『 Walls Are Meant For Climbing 』 壁は登るためにある。
『 Walls Are Meant For Climbing 』
壁は登るためにある。
アメリカのノースフェイス社が打ち出した、新キャンペーンのフレーズです。
賢明なクライマーの皆様お察しのとおり、これはトランプ大統領の政策「アメリカ・メキシコ国境に壁を建設する」や、大統領選に伴う「国民の分断」に対する強烈なアンチテーゼになっています。
Not THAT Wall. In New Campaign, North Face Says, 'Climb On' by mediapost 2017.8.16
以下、かなりテキトーな訳で引用開始
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Wall は、昨年においては「激しい対立」を示す名詞でした。
ノースフェイスの新しいキャンペーンは、何よりも「クライミング」することを望んでいます。 新たなキャンペーンのフレーズ「壁は登るためにある」は、スポーツがもつエリート主義のイメージを払拭し、通っているジムで自由にクライミングすることを推進します。
(中略)
クライミングジムに集う都市部の若者(訳注:原文ではMillennials 2000年前後に生まれた世代をさす)の間で人気が高まっているロッククライミングは、依然としてマイナーなアクティビティです。
新たなキャンペーンは、人々が「信頼とコミュニティの構築について、そして壁を乗り越えること」の対話を始めることを意味する、と同社は発表した。
「壁は私たちを分断することを意味するものではなく、私たちを結び付けるものです。壁はクライミングのためのものです。」
人々の多くは同意していない。 最近の世論調査によれば、多くのアメリカ人は、トランプ大統領による「メキシコとアメリカを分断する壁の建設」計画を嫌っているものの、いまだに支持を得ている。 最近のワシントンポスト/ ABCニュースの世論調査では、有権者の67%が壁に反対し、37%が賛成している。
カリフォルニア州アラメダに本拠を置くノースフェイス社の広報担当者は、「そのキャンペーンは単に一つの問題よりも大きい意味合いをもつ」とマーケティング・デイリー紙にコメントしている。
「 『 Walls Are Meant For Climbing 』は、ヨーロッパ、中国、メキシコ、カナダで展開するグローバルキャンペーンとなります。 私たちの目標は、アウトドア愛好家として、クライマーとして、人間性の素晴らしさを信じる者として、政治体制や一個人に左右されず、社会を築き上げることについて人々に考えてほしいのです。」
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以上引用おわり
この記事を掲載した Mediapost は、マーケティングや広告専門の話題に特化したメディアです。
CBSやNBC、ニューヨークタイムスと関係をもっているところから、政治的には中道から左派寄りのメディアでしょうね。
記事には続きがありまして、「屋外でのクライミングがアメリカではまだまだマイナーなアクティビティ」であることが具体的な数字と共に示されているのですが、そんなニッチな世界からも拒絶されているトランプ大統領の政策。
私個人としては「意識高い系」パタゴニア社ではなく、我が愛するノースフェイス社 (過去の海外登山ではNF社のウェア使ってました) が政治的・・・というよりも人道的なメッセージをキャンペーンフレーズに込めたところは歓迎したいと思います。
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