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じゅり馬祭り ~女たちが支えた琉球文化~

沖縄の旧暦に関する行事を見てみたい。

よそ者の立場で、ようやくその機会を得たのが沖縄県那覇市・辻で開催される「じゅり馬祭り」である。

旧暦の1月20日、二十日正月(ハチカソーグヮチ)という正月の祝い納めとして開催される「じゅり馬祭り」。

現在は各種風俗産業が立ち並ぶ那覇市・辻地区。
その昔1672年、琉球王府によって辻遊郭が公設され、そこで働く遊女たちは「じゅり」と呼ばれていた。

遊郭といっても、江戸の吉原のような性風俗の街並みではなく、今の「芸妓」に近い存在といえようか。
こうして辻地区では「女たちの、女たちによる女たちだけの暮らし」(じゅり馬祭り実行委理事長の言葉)が存在していた。

 親兄弟・家族から離れて暮らす彼女たちが、年に一度だけ、一人前になった自分の姿を披露できる機会、それが「じゅり馬祭り」といわれ、多くの見物人に混じって「じゅり」達の家族が見守っていたと言われている。

 しかし「じゅり馬祭り」は「公娼制度を容認するもの」という某女性団体の抗議により、1989年から2000年にかけて中断する。
 自治体からの支援も絶たれ、「那覇三大祭りの一つ」といわれながら、公的な観光サイトには紹介されず、祭りの開催団体も地元の料亭那覇という民間企業にゆだねられている。
 関係者の尽力により、ようやく復活したという経緯がある。

 私が一番見学したかった、「じゅり」たちの神事は旧暦1月20日、新暦の2月16日に行われ、こちらは残念ながら仕事で見学できなかった。
 奉納舞踊である「じゅり馬」を見学すべく、なんぶトリムマラソンを走り終えてから那覇市・辻に直行。

 あいにくの雨、会場である通りに足を運ぶと、関係者らしき方から、「じゅり馬見学の方ですか?今回は料亭の中で行いますので、料亭に入って下さい」と促される。

Img_1918
那覇市・辻の料亭那覇。私のような平民はこんな機会でなければ行けないだろうなあ。

広い宴会室に、見学者でぎゅうぎゅう詰めになりながら、「じゅり馬祭り」は始まる。
とりあえず、クライマックスである「豊年じゅり馬」(一部)の動画がこちらです。↓


唄の内容は、「京の小太郎が作たんばい、やんざい行者馬舞者、みーはーはーとぅー、しーちょんちょん、しだりかチョンチョン、やーチョンチョン、ゆいゆいゆいゆい」

女性たちの声がそろい、馬を操る「ゆいゆい」という掛け声がとても印象的である。

じゅり馬に関しては、日大大学院芸術学研究科出身の浅香玲子氏が研究を進められ、『じゅり馬と辻村女の里(チージ)の研究 -本土(やまと)の春駒から沖縄のじゅり馬へ-』という論文集を発表している。
この論文集において、本土出身の浅香氏が辻という特殊な人間関係の中に飛び込んでいく中で拒絶され苦労された事がわずかに触れられている。

 苦労を重ねて人間関係を構築し、女性にしかできない、女性達で支えられた琉球文化を研究し保存につなげていった浅香氏のような人物こそ、現代の冒険家・探検家と呼ぶにふさわしいのではないだろうか。

2017年 じゅり馬祭り 冒頭の浅香玲子氏挨拶

2017年じゅり馬祭りの開催内容

2017年3月19日(日) 14:00~16:00(予定)
料亭那覇 三階にて開催(雨天のため)
次第
 理事長開会宣言
 理事長挨拶
 浅香玲子先生挨拶
 奉納舞踊
  弥勒節/マラヨウ節、四ツ竹(扇寿会)、貫花(玉扇会)、日舞(黒田節・料亭那覇)、谷茶前/チンボーラー(扇寿会)、黒島口説(料亭那覇)、金細工(玉扇会)、花(J-POPS舞踊 料亭那覇)、日舞(演歌「北の三代目」 料亭那覇)、加那ヨー天川(扇寿会)、稲しり(玉扇会)、古武道シリーズ(薙刀、櫓、ヌンチャク、トンファー、サイ、空手をとりいれた舞踊 料亭那覇)、民謡ショー(料亭那覇)、玻座間ショー、群舞あしびなー(料亭那覇)、じゅり馬の由来(しまくぅとばによる歌 西浜陽子)、豊年じゅり馬からじゅり馬(全員)
 16:20終了、解散

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