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鬼やらい(追儺式) 山形県酒田市 八幡神社

6日、午前3時に家を出て酒田市に向かう。
酒田市(旧・八幡町)八幡神社は、静寂の中だった。

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6時20分、人の気配を察して駐車した車から出る。
月明かりの下、神社前でかがり火を焚いている男性がいたので「鬼やらい」行事の開始時刻をうかがう。
「6時半頃には始まりますよ」

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早朝の八幡神社。
6時半、中に入らせていただく。

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ここ八幡神社の「鬼やらい」は、「ねじり木」と呼ばれる棒をひたすら床板に叩きつけ、厄払い、祈願成就を願うという行事だ。
その単純な動作の行事は、200年以上の歴史をもつ行事である。

誰かが音頭をとるわけでもなく、6時半、お社内に入ってきた方がめいめいに「ねじり木」を叩き始めた。
「やっせいがだ、やっせいがだ、やっせいがだ・・・・」
という掛け声とともに、ひたすらねじり木を叩きつける。

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「ねじり木」 長さは1mほど。材質はナラ、栗、柳が用いられ、火であぶって曲げてJ字型にしている。

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参拝者は少しずつ増え、初めて参加するという一年生の女の子2人組も張り切って「やっせいがだ、やっせいがだ」と打ち付ける。

「鬼やらい」行事の様子はこちら↓

30分ほど経過した7時過ぎ、神主さんによる太鼓の音で神事が始まる。
参拝者皆さんは畳の上に正座。
神主さんの祝詞が読み上げられると、皆さんリハーサルでもしていたかのように、いっせいに低頭する。
老人から子供まで、畳に額をすりつけんばかりに低く、皆さん一斉に低頭する姿は普段からの厚い信仰、伝統ある年中行事であることをうかがわせる。
よそ者の私は、皆さんの姿をみてからワンテンポ遅れて頭を下げる。

祝詞が読み上げられ、あらかじめご祈祷を依頼していた方々による玉串奉奠。
儀式が終わり、神主さんによる「鬼やらい」の簡単な説明をふくむお話が続く。

「この寒い中、棒を打ち付けることで身体が温まり、自分の中の鬼を追い出す」
「みなさんの祈願成就をお祈り致します」

祈願成就。
ご家族連れの参拝者の方々の間で神主さんのお話を聞くうちに、

「本当の幸せって、自分の祈願ってなんだろう」

と、我ながら殊勝なことを考え始める。
昨年は不幸(葬儀)が続いたので、家族・仲間に健康に過ごしてもらいたい。いつも神社参拝だと「ボーナス増えますように」とか祈ったりするのだが、今日、この雰囲気の中で、なぜか家族・仲間たちの健康を祈らずにはいられなかった。

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「鬼やらい」ねじり木の打ち付けが終わったお社内。
激しく叩きつけるため、飛び散った生木、荒縄が散乱している。生木の青臭い香りが漂う。
古老の話によれば、昔は神社の土間を叩きつけていたという。それが神社の床板になり、床板の痛みが激しくなって現在の特設の「叩き板」になったという。その証拠に、床板をよく見ると無数の傷がついている。

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7時30分、神事が終わり、解散。
参拝者には御神酒、御護符であるワラビ、丸餅がふるまわれる。
ワラビは「七草粥」に入れて下さいとのこと。

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お社から出ると、もうすっかり日が昇っている。お孫さんを連れた参拝者が挨拶しながら帰っていく。

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いただいた御護符のワラビと丸餅。

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ワラビは翌日、納豆汁の具にして食べました。(我が家では七草粥を食べる習慣は無く、毎年納豆汁を食べます。)

ブログをご覧の皆さんにとって、今年も良い年でありますように。

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