晩秋日記2014年11月
11月×日
叔母が亡くなる。
多人数姉妹の母の家系、すぐ下の妹である母の世話で週末は忙殺されるだろう。
泣く泣く、昨年から楽しみにしていた山形県朝日少年自然の家の行事「化石掘り」をキャンセル。
今月予定しているJMGAの講習参加準備も進まない。
そんなところに、スマホに高校山岳部の先輩から「今夜飲まない?」とメール。
自分で時間を作らないかぎり、「息抜き」など絶対無理な今週。
夕方、この先の日程を確認してから先輩に「行きまーす」の返事。
飲む会場は山形市の「おまつ」
高校山岳部の先輩、先輩ご夫妻と心から楽しく飲む。
この「おまつ」、私が勤務する会社にいる山形大学山岳部OBがインドヒマラヤに遠征した際、「おい、ちょっと山の話でもするか」と連れて行ってもらった店。
「鳥たたき鍋」が絶品なんですが、聞くところによれば現在はなかなか予約がとれないらしい・・・
嵐の前の、楽しい一夜を過ごす。
11月×日
日曜。
午前中、山形県朝日少年自然の家に行き、参加するはずだった息子のキャンセル料を届けに行く。
職員の方は皆出動しており、スタッフとして参加するはずだった私としては大変恐縮。
帰路、自然の家駐車場からすぐの斜面で車を止める。
自然の家に通じる車道の紅葉、見事な色合いで毎年楽しみにしていました。
今にも雨が降りそうな空模様の下、心安まらぬ日々の疲れが紅葉に癒やされます。
自然の家から戻り、叔母の火葬に立ち会い。
叔母夫婦は二人とも介護が必要で、ここ数年は親戚一同で面倒をみなければならない状況だった。
叔母には一人娘がいた。
私が小学生になってまもなく、高校生だった娘は寒い冬のある日、突然逝ってしまった。
通学途中、駅の凍ったホームで転倒、頭部を強打して亡くなったのだ。
まだ幼い私にとって、死は日常に突然訪れることを思い知らされた出来事だった。
それから数十万年。
高校生だった彼女は、仏壇に飾られた写真の中でいつまでも、永遠に高校生のままだ。
そして叔母は、彼女と同じ火葬場で今日、灰になっていく。
夫婦ともに要介護の状態のため、香典は受け取っても香典返しは無い事を後見人の方から宣告される。
喪主であるご主人は施設に入り、叔母の家は無人となる。
高齢化社会の、地方都市の現実を思い知らされる。
叔母の法要を行う天童市・善行寺にて。
21世紀の今も健在な立派な「かまど」。
11月×日
本日は鉄骨解体作業。
地上十数メートルの鉄骨によじ登り、作業を行う。
過去、ハシゴを登るのも体質的に受け付けない社員もいたらしい。
リストラ寸前不良社員の私だが、クライミングなんてことをやってたおかげで、さほど抵抗は無い。
おかげで今の職場には何とか受け入れられている。
芸は身を助く。
現場は美しい晩秋の神室連峰山麓。
「あれが八森山か・・・」
時折、山を眺めて目を休めながら、再び集中して鉄骨を登り作業を続ける。
数時間かけてダンプやトラックで会社に戻り、急ぎ準備してカミさんに山形駅まで送ってもらい、東京行き夜行バスに乗る。移動時間が休息時間。
明日から、JMGAの講習。頭を切り換えよう。
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