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『槍ヶ岳山頂』

Yari 川端誠著『槍ヶ岳山頂』を読む。
小学五年生の「ぼく」が「父さん」に連れられて燕岳から槍ヶ岳を2泊3日で縦走する山行の様子を描いた絵本である。
 燕岳の登山口から物語は始まり、燕山荘~燕岳~槍ヶ岳~槍ヶ岳山荘~上高地、そして松本発の特急に乗車したところで物語は終わる。
 絵本といっても馬鹿にしてはいけない。
 写実的な絵で山行は描かれ、淡々と登山の様子が描かれている。
 途中、水俣乗越を越えたあたりから雨になり、主人公の「ぼく」はくじけそうになるが、やがて現れた、そびえたつ槍ヶ岳が「ぼく」を奮い立たせてくれる。
 
 この絵本は、著者のお二人の息子さんがそれぞれ10歳になった時に連れて行った取材山行をもとに描かれている。
 小説家が書いた三流山岳小説と異なり、波乱に満ちた展開も、劇的な展開も無い。
 淡々と2泊3日のアルプス銀座の山行が描かれている。
 それゆえ、この絵本の内容は多くの登山者に共感をもって読まれるはずである。また山を知らない方にとっても、登山のつらさ、楽しさ、美しさが十二分に魅力をもって描かれている。

 この本には、山岳雑誌のガイド記事には無い魅力がある。
 子供だけでなく大人にも十分読むに値する内容である。
 たまにはこうした絵本も、いかがでしょうか。

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