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Nanda Devi 1976 Indian-American Expedition

Nanda John Evans著『Nanda Devi: 1976 Indian-American Expedition』 を隙間時間を利用してなんとか読了。
 1976年、北インドの名峰ナンダ・デビに挑んだインド・アメリカ合同隊の記録。
 登山隊は困難な北西バットレスに新ルートを開拓、ジョン・ロスケリー、ルイス・ライハルト、ジム・ステイトの3名が登頂。
 
 ヒマラヤ登山史に詳しい方はご存じのように、この遠征は別の悲劇で知られることになる。
 この登山隊を企画・参加した登山家ウイリ・アンソールド(1963年エベレスト西稜初登者)と共に、その娘ナンダデビ・アンソールドが遠征に参加していたのだが、第4キャンプ(7300m)で高度障害により体調が悪化、そのまま帰らぬ人となってしまう。

 この山から名前を命名された女性ナンダデビ・アンソールドの訃報記事は、当時の『岩と雪』誌にもとりあげられていたことを記憶している。

 このJohn Evans著『Nanda Devi: 1976 Indian-American Expedition』 は私家版としてJohn Evansがいくつかの遠征記録を電子書籍としてとりまとめたものであり、ナンダデビ・アンソールドの最期の様子も記録として生々しく描かれている。
 この悲劇に関してはジョン・ロスケリーも自身の著書で詳細に記録している。

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ナンダデビ・アンソールド(左)、父ウイリ・アンソールド(1979年、レーニア山にて雪崩にて逝去)

 いったんナンダデビ・アンソールドの悲劇はさておくとして、安価なタイプのkindleで読んだがモノクロの画面でもナンダデビ北西バットレスの姿は美しい。
 同年、日本から日本山岳会ナンダデビ縦走隊が遠征、ナンダデビ登山史に花を添えるわけだが、諸先輩方がこの山に惹かれたのも、うなずける美しさである。

 著者John Evansによる遠征記録だが、このナンダデビの記録の他、

 1965年 カナダ・ローガン南稜(ハミングバードリッジ)
 1966~67南極大陸ビンソンマシフ遠征
 1971年エベレスト国際隊
 1974年パミール アメリカ·ソ連合同隊
 1981年エベレスト アメリカ医学研究遠征(アメリカン・メディカルルート)

 などが電子書籍として出版(一部は予定)されている。

 詳細はこちら→ http://www.johnevansclimbing.com/

 特に1974年の米ソ合同によるパミール遠征は、若きジェフ・ロウが第19回共産党大会峰にフレンチテクニックで氷壁を登っている姿が日本でも山岳雑誌で紹介されてましたなあ。
 今回電子書籍・私家版として出版されたシリーズですが、アメリカ登山史のみならず、パミール、ヒマラヤ登山史においても貴重な記録になることでしょう。

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