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鹿児島神宮 御田植祭

韓国岳から下山後、鹿児島県霧島市に向かう。
霧島市隼人町の鹿児島神宮で行われる祭事「御田植祭」を見学させていただく。

「米どころ」である私の住む山形県はじめ、日本各地に五穀豊穣を祈る「御田植祭」は行われている。
平成25年のデータでは鹿児島県は米生産量は全国28位、山形の4分の1程であるが、御田植祭という祭事は鹿児島県各地の神社で行われている。

これはどういうことか?
そこには、稲の伝搬ルート、また古くからの稲をめぐる南方系文化が色濃く残っているのではないか。

民俗学者である下野敏見氏の著書を調べるに伴い、ぜひ実際に見てみたいと思い、韓国岳登山をすませて鹿児島神宮に向かう。

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神事が行われる「斎田」。鹿児島神宮の裏手、神宮が位置する丘の麓、車道と民家に囲まれている。
形状は三角形。
これは車道と民家に囲まれた事情に基づく形状ではなく、そもそも三角形は「鋸歯紋」(ノコギリの刃)に通じ、邪気を払い聖域を意味する形状であり、聖なる田は三角形が多いといわれる。

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「田の神」石像前で奉納される「田の神舞」。
舞の動作を観察するに、足耕(そっこう)の動作に似ている。
これは鋤を用いず足で田を耕す稲作技術で、南方からの稲作伝搬の影響ともいわれる。
鹿児島神宮の御田植祭では、早乙女・早男が斎田に入る前に田の神が鋤をもって耕す神事も行われる。

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少年少女、地区の大人で構成された約30名の早乙女、早男が田に入る。
二組に分かれ、田の中央に向かい合わせにならび、中央から苗を植えながら後ろに進んでいく。

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加治木町木田地区の方々によって構成された「トド組」(トド→田堵たど)の方々が唄う田歌を背景に、苗が植えられていく。

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神事がおわり、関係者が立ち去った斎田 
平成27年の御田植祭のタイムラインは、次の通り
12:30頃 神宮本殿で早乙女・早男、関係者の本殿参拝、記念写真撮影、その後斎田に移動
12:57~ 斎田脇の祭殿で神事開始、田の神舞奉納
13:30 早乙女、早男、斎田に入る
14:00 斎田の田植え終了、その後各地区総代、関係者による祭殿への玉串奉納
14:18 儀式終了の挨拶

鹿児島神宮で行われる御田植祭は、全国各地にみられる「囃田(はやしだ)」系と異なり、伊勢神宮の「伊雑宮(いぞうのみや)」祭りに類似していることが指摘されている。
稲作技術を含む南方文化を色濃く残す祭礼に、東北で生まれ育った私はあらためて日本列島の「広さ」を感じた次第でした。

記録した動画はこちらです↓


0:00~0:32 神官、田の神、早乙女、早男が神田に入場
~1:02 田の神の舞 (足耕儀礼の影響がみられる)
~2:36 田の神の祝言 (その一部を撮影したもの)
~3:47 早乙女、早男による田植儀式

参考文献:下野敏見著『鹿児島の伝統文化シリーズ1 南九州の伝統文化Ⅰ 祭礼と芸能、歴史』 南方新社 2005年

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