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アグン山への道

毎年、社員旅・・・じゃなかった、社員研修で単独行動を貫き、気ままに登山を楽しんでいた私。
今年は登山初心者を自称する部長とともに、バリ島最高峰・アグン山を目指す。

Mount
バリ島最高峰アグン山(3140m Photo by Summitpost.org)

部長と登山を共にするため、計画段階から極力リスクを減らすことに専念する。

アグン山には二つの登山コースがある。
ブサキ寺院から主峰(3140m)を目指すコース、パッサルアグン寺院から南峰(2810m)を目指すコースだ。
部長の体力を考慮し、後者を選択した。
パッサルアグン寺院はバリ島最高所にある寺院で標高1400mに位置する。ここから南峰まで高度差約1400m、主峰を目指すコース(高度差約2200m)よりは負担が少なくて済む。
もともと私は主峰にはこだわらず「インドネシアの火山を経験したい」が目的である。

登山エージェントはBMLツアーの「サンライズ登山」を利用した。
深夜1時頃に登山口を出発、夜明け前に山頂に到達し日の出を眺め、下山する、と言う行程である。
ウェブサイトを検索すると、数多くのご来光登山ツアーのサイトが出てくる。
万一のアクシデントに備え、日本語対応可能な同社を選択した。

 日本の社会人山岳会にはなぜかガイド登山を小馬鹿にする方もおられるようだが、私は普通の建設会社に勤める現場作業員であって、余計な手配・準備に時間を割くヒマは、無い。
 インドネシア・バリ島という公共交通機関・通信手段が貧弱な社会において、ホテルから登山口までの移動、ガイド手配をしてくれるエージェントを利用することに全く抵抗は無い。BML社はメールでの問い合わせでも同日中に返信することをモットーにしており、そのレスポンスの速さも選択した理由の一つである。

 同行の部長には不安をかきたてないために伏せておいたが、今年3月にロシア人ハイカーがガイド無し・単独でアグン山に入山、そのまま行方不明となる事案が発生している。(後日、無事救助さる)
 ネットではスニーカーに短パンの欧米人観光客がホイホイ登頂している動画が数多く公開されているが、油断できない山、というイメージを私は抱いていた。
 装備も通常どおりのガイド装備、一方で海外渡航という制限された中での「最低限の装備」の選択に日本出発前夜まで悩まされた。
 ウエアはファイントラックの夏山用ウェア、フリース、雨具、あえてダウンジャケットは除外。
 部長に万一の事態があることを想定し、私が所持している中で最軽量の簡易ハーネス「ランド」に補助ロープを荷物に詰め込む。靴も普段、無雪期に使用しているトレッキングシューズをバリ島に持ち込んだ。

 5月26日23時。
 天空には大きな南十字星が輝く夜。
 ホテルのロビーでBML社日本語ガイド・アユさん(女性)と合流、車に乗り込む。
 車は一路、パッサルアグン寺院へ。
 途中、激しい雨になる。登山コースのコンデションが気になる。
 「あと2時間かかりますので、寝ていて下さい」とアユさんに言われる。
 トヨタの四駆車の後部シートで目をつむった。

 時計を見るともう12時過ぎだ。
 車が止まる。
 「ちょっと待ってて下さい」アユさんに言われ、車の中で待機。
 アユさんとドライバーさんが車外に出て、ヘッドライトで照らされた小さな祠にバリヒンズーの参拝をしている。
 
 アグン山はバリ島民にとって聖なる山である。
 アユさん達が参拝する姿を見ながら、神への畏敬の念よりも、これから聖地に足を踏み入れるのだ、という緊張の方が大きかった。
 そこから登山口となるパッサルアグン寺院は、まもなくだった。

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