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2014/2015 冬期ナンガパルバット (2015.1.2訂正)

今シーズンも、未踏の冬期ナンガパルバットの頂を目指すクライマーが集結しています。

1.ポーランド、イタリア隊

Kartka_nanga_parbat_2015___

Nanga_parbat_diamir_face1

 2011年から執拗にシェル・ルートから冬期ナンガパルバットにトライし続けてきた、ポーランドチーム。
 今シーズンは主要メンバーだったマレク・クロノフスキーが脱け、ルートもディアミール側に変更。
 トマシュ・マツキェビッチがダニエル・ナルディ(イタリア)、エリザベート・レヴォル(フランス)のペアと共同でのトライを予定しています。
 ルートはメスナールートもしくはキンスホーファールートを予定とのこと。

Danielenardi20141228
12月28日イスラマバード到着のダニエル・ナルディ(右から二人目)

2.ロシア隊

 気温-30度の中、冬期ベゼンギ(コーカサス山脈)初縦走をトレーニング山行として完遂したロシア隊が冬期ナンガパルバット登頂を目指します。

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左からニコライ・トトミャニン、セルゲイ・コンダルシュキン、ワレリー・シャマロ、ビクトル・コヴァルの4名。ジャヌー北壁直登を果たしたベテランも含め、強力なメンバーです。ロシア隊もディアミール側を予定。

3.イラン隊
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 イランから3名のクライマーから成るチームが冬期ナンガパルバットを目指します。
 メンバーは、
Iran_member
Iraj Maani、Reza Bahadorani、Mahmoud Hashemiの3名。
彼らはイランのナショナルチーム(登山隊)のメンバーで、2011年にはG1、G2をアルパインスタイルでそれぞれ4日で登頂を果たしています。その他にもエベレスト、マカルー、マナスルはじめ幾多の8000m峰、7000m峰に登頂を果たしているベテラン。

 イランといえば砂漠の国をイメージする方も多いかと思いますが、最高峰デマベンド峰(5671m)を擁する山岳国。 1979年のイラン革命が起こらなければ、同年に予定されていた中国と合同によるチョモランマ峰登山で中国側からの外国人初登を果たしていた可能性を秘めていました。

 2011年からの豊富な経験を持つトマシュ・マツキェビッチ。
 極寒地にも強く、ジャヌー北壁直登も果たしている強者が揃うロシア隊。
 初挑戦ながらも若く高所登山にも経験豊富なイラン隊。

 しかしここ最近の傾向をみるに、私個人の意見では冬期ナンガパルバットを陥すには各登山隊個々の技量ではなく、各登山隊がいかに協力してルートを延ばし、悪天の隙を突いて頂上を狙える体制を整えるかが鍵になると思っています。

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(2015.1.2 訂正)

・トマシュ・マツキェビッチ(ポーランド)、エリザベート・レヴォル(フランス)のペアは、2000年に試みられたメスナー・ハンスペータールートを登攀ルートとして選択する予定。

・一足遅れて、ダニエル・ナルディ、フェデリコ・サンティーニ、ロベルト・デッレ・モナケ(カメラマン)のイタリア隊が入山。ダニエル・ナルディらは昨年に続きママリ・リブ登攀を目指す予定。

・ロシア隊はルパール側に入山予定

以上、Explorerswebより。
 Explorerswebサイトもイラン隊の動向はつかめていないようです。
なにぶん、国内でもネット制限がかけられ西側諸国から経済制裁を受けているイランのお国柄もあり、西側諸国のクライミングサイトもあまりイラン隊の情報をつかんでいない模様。

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ピアノマニア

茨城でのビジネスホテル暮らし。

貧乏な我が家では視られない、衛星放送視聴が楽しみの一つ。
視るのは海外報道番組とドキュメンタリー。

特に印象に残ったのが、NHK BS世界のドキュメンタリーで再放送された、『ピアノマニア ~調律師の“真剣勝負”~』

『ピアノマニア』はもともと2012年に日本でも劇場公開された映画で、今回『BS世界の・・・』で放映されたのは半分ほどにカットされた短縮版になる。それでも素晴らしい内容のドキュメンタリーだった。

 世界各国の著名なピアニストらの信頼も厚いピアノ調律師シュテファン・クニュップファーの活躍を描いた番組である。
 ナレーションは全く無い、もっぱらシュテファン・クニュップファーの語りと著名ピアニストらのインタビューを中心に構成されている。

 私の実家にも、保母を目指した姉のためにアップライトピアノがあったため、少しはピアノを身近に感じている(私が弾ける訳ではないのだが)
 調律師といえば、黙々とピアノの調整をする職人、というイメージがあったのだが、この番組はそのイメージを見事にぶちこわしてくれる。
 頻繁にピアニストらとコミュニケーションをとり、ピアノを調整していく。
 『ピアノの音』、ピアニストらが頭にイメージしている『音楽』。
 それら言葉にし難いモノを言葉にし、時には様々な別の楽器も用い、シュテファン・クニュップファーがピアニストらといかにコミュニケーションをとっていくのか。
 音楽には門外漢である土木作業員の私には、その姿がとても興味深く思えたのだ。

 華やかに喝采を浴び、聴衆から称えられるピアニスト達。
 それを陰から支える調律師。
 みずからの栄誉欲というものは無いのだろうか?
 そんな疑問を抱く私に、テレビ画面のシュテファン・クニュップファーは、

 『私の仕事は演奏会までには終わるから気楽なものです』

 という意味の答えをあっさりと口にする。職人なのだ。
 そのわりに、ピアノのパーツを用意し忘れたりというミスもあり、完璧な職人であると同時に人間味もちらりとみせる。

 そしてこの番組の中で、最も心を動かされた言葉は、こんなセリフだ。

 『問題が起きて落胆したことは一度も無い。科学の研究と同じです。』

土木作業員としても、兼業ガイドとしても、考えさせられた一言だった。

 クラシック音楽など興味無い人でも、その職人ぶりに注目の番組である。

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干 芋

茨城県のひたちなか市、勝田に滞在。
地理学上では見事なまでの「日立」の企業城下町。
かつては静かな農村だったが、第二次世界大戦に伴う軍需工場の進出で一変した。

現場作業のために必要な資材を求め、市内のホームセンターを訪れると、

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一つのコーナーをずらりと占拠する、「干芋」農家用の資材が並んでいる。
写真は、干芋の製造過程で蒸してスライスした芋を並べ乾燥させる『干芋すだれ』。

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腰掛けみたいな道具、これは「干芋スライサー」。写真ではボール紙のカバーがあってわかりにくいですが、蒸した芋を上部に並んでいるピアノ線で板状にスライスする仕組み。スライスされた芋が乾燥され、「干芋」になる。

参考サイト:株式会社マルヒ 干しいも・乾燥いもの作り方

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スーパーには様々な品種の「干芋」が売られている。
私は干芋が好きなので、各地のスーパーで買い求めたりするが、ここ茨城はさすが産地だけあって、中国産・輸入物の干芋は売り場に置いてない。

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土産も干芋。
山形ではなかなか入手できない「丸干し芋」を購入。

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ひたちなか市立図書館で資料を漁り、何か茨城ならではの食材ないかな~と探し当てたのが、「しょぽろ納豆」。
切り干し大根と納豆の醤油漬。
酒の肴や飯のおかずにいいとされるが、たしかに美味しい。ぬめりのある納豆と歯ごたえのある切り干し大根が好対照。

日曜・祭日も潰し、どうにか作業を終え、山形に戻る。
疲れ果てた私を

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娘手作りの葛餅が迎えてくれました。

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デニス・ウルブコも越えられない壁 (2014.12.21、12.30追記)

 東欧のクライミングサイトで話題になっていますが、デニス・ウルブコが計画した冬季K2登山の許可がキャンセルになった模様です。某国のクライミングサイトも、情報ソースはウルブコ本人のブログです。
 出発5日前の直前になって、中国当局からK2登山の許可をキャンセルするという通知が来たとのこと。

Denis

 今回の遠征計画では資金集めにかなり苦労されており、ウルブコだけでなくポーランドから参加のアダム・ビエリツキもそれぞれクラウドファウンディングで資金を募っていたのですが・・・・

 中国当局は「改革開放」の1980年からいかに多くの外国登山隊をチベットに受け入れてきたか、最近になって大々的に国内外に向けて報道している訳ですが、(今回のウルブコのケースは新疆の当局関係者が絡んでいるとはいえ)中国の登山許可に関する不安定要素は未だ変わらぬままということを痛感させられます。

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(2014.12.21追記)
某東欧からの情報では、K2再許可を求め、とりあえず登山隊は中国に飛んだとも伝えられています。
引き続き動向に注目したいと思います。

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(2014.12.30追記)
 12月25日、デニス・ウルブコに新たに届いた中国側からの連絡によれば、今回のK2登山許可取り消しは、新疆ウイグル自治区における『テロ』、治安悪化を理由にしたもののようです。
 中国側は既にウルブコらの隊荷の送り返しに着手しているとのことで、今季のK2中国側の登山はほぼ見通しが立たない状況の模様。

 機会をあらためて、トップクライマー達が着手するであろう、新たな冒険の情報を待ちたいと思います。

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インフレータブル・ウェア

 アウトドアウェアを語る際、重ね着で「いかに空気の層を作るか」なんてことが語られますが。

 ずばり、「空気を着る」ウェアがありました。

Nu2
NuDown社 Squaw Peak Jacket(現在品切れ中)

 このジャケット、ボディの波打っている部分に、

Nu1
 ポンプでシュコシュコ空気を入れる仕組み。
 もともとはKlymit社が2009年に開発したジャケットですが、その後Nudown社に買収され、現在に至っています。
 通常の空気よりも断熱性が高いアルゴンガス注入ボンベも発売されています。

 んー。
 空気で断熱、気体を逃がさない機密性があるってことは、活動するとムレムレになるのでは???
 
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 でもベストはちょっと気になるな。
 お値段250ドル・・・高・・・
 ちなみにデモ動画はこちらです↓

 このウェアの記事読んでいて思ったけど、これって早い話が、

B
 似たようなもんだよな。

参考サイト:NuDown社サイト

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しばらく、

ブログ更新サボリにサボって、さすらいの土木作業員、

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ちょいと茨城県にて生活します。

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戦後韓国と日本文化 「倭色」禁止から「韓流」まで

Korea_2 金成玟(キム・ソンミン)著『戦後韓国と日本文化 「倭色」禁止から「韓流」まで』を読む。
 既にご存じのように、戦後長らく韓国国内では日本文化は「表向きは」排除・禁じられてきた。
 この本は、終戦後から現代に至る、韓国当局による統制下の日本文化の流入、そして韓国国内における日本文化に対する「否定」と「肯定」の現実を編纂した書である。

 ネトウヨの皆さんには韓国アニメとして引き合いに出される「テコンV」があるが、同書の中では日本オリジナルのアニメ、漫画が韓国人作家の作品として放送・連載された事実が記されている。
 マジンガーZの主人公「兜甲児」は「セドリ」という韓国人として活躍する番組になっていたりする。
 私の好きな和田慎二の「「銀色の髪の亜里沙」も・・・あ゛ーっ!!

                                                                                                                                                 

 なにゆえこの本を手にしたかというと、タイムリーではあるが、韓国の山岳月刊誌において気になる記事を読んだためである。

漫画家、山に行く? 漫画の中の山 8作品 by 月刊MOUNTAIN 2014年12月号

上記記事で紹介されている、韓国で連載された山岳漫画8作品は次の通り。
 
M1
『PEAK』
この漫画は韓国オリジナル劇画で、著者ホン・ソンス氏が兵役中に従事していた北漢山救助隊での体験を基にネット連載の漫画として発表された作品。「インスボンを登ったことのある人なら誰もがうなずく」ストーリーとして人気を呼んでいるとのこと。

M2
『獣に山を学んだ男』(原題 『K』)

M3
『山』(原題 『岳』)

M4
『孤高の人』(原題 同じ)

M5
『山岳救助隊』(原題 『カモシカ』)

M
『神々の山嶺』(原題 同じ)

M7
『山よ、走れ!』(原題 『山靴よ疾走れ!!』)

M8
『オンサイト!』(原題 『オンサイト!』)

 金大中、小渕恵三らによる協議により日本文化が解禁された今、上記画像をご覧になってもわかるように、現在は日本人原作者の名前も明記されている。
 月刊MOUNTAIN誌の記事では、尾瀬あきら著『オンサイト!』のストーリーを彩る「在日」問題に触れられることは無く、むしろ「人気が無く連載が終了」された事が紹介されていることは興味深い。

 表題の書『戦後韓国と日本文化 「倭色」禁止から「韓流」まで』では、韓国のアニメ制作関係者の証言として、日本のアニメ番組制作の下請けを担うことにより、韓国国内においてアニメ制作の技術を十分そなえているものの、「ソフト」を作り出す力がない事を挙げている。
 前述の漫画8作品のうち、韓国オリジナルは冒頭の『PEAK』のみであることも、そのことを裏付けているといえよう。

 そしてもう一点。
 漫画という創作世界ではなく、クライミングギアの話題。

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韓国の山岳月刊誌『人と山』で掲載された日本のピッケル史の記事の締めくくりにおいて、

『(略) この中には、1990年代後半、韓国で爆発的な人気を呼んだカジタックス(KAjitax)がある』

と記されている。
今やアイスクライミングW杯で男女ともチャンピオンを輩出する韓国、その韓国で日本の岳人におなじみカジタックスが爆発的に売れていたという事実。

 本記事は当初の『戦後韓国と日本文化 「倭色」禁止から「韓流」まで』から本筋がそれてしまった。
 良い物は良い物として、日本の劇画、日本のクライミングギアがメイドインジャパンとして韓国で受け入れられる現代、それらに尽力した人々に敬意を表したい。

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2014年ピオレドール・ロシア、クリスタルピーク、スチール・エンジェル決まる

 去る12月6日、ロシア・サンクトペテルブルグのロシア地理学協会にて、ピオレドール・ロシア、クリスタルピーク、スチールエンジェルの授賞式(ロシア山岳連盟主催)が行われました。

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サンクトペテルブルグ、ロシア地理学協会の会場に集う人々

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 2014年ピオレドール・ロシアは、タムセルク南西壁中央バットレスを初登したアレクセイ・ロウチンスキー、アレクサンドル・グコフの二人に贈られました。 選考評ではやはり登攀ラインの美しさが評価されたようです。

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ロシアの山岳月刊誌が選定する2014年クリスタルピークは、

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 コーカサス山脈・ベゼンギウォール冬季初縦走を果たした、ビクトール・コヴァル、ニコライ・トトミャニンらに贈られました。この登山は今冬予定されている冬季ナンガパルバット遠征のトレーニング山行も兼ねています。

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 素晴らしいクライミングを展開した女性クライマーに贈られるスチール・エンジェルは、カラフシン渓谷・4810m峰オフチャレンコルートを登攀した、マリーナ・ポポーワ、エカテリーナ・マチュシェスカ、アレクサンドル・ミントスカ、ポリーナ・ガラチェビッチに贈られました。
 ちなみに今回は彼女達のコーチであるニコライ・ザハロフ氏が代理受賞しています。

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 当ブログでは割愛していますが、各賞にノミネートされたクライミングは登山記録、トポ、使用ギアから残置物まで細かく公開されています。
 それらも参照しながら私もクリスタルピークWEB投票に臨み、1席にタムセルク南西壁、2席にベゼンギウォール冬季初縦走に投票。
 私個人の意見としては、
 ・タムセルク南西壁は本家ピオレドールにも推薦されるべきクライミング
 ・ベゼンギウォール冬季初縦走はロシア特有の過酷な気候風土、そして「縦走」というスタイルを再認識させる登山
 と考え、投票しました。

 なお付け加えますが、クリスタルピークにもノミネートされた、ウクライナ隊のランシサ・リ北西壁中央バットレス登攀は、ウクライナ本国の登山アワード「ゴールデンピーク賞」を受賞しました。

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スチール・エンジェル2014ノミネート

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 毎年恒例、ロシアおよび旧ソ連圏の女性クライマーのクライミングを対象とするアワード『スチール・エンジェル』
2014にノミネートされたのは、次のチームです。

1.カラフシン渓谷 4810m峰オフチャレンコルート マリーナ・ポポーワ、エカテリーナ・マチュシェスカ、アレクサンドル・ミントスカ、ポリーナ・ガラチェビッチ
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4810m峰をバックに、左からポリーナ・ガラチェビッチ、エカテリーナ・マチュシェスカ、アレクサンドル・ミントスカ、マリーナ・ポポーワ

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右・水色のラインがオフチャレンコルート

48102
オフチャレンコルート上部を登る

2.インド・ヒマラヤ ゴールデン・センチネル(5200m)北西壁『サムライの娘』ルート マリナ・コプティバ、ガリーナ・シビトーク

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3.カラフシン渓谷 アサン(4230m)北西壁パガレロフルート エカテリーナ・マチュシェスカ、アレクサンドル・ミントスカ、マリーナ・ポポーワ

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アサン北西壁、左から2本目の赤ラインが今回のルート

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このクライミングは前述の4810m峰から継続して3名のメンバーで行われました。

Asan1

4.カラフシン渓谷 アサン(4230m) シトニカルート アナスタシア・エルミシュナ、ポリーナ・ガラチェビッチ

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赤のラインが二人の登攀ルート

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ベースでくつろぐポリーナ・ガラチェビッチ(左、2012年スチールエンジェル受賞)、アナスタシア・エルミシュナ(右)

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5.クリミア半島Morcheka峰Кенсицкогоルート イリーナ・ポドルフスカヤ、オクサーナ・レフチュク
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右端黄色のラインがКенсицкогоルート

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6.ヨーロッパアルプス ピラミッド峰Ottozルートおよびツール・デ・クロシュ登攀 エカテリーナ・コロービナ、ナタリア・プリリフスカヤ

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ナタリア・プリリフスカヤ(左、2011年スチール・エンジェル受賞者) エカテリーナ・コロービナ(右)

7.ルーマニア・トランシルバニア山脈Tancul Mic峰 Herman Bul、Suzana、 Fisura Insorita各ルートの継続登攀
エレナ・ポドルフスカヤ、アンナ・ヤシンスカヤ

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ルーマニア・トランシルバニア山脈Tancul Mic峰

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アンナ・ヤシンスカヤ(左、2011年ピオレドール・ロシア受賞者)、エレナ・ポドルフスカヤ(右)

8.クリミア半島・ファルコン峰 「女の香り」、「トータル・リコール」、「二日酔い」、「アリス」各ルートを12時間で継続登攀 イリーナ・バカリーニコヴァ、アリーナ・アンディリーヴァ

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登攀中のアリーナ・アンディリーヴァ

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登攀中のイリーナ・バカリーニコヴァ(2012年スチール・エンジェル受賞者)

9.クリミア半島・ファルコン峰 「ホホール人( 訳者注:ウクライナ人の蔑称 )の鏡」、「女性の香り」、「二日酔い」、「コンマ( ,)」各ルートを12時間で継続登攀 マリーナ・ポポーワ、アナスタシア・エルミシュナ

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アナスタシア・エルミシュナ(左)、マリーナ・ポポーワ(右)

10.クリミア半島・ファルコン峰 「ホワイト・スクエア」、「眉毛」、「妥協」、「蛇」各ルートを12時間で継続登攀 アナスタシア・ペトロワ、リリー・トルビナ

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Fa2
アナスタシア・ペトロワ(左、スチール・エンジェル2013受賞者)、リリー・トルビナ(右)

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補足します。
 ご存じの方はご存じかと思いますが、旧ソ連ではアルパインクライミング、フリークライミングのいずれも「競技」が開催されており、2番目に掲載のゴールデン・センチネル以外は全てクライミング競技の一環として行われたクライミングになります。
 アルパインの場合も困難度がロシア山岳連盟審査員によって点数化され、「年間チャンピオン」が決定します。
 
 まあ『丹沢の沢登り10本こなしたら谷川岳』みたいな、大昔の極道な社会人山岳会みたいに登る山も厳然たるステップアップ制なんてことを国家ぐるみでやっていたのが旧共産圏およびロシア(ソ連崩壊後はだいぶ裾野もひろがってきたようですが)。
 スポーツマスターのような階級制がバリバリのアスリートタイプのクライマーを輩出する要因になっています。

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人さらいタクシー

10月下旬、ニューヨーク。

カヌーやらMTBやらアウトドアギアを満載した あ や し い タ ク シ ー が出現!

何も知らず乗り込んだ乗客は、目の前のモニターに映された問いかけに戸惑う。

『DO YOU WANT TO SEE FOR YOURSELF? 』

イエス、と答えた乗客は、仕事やら会議やらその日の予定もほっぽりだし、タクシードライバーによってアウトドアの世界へと連れて行かれるのであった・・・・

今年の秋には『THIS LAND IS YOUR LAND』というテーマ曲が評判となった、アメリカのノースフェイスのPR動画。(←注:クリックすると動画が始まります)

今回は、「人さらいタクシー」(笑)

いろんな人がタクシーでアウトドアへと出かけます。
これってヤラセかなあ~と性格極悪な私などは疑っちゃいますが、コーヒーカップ持った女性が「んー」と迷いながらも結局、「OK, OK, Let's Go!」 とノリノリになって出かけていくのが印象深い。

ちょいと背中を押されて、アウトドアの素敵な体験をする皆の姿になんとなく共感します。

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水筒2題

 しばらく更新さぼってる間、冬シーズン到来。
 少し装備の入れ替えのため、山道具の入った衣装ケースをひっかきまわす。

 前にもブログに書いたように、装備に関する知識がだいぶ「浦島太郎」状態なもんで、各社パンフやカタログなど眺めながらネットをちょこちょこ覗いていると・・・・

 え?
 グランテトラって、今プレミア付いたりする貴重品なの~!?

Grt1
 私所有のグランテトラ。もう表面の塗装も剥離してたりしますが。

 高校山岳部で山始めた頃、水筒といえばエバニューのポリタン、略して「水ポリ」。
 あの樹脂臭い水が山行の記憶を彩ってますな(笑)
 その頃あこがれだったのがグランテトラ。
 ワインを入れても変質しない、臭いが付かないという売り文句でしたね。

 でも今は使わないですね。ナルゲンボトルとプラティパス、サーモスのボトル。この三種がメインで、グランテトラはほぼ引退しております。
 理由は明快、透明ボトルの方が中身の分量がわかって便利、という理由。

 グランテトラについてウェブで書いている方も多いようですが、

Grt2
 グランテトラ本体を横からみたところ。
 この絶妙な曲がり具合が、 寝 る と き の 枕 に重宝してました。もちろんそのままだと硬いんで、タオルやウェアを巻き付けて枕にします。
 硬いんじゃないかって?
 どうせ私の頭は外も中身も硬いですから。(自虐ネタ)

 で、話変わって、昔ながらのボトル製造で頑張っているスイスのSIGG。

Siggchina
中国のフラッグシップショップで販売されている、中国限定・巳年限定モデル。
ちなみにお値段は600cc入りサイズで288元(約5600円)。
欧米メーカーが次々と市場を求めて進出している中国。

嗚呼、あのシンプルデザインが魅力だったSIGGボトルが派手派手デザインに・・・

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【訃報】中国の柳志雄、スークーニャンに死す (2015.1.1 追記)

 2014年のピオレドールアジアにもノミネートされた、中国のアルパインクライマー柳志雄(Liu Zhixiong)が、中国・スークーニャン山群主峰・幺妹峰6250mにて遭難死しました。新華社が伝えています。

两登山者登顶四姑娘山幺妹峰 下撤途中遇难(图) by 新華網2014.12.3

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 柳志雄、胡家平の2名はスークーニャン(四姑娘山)幺妹峰に新ルートから登り、11月28日16時に登頂成功を山麓の仲間に電話で伝えた後消息を絶ち、下山予定の30日になっても戻らず、捜索隊が入山。
 12月2日、捜索隊が山腹で2名を発見、死亡を確認したとのこと。

 中国メディアでは遺体と思われる黒点の望遠写真が掲載されていますが、状況からの推察として、下降中の落石または何らかの原因による滑落とみられています。

 当ブログ ピオレドール・アジア2014ノミネート 2014.10.29 に掲載したように、柳志雄は中国のアルパインクライマーとして将来を期待される人材でした。
 中国最大の登山・アウトドアポータルサイトのBBSには、ピオレドール・アジア授賞式に招待され韓国・ソウルを訪れた柳志雄自身によるレポートが掲載されています。
 
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ピオレドール・アジア2014授賞式での柳志雄(左)

 韓国・ソウルの岩場でピオレドール・アジアに出席した各国クライマーとの交流、会場で尾川智子さんのお子さんと戯れる微笑ましい写真が掲載されています。

 現代中国のアルパインクライマー柳志雄が日本・韓国のクライマーと交流し、感じた言葉でBBSのレポートは締めくくられています。彼の言葉をそのまま引用します。

这次亚洲金冰镐之行最大的收获在于开阔了眼界,清楚的了解了自身的能力以及与亚洲顶尖攀登者之间的差距。很高兴能认识一些日韩的攀登者,建立起了攀登者之间的情谊,在未来有可能也会进行一些攀登上的合作。感谢在我漫漫攀登长路上帮助过我的人,作为一个阿式攀登者,我才刚刚上路。
 ( 今回のピオレドール・アジア出席で最大の収穫は、視野を広げられたこと、自分の技量とアジア最先端のクライマー達との明らかな格差を知ることができたことです。 日本と韓国のクライマー達に歓迎していただき、友情を築くこともできました。 将来、できればクライミングを一緒にやってみたい。 私の果てしないクライミングの途中、支援して下さった方々に感謝し、一人のアルパインクライマーとして、私はやっとスタート地点に立ったばかりです。)

 柳志雄、胡家平、これからのアジアのクライミングを担うであろうクライマー達の早すぎる死に、哀悼の意を表します。

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(2015.1.1 追記)

 ピオレドールアジア審査員であり、実際に柳志雄氏と交流のあったROCK&SNOW誌 萩原浩司編集長が追悼記事をお書きになっています。

追悼 柳 志雄(Liu ZhiXiong) Climbing-net 2014.12.31

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