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本部富士 カルストの大地へ

沖縄山巡りの締めくくりは、本部富士(もとぶふじ 240m)。
標高の低い里山だが、本州の山にはない日本唯一といわれる円錐カルストの山である。

Motobumap

 道は細く、カーナビがあてにならない。
 だいぶ苦労して登山口に到着。

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 おおっ、整備された登山道じゃないですか・・・・

 と思ったのもつかのま、

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 本部富士への道は左でございます。

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 ハブどころか大蛇が出そうな藪の道で始まる。

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 登山口から藪藪の道を抜け、まもなく石灰岩のガレ場になる。
 鋭角にするどく尖った石灰岩の岩塊が、本部富士の特徴。
 この岩角は衣服、リュックのナイロン生地の繊維を容易に傷つける程。蛇対策としてはもちろん、岩角の接触から皮膚を守るためにも軍手・長袖は必須。

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 本部富士を構成する岩塊を上から撮影したところ。雨で形成された石灰岩の特異な様子がわかる。

Imgp2018
 ちょっとした藪、ガレ場が交互に続き、山頂は目の前。
 鎖場はあるが鎖に頼らずとも、乾いた石灰岩は靴のフリクションがよく効き、快適に高度を稼ぐことができる。

 登山口から約30分ほどで、ポールの立つ山頂。

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 お孫さんらしき小学生3人を連れたご夫婦パーティーと一緒になる。
「どちらから?」と尋ねられ、ストレートに
「山形から来ました」と答えるとたいそう驚かれてしまった。
小学生の男の子から、
「山形って雪がいっぱい降るところですよね」と聞かれる。
「おじさん住んでるところは大雪でも50cmくらいだけど、山の方は4,5m積もるんだよ」と答える。
「沖縄は雪ふりませんからね」とおばさん。
暑い沖縄の低山・本部富士の山頂で、山形の雪談義(笑)
なぜ本部富士にきたのか、という話題になり「やはり珍しいカルスト地形を訪れたかった」と答える。
ご夫婦からは、ここ本部富士の地元でもジオパーク設立の動きがあること、同じカルスト地形でも山口県・秋吉台のように観光地として整備されていないため、実現はまだ難しいことなど、お話を伺う。

家族連れが先に下山するのを見送り、

Imgp2021
沖縄名物・紅芋タルト食べて一休み。

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本部富士は周囲360度の絶景。
周囲もカルスト・石灰岩の岩峰が幾つも並ぶ。
山肌を覆う植生が無ければ、中国・雲南省の石林にならぶ絶景になっていただろう。
が、しかし、緑覆われたカルスト台地も沖縄の気候、自然の妙である。

Imgp2033
本部富士は低山ゆえ、さほど花には恵まれてない。
先行して下山するご家族にプレッシャーをかけないよう、こちらも所々で立ち止まりながら、ゆっくり下りる。
ガレ場の時間待ちでみつけた、イチジクに似た実。

待ち時間、ずっと眺める。
どうみてもイチジクに似ている。
もしかしてこれ、喰えるんじゃないか?
ここは沖縄、南国だし、もしかしたらフルーツに近いんじゃないか?
と、どんどん根拠の無い妄想が膨らんでくる(笑)

結局、実の堅さに不吉な予感がして味見しなかった。
後で調べてみると、これはクワ科のオオイタビ。
観葉植物としても人気があり植栽されているものも多いが、剪定の際に汁が皮膚に付着するとメチャメチャかゆいらしい・・・スケベ根性発揮しなくてよかった・・・(季節が来て熟した実は食用可能らしいです)

行程も短い低山、ゆっくり下りていくと、ちょうど登山口で地元のお知り合いと歓談中のご家族と再会。
とても冷えたペットボトルのお茶をいただきました。
ここでもまた、少し地元の山のお話を伺う。

沖縄の山巡り。
与那覇岳、ネクマチヂ岳、名護岳、本部富士、それぞれが個性的な山でした。
最後の本部富士は、最も標高が低く行程も短いハイキング。
けれども最も特徴ある地形、そして印象的な地元の人々との出会いがありました。

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コメント

「ジオパーク設立の動き」 - 洞窟の中は川口探検隊の蛇地獄つきですね。

それにしても気温20度超えで長袖。蛇がおとなしくして涼しい天気のいいシーズンはないのでしょうか。それでも真夏は登山どころの暑さではないらしいですが。蛇も元気に昼寝しているような。

投稿: pfaelzerwein | 2015.04.09 16:23

re: pfaelzerwein様

 ご無沙汰しております。
 先月の出張中はストレスから毎晩クラシック音楽漬けでしたので、 pfaelzerwein様の音楽評を楽しみに拝読しておりました。

<<蛇がおとなしくして涼しい天気のいいシーズンはないのでしょうか。

 沖縄は温暖ですので冬眠もしないとのこと、ハブは特に4~11月が活動期とのことでした。基本的に夜行性で日中は活動しないらしいのですが、木陰の様に薄暗いところではやはり注意が必要と聞いております。

<<それでも真夏は登山どころの暑さではないらしいですが。
はい、資料にも登山適期に関して「盛夏は避けるように」のコメントが記載されてました(笑)

 滞在期間中、那覇の最高気温は30度。仙台空港に戻った時は9度。南北に細長い日本列島を気温で体感させられました。

投稿: 聖母峰 | 2015.04.10 00:58

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