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日本のメディアが報じない平昌五輪アイスクライミング競技のゴタゴタ

結論から書きますと、平昌冬季五輪におけるアイスクライミング競技開催は未だ「はっきりしない」模様です。

 既に当ブログ1月12日記事で韓国・月刊『山』誌の記事を引用して競技催行に言及しましたが、月刊『山』誌の記事は12月20日現在の動向、その後に大韓山岳連盟が方針を変えたようです。
 関係者の方を混乱させた可能性がありますので、お詫び申し上げます。

1月17日付「東京新聞」において八木名恵選手および東京新聞記者が公開競技は行われない事に言及していますが、その内幕を韓国の毎日新聞(韓国・大邱市の地方紙、日本の毎日新聞社とは無関係)が報じています。

平昌アイスクライミング競技霧散・・・青松W杯シリーズに冷たい風 by 毎日新聞(韓国) 2018.1.4

以下記事引用開始
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山岳連盟、予算の問題でキャンセル・・・選手達の嘆願書の提出など反発

 2月に平昌冬季五輪でのショーケース(オープン戦)開催予定のアイスクライミング競技が失敗に終わり大きな波紋が予想される。

 イベントを主催する大韓山岳連盟が、財政上の問題でイベント放棄の意思を最近になって国際山岳連盟に伝達し、この内容がオリンピック組織委に伝えられたことが分かった。

 大韓山岳連盟側は「平昌冬季五輪のアイスクライミングのデモのために設営する人工氷壁など約5億ウォンの予算がかかり連盟で負担しきれない規模」とイベントのキャンセル経緯を明らかにした。

 先にこの事情を察した青松郡は、現在青松氷谷アイスクライミングセンター前に設置された人工氷壁を無償で貸与すると提案した。 構造物等を無償で借りても解体しての輸送、再建設にかかる費用が1億ウォンを超えると予想され、連盟はこの提案も放棄した形だ。

 平昌冬季五輪の公開競技開催白紙によって、アイスクライミングをオリンピックの正式種目に推進しようという計画に大きな支障をきたすことになった。
 国際山岳連盟は過去2014年にロシア・ソチ冬季五輪の際、初めてアイスクライミング公開競技を披露した。当時の青松郡もアイスクライミングW杯開催地としてソチと共にアイスクライミングの広報に貢献した。 国際連盟は平昌冬季五輪の公開競技を経て、2022年の北京オリンピックで正式種目に採択という計画を立て、積極的な活動を進めていた。
 実際に、韓国で創始されグローバル化された国際公認スポーツである「テコンドー」も、1988年のソウルオリンピックに初めて公開競技に採用されてから、1992年のバルセロナ五輪の公開競技を経て、2000年のシドニーオリンピックから正式種目に採択された先例がある。

 アイスクライミング公開競技のキャンセルが報じられ、大きな波紋も予想される。
 まず、選手たちが大きく反発している。毎年2月のW杯シリーズが開催される期間なのに、同時期に計画された平昌冬季五輪公開競技のために別々にスケジュールを組んで練習してきたからだ。選手たちは嘆願書を提出するなど、大きく動揺している。
 青松郡もオリンピック公開競技によるハロー効果を狙っていたが、開催取消決定によって同月開催されるW杯開催に悪影響を与えないか懸念している。

 これまで冬季五輪で韓国にもう一つの金メダルをもたらす種目と評価されていた国内の選手たちとファンも失望している。 昨年1月に青松で開かれた2017アイスクライミングW杯で大韓民国代表のパク・フィヨン(35歳 ノースフェイスクライミングチーム)選手、ソン・ハンナレ(25歳 アイダークライミングチーム)選手がリード部門で男女そろって優勝するなど、韓国選手たちの世界最高の技量が知られているからである。国内のアイスクライミング選手は、「ロシアのソチ五輪の時も小規模で公開競技が運営されたし、多くの予算が負担であれば規模を縮小してでも開催することが正しいと思う。予算が問題ではなく、連盟の意志が問題のようだ」と非難した。

 ギム・ジョンギル大韓山岳連盟会長は「別のスポンサーなどを調べて各所で努力したが、良い結果を得られなかった。内部的には公開競技のキャンセルが決定されたが、それでもオリンピック開幕まで方法を模索するつもりだ」と述べた。

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以上引用おわり

続く1月19日、同じ韓国・毎日新聞社が記者コラムの中で、今回のアイスクライミング公開競技開催に関する内幕を明かしています。

【記者ノート】山岳連盟内紛にアイスクライミングは後回し by 毎日新聞(韓国) 2018.1.19

以下引用開始
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 大韓国山岳連盟(以下連盟と略)が、来月開催される平昌冬季五輪期間中のアイスクライミング公開競技を開催するかどうかを巡って内紛が続いている。

 当初、連盟は競技場の建設などの予算を確保できず、イベントを放棄した(本紙4日付10面の報道)。しかし、アイスクライミングの選手たちが、これに反対する集団声明を出し、アイスクライミングがオリンピック正式種目採択を願うファンまで連盟の決定を非難し、公開競技再開の議論を再燃させた。

 結局連盟は5日に公開競技推進委員会を立ち上げ、公式ホームページを通じてボランティア募集を掲げ、8日には公開競技施設の建設に関する提案募集の発表を出し公開競技準備を主張した。

 一段落したとみられるこの問題に、最近再び水面上に問題が浮上している。連盟の予算、日程を巡って内紛が続いているからだ。

 匿名希望のある連盟会員は、「公開競技が失敗に終わったら、現会長の立場も揺らぐために発表などを公開して体裁だけ整えようということだ。公開競技を開催するには少なくとも1億ウォンがかかるが、この予算も確定していないし開催日すら決まっていない状態」と話す。

 一方、公開競技を準備する連盟関係者の言葉は違った。むしろ、幾人かの連盟会員から公開競技の進行を妨害されていると主張した。

 連盟のある関係者は、「公開競技の進行を妨害しようという一部会員がいます。大企業に公開競技関連のスポンサーをお願いしたが、これを再びご破算にしてしまうなど、公開競技開催計画に関してあらゆる雑音を外部に流されて苦労している」と訴える。

 連盟の今回の問題は、単に公開競技が成功するかどうかを離れ、大韓山岳連盟内部の「派閥争い」と指摘する人もいる。
 イ・インジョン アジア山岳連盟会長が11年間にわたり連盟を率い、後任のキム・ジョンギル会長が2016年からバトンを譲り受けた。 この過程の人事で「不協和音」が生じ、公開競技開催にまで火の粉が飛び散っているという分析だ。

 連盟会員はそれぞれの胸にシンボルを着用する。このシンボルは、11個のエーデルワイス文様が描かれている。朝鮮統一を念願する南北の11地方を象徴する。最近の連盟の会員の胸には、このシンボルが見られなくなっている。
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以上引用おわり

というわけで、アイスクライミング公開競技開催のゴタゴタの陰に、大韓山岳連盟の内部事情が絡んでいるという韓国・毎日新聞の分析です。

日本のメディアでは連日、南北統一チームによる韓国女子アイスホッケーチームの惨状、そして韓国首相が吐いた「女子ホッケーはメダルに遠い」発言が報じられています。
今回の報道を読む限りでは、韓国が世界に誇る実力を持つアイスクライミング競技の芽を、自らの手で摘み取ってしまっている現実が見えます。

もうすでに平壌あいや、平昌五輪まで時間が無い状態ですが、アイスクライミング公開競技を巡る混乱は日本、韓国いずれのクライマーにとっても不幸な状態といえるでしょう。

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