いたところ、精製度が粗悪ですぐにエンジンが止まったことが報告されている。
 いずれにせよ第二次世界大戦末期、国民総動員とはいえ一般市民が提供する程度の松から採取されるテレピン油の量・質など、戦局が悪化した日本にとってはほとんど無意味なものに近かったであろう。
 昭和20年3月、日本政府は閣議決定として「松根油等拡充増産対策措置要綱」、つまりもっと松根油作らんかいワレ、という方針を打ち出す。そして約5ヶ月後、日本は敗戦を迎える。
 
 無能・無謀な当時のエネルギー政策の象徴といえる松根油乾留釜。
 それが地域の人々のよりどころとなる寺の鐘として、約70年もの歳月を経て現存している。

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月山・姥沢リフト復旧しました

7月16日、月山・姥沢ルートのリフトが復旧、運行始まりました。

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 ちょうどこの日、山形県朝日少年自然の家サマーキャンプで行われる月山登山の事前踏査に同行させていただきました。

 あいにくの雨、職員の皆様とともに姥沢ルートを往復。
 咲き誇る花に目もくれず、サマーキャンプの計画・準備を話しながら、風雨の山頂へ。

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 帰路、雨上がりの雪渓はモヤがかって幻想的な雰囲気。

 まだまだ数多くの準備や下見を予定している職員の方々は、今後の日程について頭がいっぱいの様子。
 私たちボランティアスタッフが活動できる裏で、職員の方々の並々ならぬ苦心があることをあらためて認識させられた1日でした。
 さて、今年の月山はどんな様子で子供達を受け入れてくれるのでしょうか。

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Cheryl Strayed著『WILD』が映画化

 離婚、母の死、暗転した人生から自分自身を見つめるためロングトレイル、パシフィック・クレスト・トレイル(Pacific Crest Trail、略称PCT)を行く女性。
 Cheryl Strayedの自伝ともいえる『WILD』がリース・ウイザースプーン主演で映画化されます。

Wild

Hollywood Is Turning "Wild" into a Movie by Outside 2014.7.11

 リース・ウイザースプーンという「旬」な女優が演じるせいでしょうか、アメリカのメディアもこぞってとりあげています。
 ま、メディアといってもピンからキリまであるわけで、ゴシップ誌いわくセックス、裸、薬物がストーリーにとりあげられるんでR指定だそうな。
 アメリカでは2014年12月上映予定。

 この話題は早速FB経由で、朝日少年自然の家のボラ仲間である斉藤正史さんからも伝わってましたが、忙しい斉藤さん、この前は「Akimamaの電話インタビューがありまして・・・」と、少年自然の家から早々に帰られましてロングトレイルのお話聞きそびれましただ。

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ハクサンフウロには、

雨の滴(しずく)がよく似合う。
Imgp1536
月山にて。

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月山・姥沢ルートの雪渓状況【2014年7月13日】

Sekkei20140713
月山・姥沢ルート、頂上直下の月光(がっこう)坂から望む
(赤線は登山ルート)

地形図に書き加えると、こんな状況です。
Gassansekkei20140713

7月16日以降、リフト復旧後に多くの登山者が入ると思われますが、昨年並みの残雪量です。
いずれのコースをとるにせよ牛首直下または姥ヶ岳山腹の、比較的傾斜のきつい雪渓を通ることになります。
キックステップに自信の無い方、雪渓歩きに不安な方はためらわずアイゼン装着をお勧めします。

なお本記事の見解は月山朝日ガイド協会のものではなく私個人の主観をまじえた見解になります。
日数の経過とともに雪渓の状況は変わります事をご承知おきください。

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生活日記 2014年7月上旬

ブログ更新サボってる間の日常生活。

7月×日
 現場作業に疲れる。
 こんな時は、
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 枕草子で気分転換。

7月×日
 人生の進路を踏み誤った日。
 世間では「結婚記念日」とかいうらしい。
 私の人生設計では、美人で気が強い華僑の娘に婿入りして、尻に敷かれて一生を終わるはずだったのだが。

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 とりあえずこの店なら絶対に文句が出ない、我が家の定番洋菓子店「パティシェ・ル・ショージ」のシュークリーム買って帰る。

7月×日
 多田光毅・石田晃士・椿原直 編著「紛争類型別 スポーツ法の実務」を読む。
Spo
いわゆるスポーツビジネスにおける法的紛争をとりあげた本。
後半の第2章は「スポーツ事故に関する紛争」と題し、レジャースポーツ、山岳事故についてもとりあげられている。
 登山に関してはニセコ「春の滝」事件が事例としてあげられ新味はないが、いわゆる「免責同意書」の無効性について囲み記事でとりあげられている。
 登山はもとより、特にマラソン大会などではいまだに「免責同意書」をよくみかけるが、ここまで免責同意書の無効性が知らされていないのは何なのだろうか?
 また同書の「好意による指導」として、本多勝一氏のルポで知られた静岡某団体の遭難事故例(アレを好意による事故と分類するのが適当かはさておき)とならびクライミング事故裁判の判例、「子供会」主催ハイキング事故での判例が掲載されているのは参考になる。
 競技会・ツアー・講習会主催者の責任に関しても章が割かれていることを特記しておく。

7月×日
 現場作業で疲れる。
 帰宅後、古典を読みふける。

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いや~『ベルサイユのばら』は名作だよ。

7月×日
 郵便物が届く。
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 山岳保険満期のお知らせ。
 速攻で継続手続き。山屋な皆様もぬかりなきよう。

7月×日
 今年は町内子供会の会長を仰せつかっている。
 昔、朝日連峰・竜門小屋の管理人で西川山岳会の遠藤さん宅にお邪魔した時のこと。
 会社勤めしながら、山に行く時間をいかに作るかという話題になったとき
 「あ、俺は町内会活動とか一切かかわらないっ」 
と、遠藤さんは映画シェーンのアラン・ラッドの早撃ちも真っ青の即答でした。

 かくいう私、今住んでるトコに移り住んだ立場なもんで、なるべく子供会行事には顔を出す。

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 で、今日は貴重な土曜日、子供会行事で山形の遊園地へ。
 疲れてるせいか、昼過ぎからは休憩室で寝てました。
 ゲーム漬けの息子が「動物ふれあい小屋」でウサギと遊ぶことに喜んでいる姿をみて、親として少しほっとする。

これから夏休みで学校も町内会も子供会も行事がてんこもり、なんか保護者の私生活がブルドーザーのごとく蹂躙されていきますな。ははは。

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冷やしランプ始めました

ベアールの新型ヘッドランプFF120型のデモ動画です。

スペックは重量96g、120ルーメン、点滅モード含む6モード発光。
詳細はこちらのサイトで↓

ベアール ウェブサイト FF120型紹介ページ

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静かな月山

森林限界を越えた石畳ばかりが、月山じゃありません。

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刈り払いも行われてない、月山山麓を行く。

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桑の実がいっぱい。
指を紫色に染めて、熟した実を口にする。
サクランボに負けない甘み。

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あまり登山者も通らないブナ林で、姥神様は何を思う。

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帰路、退屈な林道をトラノオが彩っていました。

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お仕事日記2014年初夏

6月×日
日本海に面した某港街でお仕事。

Cho
雲の上から頭をのぞかせる鳥海山。

6月×日
太平洋側、某被災地にてお仕事。

So1
頭上には、津波で枯死した大木。

足下には、
Ku
クリンソウ。

7月×日
工場にて、とある機械を整備。
ネジを外し、パーツを取り出すと、そこには多数のウジ虫。
そして猛烈な腐臭。

まあ、これが普段の仕事ですから。

この日、所属する月山朝日ガイド協会の救急救命講習。
兼業ガイドの悲しさ、仕事が終わった後、高速を突っ走って会場の西川町役場へ。
コンビニのトイレで石鹸付けて丁寧に手を洗ったものの、昼間の腐臭はなかなか取れず。

こんな時に限って、救命講習、女性会員が多く出席したりする。ふー。

Res
本日は月山エコプロの白田さんとペア組んで練習です。
臭い身体ですみません。

講習が終わり、荒井由実聴きながら夜の国道を帰る。

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