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ビブリオバトル参戦記 人を通して本を知る。本を通して人を知る。

毎年お世話になっている、山形県朝日少年自然の家。
年度初めにサポーター(ボランティアスタッフ)の研修兼顔合わせがある。
例年は野外のアクティビティが中心になるのだが、今年はビブリオバトル。

ビブリオバトルとは、

1.発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。
2..順番に一人5分間で本を紹介する。
3.それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う。
4.全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い、最多票を集めたものを『チャンプ本』とする。
                          ビブリオバトル普及委員会、ビブリオバトル公式ルールより

という「書評合戦」のようなものである。

 以前、山岳ジャーナリストの柏澄子さん率いるMJリンクで「山の本を持ち寄って紹介し合う」というイベントが開催された事を知り、そういうのっていいなあと思っていたところ、ここ最近流行っているのか、時折耳にする「ビブリオバトル」。

 よし、自分も参加してみよう、と思ったのが3月。
 しかし年度末の群馬出張、沖縄の社員旅・・もとい社員研修で集中して準備に取り組む時間がない。
 つーか、紹介する本どうするよ?

 マニアな山岳書は避けて、以前読んだヨハンナ・スピリ著「アルプスの山の娘」に決定。
 小手先のプレゼン技術など、口ベタな私に身につかないだろうから、隙間時間を用いて何度も読み返す。
 ビブリオバトルのある「サポーターの集い」の前日は、勤務先の朝礼で一言スピーチの当番の日。
 口ベタな私が2日連続して人前で話ししなくてはならないわけで、頭がパンクしそうだ。

 たまたま少年自然の家研修担当のノリさんと電話する機会があったので、
 「発表時間って1人何分くらいですか?」
 「公式ルールだと5分ですよ」
 「え?公式ルール?」

 このとき初めてビブリオバトルに公式ルールがあることを知る。
 それによれば1人発表は五分以内。
 聴衆には資料・レジュメの配布もNGらしい。
 え~5分も原稿無しで話すなんて無理無理。 原稿読みながらのビブリオバトルで勘弁してもらおう。
 ノリさんに最後にこう言われる。
 「こういうドキドキの経験もいいでしょ。」
 少しは前向きに考えよう。

Img_1110m
 紹介したい本をもう一度読み返し、プレゼンの構想をメモ書き。
 youtubeで実際のビブリオバトルを観戦、メモ書きしたプレゼン内容を修正。

 そうこうしているうちに、ビブリオバトルが開催される「サポーターの集い」は明日。
 前夜に泥縄式で原稿をまとめ、iPhoneのストップウォッチを見ながら3回音読し、余計な部分を削る。
 
 そして当日。
 「サポーターの集い」アイスブレイクの一環としてビブリオバトルが開催。
 予選として4人一組でテーブルに座り、一人ずつ本を紹介しあう。
 私が着席したテーブルでは、私以外の3名は全員自然の家職員の方ということで、出来レースで私が予選突破(笑)

 ビブリオバトル決勝に進んだ4冊は、

 ヨハンナ・スピリ著 アルプスの山の娘(私)
 歌野晶午著 葉桜の季節に君を想うということ 
 小室淑恵著 人生と仕事の段取り術
 草刈 秀紀著 生物多様性の基礎知識

 という実にバラバラなラインナップ。
 厳密にはビブリオバトル公式ルールでは原稿読みながらの紹介はNGなのだが、そこはなあなあでごまかす(笑)
 私以外の3人はしっかり原稿無しで本の紹介。みんな凄い・・・

Img_1109m
 ビブリオバトル 紹介後のディスカッションの様子。スクリーンにカウントダウン式のタイマーが映され、時刻を気にしながらのプレゼン。

 投票の結果、チャンプ本は「葉桜の季節に君を想うということ」に決定。
 おおっ、ミステリー小説といえば1度読めばおなかいっぱいという感じだが、2度3度読み返したいミステリーってなんだろう。そそられる・・・

 企画したノリさんいわく、今回のビブリオバトルは決してプレゼンのトレーニングとしてではなく、本を通じて人を知る、ということが目的。

 予選のとき、別テーブルを眺めると、いつもお世話になっている工藤さんが月刊誌「BEPAL」片手に熱く語っている。あー俺も聞きてえ・・・
(BEPAL誌は生物に関して良記事が多いため、山形県自然博物園ブナ林ガイドスタッフの間でも評価が高い)

 同じサポーターで私より15ほど年上のはじめさん、なんと絶版本の山と渓谷社刊の賀曽利隆本を持ってきている。
 この日の夜、懇親会という名の飲み会ではじめさんと賀曽利隆の本、ツーリングの話から始まり、私が昔は山岳部の合宿後に自転車で旅していたことなど、二人で積もる旅話が炸裂。
 長らくサポーター活動を共にしていながら、はじめさんの知らない一面を覗くことができた夜。

 口が達者な山岳ガイドのセンセイ方と違い、私は口ベタ&コミュニケーション下手だからこそ、ガイド山行でも悔しい思いは幾度となく味わっている訳でして。
 ビブリオバトルとか、最近はTEDとか、巧いプレゼンってとても興味があるんだよね。
 でも巧い下手以前に、プレゼン通じて相手を知る、という事にも気づかされました。

煮ても焼いても喰えない私のビブリオバトル原稿はアーカイブとして保存しておきます。
「2015.4.11.pdf」をダウンロード

ビブリオバトル公式ウェブサイト 公式ルール参照はこちら

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