ピオレドール2015 生涯功労賞にクリス・ボニントン
ピオレドール2015、生涯功労賞に、ついにあの爺もとい、サー・クリスチャン・ボニントン(1934年イギリス出身)が選ばれた模様です。
当ブログをご覧のクライマーの方には今さら解説は要しませんが、クライミング史をふりかえれば、「え?ボニントンまだ受賞してないんだっけ?」という人選でしたね。
1977年、あの伝説のバインターブラック遠征時、現役バリバリのボニントン。
1961年、あのボナッティらが凄惨なクライミングを展開したフレネイ中央岩稜を初登、アイガー北壁イギリス人初登等を果たし、1970年代からはヒマラヤに活躍の場を求め、ヒマラヤ登山史に大きな足跡を残しています。
登山家ボニントンの優れた点の一つとして、遠征隊を企画・マネジメントするその手腕といえます。
資金調達をはじめ、講演のため遠征登山の写真や文章の版権のマネジメントに至るまで、クライマーであると同時に「ビジネスマン」としても優れた手腕を発揮しています。
そのため、ヒマラヤ登山から身を引いてからは各種ビジネススクール講師から大学の学長まで務めています。
2006年、学長を務めたランカスター大学でのワンショット。 新設された学生向けパブで、役得で早速ビールをたしなむボニントン。いい顔してますな。
1967年、イギリス北部の海辺の岩塔「oldman of hoy」(ホイの老人)をクライミング、その様子をイギリス全土にテレビ生中継させるなど、なかなかのやり手クライマーでした。
2014年、80歳を迎えてもなお現役、47年ぶりにホイの老人(背後の岩塔)を登攀したボニントン。
今年も文句ない人選ではありますが。
2009年のワルテル・ボナッティ受賞以来続く本家ピオレドールの生涯功労賞。
繰り返しますが、ボニントン氏の受賞には納得以外の何物でも無いのですが、いまだ東欧の登山界から受賞者が選ばれていないのは選考に偏りがあると言わざるを得ません。
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