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韓国人クライマーは夏に何を食べているのか

いやいや5月から異常な暑さでしたが、皆様お元気ですか~?

韓国の山岳雑誌『山』8月号において、韓国のトップクライマー6人を対象に、夏を乗り越える「保養食」として何を食べているのかという記事を掲載しています。

登山家たちの夏の保養食、サムゲタンホロロッ?うなぎの蒲焼ホロロッ? 月刊「山」2015年8月号
※「ホロロッ」とは、韓国の女性芸人が流行らせた「勢いよく食べる様子」を表す流行語

以下記事引用開始
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【話題】 登山家たちの夏の保養食、サムゲタンホロロッ?うなぎの蒲焼ホロロッ?"
文・ソン・スウォン記者、写真・朝鮮日報データベース

イ・ミョンヒは山鶏水炊き、パク・フィヨンは漆鶏・・・チャンホ隊長は野菜や果物が保養食

 暑くて高湿な夏は、体力との戦いでもある。人々は夏の酷暑の間、サムゲタンなどを食べ、それぞれ「秘法」で調理された保養食を食べて気力を充実する。昔から先祖たちは熱い食べ物を食べて体を暖め、体温と外気温を合わせようとした。タンパク質と水分が多い食品で、汗で抜けていく栄養素を補充しようとした。それでは、普段の体調管理が重要な登山家たちは、健康に夏を過ごすためにどのような保養食を食べいるのか?

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サムゲタン、硫黄鴨、ポシンタンなどの保養食

 2015年UIAA青松アイスクライミングワールドカップで驚くべき準優勝を果たし、ベテランの力を示した女性クライマー、イ・ミョンヒは夏は「以熱治熱」(イヨルチヨル)と主張する。
 暑い夏には熱い食べ物を食べると元気になる、という考えである。イ・ミョンヒが推薦するスタミナ料理は山鶏の水炊きである。

「幼い頃から鶏料理が好きでした。山鶏の水炊きを食べてから10年ほどになります。北漢山でクライミングして、降りてくる途中で必ず山鶏の水炊きで体力を補います。」

 イ・ミョンヒさんが推薦する山鶏水炊き料理の店は、北漢山スムンビョク登山口にある「ミカジョン(02-388-3661)」である。周辺の山で直接育てた山鶏に高麗人参、栗、ナツメ、銀杏、ハリギリ、キバナオウギ、葛などの漢方薬を入れて釜でじっくり煮て、味も良く栄養価も満点だそうだ。食卓に出てくる野菜とおかずは直接庭で育てた手作りのものだけを使用して、さらに信頼できるものだ。

 「アイスクライミング・クイーン」 ソン・ハンナレは硫黄鴨エキスを服用する。昨年の夏、ソン選手の母校である韓国外大で山岳会創立50周年を迎えヒマラヤに遠征した。その時「インサンガ(仁山家)」というメーカーで遠征隊に硫黄鴨エキスを提供したという。後で遠征から帰った先輩たちから硫黄鴨エキスの効果があったと聞いて、その時から服用を始めたという。

「私の体に鴨がよく合うようです。以前に硫黄鴨エキスを作成するプロセスを聞きましたが、硫黄を食べさせて育てたアヒルを生姜、ニンニク、タンポポなどの生薬と一緒に長い時間煮詰めるそうです。私はクライミング大会の時にドーピングテストを受けなければならず、保養食のようなものを食べることに慎重なんですが、硫黄鴨エキスは特に禁止された成分が含まれておらず、手軽に服用できて、トレーニングや、大会を控えたときには必ず服用します。」

 無酸素で8,000m峰14座を登頂したチャンホ隊長は、「スプーン以外は何でも食べる」主義で、夏だからと特別な保養食を食べることはない。保養食ではないが、健康のために好んで食べるのは果物や野菜だ。

「私のような高所クライマーは、空腹にまず慣れなければなりません。食料が多ければザックが重くなりクライミングのスピードが遅くなります。登山装備は必須で食料は選択であるわけです。単独登山するときは紅茶に塩と砂糖を混ぜた1リットルの魔法瓶一本が二日間摂取する食糧のすべてだったりする場合もあります。そして8,000m峰の頂上に登って下山して、最も食べたいものを思い出してみると新鮮な果物や野菜でした。だから2年前から葉野菜、唐辛子、サツマイモ、トマトなど30種類以上の作物を栽培して食べています。」

 実際に医師は夏の保養食として野菜や果物を推薦する。野菜や果物は、汗で排出された水分はもちろん、不足しがちなビタミンやミネラルを補充してくれる。代表的な夏の果物スイカはビタミンAとCが豊富で、血圧を下げて心臓・血管疾患を予防してくれる。トウモロコシも気力回復に良い。トウモロコシには、タンパク質、脂質、セルロース、糖質、ビタミン、ミネラルなどの様々な成分が含まれており、夏に消費されやすい栄養素を効果的に補充してくれる。

「自然の中で育った食べ物が肉体的なスタミナ料理であれば、死の地帯から生還して箸とスプーンで料理を食べることができることに感謝する。それが精神的な保養食です。」

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▲(左上から時計回りに)イ・ミョンヒ、ソン・ハンナレ、キム・チャンホ、オム・ホンギル、キム・ジャイン、パク・フィヨン

 オム・ホンギル隊長は、夏の保養食としてサムゲタンとウナギを楽しむ。オム隊長は鶏料理を好んで食べ、あるテレビのバラエティ場組では、「ヒマラヤの3,000mのベースキャンプで体力補充のためにダクボクムタン(訳者注:鶏を甘辛く煮る鍋料理)を作って食べる」と語っている。

 サムゲタンは約800kcalの高カロリー高タンパク食である。汗を流して気力がつく、夏には簡単でおいしくエネルギーを補給するのに大変良い。ただし鶏皮は飽和脂肪が多く含まれており、高脂血症などは良くないため取り除いて食べた方がよい。

 「岩壁のクイーン」キム・ジャインは、夏に気力を補充するためポシンタン(訳者注:補身湯、犬肉のスープ)を飲む。

「夏からW杯のシーズンが始まりますが、その前から体重管理に非常に気を使うんです。体重を管理しながらトレーニングはさらに強化しなければならず、体力的に非常に大変です。そんな時に保養食としてポシンタンを飲むと力が出るようです。普段はほとんど口にしませんが、大会前には時々食べます。」

「特別な」保養食のおかげか、キム・ジャイン選手は7月19日にフランスのブリアンソンで開かれたIFSCリードW杯第2戦でシーズン初優勝を飾った。昨シーズンが終わった後、膝の靭帯手術を受けたキム選手だから、さらに嬉しいニュースだ。

 キム選手は、漢城大入口にある「定住家(02-764-6996)」という食堂をよく訪れる。ここは40年の伝統を受け継ぎ、北朝鮮・平安北道地方の伝統的な方法で調理するのが特徴の店である。サムゲタンやダクボクムタンなどのメニューもあり、夏には一度訪れる価値があるほどの美味しい店だ。

思い出が込もるパク・フィヨンの「父親の漆鶏」

「アイスクライミングW杯チャンピオン」パク・フィヨン選手のスタミナ料理も鶏料理だ。パク選手は鶏の中でも「漆鶏」(訳者注:オッタック、鶏を漆の皮と共に煮込んだ料理)を好む。田舎で育ったこともあり、幼い頃から家で直接育てた鶏と近くの山から取った漆で鶏の漆煮込みを作り、夏を過ごしたという。

「漆にアレルギーがある人は注意する必要があります。幸いなことに私はそのようなことなく、体にもよく合うと思います。私は肉よりも、じっくり煮込んだ汁の方が好きで、粗塩で味つけして飲んでいました。次に肉と餅米を入れてお粥のようにして食べます。漆鶏を食べた後は体が温まり、血液の循環が良くなる感じです。個人的には、ウナギやポシンタンより良いと思います。」

 パク選手は大会や海外遠征があるときは、常に故郷の家に戻り漆鶏を食べた。食堂で調理したものではなく、父親が直接育てた鶏と採取した漆で作られた料理なので一層力が沸いた。昨年に父親が亡くなったため、もう父親手作りの漆鶏は食べることができなくなったが、最近も、夏には常連の食堂を訪れて漆鶏を食べて体力を補充するという。

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以上引用おわり

 この記事から、韓国人クライマーは韓国の伝統料理を重視していることがよくわかります。
 もちろん、アスリートの領域に位置するソン・ハンナレやキム・ジャイン、パク・フィヨンなどは各種サプリメントを活用していると思われますが、彼らでもここぞというときに出てくるのは伝統食のようですね。

46 この記事を読んであらためて思い返したのは、私の学生時代の愛読書である、極真空手創始者・大山倍達総裁の著書『強くなれ!わが肉体改造論』。
 東京大学山岳部の故・新井氏はご自身の身体で様々なサプリメントの実験をされていましたが、偏差値50の立正大学山岳部の私は大山総裁の本読んで様々な人体実験やってました。身体が柔らかくなると信じて米酢飲んだりとか・・・酢酸きつすぎて胃を痛めました(笑)
 この本は後日コミック版も出ましたが、著書の中で大山総裁は日本と韓国のアスリートの違いとして、「ジャンクフードを好む日本の若者に比べ、韓国の若者の食事にはスポーツに必要な栄養を備えた韓国の伝統食の影響が色濃く残っており、それがアスリートとしての能力差につながっているのではないか」という自説を紹介しています。
 大山総裁の著書の初版が85年、それから30年経過してますが、今回の月刊『山』の記事を拝読するに、韓国の伝統食の影響いまだ健在也というところです。

 ちなみに私は、あるときは現場作業員、あるときは山岳ガイドという肉体を酷使する環境にいます。
 私の場合、特に保養食というほどではありませんが、ハードな現場作業が続くときは『酢の物』ですね。何も特別なものではなく、よくスーパーで売っている小さいカップ3個セットの「もずく酢」を好んで食べます。酢ドリンクも好んで飲みます。
 前述の大山総裁の著書の影響で、出張生活でスーパーの総菜を選ぶときもオクラやトロロ芋などネバネバ系の野菜を好んで食べます。
 すんごい疲労した日が続くときは、カミさんが「ニンニクの素揚げ」を作ってくれるので、これも私の保養食かな。

 韓国の登山学校で過ごした実体験から、彼らは本当によく食べます。
 サプリメントを上手く利用することも大切ですけど、やはり基本は「よく食べ、よく休む」だと私は思っています。
 
 盆を迎え盛夏の中、皆さんもどうぞ体調にはご注意を、そして登山では楽しい時間をお過ごし下さい。

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