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故・遠藤博隆氏を見送る

西川山岳会の重鎮・遠藤博隆氏の葬儀に参列。

関東・東北ではその名がとどろくアルパインクライマー遠藤さんだが、当ブログをご覧のハイカーの皆様には、朝日連峰・竜門小屋の名物管理人と書いた方がわかりやすいだろうか。

先日の寒波で猛吹雪の夜、1人で国道を運転している最中に、突然の訃報を受け取る。
難病・肺線維症による急逝だった。

葬儀はご遺族遠藤家と西川山岳会の合同葬として執り行われ、遠藤さんの人柄を偲んで多数の山岳関係者が集っていた。
葬儀開始前の会場には、遠藤さんがガイド役を務めたテレビ番組「日本百名山」のVTRが流され、視聴する。

以前のブログでも書いた
が、遠藤さんは登山のために会社は絶対休まない、という方針を貫いた方だった。

ちょうど私がガイド資格を取得する前、自身の会社員ととしての能力にも疑問を抱いていた頃に遠藤さんと話をしたので、とても印象に残っていた。

鎌倉山のゲレンデや仙人沢のアイスに連れて行ってもらったが、私はクライミングは下手っぴなので、遠藤さんも随分あきれていたに違いない。

そんな私でも、ガイドで竜門小屋に立ち寄ると、

「よっ、大滝くん、久しぶり!」

と、いつもの滑舌のいい通る声で声を掛けてくれるのだった。

葬儀では、友人代表として西川山岳会事務局・佐藤さんの挨拶が涙なしには聴けなかった。
エベレスト壮行会で佐藤さんと話を交わしたとき、随分と遠藤さんのことを気遣っておられた。
遠藤さんの周囲には、いい仲間が集まるのだなあ、と思った。

Img_2601
葬儀会場を後にして、雨まじりの寒い夕暮れを家に向かう。

頭の中では、Tristeria の『 Sisyphus 』が何度も頭の中を流れていた。

ギリシャ神話のシシュホスの如く、幾度も苦しい思いをして登攀し、尾根を登り、下るを繰り返す者たちが集った今日の会場。
シシュホスと違うのは、そこに喜びがあり、仲間がいるということだ。

竜門小屋管理人の遠藤さん、安らかに。

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