朝の憂いと火打岳
湯殿山に引き続きお声がけいただいて、月山エコプロの火打岳ガイド山行にサブガイド参加。
道の駅「尾花沢」6時集合のため、朝4時前に起床し出かける準備をするが、階下のリビングで娘が泣いている。
美術部の娘、どうも課題の絵が上手く書けないらしい。彼女は昨晩から寝ていない。
もう中学生の娘、困難にぶつかっても、もう自分自身で解決していくしかない年頃だ。
父親の私には声をかけてやることしかできない、もどかしさ。
付き添っていたカミさんから、「出発していいよ」と促され、自宅を出る。
自宅から道の駅「尾花沢」までは近くは無い。
運転しながら、どうしても娘の事が気にかかる。
集合場所でメインガイドの真鍋さん、クライアントの皆様と合流した瞬間にはスイッチが入り、娘のことは忘れることにする。
最上町の親倉見(しぐらみ)登山口から、神室連峰・火打岳を目指す。
槍ヶ先というピークに登り、そこからアップダウンのあるヤセ尾根をたどるルート。
長期予報では高気圧に覆われているはずだったが、南方に現れた低気圧の影響だろう、どんより曇った天候、山稜は厚いガスに覆われている。
ひたすら登ったピーク、槍ヶ先では風も吹き、皆でウェアを着用。
標高は1300mに満たないものの、豪雪地帯で冬季は雪庇が発達、稜線は削られ、ヤセ尾根が特徴的な神室連峰。
稜線にでて正直驚いたのは、先週までの温暖な天候のおかげか、ニッコウキスゲが花咲いていたこと。
手の届かない断崖はシラネアオイの群生。
ニッコウキスゲとシラネアオイの共演。
アップダウンのある稜線を皆さんに頑張っていただき、たどりついた火打岳。
残念ながら周囲はガスガス。
本来ならば豪快なヤセ尾根と稜線の大パノラマがみられるはずなんですが・・・
そこはメインガイドの真鍋さんの絶妙なトークで盛り上がる。
サブの私は、最後尾を歩く酒田からのお二人に花の名前を教えながら歩く。
地元・最上町から参加のSさんご夫妻が、わざわざ冷凍してパーティー全員分担ぎ上げて差し入れて下さった「笹餅」。蔵王のいが餅に似てますが、本物の笹を使い、季節商品とのこと。激ウマでした。Sさんごちそうさまです。
風の穏やかな火打岳山頂で昼食休憩をとり、再び稜線を登り返す。
槍ヶ先がやけに大きく見える。
下山途中の池ではモリアオガエルやクロサンショウウオの卵の観察会。
普通のツアー登山と異なり、そうした穏やかな時間を過ごせるところが月山エコプロの山行の特徴。
約8時間の行動、皆さんお疲れ様でした。
下山後は皆で最寄りの温泉に行く。
入浴を済ませ、温泉のロビーで自宅に電話。
娘はやはり課題の絵に失敗したことを苦にしていたらしく、教師に相談の上、締め切りが延びたらしい。
今は普通に過ごしているという。
サブとはいえガイド山行が終わった安堵感と、家庭での憂いが消えたことでほっとする。
娘と息子の年齢からいって、こんな日々が続くことを予感しながら、自宅へと車を走らせた。
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