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ワルテル・ボナッティ中学校

イタリアの片隅から発信された報道。

あのワルテル・ボナッティ氏の名前がイタリアの中学校に命名されることになりました。

Monza, la scuola media di via Poliziano ha un nome: intitolata a Walter Bonatti by Ilcittadinomb 2015.12.22

 イタリアのモンツァ(Monza)に開校する中学校の名前について、地域住民、学校関係者、保護者、そして生徒自身が5人の候補から投票で選択することになりました。
 この5人の候補とは、

 イラリア・アルピ(Ilaria Alpi) ジャーナリスト、ソマリアの不法廃棄物に関して取材、1994年に33歳にて暗殺される。
 ロサリオ・リバティーノ(Rosario Livatino) 裁判官、1990年38歳にてマフィアに暗殺される。後に法王パウロⅡ世から「殉教者」と呼ばれる。
 アルダ・メリーニ(Alda Merini) 詩人、イタリアで最も偉大な現代詩人と呼ばれノーベル文学賞候補にもなる。2009年没。
 リータ・レーヴィ=モンタルチーニ(Rita Levi-Montalcini) 神経学者、1986年にノーベル医学・生理学賞受賞。2012年没。
 そして、登山家ワルテル・ボナッティという5人の候補です。

 ちなみにモンツァという街は、ワルテル・ボナッティ氏がまだ登山を始める前、体操競技で身体を鍛えていた幼少時に通った学校があった街です。

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 12月12日、中学校で開催された候補者に関する説明会(Photo by Fabrizio Radaelli)

 12月21日・月曜に投票が行われ、翌22日に開票結果発表・校名命名の式典が開催されました。
 投票の結果、校名として選ばれたのは、『ワルテル・ボナッティ』です。

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 12月22日に開催された校名命名の式典の様子(Photo by Fabrizio Radaelli)

 この報道で強調しておきたいのは、この決定が山岳関係者ではなく学校関係者、保護者、そしてなにより子供達の投票の結果であることです。
 ワルテル・ボナッティ氏が生前に示した山への情熱、忠誠、愛、自己犠牲が評価されました。

 なおボナッティ氏以外の4名の御名前は、ノーベル賞受賞のモンタルチーニは理科室、裁判官だったリバティーノは会議室、ジャーナリストのアルピの名はパソコン室など、ふさわしい教室に名前が送られました。

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 昨年、某SNSでワルテル・ボナッティ氏がある日本人登山家に送った私信を拝読する機会がありました。
 それは幾多の山仲間を失ったボナッティ氏だからこその、岳友を気遣う暖かい心あふれる内容だったのです。
 伝記本や山岳ジャーナリストが書いた記事では絶対にうかがい知れない、人間ボナッティの姿が読み取れる文章でした。

 『登山が社会に認知される』って、どんなことだろう、と私は山岳部員だった頃から考えつづけてきました。
 登山人口が増えることなのか?
 オリンピックに競技として認められることなのか?
 テレビやメディアに頻繁に取り上げられることなのか?

 山岳関係者でもない普通の人々、そして子供達からも尊敬され、学校の名前として人々が掲げたワルテル・ボナッティ氏。
 その功績と足跡に関しては諸先輩方が詳しいのでここに書き連ねることはしませんが、死後もなお歳月を経て学校の名前に選ばれるその人生に、私の疑問に対するヒントがあるのだと思っています。

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