Bush walking 体験記 熱帯雨林のダグラス、スミストラックを行く
5月12日。
ホテルで早めに朝食を済ませ、レンタカーでバロンゴージ(Barron Gorge)国立公園のSpeewahキャンプ場を目指す。
BushWalking。
オーストラリア特有のトレイル歩きである。
かつて高所登山から帰国した際、世界各地をまわりたいと思い、ロンリープラネット社によるオーストラリアBushwalkingガイド本を買っていたのだが、結婚して家庭を持ち、「あ、オーストラリアなんて行ってらんねえや」と思い廃品回収に出してしまっていた。今回つくづく後悔。
幸いにも現在は、オーストラリア・クイーンズランド州政府が国立公園およびBushwalkingに関する情報をウェブで提供している。
さらに地元・ケアンズのCairns Bush walker Clubにメールでコンタクトをとり、クラブの事務局長であるPeter Storrs氏からは様々なコースを推薦・情報をいただいた。
ケアンズからもアプローチもよいバロンゴージ国立公園に的を絞る。
今回歩いたコース(赤のライン クイーンズランド州政府公開の地図に加筆)
バロンゴージ国立公園に設定されているウォーキングトレイルはワンウェイ、つまりスタートとゴールが異なるコースが多いのだが、Speewahキャンプ場を起点に周回するコースを選択した。
Bushwalkingコースとして知られるダグラストラック、スミストラックを巡る「一粒で二度美味しい」コースだ。歩行距離は7.9km、所要時間は5~7時間、グレードは「Easy-Moderate」とされている。
ケアンズのホテルから車で40分、Speewahキャンプ場に到着。
さあ、ザックを背負って出発だ。
Djina-Wuトラックは765mで終わり、スミストラックに入る。
熱帯雨林だけでなく、ケアンズ周辺でよくみかける蟻塚。
帰国して知ったが、巨大な蟻塚のシロアリは食用になるらしい。味見してみたかった・・・
スミストラックでみかけた花。綺麗な花らしい花は、これ一輪だった。
名前不明。バロンゴージ国立公園各地に落ちている木の実。エンドウ豆っぽいが非常に硬い。
落下する実が頭に当たったら確実に怪我する硬さである。
見事に地面に突き刺さっている様子。こうして芽吹くのだろうか。
ずっと熱帯雨林の似たような光景の中を歩いていると、頭がぼーっとする。
気分転換に苔を眺める。
ストーニー・クリークロードとの合流地からは広い林道のような道が続く。
薄暗い道が続くが、水がしみだしてるのだろう、突然に草が繁茂した道になる。
水を求めて繁茂したのだろう、植物の葉にしたたる水滴に見とれる。
10時、Yalbogie トラックとの分岐に到着。ここで行動食をとり休憩。
花もあまりみかけない熱帯雨林のジャングルの中で、甘酸っぱいグラノラバー喰いながら一息つきます。
休憩を終えて出発。
スミストラックでも、昨日のウォルシュ・ピラミッドでみた三角形の標識が導いてくれます。
10時15分、スミストラックからGandal wandunトラックに入ります。
トラップあり!
ここの熱帯雨林でははるか頭上の木の上から、鋭く硬いトゲ、しかもイヤホンコードなみに細い枝が何本も垂れ下がってるところがあります。
この枝、周囲の光景に紛れて気がつきにくい。
帽子や衣服を何度もひっかけました。細くてもかなり強靱な枝なので、歩いている身体が引っ張られます。ファイントラックの夏用薄手シャツを数カ所、毛羽だたせてしまいました。
月山のブナ林と同じく、倒木のあるところに日の光が差し、次の世代が成長していく。
寄生か、共生か。他の生体に絡みつく植物の多いこと。熾烈な生存競争か。
10時40分、ダグラストラックに合流。
ここまで歩いてきて、完璧にゴミ一つ落ちていないトレイルに感心する。一つも、である。
また人工物がほとんど無い。
分岐で看板はあるが、休憩用のベンチなども無い。
これがオーストラリア流であろうか。
ダグラストラックの分岐には、ベンチの代用だろうか、切り倒された丸太が並べておかれていた。
ダグラストラックに入ると、幾つもの小さな水流を越える。火照った掌を冷やしながら歩く。
熱帯雨林で一番よくみかけるキノコ。
眺めているとパンケーキに見えてきた。あーなんか腹減ってきた。
そして、朝一番最初に通過したDjina-Wuトラックに戻る。
あー、もう少しでBush walkingも終わりか~とぼんやり歩いていると、オーストラリアの大自然のサプライズ!
前方右手からガサゴソの大きな音と気配。
みてみると、体長1メートルはあろうかという何か巨大な、毛の生えた身体。
熊か!?
自分の気配を押し殺しながら、よくよくみてみると、ヒクイドリのつがいでした。
(そーっと近づいてデジカメのシャッターを押したのですが、↑あまり上手く写ってませんでした。とほほ)
かつてギネスブックで「世界一凶暴な鳥」に認定されたという(そういう認定って・・・ヒマなのか?)巨大鳥・ヒクイドリ。
最後の最後に、野生のヒクイドリに出会えた喜び。
忘れられないBush Walkingになりました。
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