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このろくでもない、すばらしき世界。

スペインのバレンシア州第2位の山として人気が高い、ペニャゴロサ山(Penyagolosa、1813m)。

 その山頂に、突如として飲料の自動販売機が出現、スペインの一般メディアのみならず、クライミングサイトDesnivelでも話題になっています。

Una máquina de café permaneció tres días en la cima de Penyagolosa by Desnivel 2015.10.29

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ペニャゴロサ山(1813m)

 この「イタズラ」は、スペインの自動販売機協会がPRキャンペーンの一環として、きちんと当局の許可を取得してペニャゴロサ山山頂に三日間だけ、コーヒー紅茶が飲める自動販売機(料金は無料)を設置したもの。
 販売機にはカメラが備わっており、登山者達の反応の様子が記録・公開されています。

 このペニャゴロサ山、なかなか険しい山容でクライミングの対象にもなっているようですが、苦労してたどり着いた頂上に、いきなり自動販売機。
 公開されている動画では、ラテン系らしく飲み物を楽しむ人々、自販機と共に記念撮影する人々が写っています。
 自販機設置の様子とともに、人々の様子が軽いタッチで編集された動画はこちらです。

 ガチな山屋や自然愛好家の方には「山頂に自販機などとんでもない」と思われるかもしれません。
 Desnivelも、今回のイベントが自然保護関係者や登山者の間で議論になっていることを報じています。
 設置から4日め、重さ100kgを超える自販機は、持ち込まれたときと同様に屈強な男達8人がかりで山から下ろされました。

 実は私、真夏の六甲山に登ったときに自販機の誘惑に負けた経験がありまして、今回ペニャゴロサ山で自販機のコーヒーをエンジョイしている人々の気持ちも共感いたしますです・・・

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ハンスヨルク・アウアー隊、ニルギリ・サウス南壁で事故

 オーストリアのハンスヨルク・アウアー率いるチームがニルギリ・サウス南壁で事故に遭った模様です。

27-jähriger Tiroler nach Absturz in Nepal vermisst by kleinezeitung 2015.10.29

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 各地の大岩壁、高峰に困難なルートを開拓していることで知られるハンスヨルク・アウアーをリーダーに、同じオーストリアのAlex Blümel、Gerhard Fieglの3名で構成されたチームは、10月21日に登頂したものの、下降中にメンバー1名が800m転落して死亡と報じられています。

 海外メディアでは事故者の名前が明らかになっていませんが、オーストリアメディアでは「27歳のチロル出身のガイド」と報じていますので、メンバーのGerhard Fiegl (1988年、チロル州ウムハウゼン出身)と推察されます。

 今回ニルギリ・サウス南壁を目指したAlex Blümel、Gerhard Fieglの二人は、2013年、アラスカのムースズ・トゥース山群で「トゥース・トラバース」と称される約8kmにわたる縦走クライミングの第2登に成功していた若手実力者でした。
 まことに残念な報道です。

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ハンス・フローリンがナイフをデザインしました

エルキャピタン・ノーズのスピードクライミングで知られるハンス・フローリンがナイフをデザインしていました。

CRKT and world-record setting climber create knives and tools that take technology to new heights. by PRweb 2015.10.29

Hatool

 ハンス・フローリンがデザインしたナイフは3種類あるのですが、注目すべきは特にシンプルに仕上げられた「Niad」と「Hyphenate」ですね。
 マルチツールの「Bivy」とは対照的な2種は、あくまでもシンプルさと軽量性を追求したデザイン。
 丸い孔はカラビナホールになっており、カラビナを通すことによって刃のストッパーも兼ねています。
 「機能美」という言葉が思い浮かぶ一品に仕上がっています。

 同じクライマーでも、ウェリ・シュテックがデザインしたナイフと比べてみると、設計思想の違いが表れていて面白いと思います。


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三回忌

9月後半から亡父の三回忌の準備に奔走。

 参列者の確認から案内状の手配・発送、寺院とのやりとり、お斎の手配、人数確認、あらゆることを一人でブルドーザーの如く準備を進める。
 カミさんはあてにならないので、現場仕事が終わった夜や休日を潰して準備を進める。はー。

 困ったのは冠婚葬祭の「葬」に関しては気軽に相談できる人間が周囲にいないこと。
 案内状一つとっても、手書きの「お使い」は失礼にあたるとされているが、ここ山形では文具屋にはたいてい手書き用の「お使い」用紙が置いてある。
 山形のような地方都市では、市町村が違えば習慣も異なる。
 最大公約数をとるしかない。
 序列や慣習にうるさい親類もいるので、案内状は無難に印刷で作成、足りない文言は一筆箋で書き加える戦法でいく。

 実家に届いていた ギフトプラザ のカタログを片手に山形北店を訪れる。
 カタログに書いてあった古い営業時間をあてに、間違って閉店間際の18時55分に訪れてしまった。
 閉店間際にもかかわらず丁寧に対応していただいたので、このギフトプラザ山形北店で案内状の印刷、お返し品の手配を依頼。

 快晴の某日、会社公休。
 雑用がありすぎるので、山行はおあずけ。
 タリラリラーンと図書館に車で向かっている途中、携帯が鳴る。
 九州に出張中の作業班から緊急連絡が入り、急遽資材を発送する必要に迫られたため、出社。

 週末で誰もいない工場に出社すると、運送会社のトラックの運ちゃんが事務所に誰もいなくて困っている様子。
 別件で大きな資材が届いていた。
 私が代わりに受け取り、私服のTシャツ姿にヘルメットをかぶり、フォークリフトで資材を運搬。

 休日でも、各地に飛んでいる出張班は忙しい。
 仲間達の事を思えば、文句は言えない。

 会社の用事を済ませ、三回忌の準備も少し済ませ、自宅に戻ると、カミさんと子供達は買い物に出かけていた。
 時間は昼前。
 再び家を出て、近所のパン屋へ。

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 休日、時には贅沢したい。
 ちょいと高めの「マロンのカンパーニュ」を食す。

 某日。
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 職場の面々の大部分が各地に出張するため、もう職場の雪囲い。

 会社から帰宅してみると、
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 小学校から、レンタルスキーのチラシが届く。

 冬は目の前。

 某日。
 必要な時にローカル紙「山形新聞」をコンビニで買って読むのだが。
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 山形新聞に掲載されている、「芋煮会天気情報」。
 夕方のニュース番組では、ロシアのテレビ局でお天気姉さんが「本日のシリアは爆撃に最適な天気でしょう」とアナウンスしている事を伝えている。
 
 日本って平和ですね。

 某日。

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 亡父の三回忌を無事終える。
 前日になって「お返し、一品で足りないんじゃない?」と話が持ち上がり、急遽、和菓子店で付け足しの菓子包みを購入。
 準備から今まで、自宅では気分を和らげるためバッハのオルガン曲漬けの日々。

 某8000m峰のフィクスロープの位置やらキャンプサイトの位置やらは知っているのに、冠婚葬祭の常識がわかっていないという現実(笑)に悩まされた日々。

 2015年、私の紅葉シーズンは下界にて終わる。
 本日は大朝日岳で初冠雪の報道。
 もう山は冬の季節ですね。

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ピーマン好きでワサビが嫌い アレックス・オノルドの食生活

 フリーソロで知られるアレックス・オノルドの食生活に関して、アメリカの料理雑誌『Bonappetit』がインタビューを試みていました。

 この記事、スポルティバ・ロシアのウェブサイトに今秋転載されていて、そこでインタビュー記事の存在に気がついた次第。今年4月の記事ですが、以下にテキトーな訳で紹介します。

Rock Climber Alex Honnold Loves Cookie Dough, Wants to Wash Your Dishes by Bonappetit 2015.4.6

以下引用開始
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Photo by Andrew Burr

 素晴らしいバンにお住まいですね。 キッチンの炊事用具はどんな風になっていますか?

 シンプルなものです。2つのプロパンガスバーナーに、キャビネット、水タンク。それで普通に料理してます。キッチン全体がバンの側面に組み込まれていて、平らなテーブルと貯蔵庫を兼ねてます。

 どんな朝食を食べてます?

 今のところ、グラノーラ、シリアルタイプのやつにアーモンドミルクとフルーツです。スクランブルエッグとかわりばんこかな。

 アーモンドミルクとは、乳製品フリーですか?

 完全に乳製品フリーじゃなくて最小限に抑えてます。

 理想の朝食は何ですか?

 理想的な朝食は美味いスクランブルエッグです。え~と、完全な乳製品フリーじゃないんで、フェタチーズを少し付け足して。それから野菜と、ホントに美味いトルティーヤ。メキシカンスタイルの朝食みたいなやつ。朝食は欠かせませんね。

 タコスやブリトー(訳者注:春巻きのようにトルティーヤで具材を巻いた料理)も好き?

 あ~、ブリトーですね。いろいろ詰めたやつがいいですね。

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Photo by Jimmy Chin /Squarespace

 クッキーがお好きなようですが、クッキーとクッキーの生地、どちらが好みですか?
 (訳者注:アメリカ人は、焼いてないクッキー生地を食べる食習慣がある)

 そうたしかにクッキー生地の方が好きですね。いろんなクッキー食べられますけど、断然チョコチップ入りが好きです。チョコチップクッキーの生地を作れますけど、覚えてるだけですね。焼く方法も知ってますけど、生地を食べます。もう長いこと焼いたことは無いです。

 ハーフドームが食べ物だったら、何をイメージしますか?

 考えたこともないですけど、最初に思い浮かぶのは、でかいマッシュポテトの塊、ポレ ンタ(訳者注:トウモロコシの粉を煮たイタリア料理)か何かの山かな。いや、タコスかな。写真で見るよりもタコスに近いかな。でも2箇所、垂壁になってるけどなあ。

 クライミング中は何を食べてますか?

 え~、食べなくっちゃいけないですね。フルーツ2切れとか、バーとか、ナッツとか。エルキャピタンのような、16時間もかかるビッグウォール登るときには大きめのサンドイッチとか。クライミングはマラソンやトライアスロンのようにコンスタントにパワージェルやらパワーバー食べたりしません。クライミングは比較的にスローペースなんで、登りながら食べたり消化したりできるんです。

 誰かに夕食を作るタイプ、作ってもらうタイプ?

 むしろ作ってもらう方です。料理嫌いなんです。私はいわゆる「皿洗いする奴」です。

 最高な自己PRをどうぞ

 あ~、もう完璧な奴を。キッチン手袋があれば、私が洗い物をします。クライミングによるタコや皮膚を良い状態に保つために、手を濡らしたくないんです。

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Photo by Matias Pinto Pooley

 飽きない食べ物を一品挙げるなら?

 赤ピーマン。赤ピーマンが大好きです。普通のピーマンでもOK。りんごみたいに食べてます。カリカリして美味いですよ。

 その情熱をもってしても嫌いな食べ物は?

 それほどでもないけど、追い込まれればたいてい何でも食べますよ。ただ、ワサビはダメですけど。決して食べないと思う。ホントに好きになれない野菜もあるけど、まあ身体にはいいでしょうから、とにかく食べられるでしょう。

 最初に記憶に残っている食べ物は?

 幼い頃、庭に植えられたニンジンを食べたのを覚えています。いまだにニンジンが大好きです。おかしい話ですが、幼いときは好き嫌いが激しくていろんな果物や野菜を食べてませんでした。今ふりかえってみると、「アプリコットが嫌いだなんて信じられない、自分の何が問題だった?」と思いますね。

 ボナペティ誌に求めることは何かありますか?

 できれば、栄養学的なことをおたずねしたいんですが、でも栄養学的に何か問題あっても僕にはどうにもできませんけど。

 最後に何か一言?

 私は栄養や味よりも、環境のことを考えて自分の食べ物をチョイスしています。
 多くの方々は買い物するときには考えてない事でも、私は環境に対する影響を最小限にしようと思ってます。限定的なベジタリアンなんで、最小限の乳製品は食べています。
 オーストラリアから帰国したあと、カンガルー肉のカレーを食べましたし、昨年、ナミビアを訪れた時は他に食べるものが無かったので、狩猟で得られた肉製品を食べました。
 食材に関しては柔軟ですけど、どちらかといえば完全菜食主義に傾きつつあります。私はゆっくり時間をかけて菜食主義に進むつもりです。

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以上引用おわり

ちなみに、ボナペティ誌記事中にもリンクされていますが、アレックス・オノルド本人による自身が生活するバンの紹介動画がこちらです。キッチンの様子などよくわかるかと思います。

 日本の某バラエティ番組で、「女の子にもてないんですよね・・・」と自信なさげな草食男子として紹介されていたアレックス・オノルド。
 バンの紹介はいいから、早く嫁もらえ。

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Aptonia Double Use System Bottle

登山のパッキング。
スポーツドリンクも持ちたいが、料理用の真水も持ちたい。
ボトルがかさばるなあ・・・
と、お悩みのアナタに朗報!

 スポーツ用品メーカー・デカスロン(Decathlon)傘下のメーカーAptoniaが、一本で2種類の液体を収容できるボトル、
Double Use System Bottleを開発、デカスロン主催のコンテスト、イノベーション・アワード2015で見事第1位を獲得しました。

Unique Aptonia drinks bottle tops Decathlon's innovation awards by grough 2015.10.10

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 外見は一般的なスポーツ用ボトル、内側が二重構造になっており、蓋のダイヤルをまわすことにより、飲む(出す)液体の種類を変えることができます。

Ap1

詳細はこちらの動画をご覧下され。↓

 2種類の液体という使い方より、内側のボトルにエネルギージェルを薄めたやつを入れておく使い方を想定しているんですかね。(昔トライアスロンかじってた時、エネルギージェル水で薄めて飲む人よく見かけました。今はどうかな?)
 システム解説の動画ですと、2種類の液体を混合して飲む(出す)ことも可能なようです。

 私のガイド山行の場合、自分の飲用水入りボトルの他に、
 ・クライアントが負傷した場合に怪我の洗浄に使う真水(衛生面を考えて未開封のミネラルウォーター)
 ・季節によって熱中症に備えてOS-1のペットボトル
 ・季節によって低体温症に備えて白湯入りボトル
 ・コーヒー入りボトル(私が飲みたいとゆーワガママです)
 等々をチョイスして背負っていきます。
 
 この報道拝見して、これだとエマージェンシー用真水と、飲用水orスポーツドリンクの両方を収容できていいなあーと思った次第ですね。
 ちなみに発売は来年、ヨーロッパの市場で予定されているようです。

 デカスロンはお隣中国でだいぶ幅きかせてるメーカーのようですんで、日本にも入ってこないかな~。

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Take Action Nepal

Nepal2015101112_1
 10月11、12日の両日、山形市の中心街・七日町にある「水の町屋 七日町御殿堰」を会場に行われたネパール大地震チャリティーイベント 「Take Action Nepal」ヒマラヤ登山者トークセッションにゲストスピーカーとして参加。

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会場の「水の町屋 御殿堰」

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こんな雰囲気の会場で、15分ほど時間をいただき、ヒマラヤ登山の話をさせていただきました。

 そもそもは先日の東京出張の際、IT企業の代表やってる中学時代の同期生から「日曜空いてる?」と連絡が入る。
 チャリティーイベントでヒマラヤの話できる人探しており、白羽の矢がプスッと刺さった次第。

 登山のトークとか、最近の若いガイドやアウトドアライターとか口の巧い連中がやってりゃいいじゃん!
 オレは口ベタなんで絶対ダメ!
 と割り切って、登山シンポジウムの類も近寄らないようにしていたものの、今回は大地震のチャリティーイベントであること、緊急の依頼であること、「これも何かの御縁」と感じたので、あっさりと引き受けさせていただいた。

 Facebookで紹介された、主催のプラディプさんと連絡とりあい、詳細を伺う。
 FBでの連絡だけではこころもとないので、ちょうど子供の事情で平日に会社の休みがとれたこともあり、プラディプさんが営むネパール料理店でランチを食べ、会場の詳細など確認。
 野外会場のため、山の写真などを紹介できるプロジェクターが使えないことが判明。

 会場に居合わせる人が登山を知らない人ばかりであろうこと、ネパール大地震チャリティーであることから、トーク内容は登山活動ではなくシェルパ達との交流にウエイトを置いた内容にする。
 ちょうどこの週は、日中はトークの事を考える余裕もなく、会社でバリバリとアーク溶接作業に専念していた日々。
 イベントまで猶予は2日間、帰宅してから自室に引きこもり、深夜まで原稿を練る。

Talk2
 天気予報はあまり思わしくなかったものの、第1日目はなんとか雨はまぬがれ、二日目も青空が少し顔を出してくれました。

 私の登山トークの与太話よりも素晴らしかったのが、「抜刀道」のデモンストレーション。

Talk4
今年7月に抜刀道全国大会で優勝を果たした山形在住の阿部吉宏氏の演武。
固定されてない、ただ置いただけの巻ワラを日本刀で一刀両断した瞬間。

抜刀道、人斬りの技でありながら、誰かを守るために抜かれた刀。
人の命を守る、という観点からネパール大地震へ話題をつなげる、静かな口調ながら確固たる信念が感じられる阿部氏のトークに、いつのまにか大勢の観客が集まっていましたし、私も一参加者として引き込まれました。

 このような機会を与えていただいたプラディプ・マナンダール様、運営スタッフの皆様、同期の市村一敏君には感謝申し上げます。

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池袋の朝

今回の東京出張での宿泊は、自分で捜した、池袋駅にほど近い安宿。
一泊朝食付で4000円。

韓国の方が経営されてる宿で、朝食はアクセル全開トップギアで

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韓国式朝食。
ご飯の盛りも土木作業員の私には満足な量でございます。

さあ、今日一日、都内のビルに缶詰になってお勉強です。

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浅草の夜

建設関係の資格更新講習のため、単身上京。

夜。
浅草まで足を伸ばし、かねてから行きたかった 駒形どぜう に行く。

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 東京出張の度、血眼になってネパール料理やらマレーシア料理やらロシア料理やら外国料理店を巡っていたのだが、歳のせいでしょうか。せっかく東京に来ているのだから、東京(江戸)の文化香る店に行きたい、と最近思う。

 興味ワクワクだったのが、
 
Koma
Photo by 駒形どぜうウェブサイト

 畳に一枚板(かな板)が敷いてある「入れ込み座敷」。
 平日の夜だというのに、店内はほぼ満員。
 幸い1名分、座敷が空いていたので、隙間に入るように入れ込み座敷に入る。

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 この入れ込み座敷の上で、ごく浅い丸い平鍋にドジョウが詰め込まれている。
 炭火の入った小さな炉、その上で平鍋は既にグツグツ煮えている。
 可愛らしい女性店員が食べ方を教えてくれる。
 ささがきごぼう(これは別注文450円)、入れ込み座敷に備え付けの容器に満載の刻みネギを、煮えているドジョウの上に乗せ、頃合いを見計らって食べる。

 ゴボウとネギが巧く、いや「美味く」ドジョウの臭みを消してくれる。
 右側はビールで盛り上がっている年配女性のグループ客。
 左側は途上国に進出している建設会社なのだろう、某途上国の文化話で盛り上がる中年サラリーマン二人組。
 そんな人々に挟まれて、私は一人、黙々とドジョウをつつく。

 女性店員にアドバイスを受けたとおり、鍋がドジョウの身体ほどのとても浅い平鍋なので、すぐタレが煮詰まってしまうので、頻繁に割り下を加え続ける。
 最後は煮詰まったタレでゴボウとネギを食す。これもまた美味い。

 平鍋がかなり煮詰まり、焦げる寸前のかなり甘い香りが漂い始める。
 (あ、やべえやべえ、煮詰まる煮詰まる、隣のババアこっち見るんじゃねーよ)
 と思ったところへ、さきほどの可愛い女性店員が来て、
 「おかわりどうされますか?」

 え?
 もしかしてこの鍋って、おかわりしてガンガン喰うもんなの?
 ちなみに「どぜう鍋」一皿1750円也。
 「あ、これで結構です」
 と小市民は答え、お勘定を払う。

 以前、火事で焼ける前の神田・藪そばに入ったときも思ったが、江戸の食べ物屋って、メシ食うだけじゃ無くて一種の「社交場」ですね。まあお客さん達のおしゃべりで店内の賑やかなこと。
 山形の田舎の「うまい」といわれる蕎麦屋に行くと、みんな黙々と、まるで犯罪を犯しているかのように黙りこくって食ってます。
 東京の名店・老舗と呼ばれる飯屋に行くたび感じますが、これって凄いカルチャーショックですね。
 
 だいぶ昔訪れた、深川の「伊せ喜」とはまた違った味わいのお店でした。

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