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日本ロシア文学会シンポジウム『アンドレイ・タルコフスキー、映画/文学を越えて』

現場作業で土曜も忙殺され、連休は天気も悪いし休養を決める。

2日、山形大学で開催されるシンポジウム『アンドレイ・タルコフスキー、映画/文学を越えて』に出席。

 最初この催しを知ったとき、「なぜに山形でタルコフスキーのシンポジウムが!?」と信じられない想いだったが、よくよく聞けば、山形大学で開催される日本ロシア文学会全国大会のイベントだとか。
 こんなの東京で開催したら人集まるよな~と思いつつ山形大学に来てみると、会場はスーツ姿の研究者がほとんど。

 その中を、ファイントラックのトレッキングパンツ履いて、ワークマンで購入のタトゥー風に雷神・風神プリントされた鳶職トレーナー着た私がズイズイと竹内力なみのオーラ発して会場に入る。
 いや現場作業員だってアンドレイ・タルコフスキーの映画は見るんだよ。

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アンドレイ・タルコフスキー(1932~1986)

 シンポジウムは、早稲田大学文学学術院准教授である坂庭淳史氏が持ち帰った、アンドレイ・タルコフスキー氏の妹であるマリーナ・タルコフスカヤ氏のビデオレター上映から始まる。
 タルコフスキー監督の映画で一番好きなのは?という質問に対し、マリーナ氏いわく、『全ての作品が好き。特に挙げれば、『鏡』の中で、女性と男性が立ち話し、男性が去りゆくところで風が草原を揺らす場面。』

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『男と女、そのまま別れないで何か起こるのではと思わせつつ、結局男は立ち去っていく。そこに吹く風の場面。』

 日本のタルコフスキー・ファンにあててコメントを、という問いには、
 『時々で良いですから、映画を見直してみて下さい。自分の木に、自分の魂に水を与えて下さい』
 という回答。

 その後は各先生方の発表。多くが映画『ノスタルジア』の一場面を上映しながら、タルコフスキーの思想と人となりを検討していく内容。
 もともと日本ロシア文学会は映画研究の集団ではないのだが、タルコフスキー映画の文学性に着目して今回のシンポジウム開催となったようだ。

 シンポジウムの中で映画関係者といえる井上徹氏(エイゼンシュテイン・シネクラブ代表、ユーラシア研究所運営委員長)の話題は最も親しみやすかった。
 その昔、旧ソ連の映画が日本でも流行っていた時代があり、アート映画と思われているタルコフスキー映画は結構人が入る映画であったという。

 もっとも、シンポジウムでコメンテーターを務めた大平 陽一 天理大学教授の言葉、「映画みてて、わかんなくて寝てたりしてた。そこまで細かく映画見る必要あるのか? でも次見るときはこういう視点か、といろいろなことがわかってくるのかもしれない」という言葉が正直でイイ感じでした。

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映画『ストーカー』より

 タルコフスキーの映画で美しい光景を見た後も、偉い先生方の解釈を勉強した後も、私の現場作業生活はまだまだ続きます。

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