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1770mのロシアンティー

昨年から、現場仕事で雨に打たれ、泥にまみれ、考えていた。

「景色のいい山で、ロシアンティーが飲みたい。」

一人、岩手山の山頂へ。

P1

高気圧の張り出しを期待して31日に登山日を設定したが、山頂付近は雪煙舞う暴風。
クライアント率いる登山であれば確実に引き返す強風。
のんびりロシアンティーを作って飲む目論みは潰えた。

頂上稜線で、耐風姿勢でひたすら風が弱まるのを待つ。
両側は火口壁、確実なアイゼン歩行で前進。
もう何度、耐風姿勢を取っただろう。
風が弱まった隙に山頂へ。

身の危険を感じる強風。
山頂標識の下でうずくまるような格好でテルモスのコーヒーを二口飲み、わずかな行動食を口にし、早々と下山。
下山中に不動平を眺めると、途中で追い抜いた4人パーティーが下山していくのが見えた。
それが正常な判断だろう。
今日の私は、ちょいとやりすぎた。

P5
山頂稜線、地蔵様にびっしり付いたエビのしっぽ。稜線はまだ冬です。

不動平は無風だった。
標高1770m、8合目避難小屋のベンチで休憩をとる。

P2
本日のお楽しみ、ロシアンティータイム。
テルモスの冷めた湯を沸かし直し、紅茶を作る。

今日の登山は、やりすぎた。
くたびれきった古いグローブは保温性も減り、両手の小指の感覚が無い。
私は過去に手指の凍傷をやらかしているので、通常の方々よりも手指が寒さに弱い。
湯を沸かしている間、小指の血管に血流が戻る激痛が走る。
何度経験しても慣れない、脳髄に突き刺さるような痛み。
強風下、強引に登頂した戒めとして、指の痛みを受け取ることにする。

今回は紅茶にジャムを入れるのでは無く、別添えでジャムを舐めながら紅茶を飲むロシア方式。
奮発して買ったアヲハタのイチゴジャムをスプーンですくい、舐めながら紅茶を飲む。

岩手山6合目のガレ場から山頂で引き返し避難小屋まで、ほぼノンストップで行動し続けてきた。
果肉たっぷりのアヲハタジャム、そして紅茶が消耗した身体に美味すぎる。

P3
身体が飛ばされそうな強風の稜線とは大違い、無風の8合目避難小屋で、こんな風景を眺めながらロシアンティーを味わう。

なんでロシアンティーかって?
若かりし頃、海外登山を夢見て毎年初冬に富士山に通っていた頃。
仕事の取引先からバラのジャムをもらったので、それでロシアンティーを作りテルモスに入れて登った。
鼻を突き刺すような冷えた空気の中、冬富士でテルモスの蓋を開けると、ふぁっとバラの香り。
無機質な、岩と氷と雪しか無い世界で、バラジャムのロシアンティーが強烈に印象に残ったのだ。

さあ、下りよう。
途中のガレ場等々、気が抜けない箇所は多い。

P6
登山口間近まで下山。
雪は解け、枯葉が積もった道が露出し、山麓は春の雰囲気。

P4
下山後、車道から撮影した岩手山。

私にとって積雪期の岩手山は、費用と時間をかけても登る価値がある山の一つだ。

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