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鳥獣戯画 和紙と墨の魔術

今は亡き山岳部部長の墓参のため、夜行バスで上京。
東京着が午前6時。
午前の空き時間を利用して、国立博物館の特別展「鳥獣戯画 京都 高山寺の至宝 」を見学。

Cyo1

 普段公開されている絵図はレプリカ。
 本物を見学できる機会はおそらくそうないでろあう。
 それゆえ、ひどい時には待ち時間6時間といわれる同展。
 上野駅のロッテリアで焼きたてパンの朝食を済ませ、隣のファミマの端末でチケットを購入し、国立博物館に到着したのが7時15分。
 既に100人程の行列ができており、後ろに並ぶ。
 バッグにはkindle、立川談志の古典落語4話が入ったiPhoneと時間を潰す小道具は万全だ。
 開館まであと2時間以上あるが、登山と土木作業で鍛えた足腰に頑張ってもらうことにする。

 8時30分に入り口ゲートが開場。この時点で、私の後ろには千人近く並んでいる。
 ゲートからは4列に並ぶよう指示され、4列縦隊で展示会場の平成館に誘導。
 予定より15分早い9時15分に平成館が開館。
 前に100人並んでいるといっても私は先頭集団に位置しており、それからはスムーズに見学することができた。

Cyo2

 鳥獣戯画といえば、ウサギとカエルが相撲に興じる「甲巻」が有名である。
 私の周囲にいる女性の多くが
 「かわいい」
 「いきいきしている」
 を連発。

 小難しい評論家の解説よりも、彼女達の直感であるその言葉の方が正しい評価なのではないか。
 実物の鳥獣戯画を目にして、まさしく活き活きとした動物たちの姿に目を奪われる。

 鳥獣戯画は作者不明、目的不明、それだけでなく絵図の全貌すらも未だ解明されていない、謎に満ちた絵図である。
 月山のブナ林ガイドとしていろんな生き物を目にしてきた私が思うこと。
 カエルやウサギの見事な擬人化をみて、絵師は人間と動物の両方を、かなり観察した人物ではないだろうか、と感じる。
 しかも鳥獣戯画は西洋絵画などと異なり、墨と筆で一気呵成に動物たちが描かれているのである。

 ウサギとカエルの相撲の場面も見事なのだが、同じ甲巻に描かれている上記掲載画像の「ウサギとカエルが弓矢をつがえる」場面を拝見するに、人間の特徴、カエル・ウサギの特徴がバランス良く取り入れられているとがわかる。
 併せて展示されている高山寺の仏画も見学したが、鳥獣戯画の墨絵の方が人の心を引きつけるのは明らかである。

 800年の歳月を経て、今もなお多くの人々を魅了する絵図。
 現代芸術とやらと異なり、何の解説も要さず、動物たちのユーモラスな絵が人々の心をとらえる。
 これを和紙と墨の「魔術」といわずして何というのか?

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