« 虎ヶ岳 (414m 山口県光市) | トップページ | コッペパン »

乳観音 (山口県光市 小野)

光市の里山に、「乳観音」なるお社があるという。
休日、さっそく訪問してみる。

情報は観光サイトにも何もない。
看板も何もない。
文献資料の略図をもとに探し当てる。

ごくふつうの民家の裏、「え、こんなところ行くの」という細い道をたどると、そこに「乳観音」はありました。

Img_1982_2
カメラが傾いたんじゃありません。
普通の民家裏をたどると、全体に傾いた、急な石段。
そこを登ると、

P1
乳観音にたどり着く。

P2
鳥居を構えた神社の左脇に、観音堂がある。

P3
石造りの観音像(右)と、壁に奉納された乳模型。

乳観音の建立時期ははっきりわかっていないが文献から江戸時代中期とされている。
乳の出が悪い人は一対の乳模型を奉納すると、乳の出が良くなるといわれ、願いがかなった人は母乳を奉納すると乳児が無事に成長するといわれている。

観光情報の類いには一切紹介されておらず、知る人ぞ知る、という乳観音。

カミさんの育児を傍からみてきてはいるが、やはり男にはわからない苦しみ・悩みがあるのだろう。
奉納された乳模型に、女性たちの切実な願いをひしひしと感じる。

話は変わるが、山形県の某所、地名を挙げれば山形の人間なら誰でも知っている場所なのだが、その集落の奥にお社がある。
たまたま現場関係の仕事でそのお社をみる機会があったのだが、中を覗いてびっくり。
お社の中には数百はあるだろう、大量の木製の「男根」が奉納されていた。
子孫繁栄、子宝に恵まれるように・・・という願掛けのお社だと思われるが、民俗関係の資料でも一切とりあげられていない。

「性」に関する祈願はタブー視されるということなのだろうか。
時代は変わろうと、子作り・出産・育児は太古からの人間の営みに変わりは無い。
なんの目印も看板もなく、ひっそりとたつ乳観音にそんなことを考えた。

参考文献 : 古川知明著『失われゆく民間信仰 山口県光市にみる日本の原風景 路傍の御仏』

|

« 虎ヶ岳 (414m 山口県光市) | トップページ | コッペパン »

民俗・風土」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/21370/65188323

この記事へのトラックバック一覧です: 乳観音 (山口県光市 小野):

« 虎ヶ岳 (414m 山口県光市) | トップページ | コッペパン »