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真夏の石段

盆休み、息子と2人で羽黒山の石段を登りに行く。

 7月から8月にかけては現場作業、休日は山に入っていたため、ふと気がつくと息子の夏休みに全然つきあってないのである。

 息子曰く、「夏休み宿題の作文の題材になるところに行きたい。どんなところに行けばいいのかわからない。」

 以前、育児のことでガイド仲間のOさんに悩みを吐露したところ、「男の2人旅いいですよ」と返事を頂戴した。Oさんは息子さんと一緒に登山にでかけたらしい。
 昨年の山寺の階段登りの経験もあるし、「よし、はぐろさんという山へ行こう!」

 というわけで朝早く息子と2人で自宅を発ち、羽黒山石段のスタート地、随神門へ。
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ここから2446段の石段が始まります。

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樹齢千年以上といわれる「爺杉」も、

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国宝・五重塔も、

「おとうさん、階段行こうよ」
と、関心まったく示さず_| ̄|●

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一の坂、二の坂と、石段は急勾配になっていきます。
普段はカードゲームばかりに夢中で運動不足の息子、「いそがない、いそがない、ゆっくりな」と歩調をリードしてゆっくり歩かせる。

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二の坂おわりかけにある茶店、「二の坂茶屋」。
実は私がここを訪れたかったのでした。
汗まみれになって登る息子に、「かき氷たべるか?」ではなく、「かき氷食べるぞ」と言って茶店に立ち寄る。

だいぶお疲れの息子はブルーハワイのかき氷が大好物。

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二の坂茶屋のかき氷、たずねてみれば、味は自家製シロップの「みぞれ」一択。
みぞれのかき氷一杯を買い求め、息子に差し出す。
そもそも「みぞれ」を知らない息子、
「おとうさん、みぞれって何!みぞれって何味なのっ!?」
と、すっごい不安そうに聞いてくる。
「みぞれって、雨と雪がまじったもの。透明なシロップかけて似てるから「みぞれ」なの。」

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あまり納得してない息子だったが、氷の冷たさの誘惑に勝てず、みぞれのかき氷を完食。

さて、私の狙い目は、
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二の坂茶屋のあんこ餅。
店のおかみさんから「黄な粉&あんこ餅」800円を進められましたが、粒餡原理主義の私は「単品でいいです」とあくまでもあんこ餅500円にこだわる。

 私が初めて羽黒山の石段を登ったのは、今から数十億年前の学生の頃。
 大学山岳部の夏合宿を終え、キャンパスのある熊谷市から自転車で札幌まで走り、そこで折り返して山形の庄内を放浪した時に立ち寄ったのだ。そのとき二の坂茶屋で庄内の田んぼを眺めながら餅を食べたのが思い出だ。
 羽黒山の石段そのものは、空手でお世話になった極真会館山形支部の夏合宿で毎回登っていた。しかし空手の合宿中にあんこ餅を喰う余裕は無い。
 
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お腹が空いた息子は、私が持ってきた大好物のピーナツパンをぱくつく。
私は数十億年ぶりに、二の坂茶屋から庄内の水田を眺めながら、あんこ餅を食べる。
都会の上品な甘味処で食べる餅とはひと味違う、自然に囲まれた中でのひととき。

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お盆の繁忙期、ミシュランにもとりあげられて、私が過去に訪れたときには想像もできない人の数。
賑わいでお忙しい中、息子のために「羽黒山石段踏破証明書」を出してくださいました。
二の坂茶屋のお店の皆さん、いつまでもお元気で。

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 二の坂を越え、三の坂へ。見事な杉並木が続きます。

 汗だくで石段を登り続ける息子。
 彼は周囲のあふれる自然にも文化財にも興味を示さず、ひたすら歩き続ける。
 何を考えているんだろう?
 突然、息子が口を開いた。

 「おとうさん、今度「おたちゅう」に行けるの、いつなの?」

 「おたちゅう」、とは「お宝中古市場」という玩具・ゲームソフト・カードゲーム用カードの中古品を扱う大型リサイクルショップの名前である。
 羽黒山登っていて、君の関心事はそれですか・・・・

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祈り。
 参道沿いには多数のお社が建ち並んでいるのですが、子宝・安産・良縁祈願の埴山姫神社は願掛けの紐で真っ赤になっていました。女性の願いはなにより強い・・・

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1時間以上かけて、私と汗だくの息子は羽黒山山頂・三神合祭殿に到着。
ここで家族の健康を祈願、お守りを買い求めました。

羽黒山の石段、登っても約1時間なので歩いて下山する方が多いのですが、息子の様子を見てちょうど出発間際だったバスに乗り込み、車を駐車している「いでは文化記念館」に戻りました。

息子と過ごした羽黒山の石段。
どんな夏休みの宿題になるのやら。
そして、どんな風に彼の記憶に残ってくれるのだろう。

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コメント

昨日、bsで月山をガイドさんの案内で登って行く所を放映してました。ガスがかかりやすい山なのですね。羽黒山の五重塔は平将門の創建といわれていますが1000年も前からのあるのですかね?うちの姓は桓武天皇から五代くらいの将門の弟の将平氏から枝分かれしてると古文書にでていたので調べ始めた所です。
学生時代に熊谷から札幌まで自転車で行ったのはすごいですね。学生時代に車で東北道をはしって一家で札幌まで祖父母のお墓参りに行きましたが24時間はかかりました。自転車ではどのくらいかかるのですか?芭蕉みたいにあちこち見ながらですか?昔、母校の先輩が山形の山で北海道へ帰る途中に行方不明になっていまだにみつからないそうです。

彦右衛門 様

<<羽黒山の五重塔は平将門の創建といわれていますが
ご指摘の通り平将門が西暦900年代に建立といわれていますが、その後1600年代に山形の最上義光が修繕ということで、正確な建立年代ははっきりしません。

 平将門の名前も唐突かもしれません、手元に資料がないので具体名思い出せないんですが、羽黒山含む出羽三山神社は結構知られた武将たちが奉納しています。

<<学生時代に熊谷から札幌まで
 十代の若気の至りというやつです・・・
 熊谷から札幌まで、途中は八戸から苫小牧までフェリーに乗って、約2週間かけました。芭蕉ほどの才能もなく、翌日の行き先は寝る前に決める、というテキトーな旅でした。もう二度とできないと思います。

母校の先輩の方は残念ですね。
盆は過ぎましたが、どうぞ安らかに。
山形の山も、標高は信州の山々ほどではないですが山深く、消息絶ったまま見つからない方もおられます。
私も気をつけたいと思います。

学生時代の記憶はのこりますよね?
バイクで学生時代に北海道一周したかったけど任意保険に入れなかったのでとめられました。
母校の先輩のことは最近知りました。日本人拉致の疑いもあるらしいです。鈴木宗男元衆議院議員の一年先輩の様です。
大山倍達氏も木村政彦氏にあこがれて入学したとウキペデイアには載っています。具志堅用高氏も金メダルめざして入学しようとしたら羽田空港でプロボクシングジムに拉致されてメダルが幻に。

彦右衛門 様

<<学生時代の記憶はのこりますよね?

そうですね。忘れたい記憶もたくさんあるんですが(笑)

 資料では、平将門は五重塔創建の他、羽黒本社の建替に関わっているようです。
 他にも寄進や再建に藤原氏、源氏、北条氏、徳川家・・・とそうそうたる名前がみられますが、霊山である他に羽黒山周辺の砂金や羽黒山衆徒(僧兵)の確保、いろんな背景があるようです。
 機会ございましたら羽黒山もご訪問ください。

蘇我馬子にうたれた天皇の子孫も由良に流れ着いたという言い伝えもありますから歴史ある出羽三山と最上川なんですね。北前船で最上川と京都も紅花や米などを運び交流の歴史も古いみたいで。
札幌の円山も山形の人たちで開拓された地域の様です。昔は海沿いの酒田や鶴岡や小樽が栄えていたようですが今は山形や札幌の内陸の方が水害や災害に強くいいんですかね?

彦右衛門 様

<<北前船で最上川と京都も紅花や米などを

 ご指摘の通り、北前船の交易のおかげで酒田・鶴岡など庄内は京文化の影響が大きいようで、内陸に住んでいる私にとっても興味深いところです。

<<今は山形や札幌の内陸の方が水害や災害に強く

山形の内陸側は、台風が到達する頃には勢力弱くなっているし、大きな地震もあまり経験してないし、地元の人間も「災害が少ない」とは言いますが、私自身は「偶然のたまもの」と思ってます。

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