« 干 芋 | トップページ | 2014/2015 冬期ナンガパルバット (2015.1.2訂正) »

ピアノマニア

茨城でのビジネスホテル暮らし。

貧乏な我が家では視られない、衛星放送視聴が楽しみの一つ。
視るのは海外報道番組とドキュメンタリー。

特に印象に残ったのが、NHK BS世界のドキュメンタリーで再放送された、『ピアノマニア ~調律師の“真剣勝負”~』

『ピアノマニア』はもともと2012年に日本でも劇場公開された映画で、今回『BS世界の・・・』で放映されたのは半分ほどにカットされた短縮版になる。それでも素晴らしい内容のドキュメンタリーだった。

 世界各国の著名なピアニストらの信頼も厚いピアノ調律師シュテファン・クニュップファーの活躍を描いた番組である。
 ナレーションは全く無い、もっぱらシュテファン・クニュップファーの語りと著名ピアニストらのインタビューを中心に構成されている。

 私の実家にも、保母を目指した姉のためにアップライトピアノがあったため、少しはピアノを身近に感じている(私が弾ける訳ではないのだが)
 調律師といえば、黙々とピアノの調整をする職人、というイメージがあったのだが、この番組はそのイメージを見事にぶちこわしてくれる。
 頻繁にピアニストらとコミュニケーションをとり、ピアノを調整していく。
 『ピアノの音』、ピアニストらが頭にイメージしている『音楽』。
 それら言葉にし難いモノを言葉にし、時には様々な別の楽器も用い、シュテファン・クニュップファーがピアニストらといかにコミュニケーションをとっていくのか。
 音楽には門外漢である土木作業員の私には、その姿がとても興味深く思えたのだ。

 華やかに喝采を浴び、聴衆から称えられるピアニスト達。
 それを陰から支える調律師。
 みずからの栄誉欲というものは無いのだろうか?
 そんな疑問を抱く私に、テレビ画面のシュテファン・クニュップファーは、

 『私の仕事は演奏会までには終わるから気楽なものです』

 という意味の答えをあっさりと口にする。職人なのだ。
 そのわりに、ピアノのパーツを用意し忘れたりというミスもあり、完璧な職人であると同時に人間味もちらりとみせる。

 そしてこの番組の中で、最も心を動かされた言葉は、こんなセリフだ。

 『問題が起きて落胆したことは一度も無い。科学の研究と同じです。』

土木作業員としても、兼業ガイドとしても、考えさせられた一言だった。

 クラシック音楽など興味無い人でも、その職人ぶりに注目の番組である。

|

« 干 芋 | トップページ | 2014/2015 冬期ナンガパルバット (2015.1.2訂正) »

山岳ガイドが観る映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/21370/60887696

この記事へのトラックバック一覧です: ピアノマニア:

« 干 芋 | トップページ | 2014/2015 冬期ナンガパルバット (2015.1.2訂正) »