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さよなら2017年

2017年ももうすぐおわり。

皆様にとってどんな一年でしたでしょうか。

私にとっては、なんといっても栃木県・那須の高校山岳部員の生徒達、顧問の先生が亡くなった雪崩事故が心に残ります。

様々な意見、有名・無名を問わず多くの登山者からコメントがあがる中で、ブログに書こうと思いつつ書けないでいたことを、まとまりもなく書いておきます。

私が登山を始めたのは、山形県立山形南高校山岳部に入部してから。
山岳部では冬山もやっていましたので、中学卒業したばかりの15歳から冬山をやっていたことになります。

私が二年生の時、蔵王での冬山合宿から下山して数日経った時のこと。
すれ違いに入山した某高校山岳部の生徒が、ビバーク訓練中、入っていた雪洞が立木からの落雪で埋まり、1名が亡くなる事故がありました。

そのとき、顧問の教師は隣接した山小屋に滞在していました。

この事故が民事裁判に至らなかったのは、亡くなられた生徒のお父様が同じ教職員だったから、と伺いました。

「蔵王なんて・・・」と思っていた当時高校生で生意気だった私は、冬山では「死」は身近にあり得ることを痛感しました。

その後も、私が在籍する山形南高校では冬山合宿を続けることができました。
私達が冬山に行くことができた理由の一つに、顧問の教師が山形県山岳連盟でそれなりの地位にいる方だったことが大きかったようです。
山形県では、高校山岳部の顧問が県の登山界において指導的立場にある方だったという、全国的にも特殊なケースにあたると思います。

そんな中で、高校生から冬山を経験できたということが、今からみれば随分と恵まれた環境だったのだな、とあらためて考えると同時に、栃木県の事故報道を見聞きした際、高校生当時の、あの「無力感」にも似たような感情に襲われました。

五輪競技採用でクライミングに関してはクライマーの低年齢化が進む一方、冬山登山に関してはそのリスクゆえ禁止が言い渡される。
そのアンバランスさに、今後の日本の登山界の行く末を末端登山者として案じています。

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一昨年から、普段聴いている音楽は「エピック」というジャンルの音楽を聴くようになりました。
仕事から宿に戻って一息ついている時や、山の帰りの車中などで聴いてます。

エピックのジャンルから少し長いのですが、Two Steps From Hellの Never Give up on Your Dreamsの動画をアップして、2017年最後の記事アップにします。

検索でたまたまご覧になった方、よくご覧いただいている方、今年も多くの方に当ブログをご覧いただき、ありがとうございました。
皆様、どうぞよい年末年始をお過ごし下さい。

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「クライマーは清貧であれ」という幻想

このネタは前々から気になっていましたが、年末に駆け足で紹介します。

Climbing誌ウェブサイトにおいて、クライマーのCM出演に関する是非が話題になりました。

Opinion: Chris Sharma's Polo Ad—Climbers, Cologne, and Confusion by Climbeing 2017.11.10

Cr
発端は、クリス・シャーマがラルフ・ローレン・PoloのコロンのCMに出演、インスタグラムでも画像が公開されたことにあります。

これを受けてクライマーからは「残念」 「次はグッチか?」などの非難めいたコメントが続々寄せられたとのこと。

クライマーがCM出演して何が悪いのか?
と私が吠える前に、上記Climbing誌ウェブサイト記事にあるコメント欄の一言が正論といえると思います。

いわく、
『Why should modern climbers be held to "standards" that never actually existed?』
(現在のクライマーが、存在もしないスタンダードに束縛される必要はない。)

いわゆるレジェンドと言われるクライマー、失業保険で生活し、クライミング一筋の人生を送り・・というのが、クリス・シャーマを非難する人々の頭にあるようです。

現実には、以前から幾人かのクライマーがCMに出演しているという現実があります。
その例を動画で見てみましょう。

ラインホルト・メスナー。
「超人」も山でモノ落っことすんですねw

ロン・カウク。フォード社のCMです。

ケティ・ブラウンとアレックス・オノルド。

「清貧」が一部のクライマーの理想像らしいですが、2人が出演してるのは金融業CITIBANKのCMだなんて、なんて皮肉でしょう(冷笑)

さらに動画・画像は見つけられませんでしたが、ジョン・バーカーもヒゲ剃りで有名なジレット(Gillette)のCMで38000$の収入を得ています。

今回のClimbing誌の記事を一読して奇異に思ったのは、私が記憶している限り、ケティ・ブラウンのCITIBANKのCMは当時のアメリカ国内ではかなり好意的に受け入れられ、CNNでもCM制作の背景や音楽に関して特集が組まれるほどでした。

クリス・シャーマがコロンのCMに出演して、何を今さら問題視されなければならないのか?

さらに記事中では韓国のキム・ジャインのCM出演が引き合いに出されています。
同じ化粧品でもクリス・シャーマが問題視されてキム・ジャインのCM出演は容認されている、とライターのJohn Burgman氏は記述していますが、彼は韓国事情を知らないのでしょう。
キム・ジャインは今や韓国国内では国民的英雄であり、プライドが高く同胞意識の強い韓国のクライマーがキム・ジャインのCM出演を非難することなど無いでしょう。(少なくとも私は見聞したことがない)

クライマーは「清貧」であれ、という幻想を抱いている方は、残念ながら時代に取り残されていると言わざるを得ません。(理想像を抱く方は、どうぞご自由に。)
このような問題は、クライミングの五輪競技採用となった今後、必ず再浮上することでしょう。

五輪競技に採用された瞬間から(まあ五輪競技に関係なくともいえますが)、クライマーも他種目のアスリートと同様、スポンサーや商業主義との関係において倫理性を求められることになります。

だいたい、クリス・シャーマを問題視するくらいだったら、実現しそうもない計画をふりかざして「夢」を語る似非単独登山家を血祭りにあげてもらいたいものです。

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2017年 ピオレドール・ロシア、スチール・エンジェル、クリスタルピーク賞

年末の現場作業でブログ更新さぼってましたが、備忘録も兼ねて、

2017年のピオレドール・ロシア賞は、セルゲイ・ニーロフらによるカナダ・バフィン島マウント・アスガード北西壁「ラタトスク」ルート開拓が選定されました。

Pd2017
「金のピッケル」を手にするドミトリー・ゴロフチェンコ(左)、セルゲイ・ニーロフ(右)

2017年のスチール・エンジェル賞(旧ソ連圏の女性クライマーのクライミングに贈られる賞)は、中国・Kamailong 東面 「アムステルダムへの道」開拓を果たしたガリーナ・シビトーク、マリナ・コプティバ(ウクライナ)に決定しました。

Se2017
「スチール・エンジェル」賞、アックスで形作られた天使像を手にするガリーナ・シビトーク

2017年のクリスタル・ピーク賞は、
Cp201702
例年ビッグウォール登攀が選定される傾向がありましたが、今年はハンテングリ・ポベーダ峰の冬季連続登頂を果たしたセルゲイ・セリベルストフ、アレクセイ・ウサートフ、セミョーノフ・ドベルニチェンコ、ミハイル・ダニーキンの4名が選定されました。

今年のクリスタル・ピーク賞イベントにはピーター・ハーベラー氏が招かれ盛況だったようです。

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サラメシ物語

 12月から、リストラ寸前不良社員の私の仕事、てめえの現場仕事をこなしながら遠方に出張してるチームのサポート。
 足りない資機材を現地に送ったり運んだり、諸事情で人手が足りなくなった現場には私が急行、その場をしのぐというのが私の役目。

 12月中旬の大寒波がやってきた当日、一関の現場で人が抜けたため、酒田の現場から一関の現場に直行。
 安ビジホに泊まり、翌朝現場へ。

 朝、親方と会話。
 親方「おい大滝、昼メシは持ってきたのかよ」
 私 「はいコンビニで買ってきました」(即答)
 親方「なんだよー、外に食いに行こうかと思ったんだけどなー」
 私 「いや、コンビニで買ってきちゃったもんで」(即答) 

 親方は現場近くのウィークリーマンション生活、昼は部屋に戻って食べているので、なんの疑問ももたず私は自分の昼飯をコンビニで調達してきた。

 午前の現場がおわり、トイレに行くため一旦外に出る。
 そこをみかけた親方、
 親方「なんだ大滝ぃー、外に出てきたからメシ喰いに行くのかと思ったよー」
 私 「いや、コンビニで買ってきたんで。」
 親方「買ってきたメシは夜食にまわせばいいだろー。外に食いに行こうぜー」
 
と、強引に外に連れ出されることになる。
 2人でハイエースら乗り込み、
 親方「大滝何食いたいんだよー麺かご飯か?」
 親方の好みを知っているので、麺はありえない。
 私「ご飯でいいっす。」
 親方は迷わずハイエースを近くの洋食屋に走らせる。

 これ絶対親方が自分が行きたい店だったんでしょ!

 静かな洋食屋で、私は日替わりランチ。親方はハンバーグ定食をつつきながら、今後の工程や元請けさんの様子などを話す。
 
 つい6、7年前、私が今の現業部門に配属になったときは覚えの悪い私に工具を投げつけてくる親方だったんですが・・・・最近は「あなたの優しさが怖かった」by 神田川
 デスクワークやホワイトカラーの世界と違い、建設業界でも特に職人気質の強い、私がいる部署。
 親方にまずはじめに教えられたのが、

 『早飯も仕事のうちだ』

 そんなわけで、親方とメシを食いに行くときは「熱い物」「大盛り」は絶対頼まない。
 親方より食うのが遅れるからだ。
 
 なにはともあれ、現場の休憩室でコンビニおにぎり囓ってるより、親方と仕事の話しながら昼飯食って良かったでした。

 この日も吹雪で荒れそうなため、親方のホトケ心で16時前には現場から解放してもらい、再び吹雪の中を酒田めざして車で走る。
 
 サラリーマンでは昼飯も大事なコミュニケーションの時間ですね。

 中国を訪問した3泊4日中、中国要人との会食がたった2回だった韓国の文在寅大統領の記事を読んで、今回の親方との昼飯を思い返しました。
 
 中国要人との食事にお呼ばれされなかった文在寅大統領、朝食の様子がちょっとコミカルな動画で公開されてます。
 庶民派を強調するためともいわれてますが、ごくふつーの食堂で中国ではおなじみ油条を召し上がったようです。内容は豆漿4杯、ワンタン2杯、油条2本、小籠包2セット、計68元(約1157円)なり。
 よっ!庶民派!(棒読み)

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大人達には、わからない。

Facebookでは、スキー愛好家や職業スキーヤーの知り合い経由でスキー場開きの情報が流れる今日この頃。

アメリカのフリースキーヤー、トム・ウォリッシュ出演のThe North Face社プロデュースの素敵なスキー動画が公開されてます。

大人達にはわからない、子供達のヒーローが必要だ。

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故・遠藤博隆氏を見送る

西川山岳会の重鎮・遠藤博隆氏の葬儀に参列。

関東・東北ではその名がとどろくアルパインクライマー遠藤さんだが、当ブログをご覧のハイカーの皆様には、朝日連峰・竜門小屋の名物管理人と書いた方がわかりやすいだろうか。

先日の寒波で猛吹雪の夜、1人で国道を運転している最中に、突然の訃報を受け取る。
難病・肺線維症による急逝だった。

葬儀はご遺族遠藤家と西川山岳会の合同葬として執り行われ、遠藤さんの人柄を偲んで多数の山岳関係者が集っていた。
葬儀開始前の会場には、遠藤さんがガイド役を務めたテレビ番組「日本百名山」のVTRが流され、視聴する。

以前のブログでも書いた
が、遠藤さんは登山のために会社は絶対休まない、という方針を貫いた方だった。

ちょうど私がガイド資格を取得する前、自身の会社員ととしての能力にも疑問を抱いていた頃に遠藤さんと話をしたので、とても印象に残っていた。

鎌倉山のゲレンデや仙人沢のアイスに連れて行ってもらったが、私はクライミングは下手っぴなので、遠藤さんも随分あきれていたに違いない。

そんな私でも、ガイドで竜門小屋に立ち寄ると、

「よっ、大滝くん、久しぶり!」

と、いつもの滑舌のいい通る声で声を掛けてくれるのだった。

葬儀では、友人代表として西川山岳会事務局・佐藤さんの挨拶が涙なしには聴けなかった。
エベレスト壮行会で佐藤さんと話を交わしたとき、随分と遠藤さんのことを気遣っておられた。
遠藤さんの周囲には、いい仲間が集まるのだなあ、と思った。

Img_2601
葬儀会場を後にして、雨まじりの寒い夕暮れを家に向かう。

頭の中では、Tristeria の『 Sisyphus 』が何度も頭の中を流れていた。

ギリシャ神話のシシュホスの如く、幾度も苦しい思いをして登攀し、尾根を登り、下るを繰り返す者たちが集った今日の会場。
シシュホスと違うのは、そこに喜びがあり、仲間がいるということだ。

竜門小屋管理人の遠藤さん、安らかに。

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家政婦は見た

家政婦は見た。
はるかな高峰に立つ夢を。

白天当保姆,夜里爬楼,她去登了世界最高峰(昼は家政婦をこなし、夜はビルを登り、世界最高峰に行く) by 8264.com 2017.12.6

以下引用開始
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昼は家政婦をこなし、夜はビルを登り、世界最高峰に行く

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 フィリピン人家政婦といえば、何を連想しますか。
 彼女達は故郷を離れて住み込みで働き、収入は高くはありません。
 しかし香港在住歴21年のフィリピン人家政婦、46歳のリザ・アベリノは自力で資金と休暇を貯め、ヒマラヤを登り、キリマンジャロの山頂に立ちました。登山に行く度、彼女は常に唯一のフィリピン人、唯一の家政婦です。

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 普段の彼女は、香港在住の約35万人の外国人家政婦と同様、一日中雇い主の家の世話をします。一回海外登山する毎に、リザは1~2年の給料を費やします。しかし彼女にとって重要なのは金でもステイタスでもなく、さらに彼方をめざすことです。

 現在、彼女は少し名前が知られ、登山の援助を希望する人がいるとしても、彼女は支援を受けず、支援金をすべてフィリピン人家政婦組織の支援金として寄付してもらっています。彼女は登山することによって、フィリピン人家政婦達へのイメージを変えたいと考えています。

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 香港では法律により、外国人家政婦は雇用主の家に住所を定めます。リザの仕事は週6日、毎朝8時に雇用主Juliet(右)の子供を学校に送り、それから家事をこなし、夜は子供を寝付かせ、1日の仕事が終わります。


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 日曜日は外国人家政婦唯一の休日です。彼女たちはいつも広場や公園に集い、故郷の食物を食べたり、チャット、家族とFaceTimeで話したり・・・これが彼女たちの休日の過ごし方です。

 香港に来て初めの数年、リザは広場の上に座っていましたが、彼女はその環境が好きになれませんでした。とても騒がしく、その上見知らぬ他人が彼女たちの写真を撮っていきました。

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 2006年のとある日曜日、とても暑かったのでリザは図書館へ涼みに行きました。そこで一冊の香港登山ガイドブックを読み、彼女は山登りを始めました。

 最初の山登りは雇用主の家の近くにある「黄泥涌」でした。彼女は高いところから香港を眺めることを経験し、かつて感じたことのない美しさ、リラックスした気分を味わいました。それから日曜日ごとに、リザ山登りに行きました。

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 当時の雇用主がリザに香港の登山グループを紹介してくれました。会員に自己紹介する時、皆の職業は金融業のホワイトカラー、医者や教師で、リザは長い時間をかけてコンプレックスを克服しました。

 山友達はリザが道を覚える能力に長けていることを見出し、時にはリザが引率者の役目を果たしました。1度、登山に参加した外国人女性がフィリピン人家政婦の引率と知り、リザの能力を疑いとても戸惑いました。しかし見事な引率登山で事実を証明し、最後には外国人女性はリザにビールを奢ってくれました。

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 香港の外国人家政婦の最低賃金は毎月4310HKドル(訳者注・日本円で約62600円)です。外国人家政婦のほとんどは女性で、彼女たちは香港に来て普通1つの目的しかありません。生活を切り詰め仕送りし、家族の暮らしを良くすることです。リザの初めの数年もそうでした。

 しかしリザの結婚生活は幸福ではなく、不公平感を感じ始めていました。
「夫は仕事も探さず、月末に私の仕送りを待ち、私にどんな生活をしているのかたずねることもない。」
 リザはもう家に仕送りしないこと、家に帰らないことを決心し、稼いだ給与のほとんどを登山につぎ込みました。

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 香港には40以上のハイキングコースがあり、リザはとても親しんでいます。彼女はもはや卑屈でなく、家政婦であることを堂々と言うことが出来ます。

 一昼夜をかけて100キロにおよぶウォーキングイベントを完走した後、彼女は右手首にトンボ、サンスクリット語で「今をつかみ、この瞬間を掴む」という最初のタトゥーを入墨した。 リザは言う、「トンボは半年しか生きられないが、全力で生きる」

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 リザはずっとヒマラヤ山脈にあこがれていましたが、彼女はこれまで雪を見たことがありませんでした。更に雪の上を歩いたこともありません。2014年、彼女はまず日本をめざし、一度雪山を登ることを決意します。

 領事館では、リザが初めて日本を旅行する外国人家政婦でした。そのためビザの取得には多くの書類が必要でしたが、2週間待たされ、ついには領事館に電話して彼女はビザの取得がかないました。

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 彼女は連続して13時間登り続け、3189mの日本第5位の槍ヶ岳に登りました。

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 2015年5月、リザは2年かけて給与を貯め、初めてのヒマラヤ山脈を目指しました。6189mのアイランドピーク登頂を計画し、彼女は友達に登山装備を借り、自身は靴とアイゼン、防寒着をそろえました。

 氷河に囲まれたエベレスト峰の南側、アイランドピーク。5087mのエベレストBCに到着した後、リザは50度以上の急斜面を4時間登り続けましたが、アンダーウェアの品質が不良で汗が排出されず、服が濡れてしまい、リザは風邪をひいてしまい、進むことができませんでした。

 断念したとき、2年間かけて貯めたお金のことを思い涙があふれましたが、彼女は再び来ようと考えました。

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 ガイドは彼女に対して、本当にアイランドピークに登りたいなら、少なくとも週3回以上山に登ることが必要とアドバイスしました。

 リザは、月曜から土曜まで一日中働き、夜間にハイキングはできないと考え、雇用主の家の近くに21階建アパートを見つけ、15キロのダンベルを背負い、階段を登り続けている。

 初めは脚力が不十分で呼吸も乱れましたが、毎週3回は階段を登りに行き、少しずつ足どりと呼吸が楽になっていきました。

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 1年後の2016年、リザは再びヒマラヤ山脈に行き、今度はアイランドピークの5900mに到達、山頂まで200mまで迫りました。しかし目前に垂直の氷壁が立ちはだかり、リザの脚力ではよじ登ることができませんでした。
しかし彼女はそれでも自分の進歩を喜びました。

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 リザは自身にヒマラヤ山容のタトゥーを入れた。彼女はヒマラヤに戻り、いつか山頂に登ることができると言う。

 リザの話を聞き、彼女により良い支援をしたいとスポンサーの申し出もあったが、リザは登山2行くためにお金を節約したいと考えている。それは登山を楽しむためだ。彼女は本当に支援したいと考えるならば、フィリピン人家政婦を支援するNPOに寄付することをスポンサーにお願いしました。

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 2017年7月、アフリカ・キリマンジャロ山への旅に出発する前、フィリピン人家政婦の支援機関「The Help for Domestic Helpers」に依頼し、フィリピン人家政婦が自分の権利を守る方法・自分の資産を管理する方法を学ぶためのオンライン寄付プラットフォームを作った。

 タンザニアでは、リザは一日6時間から8時間かけて8日間登り続け、キリマンジャロ山5,895mに登頂、このように仲間のために募金を行いました。

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 リザはJuliet一家のために働き、すでに8年が経ちました。最近、10年間の契約を更新しました。 4歳と11歳の雇用主の子供たちは、リザがとても好きで、2人とも寝る前にリザを抱き締め、おやすみなさいを言います。

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 残念なことに、リザは自分の子供を15年間見たことがない。今は24歳の双子の男子です。リザは2人の子供の写真を1枚しか持っておらず、写真をしまい込んでいるが、もう見つからないかもしれない。

 フィリピンの家族は、彼女が非常に悪い母親であることを2人の息子に話し、彼女はそれを受け入れた。

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 リザは日曜日に雇用主の子供を連れて山に登った。たまに雇用主の子供を連れて香港の山に登るが、彼女は2人の息子とヒマラヤやキリマンジャロの話をする機会は、ありません。

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 息子達が彼女がやってきたことを少しでも誇りに思い、そしていつか再び出会えることを、願っています。

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以上引用おわり

 私はどうにも「高所遠足」という言い方が好きではない。
 高峰を目指す以上、一人一人の「思い」というものがあるからだ。

 金にモノを言わせて「七大陸日本人最年少」とやらでメディアに祭り上げられる小娘がいる一方、地道に給与を貯め、スポンサーの申し出は仲間たちコミュニティ改善の寄付にまわし、コツコツと自分の夢を実現させていく人もいます。

 この記事で取り上げられているフィリピン人家政婦リザ・アベリノ(Liza Avelino)はTEDx(TEDのフランチャイズ形式の地方版)にも出演し、そこそこ名前も知られるようになりましたが、今も家政婦として地道に働き、地道にトレーニングし、次の目標を目指しているようです。
 彼女の姿をとりあげた動画がこちらです。↓

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門松とマシュマロ

 山形県朝日少年自然の家主催 『クリスマスリースと門松づくり』 にサポーター参加。

 昨日まで、石綿が高濃度に漂う閉ざされた空間の中で工事作業。
 にぎやかな子供達に囲まれていると、精神的に生き返る思い。

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今回の私は門松作り班のお手伝い。

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ベースとなる空き缶に畳表を巻いていきます。

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今回のプログラムにサポーターとして参加するにあたり、事前に「門松のいわれ」、「門松の飾る時期」、「処分方法」、などなど事前に調べてきたのだが・・・・

私、『男結び』ができませんでした(;д;)

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講師の先生からも「ん~これ違うな~」と結び直される、私の男結び。

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なんとか『男結び』をクリアして、竹の飾り付け。この後はナンテン代用のツルウメモドキ、松を飾り付け、水引を結びつけて完成です。

館内で昼食。
私は早めに昼食を済ませ、「マシュマロ焼き」の会場へ直行。

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早めに会場に行き、さっそくマシュマロを焼いて食堂の子供達にアピール。

まもなく、ぞろぞろと子供達がやってきました。
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職員の方がコストコで仕入れてきた巨大マシュマロ、子供達に大人気。

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サポーター仲間で元職員の井上さんとも話ましたが、「やっぱり食べ物のプログラムって盛り上がりますね」
今日は親子参加が多かったのですが、焼きマシュマロとお子さんをスマホで撮影する保護者の皆さんが多い。

本日も多くの参加者の笑顔にほっとする思いでした。
職員・スタッフ、サポーター仲間の皆様、お疲れ様でした。

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筆者作成の門松。
これを飾る頃には、気が遠くなりそうな現場作業も終わっている頃だろうか。

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ミック・ファウラー、癌闘病を告白

イギリスのミック・ファウラーが癌と診断され、闘病の様子をバーグハウス公式ウェブサイトで告白しました。

A PERSONAL UPDATE – WHY THE MICK AND VIC REUNION-2 WAS DELAYED – MICK FOWLER by berghaus 2017.12.5

Mick
10日間、自身の身体にチューブを挿入され、化学療法に挑んでいるミック・ファウラー (Photo by Mick Fowler)

兆候は自身の大便の色がおかしいと思いつつ放っておいたところ、奥様にも診察を勧められ、内視鏡検査の結果、癌を告知されたとのことです。

現在は本人が画像を公開している化学療法の他、放射線療法も進めているとのこと。

ジェフ・ロウの場合もそうですが、なにゆえ神は真のアルピニストに病魔という試練を与えるのか。
死よ、驕るなかれ。

ミック・ファウラー氏の全快を心よりお祈り致します。

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2017年 ピオレドール・ロシアおよびクリスタルピーク賞ノミネート

ロシアおよび旧ソ連圏のクライマーによる素晴らしいクライミングに贈られるピオレドール・ロシア(ロシア山岳連盟選定)、クリスタルピーク賞(ロシアの山岳誌選定)のノミネートチームが先日発表されました。
今年は次のチームが選ばれています。

●トランゴ・ネームレスタワー6237m 南西壁「Claire de Lune」(1999年スイス隊開拓)ルート登攀 2017年7月15日~22日 ルート長1620m 6B VI A4 コンスタンチン・マルケビッチ、ドミトリー・スコトニコフ、アレクセイ・クロシュキン
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登攀の様子

●カナダ マウント・アスガード2011m 北西壁「ラタトスク」ルート開拓 6B ルート長1265m ドミトリー・ゴロフチェンコ、セルゲイ・ニーロフ
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ルートを伸ばすセルゲイ・ニーロフ
ルート名の「ラタトスク」は北欧神話に出てくるリスのこと。天と地を駆け巡るイメージで命名したそうです。
セルゲイ・ニーロフのコメントでは、アスガード登攀を思いついたきっかけの一つとして、レオ・ホールディングの動画に影響されたとのこと。ネット動画の影響力は小さくないですね。

●中国・四川省 Kamailong 東面 「アムステルダムへの道」開拓 6A~6B ルート長970m マリナ・コプティバ、ガリーナ・シビトーク 
Cp2

C22
しばらく大きな遠征をひかえていたマリナ・コプティバ、ガリーナ・シビトークでしたが、女性クライマーのための遠征助成金を受け、中村保氏著作の地図集からヒントを得て今回の遠征を決めました。いつものパートナーであるアナスタシア・ぺトロワは残念ながら山麓で体調不良となり2人での登攀となりました。

●サバ峰5300m北壁冬季登攀 2017年1月10~15日 1600m コンスタンチン・マルケビッチ、ドミトリー・スコトニコフ、アレクサンドル・パルフェノフ
Cp5

●プンギ6538m南東壁 初登攀 ユーリ・コシェレンコ、アレクセイ・ロウチンスキー
Cp12

C32
登攀の様子

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以上の5チームはビオレドール・ロシアにノミネートされているチームです。
同時に、これら5チームはクリスタルピーク賞にも重複してノミネートされています。

次にクリスタルピーク賞にノミネートされている他隊を紹介します。

●ハンテングリ・ポベーダ 冬季連続登頂 2017年1月~2月 セルゲイ・セリベルストフ、アレクセイ・ウサートフ、セミョーノフ・ドベルニチェンコ、ミハイル・ダニーキン
Cp3

●ノルウェー・ロフォーテン 2017年7月20~22日「北極のオデッセイ」 ドミトリー・パーノフ、アンドレイ・パーノフ、アナール・ジミーロフ 6A A3 950m
Cp4

●ケニア山5188m東壁北東バットレス 2017年9月30日~10月3日「ボストーク(東)」ルート開拓 5B 630m アレクサンドル・ユーリキン、アレクセイ・オフチニコフ、セルゲイ・グルジー
Cp6

●チャパエフ峰6371m 南西壁新ルート「チェッカー(サーベル)」 IV、4、AI 90、M4 デニス・ウルブコ、マリア・カルデリ
Cp7

●東サヤン山脈 無名峰「トロイ」ルート開拓 2017年7月11日 5A 550m
Cp8

●グレート・トランゴ「インシャラ」開拓 2017年7月9日~23日 6B 1850m イゴール・スツダルツェフ、イワン・テメレフ、アントン・カシェフニク
Cp9

●ポベーダ峰~ヴァジャ・プシャヴェラ峰縦走 2017年8月3日~8月10日 アレクサンドル・パルフィオノフ、アントン・レズネフ、アレクセイ・シュカレフ、ワデム・カーリキン
Cp11

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以上がクリスタルピーク賞にノミネートされているチームです。

ピオレドール・ロシアは12月2日、ロシア山岳連盟の審査員によって結果が発表される予定です。

クリスタルピーク賞は12月9日に結果が発表予定です。
こちらは審査員投票の他に今年も一般投票が予定されており、
Sen
私も2票の投票権持ってますので、よーく考えて投票してみます。

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