« 新たな世代 | トップページ | 夕暮れの贅沢 »

日暮れてなお道遠し

福岡・TG社のお客様をガイドするため神室山へ。

先日のJMGA研修で学んだ、スパコンによる数値予報情報も利用しながら気象情報を収集。
当初は雨が予想されたため防寒対策を念頭に置いていたが、数日前から一気に猛暑が予想されたため、装備の見直し・入れ替え。

夜中の2時半に自宅を出て5時半、お客様たちと合流。
有屋口からの神室山往復。

今回のお客様は福岡、大阪、名古屋各地から集合した方々で、三日間で和賀岳、神室山、船形山(御所山)の三山を巡るツアー。
お客様は60~70代の男女半々。
昨日の和賀岳の疲労も考慮し、そして明日予定している船形山も考慮して、あまりお客様にダメージを与えないペースで登り、降りなくてはならない。

P2
七夕飾りのような花、ウリノキ。

とにかく暑い。
樹林帯を登るが汗がとまらない。
休憩中はお客様に話しかけながら体調を観察する。
「昨日は小野さんからもらったアミノバイタル聞いてます~」
小野さんとは、私が所属する東北マウンテンガイドネットワークの重鎮で、昨日の和賀岳ガイドを担当した秋田の小野ガイドである。
話を聞いても女性参加者の「小野さん推し」が凄い。

Live
女性参加者の小野さん推しはこんな感じ↑
うーむ、私も顧客の心情を把握する術を盗まなければ。。。

途中で足を攣った方もおられましたが、なんとか全員で神室山登頂。
稜線で少し涼しい風が吹きましたが、日差しがきつい。

P1
稜線に抜けたところで休憩中のお客様。みんなでわずかな日陰を求めて休憩中。

前述のように、明日は船形山登山を控えている皆さん。
ダメージを与えないよう下山しなければならない。
30分おきに休憩を入れて下降する。
と申しましょうか、この暑さで皆さんお疲れの様子、歩き始めて15分も経つと後ろから「ふー」 「はぁー」と疲労のため息が聞こえてくる。短めのサイクルで休憩を入れる。
しかし比較的険しい神室山、そうそうツアーの人数が休める場所があるとは限らない。
傾斜のゆるやかな場所を選んで休憩をいれるが、
「ガイドさん、日陰、日陰」と女性陣の皆さまに押されつつお客様を誘導。

お恥ずかしい話だが、稜線に至る尾根を下り、登山口も間近な沢筋の道で気分が悪くなる。
お客様の手前、意地と根性で苦しさは顔にださず下山。
体調不良の理由は明快、熱中症である。

ツアー登山での休憩中、私はあまり休まずに隊列の前から後ろまで往復する。
人数の多いツアーでは最後まで会話を交わさないお客様もいる。
お客様とコミュニケーションをとるためにも、また登山中の体調把握のためにも、休憩中のお客様を観察するための隊列往復は欠かせない。
しかし、ついつい自分の休憩がおろそかになった。
エナジー系ゼリー飲料を口にして良しとしていたが、今日の暑さはそれだけでは乗り切れなかったようだ。
あらためて自分の甘さ・休憩の重要性を認識する。
比較的年齢層の高いお客様だったものの、足並そろった方々で、ほぼ行程表どおりの時間に下山。

お客様のおひとりから、紅葉の時期に山形に再訪したいので個人ガイドをお願いしたい、と名刺を求められる。
まことにありがたいお話しではあるが、やんわりと名刺を渡すことは遠慮させていだたき、旅行社または所属ガイド団体にお問い合わせください、と対応。

旅行会社の業務でガイド中に名刺を求められた場合、あくまでも旅行社が募集したお客様であるため、仁義に反するので名刺は渡さず旅行社に問い合わせがいくよう誘導すべし・・・と、私がガイド資格をいただいた頃、大先輩から教えを受けていた。

身近でアグレッシブを通り越してエグい営業かけているガイドの話も耳にしますが、それ以前にまだまだ私、修行中の身でござんす。

15時半、笑顔で登山口をバスで発つお客様たちを見送り、本日の業務終了。

バスがみえなくなってから、自分のザックからお客様用に携帯していた経口補水液ゼリー二つを取り出し、飲用。
ようやく喉の渇きも収まる。
今日も課題の多いガイド山行が終わる。

|

« 新たな世代 | トップページ | 夕暮れの贅沢 »

山岳ガイド日記」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/21370/65518356

この記事へのトラックバック一覧です: 日暮れてなお道遠し:

« 新たな世代 | トップページ | 夕暮れの贅沢 »